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3/03/2012

心霊現象の科学をめぐってーその9

心霊現象の科学をめぐってーその9

Rosemary Brown-Unfinished Symphonies つづき

昨日は、Great ComposerとCommunicateしていたというイギリスのRosemary Brownというサイキックの女性のUnfinished Symphonies を途中まで紹介しました。

昨日・今日とかけて、36年ぶりにこの本を再読しました。
これは、ものすごく面白い有益な本で、もし、日本語訳が出版されていて、まだお読みでない方がおられたら、ぜひご一読ください。すばらしい本です。英語ではもう古本でしか手に入らないようです。

リストなどの偉大な作曲家とのまじわりというだけでも面白く興味深いものですが、そのほかに彼女のサイキックな場面が語られていて、家族や伴侶をなくした人にはとても心休まる記述があります。

この回想録の中ではリストがいろいろと彼女に直接説明しています。
まず、なぜリストかということは、彼女の印象では、Extrovert外向的な性格ということが、このCommunicationでは大事で、偉大な音楽家のなかでは、Listzが一番外向的であったようです。
昨日、列挙した順番で彼女の前にあらわれたそうですが、たいがいはリストがつきそって紹介してから、作曲家の方で納得すれば、そのうちにリストなしでもあらわれるようになったといいます。

Listz, Chopin, Schubert、Beethoven, Bach、Brahms、SchumannそしてClara、Debussy、Grieg, Berlioz,Rachmaninovなどですが、なにも有名人ばかりでなく無名の市民も彼女の前に現れたようです。当然のことながら、彼女のサイキックはおばあさんからの遺伝で、母親もサイキックであり、彼女Rosemaryの娘も、リストの姿などみえるほどサイキックであったわけで、その点、彼女が有名になるにつれて、テレビ局やその他の人々の前でリストにあったりしたようですが、他の人にはやはり見えなかったということです。

彼女の特異性は、いわゆるTrans-Mediumとちがって、自己催眠状態にならなくて、まるでホンモノが彼女の前に居るような感じで、Listzやその他の人物があらわれたといっています。
子供のとき、ある晩、男が寝室にいるので、不法侵入だとこわくなりかけたが、ふっと消えていって、亡霊だったとわかったことが2-3度あったそうで、非常にVividにリアルにみえるほど、彼女のサイキックは強かったということでしょう。

EinsteinまでがListzと一緒にあらわれて、何かを説明しようとしたとか。リストによると、この異次元では先にうまれたとか、生まれた時代が違うとかということは問題にならず、また、場所も問題でなく、大事なのは人間関係で、それによって、スグに関係がうまれるとかで、そのことは在るMediaの男性が彼女のところに取材に来ていて、こういう人間を呼び出してくれと彼女に頼み、リストに伝えると、しばらくいなくなって、今度は女性を連れてきたので、彼女が女性がみえない男に、こういう人だと説明すると、それが実は彼のお母さんだったとかで、彼はよろこんだと書いてあります。信じる信じないは、好みの問題ですが、Life after Death、 Life before Birth を信じられれば、あとはいかにしてという問題なので、この男はあきらかに、彼女が本当のサイキックであり、自分の母親がこの世界ではなく、別な世界で生きていると納得したことでしょう。

この本はまるでFairly TalesかScience Fictionを読んでいるような面もありますが、彼女の語りは穏やかで、納得させる力を持っています。

なんと彼女も オランダ人Croiset の記録係的なParapsychologistであったオランダのDr. Tenhaeffに直接あって、そのサイキックぶりを検査してもらって、おすみつきをもらっています。また、逆に、わたしが拙著のなかの「私の歩み」のなかで名前だけ挙げたScepticなイギリスの学者Dr. Hansel ともあっています。

わたしはリストの説明などを読んでいて、これはパラレル・ユニバースとかアインシュタインの4次元とか、Michael Talbot のHolographic Universe など、いろいろな説明理論が必要とされると思いました。

