Ｌｏｓ Ａｎｇｅｌｅｓ の Ｓａｎ Ｆｅｒｎａｎｄｏ Ｖａｌｌｅｙ にある Ｂａｌｂｏａ Ｐａｒｋ では、毎年、２月末ごろから３月、４月にかけて、Ｂａｌｂｏａ Ｌａｋｅ 周辺にうわってある何百本かの桜の木がみごとな八重桜をさかせます。
わたしはこのＢａｌｂｏａ Ｐａｒｋには、ある時期、毎週、犬を連れて散歩にいったものでした。
公園にはＬａｋｅの周囲を歩いている人やＪｏｇｇｉｎｇしているひと、犬を散歩させているひとなど、様々なひとが集いますが、比較的広大なＰａｒｋなので、のんびりと過ごすことが可能です。
桜の季節でなくても、冬には渡り鳥がいっぱいＬａｋｅを訪問し、本当に大事な市民の休憩場所となっています。
犬を連れてＬａｋｅのまわりを歩くと、約４０分。丁度、よい散歩になります。
桜はＬａｋｅの周りだけでなく、入り口周辺にも植わっていて、桜の時期は楽しみのひとつで、いつごろが最高かと、時には毎日のように訪れたこともありました。
ここに添付するのは今年の写真ではありません。
この２－３年、気がついたことですが、どうも桜の木に元気が無く、枯れていくのが目立ち始めたのです。一体どうしたのだろうと気になっていましたが、最近、盆栽クラブでメンバーたちが話あっているのを横で聞いていて、なるほどとわかりました。この盆栽クラブにはガーデナーを職業にしている人が何人かおり、ガーデナーでなくても庭の手入れ、Ｐｌａｎｔの手入れに詳しい人も多く、私は何時も何かを学ばせてもらっています。
やはり、Ｂａｌｂｏａ Ｐａｒｋ の桜が枯れてきているという話で、どうやらその原因は、雑草を殺すＳｐｒａｙを木の周りや根元にむちゃむちゃに沢山ふりかけているということで、あれでは水をやると毒を根のところにまいているようなもので、かれていくのは当然だというのです。つまり、雑草のはっぱに軽くＳｐｒａｙするだけで充分なのに、Ｃｉｔｙ Ｗｏｒｋ でＳｐｒａｙをいくら使ってもよいと思うのか、これでもかというほどに撒き散らすので、雑草とりの農薬で桜の木が枯れていっているというお話でした。そして、何も知らない Ｃｉｔｙ Ｗｏｒｋｅｒ にまかせていて、これはおかしい、どうしてよく知ったひとがＳｕｐｅｒｖｉｓｅして、指導しないのかということで、わたしも、もしそういうことで、大事な桜が枯れていくのなら、Ｓｐｒａｙするひとに、ひととおりの教育を施して、めちゃめちゃにタダＳｐｒａｙすればよいというのではないことを学んでもらわねばならないと思います。
それよりも、アメリカではゴルフのせいで、雑草を気にして、タンポポがきれいに咲いていても、すぐに抜き取るようになっていますが、植物環境論からいくと、雑草はそれなりに役割をはたしているので、雑草をすぐにぬいてしまうと、いつまでもまわりの木が丈夫に育たないとかといわれます。
ソデ群落とかマント群落とかいわれる言葉があり、それぞれがいわば怪我をした皮膚にかさぶたが出来て徐々に傷が治るように、自然もまずソデ群落、そのつぎにマント群落という具合に目的の木の周りに、その土壌をＰｒｏｔｅｃｔするような雑草類がしげって、やっと安定した土壌になってゆき、本格的な木がしげる準備が整うのにたいして、きたないからといつも取り去っていれば、丁度、かさぶたを直りきらないままに取り払うようなもので、何時までもひ弱な状態が続くと、ある植物環境学者が書いているのを読んだことがあります。
タンポポなどは、ゴルフが１９世紀から発達するまでは、薬草の中でももっとも重宝がられていたものです。タンポポのすべてが食用になり、Ｈｅｒｂとして健康管理に役立っていたのが、ゴルフが盛んになり出して、ゴルフ場を芝生だけのきれいな状態にしておくということで、タンポポは目立った雑草という事になったようです。タンポポといえども一面に咲いている状態は見事なものです。
従って、雑草だといって、農薬散布で雑草だけでなく本体の木まで殺してしまうようなばかげたことはしないで、雑草もある程度は自然環境に役立っているということを知った上で、火事にならないようにとか、もう少し、細かい管理がなされなければなりません。
Ｂａｌｂｏａ Ｐａｒｋ の桜はだいたい３月１０日前後にきれいに咲きますが、寒かったりして、遅れたり、２月のはじめから咲き出したりと不規則です。あるときは４月はじめでも咲いていたり、あるときは３月中ごろで盛りはすぎたりということをみてきました。従って、本当に最高の時期に訪問しようと思えば、Ｉｎｔｅｒｎｅｔでしらべるか、管理事務所に訊かねばなりません。Ｐａｒｋは無料で週末は団体のピクニックでにぎわいますが、広いので気になりません。いろいろな散歩のコースが用意されていて、すばらしい公園だと思います。桜の木の管理だけは、もうすこし、専門家の意見を聞いて、まじめに取り組んで欲しいものです。
ここに添付する写真は２００８年３月ごろのもので、まだ元気に咲いていました。
村田茂太郎 ２０１２年３月２７日
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