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12/01/2015

「心霊現象の科学」をめぐってーその110 ”Thirty years among the Dead” Dr. Carl Wickland(1924年)を読むーその2


「心霊現象の科学」をめぐってーその110 ”Thirty years among the Dead” Dr. Carl Wickland(1924年)を読むーその2

 10日ほどまえ、この本を読み終わった。とても面白く有益であったが、また恐い本でもあった。Earthbound Soul 成仏できずに地上付近をさまよう無数の亡霊たちが本当に無数に居るということがわかり、それらの亡霊たちがチャンスをうかがってPossessしようとし、そして成功している例が無数にあるということであった。いわゆる異常反応を示してキチガイ扱いされ、精神病院に入れられる患者の多くは、Dr. Wicklandが扱った限りにおいては、ほとんどすべて、沢山の亡霊Earthbound SoulPossessedされていたのであった。その中には、自分では知らずに、PossessedしたSoulが号令して殺人を犯し、ほかの罪を犯しているケースも会った。

 とくに、これは大変だ、しかし本当だと思ったのは、様々な宗教の熱心な信者や教会のPastorMinisterなどが, ほかのEarthboundSoul同様、次の次元に移行できず、何十年も暗い世界をさまよっているという話で、Dr. Wicklandによれば、Fanatic狂信的な信者ほど救い難いということであった。教会の熱心な信者だからということだけでは、死後、成仏できて、次の次元に無事移行できるという保証は無いのである。世の中の苦悩を背負った人を助ける作業をしている人(Mother Teresaのような人)のほうが間違いなく、極楽のような世界に無事移行できるようである。愛と寛容、赦しと親切、やさしさ、慈悲、そうしたものを示してきた人々は、間違いなくお迎えが来て、やすらかに次の次元に移行できるらしいが、熱心に教会で讃美歌を歌って、ほかに何もしなかった、家の中も世の中もほったらかしていたという人は、まちがいなくEarthboundになっているようである。

 なぜ、彼らは熱心なChristian信者であり、讃美歌ばかり歌っていたのに、地上をさまよう亡霊となっているのか。理由は簡単である。彼らは教会で間違ったドグマをおそわり、批判的精神を持たずに、単純にそれを信じていたため、自分が病気・事故その他で死んだあと、意識があるため、死んだと悟らない。 教会で教わったドグマ、死んで眠りについてJudgement Dayにいっせいに復活するというような教えを信じていたため、死んでも意識があるから、自分が死んだと納得できず、しかも、生きているものたちのことはすべてわかるのに、相手はなにをいってもわかってくれず、人に手をかけても素通りする幽霊状態なので、Frustrationがたまるばかりで、どうなっているのか、どうすればよいのかということがわからない。また、教会で何かというとすぐに牧師によって、Hell地獄に落ちる、という話を聴かされて育ったものだから、いまの中ぶらり状態のほうが、地獄よりもまだマシだと思って、助けようとしてもすりぬけてしまうということになるらしい。なによりも驚きは、意識があるため、自分が死んだということを知らないEarthbound Soulがいっぱいいるということである。

 Dr. Wicklandは、たまたま、ワイフがMediumであったため、このPossessed状態の人々を救うチームをつくることができ、沢山の人(Earthbound soulPossessedとりつかれて異常反応を示している人たち)を、そして、その異常反応を起こしている張本人のEarthbound Soulたちを救済できたのであった。その方法は、現在、Dr. Edith Fiore, Dr. William Baldwin, Dr. Louise Ireland-Freyなどが実施している方法とはすこし異なる。Dr. Wicklandはすでに100年近く前の人であり、1935年ごろに80代で亡くなった人である。現在のSoul Releasementを実施している人たちは、いわゆるHypnosisをつかって、直接、PossessedしているSoulと会話する形で進めているのに対し、19世紀末からの精神異常者への対症療法は電気ショックを脳に与えるというもので、これは有名なJack Nicholsonの映画 「One flew over the cuckoo’s nest」の最後で、Jack Nicholsonが電気ショック療法を強いられて廃人のようになるという場面があったが、あの電気ショックが19世紀末から20世紀はじめにかけても行われていたようで、Dr. Wicklandがやった方法は、精神病患者特有の症候をしめすClientに電気ショックをあたえて、苦しさにたまらなくなったPossessed Soulが外にとび出すときに、ドクターのワイフが自分の身体を提供して、PossessしていたEarthbound Soulがのりうつると、Mediumであるワイフの肉声を使って、Earthbound Soul=Possessed Soulと会話ができることになるというわけで、ワイフ=Mediumは完全にTrance夢遊状態で、ドクターがPossessed Soulと会話をしている間は、完全に無意識状態である。それにしても、このEarthbound Soulのむちゃくちゃな反応振りを見ていると、ミセスも大変であったなあという感想を持ってしまう。