この中で、Reincarnationの説明もでてきますが、リストによると、同じ人間がそっくり生まれ変わるのがReincarnationで、そうではなくて、全体の一部が自分でえらんで生まれるというような説明で、いわゆる転生はおこらないとか。

彼女にとってはSo-calledいわゆるDead死者がVery Aliveで、Life after death はべつの世界に移るだけということがわかったようです。

たとえば、彼女のお母さんが先に亡くなり、同じ年にまだ若い夫も病気でなくすのですが、彼女の母の死の知らせよりも先に、彼女は病気の体ではなく若返った健康な母親が彼女を訪問したのを見て、母が亡くなり、いまはかえって幸せそうなようすであるのを嬉しく思います。
夫がなくなったときも、醜い、病気で亡くなった姿ではなく、健康なときの姿を見て、かえってよかったと思います。

 The reason for the whole strange phenomenon which puzzles so many people is to try to help us know for sure that there is another life and a purpose behind everything so that things are not as helpless as they sometimes seem.不思議な現象が起こっている理由は死後に別の世界があるということを知ってもらうためであり、また、したがって、すべての物事は目的があって動いているから一見して感じるほどどうにもならない情況ではないということ。

Listz feels that the first step is to make people just begin to think about an after-life. His theory is that while people refused to believe there is anything to come after we have finished with this world, everything will continue to seem meaningless, which may discourage us from putting our best efforts into our life here on earth. まず第一歩は死後の世界について人々が考えるようにすること。リストの理論によると、人々はこの世が終わったら何も無いと思うと、すべてが意味の無いように見え、この地上の生命体として最善のベストを尽くす努力をしなくなる。

It would, of course, be quite impossible for me to have any doubts of the reality of after-life. The so-called "dead" seeming very alive except that one cannot touch them or embrace them, have been part of my life for as far back as I can remember. And it isn't only in my own home that they appear. Some of them accompany me, especially if I am going anywhere that is involved in any way with their music. It is probable that they like to keep an eye on things. わたし、Rosemaryにとっては、サイキックでいろいろ経験しているから、死後の世界があるという現実性を疑うことなどとてもできないことである。いわゆる死者はまさに生きているようであり、ただ触れたり抱きついたり出来ないというだけで、私にとっては人生をおぼえているかぎり、あたり前のことであった。そして彼らがわたしに近寄ってくるのは、なにも自分の家の中だけの話ではなく、あるものは私に付き添って一緒にどこかへいったりする、特に彼らの音楽が関係しているときは。どうも彼らは何がおきているかに興味が在るようだ。

......

 I have been able to ask Listz all sorts of questions about his world and he always tries to answer so that I can understand. For example, I wanted to know how he and the others actually travelled. He explained by using a modern, science fiction word-teleportation. He said that he can travel about our world, not so much by thinking of the place where he wants to be, but more by thinking of the person he wants to visit.わたしはリストに、ほとんどなんでも訊ねることができた。そして彼は私がわかるように回答しようとした。たとえば、彼やほかのひとが、一体どのようにしてトラベルするのかと。彼は現代のSFのテレポーテーションということばをつかって説明してくれた。彼はトラベルするのにどこか訪れたい場所を考えてではなく、訪問したい人を考えてトラベルが可能となる。

 He and the others who visit me think of me, and in that way get on to my wave length. By doing this they can "teleport" themselves to wherever I am. It doesn't matter if I am in an aeroplane, in my own home, or an unlikely eventuality, down in a submarine. It is the person, not the place that they use as a focal point. 彼やほかのひとが私を訪問するときには私のことを考えて、つまり私の波長に合わせるとそれが出来る。それによって、私がどこに居ようと、彼らはテレポート可能となる。わたしが飛行機のなかにいるとか、潜水艦の中にいるとか、その場所は関係なくて、その人物が焦点である。

