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11/30/2014

ブログ表紙写真ーその145回目 City of Rocks State Park, New Mexico USA

ブログ表紙写真ーその145回目 City of Rocks State Park, New Mexico USA

 New Mexico にある City of Rocks State Park は El Paso, Texas からは、北西の方向に約2時間のドライブ、Silver City からは、南東の方向に30分足らずのところにあり、近くにはPool Styleの本当のHot Springsもあります。これは有料ですが、1時間10ドル足らずだったように思います。温泉を訪問するのが好きになった私は City of Rocksでテント・キャンプするまえに、必ず、まず温泉につかって、リラックスしてからテントの用意をしたものでした。

 New Mexico全体がどこを訪れても火山活動のあとを見つけられるのですが、このCity of Rocksも火山活動の産物が風化されて、後まで残った部分が、岩が固まってCityのようにみえる形で残っているわけです。

 周りには何もなく、天体の観察には最高の場所で、あるときエルパソの知人とキャンプをしたとき、Milky Way天の川がくっきりとみえ、日本の都会ではほとんど無理だといって、非常に喜んでくれました。

 わたしはここでテント・キャンプをするのが好きで、何度もひとりでテントをはりました。

 典型的な Southwest の風景であり、 State Park の中はよく管理されていて、テント・キャンプのほかにRVの施設もあり、それぞれある程度離れているので安心してキャンプできるすばらしいところでした。一度、アリゾナのPenalleno Mountainsの2900メートルの地点でキャンプしたときは、夕方には誰も居なくなって、熊が頻繁に出没するというサインをみながら、私一人が、こわごわテント・キャンプをした思い出があり、ある程度、指呼の間に誰かがキャンプしているというのは安心でき、いいことなのだと思ったものでした。 逆に、立派な RV で Gneneratorを稼動して夜10時の消灯時間まで騒がしい音を立てていた例もあり、せっかくの山の中のせせらぎの近くのすばらしいキャンプ場に居ながら、自然の静寂を味わえない文明の利器の利用者を腹立たしく思ったこともあり、自然のなかでキャンプするのもなかなかむつかしいものだと感じたものです。その点、この City of Rocks はわたしにはすばらしいキャンプ場で、10回以上利用したのも当然でした。いつか、Sentimental Journey をするときには、ここも訪れてみたいものです。


村田茂太郎 2014年11月30日

City of Rocks State Park, New Mexico 夜景






City of Rocks 似向かって



正面に見える山は Cook's Peak 海抜約2500メートル、 Indianたちの展望台であったとか。



State Parkは入園料が必要で、トイレも水道もシャワーもあります。一泊は10ドルほど (2005年ごろ)。






11/28/2014

Nicholas Sparks 「The Choice」を読む


Nicholas Sparks 「The Choice」を読む

 これはとても面白い、魅力的なLove Storyであった。わたしは読み出して、翌日には読了した。沢山並行して読んでいるので、ほかの本も同時に読み終わった。

 この小説もNorth CarolinaBeaufortという人口4千人の小さな町を舞台にしたLove Storyである。

 海沿いの小さな町に生活する魅力がこれを読むとよく伝わってくる。

 Travis Parkerという30歳を過ぎた男性が、隣に引っ越してきた女性に惹かれ、彼女GabbyGabrielleHollandが4年越しのKevinという男性を恋人にもっているということを知りながら、彼女の魅力のとりこになり、最終的に彼女の愛を克ち得て結婚するわけであるが、表題はこの二人のSoul Mateといえる関係が、ある状況下で左右される決断を要請されたところからくる。

 Gabbyは病院で働くPhysician Assistant(看護婦ではないー准ドクターというところか?)で、そのうちにComaに陥った患者のHusbandが最初はLove StoryGabbyに喜んで聞かせたほどであったが、いつまでもComa意識不明の状態がつづいたため、彼女の家族が破壊されていくのを見、6年経ってまだ意識不明で、今ではHusbandが早く死んでくれればよいと願っているのを知って、もし自分がそのような状況に陥り、3ヶ月経って意識がよみがえらなければ、機械の補助は断ち切って、死なせてほしいという願いを夫Travisに誓わせ、今それを実行すべきかどうかと迷い、苦悩し、その困難な精神状態が続いたため、Travis本人も病的な状態になっているほどであった。

