村田茂太郎 (Murata Shigetaro) のブログ　”海外子女教育”、”心霊現象の科学”、など: Big Bend National Park-Chisos Mountainsをめぐって（Texas）　エッセイと写真紹介

Shigetaro Murata 拙著「寺子屋的教育志向の中から」（瞑想と回想と感想とーロサンジェルス日本語補習校あさひ学園での１５年）全内容を紹介し、同時にほかのエッセイも紹介、私が親しんだアメリカの自然　（California並びにSouthwestなど）を紹介したいこと、また、いくつかの「日本の自然ならびに文化史跡など」を紹介しています。「心霊現象の科学」超常現象も私には大事な領域です。私のブログ内での検索機能は便利です。このブログの中で調べるのにご利用ください。表紙写真　　Bee Canyon Park,　Buster &　Che Che　(2 senior dogs) 、　Granada Hills,　 Los Angeles, California

8/02/2012

Big Bend National Park-Chisos Mountainsをめぐって（Texas）　エッセイと写真紹介

Big Bend National Park-Chisos Mountainsをめぐって（Texas）　エッセイと写真紹介

　山・川・沙漠でできているBig Bend National Parkでの驚異は何といってもBig Bendの中央で孤立した死火山系をつくっているChisos Mountains〔チゾス山脈）であろう。最高峰Emory Peakは７８３５Feet〔約２３８０メートル〕で、２４００メートル足らずだから、そんなに高くはないのだが、Rio Grandeが１８００Feetで５５０メートルくらいだから、川床からの高度は１８００メートルほどあるわけで、これならNew MexicoのTaosにあるWheeler Peakが４０００メートルの高さといっても、Taouからは２０００メートルほどの高度差なので、その点、Chisosも立派な高山といえるわけであり、実際、その高度のために、Guadalupe Mountainsと同じ現象を生むに至っている。Guadalupe Mountainsは外部から見ると沙漠に囲まれた、あらあらしくドライな山で、森や谷があるようには見えない。しかし、その奥には美しい森林と渓谷がひっそりと息づいている。山の高さと太陽遮蔽が雲を生み、水分をもたらしているのである。同じことがChisos Mountainsについても言える。

　Big Bendは典型的なChihuahuan Desertに囲まれた地域であるが、平面から１８００メートル以上の高さに孤立した山系を作って聳えているChisos Mountainsには、New MexicoやColoradoの山に期待できるものが見つかる。つまり、美しい森林や秋の黄葉・紅葉、木の下蔭道のTrailといったもので、ほとんどが沙漠状態のBig Bendを見たあとで、ChisosのBasinに到着すると、本当に、その景色の多様さにうれしくなってしまう。

　この山脈には２００マイルに及ぶハイキングTrailsが確立されており、ハイカーはそれぞれの好みとレベルに応じて択べる。ただ、砂漠の山でGila WildernessのWhite Water Creekのような水源はどこにもないので、沢山の飲み水を用意することが絶対条件で、それさえ忘れなければ、一流の登山を楽しめる。

　Big BendにはTexasのハイクの中で、One of the BestといわれるLost Mine Trailという４．６マイルのRound Tripがああう。次回、私は必ず行くつもりである。（この文章を書いた当時１９９６年４月の時点の話し。その後、何度も何度もこのTrailを歩いた。本当にOne of the Bestであることは、間違いない。）

　私は何はともあれ、最高峰をということで、Thanksgiving　HolidaysにEmory Peak登頂を目指した。Trailは、驚いたことに、ほとんど木の下蔭道で、それほど暑くはなく、草原がでてきたり、Oak, Cypress、Fir、Mapleと出てきて、Aspenまである始末で、砂漠の山とは信じられないくらいであった。Viewもよく、岩肌も変化があり、とてもすばらしい本格的な登山となった。最後の１マイルが私には大変だったが、眺めも、Trailもすばらしかった。頂上への最後の登頂は、大きな岩の塊をScrambleでしがみついて登らねばならず、少しスリルはあるが、みんな上に登っているので、私にも出来ないことはないと決めて、登頂に成功した。ここは有名なTrailのせいで、頂上には他の日本人も含めて、沢山休んでいた。フランス語がきこえてきたから、外人客も沢山来ているようだ。何しろ砂漠の中の最高峰。Viewも最高である。頂上への最後の１マイルも尾根歩きのようで、すばらしいものであったが、岩登りをしたアトのViewはまた格別である。頂上から眺めた連峰の全面に渡って、見事な森林が広がっており、ホンの少し早ければ、ここでもMapleやAspenの紅葉・黄葉を味わえたのだなと改めて、Big Bendの多様さに感心した。Casa Grandeをはじめとする様々なPeaksもよく見える。往復９．５マイル。どうしたことか、随分疲労を感じたが、素晴らしい登山であった。

