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3/10/2012

犬のトラウマをめぐってーつづき

犬のトラウマをめぐってーつづき


犬のThumperのお話です。

 Dogknapperに襲われてから、歩くテンポの違う犬2匹を一緒に散歩させるのは無理と思って、しばらくはHanaだけ散歩させていました。Hanaが散歩に出て行くのをじっとながめ、散歩から帰ってくるのを待っているThumper。そのうちに、かわいそうになってきて、Hanaの散歩が終わると、今度はThumperだけOn Leash でつれて歩くようにしました。On Leash でも、やはり、外を歩くのは緊張の連続で、ともかく、においを嗅いだり、おしっこをしたりという余裕がありません。人が遠くを歩いているのが見えるだけで、道の反対側であろうと、、交差点の向こう側であろうと、きょろきょろ、おどおどの落ち着きの無い、まさに不安をもろに見せた状態がつづきます。また、ひとが見えなくても、声が聞こえてくるだけで、同じこと。ともかく、よほど人間が怖い、つまり、怖いトラウマにあったとわかります。したがって、たいがいショート・コースの20分足らずを一周するだけで家に帰り着くと、今度は散歩したはずのHanaがまた散歩に行こうと言い出します。こうして、わたしは別々に3回も散歩に出たりしていました。

 そのうちに、あるとき、Hanaを散歩につれだして、歩いていて、ふと振り返ると、なんと、Thumperがうしろからついてきています。ああ、一緒に散歩したいのだなとわかり、いったんThumperのためのLeashを取りに戻って、今度はThumperにLeashをつけ、HanaはFreeで一緒に散歩することになりました。もう、大分、なれたはずですが、人を見ると相変わらず、こわがります。

 そして、家にお客がきても、大概の犬も猫も家の中に来る客人には親しく接するものですが、Thumper だけはまさにOne Man Dog なみで、ほかのひとに近づこうとしません。なでてやろうと近寄るだけで、跳んで逃げていきます。

 半年経っても、まったく同じ調子。こんなに他の人を恐れる犬は初めてです。ともかく、外を散歩するときはちゃんとそとでおしっこをして、Relaxして散歩して欲しいものです。

 外で出会う年配の女性もThumperがこわがっているのを見て、よほどAbuseされたのだねといっていました。しかし、そのうちに、ひとと出会わないときは、まわりを見る余裕がでてきたらしく、Hanaがおしっこをしたあとに、自分もおしっこをかけたり、どこかの犬がおしっこをしたにおいがのこっているのか、Hanaでなくても、おしっこをかけるようになりました。

 それで、散歩のコースを20分のコースから40分のコース、60分のコースといろいろ替え、のんびりと外をくつろぎながら歩く習慣をつけました。そとで、人に出会うと、相変わらずこわがりますが、まあ、わたしがいるので、隠れるようにするだけで、パニックに陥るようなことはなくなりました。それで、10-15分の散歩で公園につき、その裏手に小高い丘があって、そこへ連れて行って、Thumperのひもを放してやりました。そうすると、2匹でその丘の上を自由に走り回ります。そうして、しばらく遊んでから、Thumperだけ紐をつけ、公園の周りを一周して、家に帰るようになりました。これだとほぼ1時間のコースとなります。

 今年の元旦。2012年1月1日は公園も管理人は休みなので、そして、ほかの人も犬もそれ程多くないので、わたしは家から直行すれば10分、犬と歩けば15分のO'Melveny Park の中に入ってゆき、Nature Trailをあるいてから、広大な芝生のなかの、木々が林立する公園で2匹ともLeashから放してやりました。そうすると、本当に、のびのびと走り回り、わたしが木の影に隠れると、あわててThumperは探し始めます。それで、この犬はともかく、どこへ行こうと、私が見えているから安心しているので、私の姿が見えなくなれば不安になる、つまりかくれんぼう遊びが出来る相手だとわかりました。