 どうやら事故がもとで、愛する妻が意識不明の状態になっているが、原因は彼Travisが妻の注意も願いも無視して、雨の中、乱暴な運転をしたため、事故を起こしたということで、自分に対する罪悪感に圧倒されている状態である。

 3ヶ月の約束も、こういうことが起こると予測しての約束ではなかったと思い、たとえ女房との固い約束といえども実行するのがためらわれる。しかし、毎日、妻の病床で家庭報告をやり、いろいろ声をかけて努力しても、まったく肉体的反応がないので、ほんとうにどうすればよいのか悩むばかりである。

 病院は3ヶ月が限度ということで、介護ホームに移動するか、栄養添加等の機械を止めて死なせるか。決断をドクターたちにつげるまえに、最後のキスをして何も反応がないのを確認し、妻の病床を去る。

 結果的には、まだ40歳前の若い妻を見殺しにはできず、介護ホームで生きているだけでも自分たち家族の力になると信じて、妻との尊厳死の約束は果たさないで介護ホームに妻をあずけ、できるだけ訪問するように努力する。これが彼のChoice選択であった。

 彼Travisは獣医Veterinarianで、当初、父と一緒に父のPet Hospitalで働いていたが、父も引退して、自分で病院を経営するようになる。しかし、いつでも父親にかわってもらえるということで、妻のComaが続く当初は、仕事は父にまかせっきりで妻につきそっていたが、妹Stephanieのアドバイスで少しは仕事に戻るようになる。

 介護ホームでの生活が始まって何ヶ月か(9週間)たったあるとき、介護ホームのDirectorから緊急電話があり、妻の目が開いたというニュースがとどく。そして、そのあと、妻は自分Travisを認め、身体的後遺症はあるが、Comaだった女房が普通に回復してゆき、子供も彼Travisも誰もがHappyになるというEndingである。

 この小説の面白さは、この最後のChoiceにあるのではなく、男Travisが、恋人が居るとはっきり言っている魅力的な女性、隣人Gabbyと男女の関係を展開していくその関係の進展ぶりにある。

 GabbyMollyという名のメス犬コリーを飼っており、TravisMobyという名の雄犬を飼っている。ある日、GabbyMollyが妊娠しているようだと気がつき、これはとなりの雄犬が放し飼いで居たせいに違いない、Puppy子犬がうまれたら、どうなることか、ちゃんと責任を取るように文句を言っておかねばと思って、隣の家に向かい、男Travisと話し始め、言いたいことを言ってさっさと家に帰った。彼のアドバイスで一応、獣医に診て貰おうと、翌日アポをとってPet Hospitalに行くと、なんと隣の男Travisが獣医であったとわかる。結局、彼女は怒って最後まで彼の話を聞かなかったわけだが、彼はなぜ自分の犬が妊娠事故の当事者でないか、を説明する。つまり彼の犬はすでに中性化してあるということで、きっと近所の別のBoxer犬のせいだろうとわかる。

 この最初の出会いから、ふたりは喧嘩のような会話をかわしていたが、お互い、いままでつきあっていた人間とはまったく違う反応振りに気がついて惹かれていく。男は女が自分に正直だから、そして本当に犬Mollyを心配しているから、喧嘩っぽく行動したのだと理解する。

 女Gabbyが長く付き合っている恋人は保険屋で、ゴルフや会合でどこかに出かけていることが多く、たまに彼女にコンタクトするだけで、まじめな結婚の話にまではゆきつかない。旅行を計画しても、それはそこに素晴らしいゴルフ場があるからという話で、なんとも味気ない。それに対し、この獣医であるTravisは信じられないほど活発で豊かな人生を楽しんでいるようであり、しかも繊細な心遣いもする魅力的な男であるとわかってくる。そして、Gabbyの恋人Kevinのあいまいな態度とは違って、はっきりと愛を表明し、結婚を申し込む。

 男には子供のころからの友達が3名おり、それぞれすでに結婚して子供も居る。彼Travisだけが短期の恋人はいたのだが、いつも結婚するところまでにいたらないで別れてしまう。このGabbyという女性を知れば知るほど、その魅力に圧倒され、なぜ今までの女性関係がうまくいかなかったのかという原因までわかってくる。つまり過去の女性はすべて彼と対等につきあえず、彼の言いなりになって行動してきたから、お互いに飽きてしまい、何ヶ月かで別れるようになっていたということであった。