 この電気ショックは本当にとりついていたEarthbound Soul が逃げ出すほど、大変なものであるということが、本人(Earthbound Soul)の文句からわかる。いわば落雷にうたれたようなヒドイショックが全身に走るそうで、それが一度だけでなく、まちがいなく何度も落雷するようなので、PossessしていたSoulはありえないことが起こっているとうけとり、それを実行していたのがドクターだと知って、ドクターに怒りを示し、おどし、そして最後に、もうやめてくれと懇願する。

 電気ショックは野蛮な方法だと思っていたが、野蛮なだけあって、Possessed Soulを追い出すほどの効果があったのも事実らしい。今は、そういう方法は用いないで、ドクターによる催眠方法で対応できるのであろう。

 さて、電気ショック療法でドクターのワイフであるMediumにのりうつった霊とドクターは会話をもつ。ドクターが会話をした相手のSpirit/Soulは様々である。自殺者、犯罪者、ドラッグ中毒者、記憶喪失者、孤児、マテリアリスト、そして教会関係者、Orthodoxy, Christian Science, Theosophy 関係者、その他、いろいろであるが、みなEarthbound Soul として普通の人にPossessした状態でいるのを電気ショック療法で引っ張り出されたわけである。

 ここでは、321ページから展開される宗教関係者のMedium経由の救済について紹介しよう。まず、英文を引用させてもらって、簡単な意訳とコメントをつけよう。(また出版社には無断の引用だが、まあ、これはいい意味での紹介であり、ある意味では宣伝でもあるので、赦してもらえると自己弁護して、紹介に移る。)

 The science of religion should teach an intelligent realization of the nature of God and the life hereafter, but humanity is still kept in subjection by fear, superstition, dogmas and creeds, and has not yet attained liberation through a full understanding of what becomes of the dead.

 ここでドクターは宗教関係に関する彼の個人的見解を述べる。ドクターはクリスチャンであり、宗教を批判しているわけではない。宗教のあり方(教会などの説教の仕方)が問題になっている。Godの本性について、あるいは“あの世”などについて、今の教会宗教は恐怖や迷信、間違ったドグマや信条をおしつけているだけで、死んだらどうなるのかということについて充分な理解もないため、信者たちは彼・ドクターが例示するように、Earthbound Soulの状態で暗黒の世界を放浪するだけに終わっているという。

 Passing through the change called death, a great majority remain in entire ignorance of their condition, and are bound for a time to the earth plane by their false doctrines.  彼らは死んでしまうと自分がどういう状態に居るかもわからないまったくの無知のままで、間違った信条によって、いつまでも地上にへばりついたままになっている。

 The most difficult to enlighten of the earthbound spirits are the religious fanatics. Dominated in earth life by one narrow, fixed idea, opposed to logical analysis and independent thinking, they are found, after passing out of the physical, in a state of self-hypnosis, ceaselessly repeating their empty “religious” jargon. この地上にへばりついた魂のなかで、覚醒させるのに一番手間取るのは狂信的な宗教信者の場合である。ひとつの、狭い、凝り固まったアイデアに支配されていて、論理的に考え、また自分で考えるということをしない、あるいは出来ないために、丁度、自己催眠をかけて、永遠に意味の無い宗教的たわごとを叫び続けるだけである。

 そういう例として、まず1923年3月28日のケースを展開する。ドクターのワイフであるMediumにのりうつった霊は、どうやら讃美歌を力強く歌い続けている。ドクターが何を質問しても、歌い続けるばかりである。分別を持ちなさいとドクターがいっても、歌いましょう、祈りましょうと叫ぶばかりで、まともな会話がもてない。ドクターが、あんたは宗教的にキチガイだというと、Spiritは、我々はみな神様に祈る、ハレルヤ!と叫びだす。・・・ドクターは、あんたは自分の状態を知らない、親切なSpiritsが、ここ、LAのドクターのところに連れてきたのだ、あんたはSpiritなのだ、しかも、既に長い時間が経っている。あんたは、助けようとする誰の意見にも耳を貸さない、自分の状態をまず理解しなさい。You have lost your physical body. Ignorant spirits often lose memory of their earth lives.あんたはもう自分の体を持っていないのだ。無知なSpiritsは、しばしば地上での生活の記憶さえなくしてしまう。・・・ Do  you know that you are dead? That doesn’t interest me. あんたは自分が死んでいるということを知っているの?そんなことは興味ない。

