心霊現象の科学をめぐってーその11&目次
心霊現象の科学をめぐって という題でいろいろ私の読後感などを紹介しています。
ここで、この題名では、何がどこで話題になっているか、いちいち覗いてみないとわからないので、今までの分の目次を作っておきます。〔私自身のためにも)。
その1-京大カール・ベッカー教授の”臨死体験”研究や”仏教とあの世”の関係、そして小林秀雄の”信じることと知ること”という講演の中のベルグソンの精神感応の夢の話とそれをめぐる批判、そして小林秀雄の”世の中に不思議なことがおこる”という確認となぜ近代科学がこの”不思議”現象をとりあつかえなかったかということに関する小林秀雄の考察・批判
その2-魂 というものについて小林秀雄の”感想”のなかの母親の死をめぐる実感について。魂らしきものが存在すという予感。
その3-サイキック Eilen Garrett の幼児からの体験。有名なDuckの子の遺体からSpiritが立ち上るのを見た話。魂が肉体から遊離するのがサイキックEileenには見えたという話。
その4-サイキック Blue Harary のOut of Body Experience 離魂体験、猫、蛇とブルー・ハラリーのSpiritにたいする反応について。猫や蛇はブルーの何かを感じ取った。その何かとは何か。魂か。
その5-Dutchサイキック M.B.Dykshoorn の予知について。全領域にサイキック。
その6-Dutchサイキック Gerard Croiset の有名なChair Test 予知 について。
その7- トーマス・マン”魔の山”のこっくりさんの場面とサイキックとの関係、とくにCroisetの本と Eileen Garrett の自伝”Many Voices"のなかのトーマス・マン Familyに関するEileenの所見。
その8-サイキック Rosemary Brown の ”Unfinished Symphonies" の紹介、半分。どうして、リストのコンタクトに彼女が択ばれたのか。RosemaryのHusbandの若くして亡くなった先妻が彼女の前に現れて、子供をつれていて、Husbandの子供だといい、Husbandは自分の子供は流産したから、子供は居ないといったら、その流産した子供がうまく異次元で成長できていま、17歳だとかという、恐ろしいお話の紹介、また、母親のなくなった知らせが届くよりも先に、彼女の前にわかわかしい健康そうな亡霊が現れて、嬉しそうな表情をしめしたので、母親が苦痛から解放されて、なくなってよかったと感じた話。なんとなく、嬉しくなるような話。
その9-Rosemary Brown の本のまとめ。リストの説く、異次元について。とくにこの地上の世界はまだ幼児期に等しいという話。どうして、リストがあらわれて彼女に作曲を指導したのか。つまりり、死んですべてがおわりではないということを、知ってもらい、世の中の人にも知ってもらい、死んだら別の次元に移るだけで、あたらしい世界が待っているから、絶望しないで、この世では精一杯に生きることが次の次元でさらによりよく展開できるという話。死んだら肉親・関係者がつぎの次元を紹介するために待ってくれているという話。お迎え。
その10-D.Scott Rogo というParapsychologistの本をわたしは好きでよく読みましたが、今、現在、彼はどうしているのだろうと、Wikipediaでしらべてみたら、なんと1990年夏、かれはロサンジェルス、Northridgeのアパートで家宅侵入犯人に殺されていたことがわかり、ショックを受けたこと。Rogoは自身、Out of Body Experience を実行できたひとで、その種の本も書いており、Out of Body が可能ということは霊魂Spiritが肉体と別に存在し、霊魂不滅説、Human Spirit のSurvival の証明みたいなものではないかということで、もう少し、Out of Body Experience について勉強しますという話。
その11-今、わたしはRogoと名前のついた3-4冊の本ととりくんでいます。彼の書いたものはどれも読む価値があります。Out Of Body Experience については、How to もの”Leaving the Body" があり、これは今までの研究Historyを整理して、彼の分析的判断力と自分の体験を分析して、有効なHow to ものとなっており、わたしもおりを見て実行してみたいと思っています。〔トライアル)。
”Mind Beyond the Body"はRogoの責任編集で、彼自身、はじめからおわりまで、概論やまとめを書いていて、Very Good です。これを読み直していて、Out of Body Experience があったから、すぐに霊魂不滅とかといった結論にもっていくことはできないということがわかりました。なかなかむつかしいものです。このExperienceにも、よく調べると3-4種の異なるExperienceがあり、なにも魂が抜け出したからと、すぐにはゆえないということがわかりました。
亡霊のような形で現れるケース、火の玉のようなガス状・球状、その他の形状で現れる場合、光のようなものが投射する形だけの場合、意識だけが抜け出したような場合などといろいろなケースがあり、まじめに取り組むと、おもしろそうですが、また、単純に判断できず、むつかしくもあります。
もう一冊。Haunted Universe。 これは、ものすごく面白く、重要だと私は思います。27歳の時に既に本になっています。これは、いわゆる科学者・心理学者・心霊現象の科学者たちが扱うのを恐れている領域に踏み込んだもので、彼の探求心、分析力は立派です。
たとえば、宗教の世界になりますが、キリストの彫像や絵や写真が涙を流したり、血を流したり、壁に顔が浮かび出てきたり、いろいろなケースがあります。有名なFatimaで空中に肖像が浮かんだり、火の玉のようなあかるさが輝いたとかそういった不思議な現象。これはすでに19世紀以前から報告されていて、20世紀初頭からは、かなりくわしく研究もされていたようです。
