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4/28/2012

心霊現象の科学をめぐってーその18 The Haunted Universe その3 UFO

心霊現象の科学をめぐってーその18 The Haunted Universe その3 UFO
 

 ”心霊現象の科学をめぐって その13 The Haunted Universe その2” で、D. Scott Rogo の同名の本の目次を最後に紹介しました。

 今回はMiraclesをSkipして UFO に入りたいと思います。

 わたしはUFOに関する本も沢山集めてあるのですが、あまり読む気にならなかったので、今回はRogoの本を中心に、そしてRogoもとりあげている知のジャイアントー偉大な心理学者というよりも、”人間”の学問の巨人、カール・グスタフ・ユングの小さな本 英訳 Flying Saucers をとりあげます。

 今、ユングのこの本を読んでいる途中ですが、やはり、ユングはすごいと思いました。吉本隆明などは知の薄っぺらな次元で物事を展開しているような印象さえ持ちます。

 わたしは、この本や有名な自伝を読んで、ユングと小林秀雄が対話することが出来ていたら、すばらしい知的冒険であっただろうと、失われた機会を残念に思います。

 このユングのFlying Saucers を読むと、ユングがまさに当時、現代の問題であった、UFOに関して、積極的に関心を抱き、かなりな量のUFO文献に目を通し、自分のこれまでの研究成果をふまえて、堂々と、おそれることなく、この扱いにくいUFO問題に自分の意見を投げかけた、その大胆さにも驚嘆を覚えます。

 そして、D. Scott Rogo によると、Rogoの意見ではユングはまちがっているが、そのエラーにもかかわらず、すごく重要な考えを展開している、そしてそれはRogoの考えるUFOに関するアイデアと共通しているということを認めています。

 カール・ユングは1875年7月26日に生まれ、1961年6月6日に亡くなっています。
この Flying Saucers のドイツ語オリジナルは1958年に出版されています。英訳は1959年。私の持っている本は1969年。Rogoの本と同じーA Signet Book, NewAmerican Library.
すでに80歳を超え、原水爆実験や人工衛星(スプートニク)などみな知った上での意見の展開です。ここでは、ユングの本自体ではなく、Rogoの解釈をとりあげます。

 The Haunted Universe からの引用です。 P87-88. A Signet Book, New American Library。 わたしが適当に意訳します。

UFOs may not be dependent on any one person's psychic projection, as Sanderson's encounter would suggest. They often mimic a cultural aptitude. In other words, our entire culture maybe projecting UFOs psychically. In the last chapter (Mysteries & Miracles), I cited considerable evidence that groups of people might project a collective psychic force to create what can best be called "Miracles." A similar explanation might exist for UFOs. 

 Ivan Sandersonが彼のUFO体験を述べた中で一つのアイデアを展開したように、UFOsは、ひとりのサイキックのアイデアから生みだされたとはいえないようです。 UFOsはまるで、われわれの文化のもつ性向を模倣するようなことがあるからです。別の言葉で言うと、われわれ全体の文化がサイキックにUFOsを生み出しているかもしれないのです。(ここではまだ未展開ですが)前章ミラクルに関する考察の中で、ミラクルといわれる現象は、沢山の人の集合によるサイキック・エネルギーが統合されてあらわれる可能性が強いということを例を挙げながら展開しました。このUFOsに関しても同じような説明が可能かも知れません。

It was the great psychoanalyst C.G. Jung, in his famous little book Flying Saucers: A Modern Myth of Things Seen in the Sky, who eloquently argued, from a purely psychological standpoint, that UFOs represent the manifestations of a cultural need. Jung did not believe that they were objective craft darting about the skies, but rather that they existed in the minds of those who saw them. Thus, they became a psychic reality. The UFOs, according to Jung, were projections reflecting a general unrest among mankind- a literal "call to heavens" in our chaotic times.

 偉大な精神分析学者 C.G. Jung が、有名な ”Flying Saucers 空飛ぶ円盤-空に見られた物体に関する現代の神話” という小さな本で、純粋に心理学的な観点から、みごとに論じあげましたーUFOsは文化的な必要性があらわれたものであると。ユングはUFOsが客体的に空中をとびかう物体だとは信じていません、むしろ、UFOsを見た人の精神の中に存在するものであると見ています。従って、UFOsはサイキックな実体となったのです。UFOsは、ユングに依れば、人類の間の一般的な不安を反映した産物だというわけです、文字通り、現代の混沌とした時代に”天への叫び”がもたらしたもの、と見ているといえます。

I believe that Jung made two errors in his argument. To begin with, UFOs are at least semiphysical. They are objectively and collectively seen, they have been photographed, and habe been left remnants behind, such as burned grass or fungus-like waste. Scondly, Jung was preoccupoed solely with our modern interest in UFOs, which began in the late 1940s after Kenneth Arnold's Mt. Rainier sighting. But UFOs have been reported for centuries.

 わたしRogoはユングは彼の論述の中で二つの誤ちをしていると思います。まず、UFOsは少なくとも半ばは物理的に存在する実体です。UFOsは客観的に、また、ひとりだけでなく、同時に何人の人にも見られています、そして写真にも撮られ、なにかが存在したという痕跡を残していますー燃えた芝生とかFungusカビのような残骸を残していたとか。第二に、ユングは現代のUFOs現象、それは1940年代のケネス・アーノルドによるレーニア山でのUFO発見から始まりますが、に気をとられていますが、UFOsは何世紀も前からその報告がなされています。

Nonetheless, despite the flaws in Jung's rationale, he was telling us something very important about UFOs; that we are creating them and that we have a cultural need for their appearance. The fact that they have materialized in other cultures and in other times as real objects does not force us to overhaul Jung's views too substantially. Simply recognizing that man has a vast psychic potential locked within him completes the gaps in Jung's theory.

 しかし、ユングの論理の展開に欠陥があるにもかかわらず、、彼は私たちにUFOs現象について、何か非常に重要なことを語っています。つまり、われわれがUFOsを生み出しているのであるということ、UFOsが現れてくるのは、われわれは文化的にそれらを必要としているからであると。別な文化、別な時代にもUFOs現象があらわれているという事実は、このユングの見方があまりにも偏っているといって、彼のアイデア全体を捨ててしまわねばならないということにはなりません。単純に、人間は自身の中に厖大なサイキック・エネルギーを蔵しているのだと認めさえすれば、ユングの理論にあるGapは完全に埋められるのです。

つまり、UFOs現象は人間のサイキック・エネルギーが集合的に生み出したものであるというD. Scoo Rogo のアイデアが、ユング プラス Rogo で完成するわけです。

村田茂太郎 2012年4月28日

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