 このSpiritは結局、誰の意見も聞かず、ドクターの救済サークルから追い出された。(そういうケースも、いくつかあった様子。宗教的な狂信者は本当に、ほかからの意見を聞こうとしないので、助けることが不可能なようだ。)

 このSpiritが去ったあと、子供のSpiritがやってきた。どうやら、先の女性の子供であったようだ。彼女はドクターとおだやかに会話を持つことができ、救われることになる、つまりほかの親切なSpiritに従って、次の次元に移行できるようになった。この16歳ほどで亡くなった少女の教会での話を聞くと、本当に教会のMinisterにはいいかげんな人間が多かったと怒りがわいてくるほどである。カネを貧しい人間から巻き上げるのが仕事で、なにかあるとHell地獄を持ち出し、寄付をしないだけで地獄に落ちるというような説教ばかりしていた男がこの少女と母親の属する教会の指導者であった。

Dr. Our work is to help spirits who are in trouble, and you will find happiness when you leave here. 私たちの仕事はトラブル状態に居るSpiritsを助けることで、あなたはここを去ると幸せを見つけるだろう。

Sp. I will tell you. The minister at the church we go to, he says: If you do not do so and so, and pray every night, and sacrifice everything, you will go to hell.” He says we must not eat, but must lay on the floor and torture our bodies for Christ’s sake. 自分たちの行く教会のミニスターは、自分の言ったとおりにしないと地獄に落ちるだろうという。彼は、私たちに食べてはいけない、キリストのために床によこたわって、自分を痛めつけないといけない、と。

Dr. That minister is insane. ミニスターはキチガイだよ。

Sp. He said we must not eat anything except dry bread with water. He said I had been a sinner, and I must give all the money I make to the Lord, and I must be His slave. I asked him if the Lord was so poor that He needed all my money, and he said that question was from devil. I worked very hard and Mamma took all my money away from me for the church. I went out sewing in a shop, but my Mamma took me to church every night. All I got was a hard crust of bread and some water in Jesus’s name.ドライ・フードと水以外は食べてはいけないと彼は言う。彼は、わたしは罪を犯した、だからすべての金をLordに与えないといけない、そして彼の奴隷でなければならない、という。そこで私は、Lordは自分のすべての金を必要とするほど貧しいのかと訊ねたら、そういう質問はDevil悪魔から出た言葉だといった。自分は一生懸命働いたのに(9歳のときから)ママはすべてをとりあげて教会にあたえた。自分がもらったのは硬いパンのかたまりと水だけ、それもイエスの名前のもとに。

Dr. How old are you? いくつだね、君は?

Sp. About sixteen or seventeen. 多分、16歳か17歳。


Sp. Sometimes I asked Mamma why we had to sing and pray all the time. It came to my heart that God is Love, and we are His Children, so why does He let us work so hard and sacrifice our bodies so that we hardly have any strength, then give all our money to him. Is He so poor? わたしはママに、どうしていつも歌を歌い、祈っていなければならないのかとたずねる。GodLoveだと、そして私たちはその子供だと心で感じる、それなのに、彼は私たちを激しく働かせ、体をいじめるのか、そのために私たちはほとんど体力も無いほどなのに、それでいて、すべてのお金を彼に与えねばならない、彼はそんなに貧しいの?

Dr. The Lord has nothing to do with any of that. Only ignorant, insane persons say such things. Lordはまったく関係ないよ、ただ無知で、正気で無い人間だけがそんなことを言うのだ。

Ap. He is a minister. 彼はミニスターなのよ。

Dr. What church did you belong to? どの教会に属していたの?

Sp. The minister said if we did not do as he told us to, we would go to hell. He talks and talks, and we have to listen to him. ミニスターは自分のいったとおりにしないと、私たちは地獄に落ちるという。彼はしゃべるばかりで、それを私たちは聞いていなければならない。


Dr. All that fanaticism is wrong, every bit of it. God is Spirit, and God is Love. God has nothing to do with such fanatical talk. He does not need any one’s money. そんな、すべての狂信的なものはまちがっている、すべてがまちがいだ。Godはスピリットであり、Love愛である。Godはそんなむちゃくちゃな狂信的な話とは関係ない、彼は誰の金も必要としない。

Sp. Then why do they give it to Him? それでは、どうして彼らはそれを彼に与えるの?

Dr. God doesn’t get it – the ministers do. God doesn’t need it. Godはそれをもらわない、ミニスターたちが得るのだ、Godはそれを必要としない。

Sp. Doesn’t God need our money? Godは私たちのお金を必要としていないの?