 I have also asked him the question which seems to many people the eternal mystery. Is there a God?
わたしは誰もが知りたいミステリー、神は存在するのか、と訊いてみた。

 "There is, indeed," he said,"but not a God as those on earth think of Him. God is spirit. A life-force which permeats everything and is everywhere. Yet it is spirit which is aware, so that if people do pray together, the prayers register." やあ、実際、神は居る、ただし、地上の人が考えるようなGodではない。Godとはスピリットなのだ。それは浸透する生命力Life Forceであり、それはどこにでも居るわけだ。それでいて、それはスピリットなので、どこに居てもわかっているので、人々が共に祈れば祈りは受け止められるのだ。

 Prayer, it seems, works in a similar way to the "teleportaion" which spirits use for earthly contact. If we think of what is good, we should be able to get on to that wave length.祈りはテレポーテーションと同じように機能するようだ。何か良いことを考えるだけで、その波長にあわせられるようだ。

 He explained that this Spirit is personal and yet impersonal at the same time, and is therefore something beyond our imagination to grasp because it does care for every life and does work towards good. スピリットは個人的であり、またそうでもない、われわれの理解を超えたものだ、すべての生命を見守り、よいほうに向けて働きかけるのだ。

 For example, he explained how in everyday matters our bodies, when ill or injured, will always try to right themselves-to heal themselves. This is done by the Life Force which is working all the time to try to adjust, balance and compensate. たとえば、われわれ日常世界で、病気になったり怪我したりするが、自分で治そうとする力がある。これはいつも調整し、バランスを取り、つぐなおうとしているLife Force生命力というものが働いているのである。

 "We could," Listz says,"heal ourselves of most illness if we would give this Force a chance," but he added regretfully that we have not learned how to harness it for our own good. われわれは、大概の病気はこのForce生命力に機会を与えさえすれば、自然と直す力を持っている、しかし、残念な事にわれわれはいかにしてその力を自分たちのために利用するかというわざを身につけなかっただけだ、とリストは言った。
..........

 He said rather sadly, that while we are on this earth many live believing this is the only life, without realising that we can go on unfolding spiritually after this life here is ended. われわれがこの地上に居る間、だれもがこれが唯一の人生だと思っているのは哀しいことだ。この地上の生命が終わってからも、さらなる魂の新しい展開が在ることを知らないで。

I remarked that because of the usual Christian beliefs there are people who believe that one has to be "saved" here on earth. 通常のキリスト教の信仰で、人々はこの地上で”救われ”なければならないと信じている人が多いと、私は彼に言った。

"That is not true," he said. "Life on your earth is rather like a nursery school. When people die and it appears that they have lived wasted lives, they still have the chance to go on and to catch up. それは本当ではない。この地上での生命というものは、いってみれば、幼年期のようなものだ。人が死に、彼らがこの地上で無駄に人生を送ったようだとわかったとき、彼らにはさらに前進して追いつくチャンスが与えられている。

"Our pupose, working with you, is an attempt to make people realise this, and therefore give hope. Your lives on earth could become happier if peole knew that it is only a preliminary to the wonderful life after death." われわれがあなたと、今の仕事をしているわけは、人々にこの事を理解させるためであり、それゆえ、希望を与えることである。もし、この地上の生命が死後の世界のすばらしい世界への序盤で在ると知れば、人々はもっとHappyになるだろう。

 Hell, Listz says, is a self-made thing.地獄とは自分がこしらえたものだ。

 "If people have lived lives that have been deliberately destructive, when they arrive here on our plane, the they have to face what they have done.もし、破壊的な人生を送った人が居たら、このわれわれの世界にきたら、彼らは自分がした事に直面する事になる。

 "Their conscience can no longer be stifled because there is nothing between them and their conscience as there is on earth." かれらの良心は、地上にあったときとくらべて、彼らと良心との間に何も無いので、もはや抑圧されることがない、