 この男女のやりとりがとても魅力的で面白く、またこの男の妹が兄思いで、兄の催すささやかなPartyなどには必ず参加して、いわば兄の家の隣に移り住んだ女性Gabbyと兄の仲をとりもとうとする。その妹とGabbyとの反応も知的でみごとなもので、この小説はこのSoul Mateといえる男女とこの男と妹とGabbyとの生き生きとした会話で成り立っているといえる。それほど、その展開振りは面白く魅力的であった。

 話の内容は、単純に、いかに男が、恋人が既にいる女性を口説いてお互いのLoveを貫徹するかであり、それほどのSoul Mate的な関係であれば、Comaの状態にあっても潜在意識ではつながっていて、単純に死なせるようなことはできないということであった。

 私の、このComaに関する対応についてのアイデアは、もしComaのひとがお金持ちで、誰の迷惑もかけないで生き続けられる様であれば、自由でしたいようにすればよい。

 お金持ちでなければ、家族もちか、年齢が50歳以前かによって、対応も異なる。

 若くて家族が居る人が事故などでComaになったとき、これは回復する可能性もあるので、この小説のように3ヶ月であきらめるのではなく、まずどんなに苦労しても1年は介護ホームで面倒を見たほうがよいであろう。Comaから回復する例を小説Fictionからとると、Kristin Hannahの「Angel Falls」と「Fly Away」があげられる。Fictionではあるが、「Fly Away」ではComaになってから1年半ほどして意識が回復することになっている。その間、病院を離れてからは、母親がすべての面倒をみる。「Angel Falls」では、妻の最初の恋人でHusbandであった男が熱烈なLove対象であったことを知った今のHusbandが、妻が回復するのであればと、その妻の昔のLoverに助けを求め、その効果があって、妻の意識は回復する。

 Comaの状態というのは無意識というのでなく、意識があっても肉体的反応ができないだけという場合もあり、語りかけたり、花や音楽で普通以上に生命衝動を盛り上げるのが、意識の再生に役立つようである。そして、目を開くということが決定的に重要で、意識があっても目を開けなければ、まだComaの状態だとみなが思ってしまう。

 70歳以上であれば、もう人生を生ききったといえるので、すぐに回復しそうでなかったら、1年以上はKeepする必要はないと思う。

 すでに「心霊現象の科学」をめぐるエッセイで展開してきているように、死は最後ではなく、はじまりであるかもしれず、死を恐れていつまでも生かしておこうとするのは、かえって、魂Soulの成長発展の邪魔をしている可能性もでてくる。死は苦悩ではなく解放であるとわかれば、ただただ長生きさせることに意味があるわけではないということが理解されるはずである。Near Death Experience NDE体験者の話を読むと、本当はそのまま死んでしまいたかったが、まだこの地上の生命でやるべき義務が残されているということで生き返ってくる人がほとんどであるらしい。したがって、Comaの状態の人はSoulが既に抜け出して、そのへんをさまよっている場合もあるようで、この人に向かって、語りかければ、Soulは理解するようであり、花や音楽もSoulは理解するようである。

 私に限って言えば、私は金もなく、私を必要としている家族も特になく、年もすでにとって、充分生きたと思っているので、そして死は終点ではなく、違うエネルギー状態でのはじまりであり、Soulとして異次元で待ってくれている人たちもいるはずなので、死にそうな病状の時には、素直に、何もしないで死なせてほしいと思う。まちがって救急車で病院にはこばれると、本当に助かればともかく、生きたが植物状態ということになれば、自分が苦労するだけなので、わたしは“手遅れになって死ぬ”のが希望である。家族・子供・孫がおり、金もあれば、ただ生きているだけでも意味があるかもしれないが、そのようなときでも魂Soulは早く死にたいと思っているのは間違いないと思う。

 ともかく、この本は面白かった。会話の展開は、ベストセラー作家らしく、さすがに、手なれたものだと思った。 今、読み終わったばかりだが、すぐにでも、もう一度読み直し、会話の進展を楽しみたいと思う。 魅力的な本である。

