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3/27/2012

コロラド汽車の旅 (その1)



コロラド汽車の旅 (その1)                                          



コロラドのDurango(デュランゴ)は私にとって何時も通過点であった。エルパソの会社ももう閉鎖しなければならないという様相が現実化しそうになって、私はエルパソからDurangoへの旅はこれが最後になるかもと思い、いつもいつかはと思いながら実現できなかったDurango-Silverton汽車の旅を実行する決心をした。



2005年7月の3日に汽車に乗る計画を立て、5月末にInternetでホテルの予約と汽車のチケット購入を済ませた。その旨、日本の友人に連絡するとすぐに返事が帰ってきた。日本からの飛行機のチケットの手配は済ませたから、自分も一緒に汽車旅行をするというものであった。私は翌日早速、Durangoの汽車の切符購入を一人から二人に変更する手続きをおこなった。



クルマでエルパソを朝に出発すれば夕方 Durango着となる。私は金曜日、Office を一時間早く引き上げ、二人ですぐに出発して、New Mexico Albuquerque(アルバカーキー)でいつものように一泊することにした。私たちはAlbuquerqueを通過するとき、いつもかならず一泊して、おいしい食事とIndian Casinoを楽しむことにしていた。コロラドへはAlbuquerqueを早朝出発するほうが行動には便利なので、夜、Albuquerqueのモーテルにチェックインした。7月1日のことである。



2日の日は、Durangoに向かって直行する代わりにAlbuquerque-Santa Fe-Espanola 経由まっすぐコロラドに入ることにした。すでに5月Memorial Day Holiday に私はコロラド旅行をひとりで実行し、新しいルートを開拓していた。

それは、ルート285を辿り、Espanola から Tres Piedras 経由 コロラドの Antonitoへまっすぐ抜ける道であった。州境の手前になだらかで美しい山があらわれる。これが海面からならそれほど高くない山だが、走っている地点がすでに2800メートルの高台なので、その山は3300メートルを越えていた。San Antonio Peak である。そして、コロラドに入り、Antonitoを抜けて Alamosa に至る。

Alamosa からルート160を東にとり、途中で150に入れば、目標はいわずと知れた Great Sand Dunes National Park である。アメリカ最大のSand Dunes がSan Luis Valleyに作られた。それは、比類ない砂丘であり、Rio Grande の流れが生み出したとは信じられないほどであるが、ものの書物によれば、15000年かけてできあがったといわれ、氷河期の産物で、このようなものは世界にも珍しいという。

クリントン大統領によってNational Monument から昇格し、その価値も一段と上がった。

私は雪解けの水がこの大砂丘の辺縁を流れる時期に訪れたいものだと思ってMemorialDayの時に訪問し、確かに、雪解け水がMedano River (メダノ リバー)となって大砂丘のふちを流れているのを確認した。Fourth July の頃にも未だ水が流れているかという関心も手伝って、そして、友人に未知の地を紹介したいという気持ちがあって、この Great Sand Dunes NP訪問となった。


Alamosaから Great Sand Dunes へは広大なSan Luis Valleyを横切る形となる。San Luis Valley は平均海抜2400メートルの高台に広がる広大な盆地で、100マイルと50マイルという広がりで、盆地としてはアメリカでは最大、世界でもOne Of The Largest といわれている。(Alps Valley としては世界最大だとか)。このドライな空間は El Paso, White Sands 周辺に親しんだ私には懐かしいような景色であった。そして、コロラド第四位の高峰 Blanca Peak が雲をまとってそびえている。14345 Feet (4360メートル)。その山のつらなりにKit Carson Peak や Mosca Peakがあり、Mount Herard 13297Feet(4049m)がそびえる、そのふもとに展開するのが Great Sand Dunes NPである。


San Luis Valley はドライな空間で、夕立などが演じる自然の生きた芸術を眺めるのにはすばらしい場所である。表面はドライであるが、Sangre De Cristo連峰から流れ入る水が地下水系として巨大なたくわえをもち、それが表面に泉が湧き出すようにしてあらわれたのが、Sand Dunes に接するようにして広がる San Luis Lake であり、一見ドライなこの地では貴重な存在なので、野鳥やワイルド ライフにオアシスを提供し、付近には Wild Life Refugee が2箇所設けられている。