　広大なBig Bendの中のドライブはどれもScenic Routeといえるが、中でも、Santa Elena Canyon　への道（Ross Maxwell Scenic Drive）,Chisos Mountainsへの道（Basin Drive）そしてBoquillas Canyon-Rio Grande Villageへの道〔Rio Grande Village Drive〕は、すばらしい。これらをみなドライブしようと思うと、最低５時間は必要であるが、私はその３つのすべてをドライブすることをおすすめする。ひとつだけという場合は、Santa Elena Canyonへの道という事になるが、これだけではBig Bend を知った事にならない。Basin Driveがどうしても不可欠である。

　Basin DriveはPanther Junctionから約１０マイルであるが、この道は凄い。Chisos Mountainsの山の中に急傾斜で入っていくため、スロープは急であり、Green Gulchと呼ばれている緑の谷の様子が、DesertからLush Forestへと急速に変わっていき、いろいろな意味で印象的である。砂漠から森林へと短いドライブで変貌していくわけで、Viewもすばらしく、どんどん替わっていく風景は、砂漠を見たアトでは、息抜きが出来るほど新鮮に映る。そして、ここは野生動物も豊富である。

　この孤立したChisos山系の中には、７５種の哺乳類が見つかっている。その中にはWhite Tailed Deerはもちろんのこと、Gray FoxやPronghorn,　Coyote,　Gray wolfそしてBlack BearやMountain Lionまで棲息している。私は早朝、Emory Peakに登るために、このBasin　Driveを走っていて、Driveを横切っていくWhite Tailed Deerと出遭った。野生動物と出あうと、何となくWildernessが残っている証拠のように思われ、楽しくなる。Boquillas Canyonからの帰りの日暮れ前にも、道を急いで横切っていくJavelina（Peccary）を目撃した。鳥類に関しては、Big BendはBirderにとってメッカとなっていて、アメリカ最大のBird集散地となっている。両生類、爬虫類、みな豊富である。

　Basinは丁度Chisos　の山々に囲まれた盆地のようであり、BasinのVisitor Centerのまわりに、Camping Groundや立派なLodgeが建っている。そして、Visitor Centerの目の前に、Casa Grandeが独立峰のごとく、岸壁を輝かせて青空に逞しく聳えたっている。Visitor Centerから、Emory Peakやすべての峰が見える。従って、このChisos Mountainsのすべてを一周するルートも考えられるわけで、South Rim Loop Trailが約１５マイルのRound Tripになるが、登山のClassicといもいえる、ベスト・ハイクといわれている。従って、これはBackpack、Overnightの必要性がでてくるが、１５マイルなら、なんとか日帰りでやれなくもない距離である。

　私はいつかBig Bend National Parkで７日の旅をしたいと考えている。そして、３日をChisos Mountainsの探訪に、そして３日を有名なRio Grandeの川下りに使いたい。山と川と沙漠。Big Bendを味わうためには、この３つの要素を知る必要があるが、砂漠の部分（これがBig Bendの９０％以上を占めているらしいが）は、エルパソに棲み、LechuguillaやSotol,　Yucca,　Ocotillo、Prickly Pear Cactusなどとふだんから親しんでいる私には、見慣れたものであり、頑張っているなという印象をもつくらいである。Chisos　Mountainsは砂漠の山らしからぬ変化と多様性を持ち、森林とWildlifeに富んでいるため、もっともっと探訪したいと思う。

(結局、１泊のLodgeまたはTent　Campを何度も経験し、いつも満足してこの国立公園を楽しめたgが、川下りだけは、する機会がなかった。残念。）

村田茂太郎　オリジナル執筆１９９６年４月１９日、Word input２０１２年８月１日