 それで、わたしはHana同様、Thumperも紐を持つだけで、Freeで一緒に歩くようにしました。そうすると、少し前方へあるいていっても、必ず、私のところに戻ってくるのがわかったし、ちょっと遠くまで行ってしまうと、隠れるだけで、必死になって戻ってきます。つまり、同じ散歩をしていて、Thumperは2周分の運動をできることがわかりました。

 他の犬が歩いているのを見ると、すぐにThumperにはLeashをつけ、また情況によってはHanaにもLeashをつけます。しかし、今では、基本的に家を出るとき、どちらもFreeで、わたしが2匹のLeashをもつだけでうまく散歩できるようになりました。人を見ると、相変わらず避けようとしたり、隠れようとしたり、時には道の真ん中まででて避けようとします。しかし、以前のように、どこかへとび出す勢いで逃げていくというようなことはありません。同じ年配の女性が、わたしがNo LeashでHanaとThumperを散歩させているのを見て、おどろいて、すばらしい、みごとなTrainingだと誉めてくれました。

 いまだに人は怖いというトラウマはかわりませんが、本当にかわいい犬になりました。ときどき、私が犬を散歩させているのではなく、私の健康管理のために犬たちがお供してくれているのだと思います。本当です。気持ちのいい、緑の木が多い山の麓、家の周りを2匹の犬と散歩するのはどれだけ私の健康管理に役立っているか、はかりしれないほどです。

 そして、女房がHanaの遊び相手としてもう1匹といったのは正解でした。 HanaとThumperは裏庭で毎日レスリングをやり、HanaがThumperを追いかけ、狭い庭で、もうれつな格闘を演じます。本気になれば大きいThumperのほうが強いはずですが、Hanaは大きい犬にかかってゆく傾向があり、小さい犬では頼りないので、まさにJust Good という状態です。この裏庭でのレスリングと'追いかけっこはどれだけHanaの健康管理に貢献していることでしょう。ThumperはSlenderで敏捷でタフです。家の中ではまさに内弁慶。それでも、Hanaそして猫のEurekaとなかよくやっている姿は私にかけがえの無い喜びを与えてくれます。

 こうして、いつになったら、人を怖がらずに外を歩けるのだろうと思っていたのが、いつのまにか、紐なしで歩けるようになり、まだ人には警戒しますが、私が居るかぎりは安心という気持ちはますます強まっているみたいです。先日は2匹を放して、一度もLeashしないで、なんと1時間40分の最長コースの散歩をすませました。もう、この家の周りのあらゆるコースを歩き回ったという感じです。ここは海抜約400メートルのところにあり、Hiking Trail Headまで歩いて15-20分というところなので、いつかHanaではなく、Thumperをつれて、この山の頂上 Mission Peak 845メートルまで一緒に上がろうと考えています。私一人ではすでに4回ほど登頂し、まあ、Thumperなら大丈夫だろうと思っています。1周約4時間のハイキング・コースです。Hanaは1時間のコースでも、自分からとまって休んだり、もう歩くのはイヤといって、わたしが抱っこして歩くというようなことをよくやるので、山につれてゆけば、大変です。その点、敏捷で身軽なThumperは、まさに一緒にハイキングを楽しんでくれるでしょう。わたしがNew Mexicoの最高峰4012メートルのWheeler Peak登山をしたときも、頂上で荷物を背負ったWorking Dog に出会ったりしました。あの登山は15マイルほど歩く大変なコースでしたが、それをこなす犬もいたのです。

 今、Thumperは健康優良児で一番きれいな状態です。筋肉で引き締まった身体を身軽に動かしている様子は美しいと思います。丘の上で私とかくれんぼうを楽しめるようになって、ますますかわいくなりました。いつまでも、こうして私を喜ばせてくれることを期待しています。

では、写真を。O'Melveny Park と、小高い丘、家の近く、裏庭などでのThumper, Hana そして猫のEurekaです。

村田茂太郎 2012年3月10日









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