Great Sand Dunes は高さ230メートルを超える砂丘を形成して、アメリカでは最大最高である。San Juan Mountains と Sangre De Crsisto Mountains という二つの4千メートル級の山脈に囲まれてドライな空間が作り出されていたところに、San Juan Mountainsから流れ出た土砂が Rio Grandeの流れによってSan Luis Valleyに堆積され、その土砂をSan Luis を吹き荒れる風が15000年をかけて山のふもとに運び上げ、Dunes化して今の状態になったという。Rio Grande はエルパソでは私のなじみの川であり、その源流を求めて2002年のFourth July には Lake Cityのほうまで旅をした。


Great Sand Dunes もそれだけなら魅力は半減であったといえる。しかし、たまたまこれが生まれたのが4千メートル級の山のふもとであったため、背後には森林と雪とツンドラの高山を控え、そのふもとから流れ出すMedano Riverが貴重な水源の役を果たして、付近一帯はWild Life の豊かな、変化にとんだ地域となっている。National Parkに昇格したのは正解であった。


私は長い間テキサスの西の端、エルパソに住んでいたので、New Mexicoにひろがる White Sands National Monument へは何十回となく訪問したものであった。ここもユニークで内陸に広がるGypsum Sand Dune としては文句なしに世界最大であるという。Gypsumは水に溶けるのでなかなか形成がむつかしいところであるが、そこがこのWhite Sandsのユニークさとなっている。このWhite Sands も広大なドライな空間に生み出されたもので、風の働きが最大の原因であるらしいが、このまわりもSan Andres MounainsBackgroundにして、その効果を引き立てる役目を果たしているが、なにぶんにもはるかかなたにあるのに対して、このGreat Sand Dunes のほうは、マジかの高い山のふもとに生み出されたので、周りには森林があり、うまく調和しているといえる。


Great Sand Dunes NP の自然はNaturalな美しさを示しているが、Yellowstone NP や Yosemite NP のような Majestic とか Magnificent とかいった特別のScenic Spotがあるといったものではない。私の影響でエルパソで自然に興味を持ち始め、できる限りのScenic Driving を実行した同僚は、私がGreat Sand Dunes に興味を示しているものだから、これはいかねばなるまいと思って家族で訪れたが、期待はずれに終わったそうであった。そうかもしれない。この自然の驚異を感じきれなかったら、なにをみてもつまらないと思うだろう。私はすでに四度このSand Dunes に足き運び、行くたびにもっと時間をかけて探訪したいものだと思ったもので、ヨセミテの有名なトンネル ビウのようなつもりで自然を見られてはたまったものではない。正直なところ、ヨセミテはいつも美しいが、人が多すぎて、Frederick Law Olmstedの嘆きがこだましているように感じるほどである。


ここの魅力はなんといってもその特異な環境から生まれる自然の多様さというものであろう。4千メートルのツンドラ帯から針葉樹、広葉樹、草原、荒野、湿原、砂漠性にいたるまでの適応環境の多様さは動物植物の多様さを保障するものであった。そしてそれが、指呼の間によこたわっているのである。


Great Sand Dunes National Park を見て、いったん、Alamosaに戻り、今度は Conejos River(コネホス川)沿いに Cumbres Toltec Scenic Railway(クンブレス トルテック) で有名なCumbres Pass のScenic Drive を走って、Chama に向かった。いったん、New Mexicoへ戻ったわけである。

Conejos River 沿いには清流のほかにAspenの茂みが豊かにつらなり、これは秋にはすばらしいだろうと想像することができた。あとで本で調べて、秋の この Conejos River沿いの黄葉はコロラドでも特筆に価するくらい見事であるということを確認した。


Cumbres Pass 周辺では丁度、同じほど有名な汽車がやってくるところに出会えた。この列車は3千メートルのところをNew MexicoColoradoで何回も州境をまたぎながら、Scenicな旅を続けるので有名で、DurangoSilvertonの汽車旅行が終われば次の課題になるはずであった。


魅力的なChamaの街ではこの汽車の車掌から乗れ乗れと誘われたが、私たちは予定があるので、Next Time といって分かれた。


ルート64から84にのりかえて、コロラドのPagosa Springsに入った。

そしてPagosa Springs から Durangoへは1時間のScenic なドライブである。

Pagosa Springs は温泉町として有名で、私は10年前からここの温泉につかりたいと思っていたが、この Memorial Day の訪問時に2泊して、やっと念願を果たすことができた。


Durangoの街へは夕方、まだ明るい間に予定通り到着した。

まず、翌日の汽車の出発場所を確かめ、レストランを探し、Durangoの町並みをあじわって、今日の一日が充実したものであったことを確認しあった。


コロラド汽車旅行 (その2) へ続く    村田茂太郎





















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