Dr. No. God is Spirit. Spirit is invisible. I am talking to you and you are talking to me, but you are invisible to us. We cannot see you. Mind is invisible. You see my body, but not my mind. God is invisible and He is not in a certain place as we are. He is the Soul of all things. ノー、Godはスピリットで、スピリットは目に見えない。私は君と話しているし、君は私に話しかけている、しかし、私たちには君が見えない、Mindは目に見えない。君は私の肉体を見る、しかし、Mindは見ない。Godは目に見えない存在で、私たちのようにある場所にいるわけではない、彼はすべてのものの魂だ。

Sp. But minister says He sits on a throne with Jesus on His right hand. Why did he tell us that if it is not true? しかし、ミニスターは、Godはイエスを右手に控えた王座に座っているといっている、もし、それが本当でなかったら、どうして彼はそんなことを言うの?

Dr. Because “the truth is not in him.” He is not honest. なぜなら、「真理は彼の中に無いからだ。」彼は正直で無い。

Sp. But Jesus died for our sins. イエスは私たちの罪のために死んだと。

Dr. No, he did not. ノー、そうではない。

Sp. He said:  ”Take up my cross and follow me, and go to church every day.” かれ(イエス)は、十字架を背負い、私に従え、そして毎日、教会へ行けと言ったと。

Dr. Jesus never mentioned going to church. His teachings were about the higher life. イエスは教会へ行けなどと言ったことは無い、彼の教えは、より高貴な人生についてだった。

Sp. Heaven? 天国?

Dr. Not as you understand it. いや、君の理解する意味ではない。


Dr. Your mother and the minister are spirits, but ignorant of the fact. 君のお母さんもミニスターもSpirits霊 だよ、しかし、その事実をわかっていない。

Sp. Do you mean all those people are spirits? There must be a thousand all singing and praying, all the time. … あなたはここにいるすべてのひとがSpiritsだとおっしゃるのですか?何千というひとが、年がら年中、すべて歌を歌い祈りを捧げているだけ。。。

Dr. All those people have lost their physical bodies, and are in the outer darkness that the Bible speaks about. They are in blind, religious ignorances. They will remain in that condition for a very long time if they do not change their way of thinking. They are filled with religious fanaticism. このものたちは、すべて肉体を喪失した、バイブルで言うところの外の暗闇に居るものたちだ。かれらは目クラで宗教的に無知なのだ。彼らは彼らの思考方式を変えない限り、いつまでもこのままの状態でいるだろう。彼らは宗教的な狂信状態に居る。

Sp. The whole crowd down there will not listen to anybody; they just sing and pray. この群集全体が誰の意見も受け入れないで、ただ歌を歌い、祈っているだけ。

Dr. They can stay there for years and years, and their “Lord” will not care anything about them. 彼らはその状態でいつまでも居続け、そしてLordはぜんぜん、彼らのことを気にしていないだろう。


Sr. Will you help my mother? お母さんを助けてくださる?(ドクターの意見に耳を貸さないで、娘とかわって、Mediumの体から出て行った、あるいは追い出された母親)。

Dr. Intelligent spirits will take care of her. It was they who “Pushed” her in here, to bring her to an understanding. The difference between you and your mother is that you will listen and she would not. 霊界のなかの世話人とも言える知的な霊たちが、お母さんの面倒を見るだろう。彼らが、お母さんをこの場所までつれてきたのだ。あなたとお母さんとの違いは、あなたは話に耳を傾け、お母さんはそうではなかった。

Sp. Then you do not think God would be angry with me? Godは私のことを怒っていない?

Dr. Of course not. もちろん、怒ってなんかいないよ。

Sp. Sure? 本当?

Dr. God knows everything. He is All in All. He is the Creator and Creation both. Godは何でも知っている、彼はすべてのすべてだからね、彼は創造者であると同時にうみだされたものなのだ。

Sp. Don’t we fall in sin? 私たちは罪を犯していない?

Dr. No, never. ノー、決して。

 この娘のほうが素直にドクターの話に耳を傾け、理解し、そして先輩のSpiritsの助けに従って次の次元に移行していったのであった。

 このドクターとSpiritsの会話からわかることは、まさにSpiritsはまともな思考能力を維持して、まるでお互い生きて会話をしているように、(この場合はMediumの口と耳を借りてだけれども)わかりあえるということがわかる。そして、自分が死んだことも知らない死者が無数にいるということも。そして、論理的に話し合えない狂信的な人間は、死んでも同じ浮かばれない状態に居続けるということ。 (つづく)

村田茂太郎 2015年12月1日

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