ここでのRogoの解釈は、いわば中心になった人物はサイキックでCatalyst'触媒のような働きをしたと考えています。そして、いろいろな不思議な現象がおきたのは事実だが、それを起こしたのは、神さんでもなければキリストさんでもなく、熱狂的な信者の集団のエネルギーがあらわれたものであるという解釈を示しています。
あるいは有名なUFOの研究に関しても、彼は立派な解釈を行います。あれはサイキックな現象だというわけで、まずサイキックな人がUFO現象を目撃する前に、UFO現象が起こることを知ります。そして、一度、そういう経験をした人は何度もします。普通の人は一生経験しないのに、どうしたことか同じ人ばかりUFOを目撃する、それはまさにサイキック現象だからというわけです。これは、UFO物体目撃についての話で、彼はユングの有名なFlying Saucers についても、エラーはあるが、彼がやはりサイキックな現象と解釈している点を認めています。
では、なぜ集団のエネルギーがそういった形体をとり、形状をとるのかという事に関しては、彼自身のPoltergeist研究、Parapsychologistたちによるポルターガイストの研究が根拠となっていると思います。
PoltergeistはNoisy Ghostとかといわれ、誰もいない部屋で物体が飛び回ったり、石や皿が飛んだり、壊れた音がしたりとか、むかしなら単純にGhostがあばれていると判断するような現象がおこり、その開明は現代になって、その家の若者の自身気がつかない不満や精神的Frustrationなどが、蓄積されてそういった現象となってあらわれ、こういう現象があらわれたら、その家の若者に注目しろという結論までしられています。そして、ポイントは本人も自覚しない精神のエネルギーがブツ的な力を以って現象として現れてくるということで、Rogoやその他の研究者の考えでは、人間の精神のエネルギーはいまだにはかりしれないほど巨大なものをもっており、それがひとりの思春期の少年少女でも、ものすご巨大な力をもってあらわれる、それがまじめな宗教的信者たちが集まってなにかを期待するようになれば、それは、まちがいなく巨大な現象を生むという'解釈です。わたしもこの解釈は気に入っています。
さて、それでは、こういう精神のエネルギーのようなものが生きている人間の体からあらわれ、こういう不思議な現象の説明にGhostを持ち出す必要は無いということがどうしていえるのか。ここで、威力を発揮するのが、わたしの考えではPhilip Experiment フィリップ体験またはフィリップ現象といわれる実験です。
Conjuring Up Philip by Iriss M. Owen with Margaret Sparrow Harper & Row 1976、Pocket book edition 1977
この本の要約が、The Philip Phenomenon という タイトルで 4ページで上手にまとめられています。"The World Almanac-Book of the Strange"Signet Book 1977.
簡単に要約します。私の要約で、昔読んだ本を思い出しながら短く紹介します。
カナダの普通の庶民が8人ほど毎週集まって、Parapsychologist Dr. A.R.G.Owen指導のもとに行った実験で、19世紀によくおこなわれたSpiritualistのMeetingみたいなものですが、ポイントは何か反応があったときに、すぐ感じるGhost、Spiritが反応しているのだという誤解を防ぐために、イギリスのCromwellの時代に生きたPhilipという架空の男性の悲劇を小説で描き、そのストーリーを主題にして、みなで話し合おうというもので、1年間はまじめにPhilipについて検討しあったけれども、反応が無かった、そこで、方針を変えて、19世紀のSpiritualistのように、ゆかいに雑談をして過ごそうということになりました。そうするうちに反応が出始め、Yes,Noの質問にも反応するようになり、最後にはテーブルまで勝手にもちあがったという話で、それをすべて記録にとってあるので、科学的な実験だということになりました。
ここで、わかったと思われることは、Ghostでなく、人間がなんにんか集まれば、ものすごいエネルギーの表示がでてくるということで、まるでGhostが反応しているみたいに、質問に対してまじめに答えるという結果が出てきました。ここでPhilipという架空の人物を作った意味があらわれます。そうでなければ、またまたあの世から霊が反応していると思ったことでしょう。
Poltergeistの研究、そしてこのPhilip Experiment の実験などからわかったことは、人間は自覚しなくても、今の科学ではとらえられない巨大な精神のエネルギーというものをもっていて、それがひとりでも、大変な騒動を巻き起こせる、厖大な人数になれば考えられないような現象が起こっても不思議ではないという結論に達したということだと思います。
その11-要約。Rogoという偉大な研究家。Out of Body Experience は4種ほどの対応があり、簡単に霊魂の存在証明にはつながらない。しかし、何かが在るのはたしか。もすこし勉強〔私の)が必要。Haunted Universe という本は面白い。科学者が避けて通る領域にまともに切り込んでいます。その解釈も彼なりに一貫しています。人間の持つ精神のエネルギーとでもいうべきものは、隠れたものすごい力を持っていて、それが発揮されると、場合によってはPoltergeist騒ぎがうまれ、また熱狂的な信者による宗教的なMiracle現象にあらわれると考えます。
その解釈の根拠はPoltergeistの研究と、私個人の感想ではカナダでの有名な実験”Philip Experiment"が証明すると思います。Philip実験 の簡単な紹介。
今日はこれで、終わります。
村田茂太郎 2012年3月29日
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