犬のトラウマをめぐって
我が家には犬2匹と猫1匹がいます。
みな人間並みなので5人家族と思っています。
最後に来たのがオスの、当時2歳ぐらいの犬で名前はThumper(サンパー)。今、3歳。
はじめ、Thumperがどういう意味かよくわからず、女房がRyuと名づけようとしましたが、この犬は全然名前を覚えようとせず、Thumperとよんでも知らん顔をしているので、Animal Shelter で勝手につけた名前だったのかも知れないと思いました。しかし、Ryuもアメリカ人には発音しにくい、ややこしい名前らしいので、しばらくしてShelterで付いていた名前Thumperに戻しました。
わたしがRomantic Suspense を読んでいて、その中で Bambi & Thumper というのに出会ったのです。それで、Internetで調べてみると、Thumperは子鹿のBambiの友達のうさぎで、左足で拍子を取るようにThumpingする、つまり足をばたばたさせているので、Thumper とついたのが名前の由来だとわかりました。ともかく、バンビの友達のうさぎの名前ならThumperも悪くないということで、もとのThumperになりました。しかし、この犬は名前で呼ばれたことが無かったのか、いつまでたっても名前を覚えないようです。かえって、もう1匹の犬、Hanaをひがむのか、Hanaと呼ぶと、自分がやってきたりします。
去年の5月にAnimal Shelter から引き取りました。
犬1匹、猫1匹でも世話は大変なのですが、もう1匹の犬Hanaが朝の散歩と食事の後、ひとりぼっちでソファーで寝てばかりいるので、女房が遊び相手が必要だと判断し、Shelterに何度か探しに行きました。大きいのはダメ、小さいのもダメ、今のHanaよりホンの少し大きいぐらいという難しい注文でしたが、まあ、なんとかこれがいいということで、引き取ったのがThumperです。
このThumperはOwnerが家を出て行くときに、そのまま捨ててしまったらしく、Shelterの係りの人がPick Up したようでした。Ownerに捨てられるという厳しい状況下、今度はAnimal Shelterの係りにつかまるという体験が多分、この犬のトラウマになっているのだと私は思います。
紐につないで散歩に出ると、外が怖いのか、緊張のしつづけです。我が家ほど安全なところがないということをよく知っているようです。はじめてHanaと一緒に外を歩いたとき、反対側の角へJoggingで走ってくる人を見て、自分を捕まえに来たと思ったのか、パニックにおちいってしまいました。早く帰ろうと逃げるようにします。紐をひっぱって、わたしのそばについて歩くようにして、ショート・コースを一周しましたが、その間、緊張するばかりで、リラックスするどころではありませんでした。ふつう、オスの犬はオシッコをあちこちに振りかけたり、においをかいでまわるはずですが、それどころではないのです。
最初はHana と一緒に散歩しようとしていましたが、なにしろ歩くテンポがちがい、HanaはNo Leashでぶらぶらとのんびり歩き、Thumperは恐怖から逃れようとするみたいに紐を引っ張って歩こうとするので、ときには犬と犬との距離が50メートル以上あいたりしました。
そして、あるとき、ほとんど犬さらいに遭いかけました。Dogknapperです。道路の反対側にとまっていたクルマが急にU-turnし、Hanaがのんびり歩いている横にとまりました。Hanaはまた別な機会にお話しますが、子供や人が好きで、誰にでも愛想がよいのです。自分は犬が嫌いだといっている女性にまで、おしっぽをふって近寄っていくので、もうすこし人を見る目を養えとしかったりしますが、ともかく、人が大好きです。それで、そのクルマから女性が降りて、Hanaに近寄っていくと、Hanaはよろこんで近づいていきました。そして、その女性が首輪のあたりをチェックしているので、何をしているのかなと思ったら、いきなりHanaを抱いて、クルマに戻ろうとしました。わたしはひも付きのThumperのために、30メートルほどHanaとは離れていました。そして時々、ちゃんと付いてきているのを確かめていたのです。そして、丁度、その女性がHanaをかかえてクルマにもどろうとするのを見つけたため、声を上げて、名前を呼び、待ってー!と叫びました。ほんの一瞬の違いで、クルマに乗り込んでいたら、もう手遅れだったでしょう。その女性はわたしが走ってかけよったので、Stray dogだと思った、捨て犬だと思ったといって、Hanaを放し、クルマにもどりました。その女性はわたしが犬2匹を連れているのをちゃんと見ているので、Stray Dog などでないのはわかっていました。それに、なによりも、みごとな、かわいく、きれいな犬なのです。誰が見てもとびつくほどにかわいい、目のパッチリした犬で、誉めない人は居ないほどです。ともかく、私にとっては恐ろしい体験、それこそ、私のトラウマになりかねない体験でした。
それで、この事件の後は、Hanaだけを散歩させ、Thumperは庭に残していました。歩くテンポの違う2匹を一緒に連れてあるき、Dogknapperに襲われるのはこりごりと思ったのです。
それがしばらく続きました。
このあと、続きます。
写真をご覧にいれます。
村田茂太郎 2012年3月9日
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