わたしは、哲学も文学も科学も歴史も心霊現象の科学も、なんにでも興味を持ち、大好きですので、子供たちにもあたらしい、すばらしい情報をしらせてあげようとして、この種のいろいろな文章が生まれた次第です。何にでも興味を持てというのが私の狙いでした。
村田茂太郎 2012年3月24日
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“生物の体内時計”TV-Infinite Voyage
1990年4月11日夜8時からのKCET TV “Infinite Voyage” は、すばらしいものであった。この日のテーマは”Biological Clock” というもので、素晴らしい情報が展開された。鳥やミツバチの研究から、動物は体内時計や太陽コンパスを持っていることは、もう、20年以上も前から知られていたが、1980年以降の発展はさらに驚くべき事実の解明に至った。それが、海中で発光するプランクトンやフルーツ(実)バエの研究から解明されたという事は、どのような研究対象であっても、素晴らしい成果があげられることを証明しているといえる。
その驚異的ともいえる発見とは、いわゆる体内時計が遺伝子の細胞の中に刻み込まれているという事であった。つまり、二重らせんの構造を持つ遺伝子のアミノ酸配置の中に、体内時計の秘密があったのである。これは、何を意味しているのか。
地球に生息する全ての生物は、約24時間を周期とする体内時計をもっているということであり、これはもちろん人間にも当てはまり、植物にもあてはまる。そして、この遺伝子の中に刻み込まれているということは、発生史的に言って、地球上に生命があらわれたときの生物環境とその在り方に原因があるということである。つまり、はじめて海中に原始生物(単細胞)が現れた頃、強烈な太陽光線をまともに受け止めていた原始生物は、太陽光線がある間隔をもって、周期的にあらわれるのを遺伝細胞に浸透するほど、激烈に体験し、遺伝子配合の中に刻み込んだということであり、その後の、全生物の進化論的発展は、みな、その遺伝上に位置しているということである。
それでは、太陽系宇宙の内部でも、自転周期が異なる他の惑星に人間が永住する場合、その惑星との生理的違和感が発生するはずだという事が予想される。地球上に生息する生物は、まさに構造的・発生的・進化的に太陽光線に依存しているわけである。
そして、人間の場合、老年になるに従って、時間周期がはやまり、人によっては夜中に目が覚め、お昼に眠くなるという症状を呈する事が起こる。これは、光線に何時間か照射される療法によって、みごとに治療されるらしい。また、人間の身体が、時間はもちろんの事、季節の変化にも大きく影響されることは、初めから予想される事であるが、その一例として、夏と冬との違いが決定的影響をもたらしたため、子供の頃から大人になっても、何をしても6ヶ月以上続けられず、正常な生活を続けられなかった或る人間が、この最近の体内時計の発見を利用した人口光線照射療法によって、正常な生活が可能となった例も示された。
人間の内部で、生理をつかさどる、この体内時計のリズムをうまく利用する事としないことが、たとえば、乳がん手術患者の死亡率に影響する事も、体験的にわかっているらしい。それは、女性のメンスの時期に乳がん手術を施した場合の死亡率は、そうでない時の場合に比べて、遥かに高いということである。
つまり、人間を含めて、この地上の全生物は、太陽光線の下で創造され、生み育てられてきたわけで、すべては太陽の全面的影響下にあるわけである。生物の生存にとって最も大切な酸素の存在、大気の存在は、いうまでもなく太陽光線を母体とした光合成の産物であり、ほとんどの全生物にとって決定的に重要な仕組みであるが、太陽の動きに起因すると思われるこの全生物に共通の遺伝子の体内時計の存在もまた、この地上に生存する生物が、この地球的環境と調和して生存するうえで、隠れたキーをにぎっていたことが、こうして、つい最近、解明されたわけである。遺伝子上の、この体内時計が何らかの影響で異常になったとき、どの生物も時間感覚異常をを引き起こす事は実験的にも確かめられた。
人間は、人類として生誕する以前から、太陽を基点とした時間感覚にしばられていたのである。つまり、人類は、本質的に、空間的であると同時に、時間に規制された、時間的存在なのである。
(完 記 1990年4月12日)
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