 
村田茂太郎 2014年11月26日、27日

The Choice by Nicholas Sparks 2007

ISBN: 978-0-446-61831-1

Nicholas Sparks 「The Longest Ride」を読む


Nicholas Sparks 「The Longest Ride」を読む

 最近、アマゾンから取り寄せた本の何冊かは、未読のNicholas Sparks関係などで、「At First Sight」や「A Bend  in the Road」については、既に紹介した。

 「The Notebook」に似ているとかという評判の「The Longest Ride」を、読むまえから期待していたが、とても好かった。似ているというのは回想が入るからということで、内容的にはぜんぜん似ていない。

 “The longest ride”とは、アラスカまでのバス旅行の話ではない。人生Lifeのことを指す。

 この本はもちろんLove Storyであるが、ふたつのLove Storyが並行して展開する。

 Longestというから91歳の男Ira Levinsonの回想が主題といえるが、同時に若者のLove Storyがまじめに展開する。美学専攻の大学卒業間際の女性SophiaProfessional Bull Riderという職業をえらんでいるカウボーイの若者Lukeとの関係である。

 91歳のIraにはSoul Mateといえる妻Ruthがいたが、9年ほど前に先に亡くなった。そして、あるときドライブをしていて雪になり、山道でガードレールを踏み越えてクルマが下に落ち、がけに引っかかった状態でとまった。どうやら、あちこち怪我をして、身動きができず、どうにもならない。雪は積もるばかりで、とうとう、これでは、ヘルプも不可能で、もうこれで自分も亡き妻と一緒になれると考えるようになる。

 そのうち、車の中に妻が現れ、かれと会話をするようになる。そして、彼は妻の亡霊と自分たちの一生の主な出来事を回想することになる。それは彼が結婚する以前からの回想で、まさにLongest rideということになる。

 男Iraは第二次大戦に駆り出され、生きながらえたが病気になった。Mumpsであったと知らされる。Mumpsは男の生殖能力を破壊する病気で、こどもを産めない身体になったということを知るわけで、それは婚約者Ruthにとってもショックであった。彼の求婚に対する即答はできなかったが、よく考えて、合意する。したがって、この二人には、親がなくなれば、自分たちのほかに家族はいないのであった。

 Nicholas Sparksの最近の作品にはParanormal超自然な出来事が自然なタッチで描かれている。たとえば「Safe Haven」では、女主人公が移り住んできたLodgeのすぐ近くに、彼女にいろいろアドバイスする女性が住んでいたが、どうやらそれは主人公の女性が好きになる男性と彼の幼い息子のことを心配した亡き妻があらわれていたようで、すべてがうまく片付いたと思われる時点で、その女性が居たはずの家は廃墟としてあらわれ、女性自身は消えてしまう。

 Kristin Hannahの作品「Comfort & Joy」もParanormalな関係を扱った、それなりに興味深い作品であることは、既に私はこのブログで紹介した。「Fly Away」では、Comaの状態の主人公が、なくなったベスト・フレンドと普通に会話する場面が沢山出てくる。今では、私はありうる話だと受けとめている。

 この作品、「The Longest Ride」では、車の中で、ひとりで、傷ついた91歳の老人Iraが、死が迫っているのを自覚しながら、亡き妻との会話に勇気を見出し、水さえ手に入らない中で、Soul Mateであった妻との生涯の回想の中で、がんばって生きつづける。水はうしろにあるが手が届かない。妻が水は身近にあるとアドバイスする。そうだ、彼は雪国の話で、クルマに埋もれて2ヶ月以上何もなしに生き続けた男の話を読んだことがあるが、窓を開けさえすれば雪が手に入るのだとわかり、苦労して雪をつかみ水のかわりにのどを潤し、一息つく。

 

 「心霊現象の科学」をかなり勉強した私は、今では、死が近づいているときに霊界から愛する人たちがコンタクトするという話は、例外的ではなく、日常的に起きているということを知っている。したがって、この話の展開についても、昔と違って、あまり奇異な感じはしない。

 こうして、亡き妻と会話をしながらLongest Rideの生涯を回想するIraとその妻Ruthの話の展開と並行して、若者Sophia DankoLuke Collinsのほとんど牧歌的とも言える、魅力的な恋愛が語られる。

