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3/16/2012

訣別 わかれ

訣別 わかれ  2012年3月16日

今日(アメリカ3月16日)はお葬式がありました。

 この、お葬式は、最近の私の「心霊現象の科学」への関心がまた高まって、いくつかの昔読んだ本を再読していたおかげもあって、わたしにはさわやかなものでした。

 多分、Rosemary Brownの話が心に残っているからでしょう。”Unfinished Symphonies"。
彼女(Rosemary)のお母さんが病院でなくなったとき、知らせが来る前に、病気の母の姿ではなく、わかわかしく元気になってうれしそうな母親のまぼろしが彼女を訪れて、彼女は病気で苦しんでいる母親でなく、もう違う次元に移った母親の霊にあって、かえってうれしかったという感想を書いていました。

 Rosemary Brownはそのあと、彼女につきそうFrantz Listzの霊から、この地上の生命はいわば幼児期のようなもので、まだまだ異次元の世界で生長していかねばならないとかという話をききます。

 つまり、霊がお墓にとどまっているのではなく、もう別の次元に移行しているのであって、いわば偏在の存在になったということだと思います。

 今日のお寺さんのお話でも、霊が永遠に、いつまでも、お墓の中に居るのではなく、どこにでも、そよ風にも、夜の星明りの中にも、というたとえがありましたが、そういうことだと思います。

 昔、読んだ本を読み返していて、次のような話がありました。これは ”Edgar Cayce-Sleeping Prophet” というベストセラーを書いたJournalist Jess Stearn というひとの”A Matter of Immortality" という本の最初に出てくる話です。

 有名なMedium 霊媒 Maria Moreno というサイキック(Trance Medium) がTyrone Power というActorのお墓の近くのベンチでRelaxしていたとき、突然、だれかが肩に触れたように思い、夢だと思って払いのけようとしたら、突然、声がした。
”I want you to convey a message for me."わたしからのメッセージを伝えて欲しい。
Mediumとして沢山の霊とつきあってきたMariaにとっても、Trance状態でないのに、霊がはなしかけてきたのは初めてだった。
”My name is Lydia、and you are sitting by the foot of my grave.”私の名前はリュディア、あなたは私のお墓のあしもとに座っている。”
Mediumがよlくみると地面を少しあげたところに簡素な厚板のような墓石があって、それにLydia 1931-1972 と刻んである。

 "In a few minutes," she said,"three people will arrive to visit my grave. They come every day at four-thiry wih flowers, and they weep until my hearts aches for them. Tell them not to come any more, that I am not dead, but alive, and that they should go with thier lives, and stop grieving."
"And who are these people?" asked Maria.
"They are my mother and father and sister. They loved me, and will not let me go."
"But why should they listen to me?" said Maria. "They have not consulted to me."
"True," said the vision,"but I will give you the information that will convince them that you are speaking for me."
"I do not think so," said Maria,"They enjoy thier sorrow."
"Oh, no, it is only that they have little else, and do not understand that life is everlasting. Nothing lies in that coffin but the flesh. There are no ghosts living in graveyards."

 もうすぐ、三人やってくる。毎日、4時半にお花をもって。そしてわたしの心が痛むほど彼らは嘆く。もうお墓へは来なくてよいといって欲しい、わたしは死んではいない、生きているのだ、彼らは自分の生活を生きるべきで、いつまでも嘆いていてはいけない。

誰なの?

父母と妹。彼らはいつまでも私を愛して、お墓参りをするので、わたしはどこへもゆけない。

でも、どうして彼らがわたしの忠告を聞くと思うの、別に私に相談したわけでもないのだし。

そうその通り、ただ、あなたが私のために話していると彼らが信じるような情報を伝えるわ。

私はそうは思わない、かれらは自分たちの悲しみを楽しんでいるのだから。

いいえ、彼らには何もする事が無いから、そうしているだけ。生命が持続するものだとわかっていないのよ。このお墓の棺の中には死んだ肉体以外の何もないのよ。墓場には幽霊なんていないのよ。

 という調子でつづいていきます。

結局、名前その他の情報をもらい、しばらくすると、3人がやってきました。Mediumが声をかけ、Lydiaの希望を伝えると、驚いて、信じるどころか逃げていく。しかし、しばらくたって、別の日、またTyrone Powerのお墓の近くにいったら、今度は一人の女性だけがお墓参りにきていた。すくなくとも、両親は訪問をやめたのであった。

" She tells me to tell you:`I am not dead. I live. Death is the beginning, life the unreality. Grieve for me no longer'."私のことをもう嘆かないで、わたしは死んでいない、死は始まりなのだから、非現実的なる生の、ということを伝えてくれと言っている。”

 ということで、Maria Moreno はあとで、何が起こったかについて考察します。

 "Nothing was in the grave. She came to me from space, because I was a medium. She wanted her family to know that she was happy now, and didn't like seeing them unhappy."
お墓には何もない。彼女の霊は宇宙から私のところにやってきた、なぜなら、わたしが霊をあつかえるMedium霊媒ということを知ったから。彼女は今、Happyで、彼女の家族がいつまでも彼女のことを嘆いてUnhappyでいるのはたまらない、ということで、Mariaをみつけて、頼んだというお話。

 ともかく、Psychic Scienceを読み、今在る科学の限界、あるいは科学者の科学的態度の限界を思うと、世の中に不思議はあり(小林秀雄)、霊媒Mediumは本当に霊と交信し、死ははじまりであって、おわりではないということは本当かもしれません。パスカルの賭けで、本当かもしれないというほうに賭けた方が、無を信じるよりは、じぶんが死んだときに戸惑わなくて済むかもしれません。

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そういえば、昨日〔アメリカ3月15日)、たまたま、Yomiuri-onlineで吉本ばなな が云々と書いてあったので、開いてみると、吉本隆明が亡くなった感じなので、Wikipediaで調べると、3月16日、日本時間で、87歳で逝去と出てきました。ばなな の話では、父隆明氏がおまえが祈ってくれたおかげで、三途の川からもどってこれたとかといっていたということで、亡くなるすこしまえに、意識が回復したときの話でしょう。

吉本隆明氏は戦後思想界の巨人で、とくに若い全共闘の世代〔1960年代)に妄信的な影響と信者をあつめたようで、わたしはえらいと思っていましたが、どちらかというと小林秀雄のほうが私の好みにあっていたので、批判的に読んだ方です。しかし、小林秀雄とちがって、つねに時代の問題をひきうけていたので、大変だったと思います。

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今日、おわかれをした人はとても明るく、いきいきとしたひとで、居るだけで、その場がはなやぐような、楽しい人でした。77歳。病気で苦しんで生きているよりも、サイキックの話が本当であれば、かえって喜ばしい状態になったのかもしれません。私がさわやかな印象をもてたというのも、そのせいでしょう。いまも、まるですぐそばにおられるような感じがするほどで、もしかして、そうなのかもしれません。思い出す、祈る、考えるということは、霊的存在にとっても大事なことかもしれません。

合掌。

村田茂太郎 2012年3月16日


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