 He explained how on earth people can refuse to listen to conscience, but in the other world, it is impossible to shut out these thoughts and of course this can be a sort of hell. 地上では良心に耳を傾けないことが起こりうるが、別の世界では、それは不可能なのだ、だから、これはある意味では地獄だといえる。

 People do then eventually become very regrettful and wish they had behaved differently. But providing this feeling acts as a spur for them to try to overcome their past failings, make good and compensate the people to whom they have caused harm-then regrets can bring eventual happiness. それで、人々は徐々に非常に後悔し始め、もっと違った風にふるまえばよかったのにと思うようになる。しかし、これが昔の失敗をのりこえて、被害を与えた人々に償いをしなければと思うようになったら、そのときにはいずれ後悔が幸福をもたらす事になる。

 One of the most marvellous things that Listz has told me is that when we die and we leave life for our new home, we are always met on the other side so that we will not be alone and afraid. Usually some of our own dear relatives and close friends are there waiting to greet us and to show us around until we have settled down and understand where we are and feel at home. リストが私に語ったことですばらしいと思ったことは、われわれが死ぬと別の世界で誰かが待っているので、決して一人ぼっちで、こわいことはない。通常、すぐ直接の親戚の人か親しい友人などが待っていて迎えてくれる、そして落ち着いて、我が家についたという気分になるまでまわりを案内してくれたりする。

 I think this is wonderful. After all, many of us are afraid of going into what we think of as "the great unknow", but once we know and can believe that every single one of us is met by familiar and loving faces, that fear can fade.それはすばらしいことだ。結局、われわれの多くは、”大いなる未知の世界”へ入っていく事に不安を感じるものだから。もし、誰もが親しい、愛する人たちに出会えるということであれば、恐れも解消するだろうから。

 Those on the other side often seem to have foreknowledge of accidents, and can organise accordingly so that people are still met no matter how precipitously they leave this world for the other. あちらの世界に居る人々は、事故の場合でもあらかじめ知っているようだ。そして、それにしたがって、動けるようで、突然事故で死ぬような事になっても、必ず、誰かが迎えに出ている。

 This would seem to give the impresion that our lives are predetermined, and that the fatalists are right. こういう風に説明してくると、われわれの人生はあらかじめ決定されているような、そして運命論者・決定論者は正しいという印象を受けるかもしれない。
Yet Listz says this is not correct. しかし、リストはそうではないという。

 He says that we volunteer for our life on this earth, and that before we are born we are given a sort of plan of what our life is likely to be. But it can never be quite determined how we will react to various situations or whether we will follow our appointed course, and therefore our actions can change our lives. われわれはこの地上での人生をいきることを自分から望んだのであって、われわれが生まれる前にどのような人生を送るかというプランをあらかじめ知らされているのである。しかし、われわれがさまざまな状況下で、どのように反応するか、あるいは、われわれが予定されたコースをたどるかどうかも決定されていない。それゆえ、われわれの行動がわれわれの人生をかえていくのだ。

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 引用が長くなりました。きのうは、Sir Donald Tovey の言葉を説明するとか、書きましたが、Rosemaryのいう”リスト”そのひとの言葉を引いて、ここに要点を解説しましたので、これで終わりにします。Reincarnationなどもう少し、説明がありますが、まあ、表現の違いです。

 ともかく、一読の価値は在る、おもしろい、有益な本です。これを読んで、心休まる人も居るでしょう。

 最後に、この作曲家たちの作品をレコードその他で販売出版し、そのAuthenticityは専門家が聴いても、これはChopinだとか、Debussyだとか、Listzだというそうですから、そして彼女だけでなく、ほかのMediumも彼女にBeethovenが話しかけていますとかとアドバイスするほど、ひとりの思い過ごしでないので、Psychic現象としては本当に面白く、興味在る現象です。
ともかく、ご一読をおすすめします。

村田茂太郎
2012年3月3日、桃の節句。


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