 Sophiaは失恋を体験し、そのあともストーカーのように男につけねらわれていたが、あるとき、ルーム・メイトのアイデアにしたがって遠くのBull Riding Eventを見学にゆき、たまたまLukeと出遭うようになる。ストーカーの男Brianから逃げようとして、助けてくれたのがLukeであった。そして、二人の仲は急速に進展する。

 牧畜を営む農場で、乗馬をまなんで一緒に近くの森の中へでかけ、いろいろ自然に近い、魅力的な生活を味わうことになる。

 男Lukeの父親は既に亡くなっており、彼は母親と二人暮らしである。父親もProfessional Bull Riderであり、彼Lukeもその道のWorld Championを目指して頑張っているようである。しかし、これは命がけの行為であり、Luke自身、過去に失敗してほとんど死にそうな怪我をしたらしい。それにもかかわらず、このBull Rideをやめないのは、いわば懸賞稼ぎが目的らしい。その怪我で奇跡的に命は助かったが、そのための病院代、医者代が膨大なもので、かれらの牧場はすべて銀行の抵当にはいってしまっている。そして、Loanの支払いが大変で、自分は責任があるという意識があるから、危険を承知していて、やらざるをえないというわけであった。

 この車の事故に遭った91歳の男Iraの車の中での亡妻との回想の展開と、平行して進行するSophia/Lukeの恋愛関係がどのようにつながっていくのか興味があるところである。

 若者二人が乗ったクルマが、山道でガードが壊れているのに気がつき、おかしいと思い、下りて調べてみると車が下に落ちている。車に達すると、老人はかすかながらまだ息をしているようである。自分の車に戻ってEmergency callをやり、救援隊がやってくるのを待つ。一度、Sophiaも様子を見に降りたとき、老人が手紙をさがしてくれというのを理解して車の後部をしらべると確かに手紙が見つかった。一応預かった状態で、ふたりは自分の車に戻る。

 そのあと、手紙を読んでみて、老人自身が書いた手紙であることを知り、また彼の亡妻Ruthに対する細やかな愛情が伝わるのを感じ、この手紙を病院に届けようと思う。

 老人はまだ生きながらえていたが、Sophiaは親族でもないので会えなかった。しかし、ドクターが、老人が彼女Sophiaに会いたいといっていると告げ、不思議に思う。彼女は老人の書いた手紙を読み上げる。老人は満足した様子であった。

 そして、結局、そのあと、すぐに老人は亡くなった。

 そのうち、二人は、沢山の有名な絵画のコレクターが亡くなって、競売がはじまるから、美学の教授からSophiaも参加するようにと誘われる。そして若者二人は、自分たちが助け出した老人Iraが実は、その有名なコレクターであったことを知る。

 Iraの絵画コレクションが世界的に有名な二十世紀の画家の作品だということで、競売会場に集まったのは世界中の美術館から参加したコレクターでいっぱいであった。

 ふたりは金もなく、買うつもりもないので、後ろの席に見えないように座っていた。

 担当弁護士が説明をし、まず、一枚の素人が描いたと思われる絵を見せて、競売をはじめた。それは女性のポートレートで、まさに素人らしさがのこる絵であった。

 1000ドルからスタートして、下げていったが、プロのコレクターはみんな無視して買う意思を示さない。400ドルまで下がったとき、若者Lukeが“買った”と叫んだ。若者はBull Rideで勝った賞金の一部をもっていて、恋人Sophiaが老人Iraの妻Ruthに対する執着に感動しているようであったので、その妻のポートレートは自分の愛するSophiaにふさわしく、これだけは買える値段まで下がったので、買ったと叫んだのであった。そのあとも誰も買う意思を示さず、結局、最初の絵はLuke/Sophiaのものになった。

 つぎにどの絵が売り出されるのかと期待していた参加者は、びっくりするような弁護士の説明を耳にする。これで競売はおわりだ、最初の肖像画を買った人が、このコレクションのすべてをもらいうけるというのである。会場は騒然とし、Luke/Sophiaも信じられないほどである。二人は別室に導かれ、弁護士や競売のDirectorから説明をされて、はじめて本当に何百万ドルもする絵画のコレクションが自分たちのものになったと理解する。

 弁護士は遺産相続をすると膨大な税金がかかるから、いずれそのコレクションのある部分は競売に出さねばならないだろうと説明する。

 Iraは、妻が亡くなったあと、親類も何も居ない自分たちがいかにして膨大な金額になるはずの絵画コレクションを処分するかで悩んだ末、考え付いたのがこの方法であった。一枚の一見貧弱な、しかし彼Iraにとっては何よりもかけがえのない妻の肖像を購入して大事にしてくれる人こそコレクションを託するにふさわしい。絵を愛するのでなくて、ただ金儲けのためにあつまるコレクターに売るつもりはない。彼Iraは妻Ruthのように絵に執着するタイプではなく、彼は妻が、絵が好きで、絵をコレクトして楽しんでいる姿を見るのが好きであった。したがって、彼は自分の妻の肖像画を認めてくれる人がコレクションを託するにふさわしいと弁護士に伝え、そのように遺言書を作成したのであった。

 この絵は教師を務めていた妻Ruthが家においてやろうとまで思っていた腕白坊主の子供が、あるとき突然居なくなって、妻を絶望のふちに落としこんだ、その子供がやさしくかわいがってくれた教師Ruthを思い出しながら、写真を見て描いたものらしく、実は、この子供が成長して結婚した女性が彼Iraを訪問して届けてくれたものであった。教師である妻Ruthがこの子供に未来の可能性について無限大だとおしえたことをしっかり覚えて、成長し、立派に社会に貢献していたが、病気に克てず、30代の若さで亡くなったとのことで、自分がこの絵をKeepするよりは、Iraにわたしたほうがよいと判断したのであった。この絵を彼はどこにゆくにも持ち運んでいて、妻であるその女性には理由がよくわからなかったが、あるとき、裏からふるびた写真つきメモが見つかって、理由がわかったというわけである。Iraはその絵が亡き妻の面影を伝えているのを認め、大事にしていたのであった。そして、コレクションの配分に関して、本当に自分たちのコレクションの意味を理解してくれる人に全部贈呈するのが亡き妻にとってもベストであろうという考えに達し、若者二人の手に入ることになったのであった。ある意味でシンデレラまたは“大いなる遺産”Great Expectationの現代版といえるかもしれない。

 遭難車を発見し、その老人の秘密の一部に接し、美術を専攻する恋人との縁で競売場に参加したことが、思いがけない遺産分配にあずかることになったのであった。

 抵当に入っていた牧場も、おかげで、無事に収拾がつき、若者ふたりは正式に結婚し、まさにすべてがうまくかたづくHappy endingとなった。

 あとがきで、Professional Bull Riderに関する著者の関心や調査、絵画の競売に関する関心、North Carolinaを舞台にいかにうまく関連付けるかといった創作上の内輪話も語られている。今はなくなったらしいが、1933年にBlack Mountain Collegeという大学がNorth Carolinaにつくられ、そこが20世紀アメリカ絵画のひとつのメッカになったということで、これを組み込んで小説Love Storyを完成したということである。

 私はエルパソにはじめて住みだしたとき、同僚とロデオ・ショーを見に出かけたことがある。なかなか面白く、なるほどカウボーイ・カウガールたちは牛や馬を追っていないときは、こういう練習をしているのかと感心したことがある。駆け出した小牛を何秒でつかまえるかとかといった競争で、若いカウガールたちの競争も興味津々たるものであった。最初の印象がとてもよかったので、翌年、もう一度、見に出かけたが最初のときほどの面白みはなくて、それっきりになった。あばれる牛を乗り回すロデオももちろんあった。暴れだすのは、牛の後部を縄でゆわえるから、牛は怒り出し、はずそうと暴れるのであった。

 大学でのArt専攻の女性と農牧をいとなむカウボーイの青年とがどのように結びつくのか。興味があったわけだが、相愛の二人に悩みが一挙に解決するような、大いなる遺産がころがりこんで、無事解決ということであった。これは、古典ギリシャでDeus Ex Machina 機械仕掛けの神 といわれるものに近い解決法であったと思う。しかしありうる話らしい。

村田茂太郎 2014年11月26日、27日

The Longest Ride By Nicholas Sparks 2013

ISBN: 978-1-4555-2063-3