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12/02/2015

「心霊現象の科学」をめぐってーその111 ”Thirty years among the Dead” Dr. Carl Wickland(1924年)を読むーその3


「心霊現象の科学」をめぐってーその111 ”Thirty years among the Dead” Dr. Carl Wickland(1924年)を読むーその3

 この本の第7章は、“Spirits and Suicide”とタイトルがついている。Suicide 自殺 ときくと、すぐに関心が高まる私は、実はこの本を購入して(2013 )すぐに、この自殺に関する部分を読み終わった。

 これを読んで、わたしの、自殺の“理由”に対する理解がさらに深まった。こんなかたちの自殺もあるのだと知って驚いた。 いわば、自分は自殺する気などなかったのに、知らないうちに自殺に追い込まれていたという恐ろしいケースがいくつか述べられていた。

 A Great Number of unaccountable suicides are due to the obsessing or possessing influence of earthbound spirits. (P.141) Some of these spirits are actuated by a desire to torment their victims; others, who have ended their physical existence as suicides, find themselves still alive, and, having no knowledge of a spirit world, labor under the delusion that their self-destructive attempts have failed and continue their suicidal efforts. 沢山の、自殺の理由不明の自殺はEarthbound Spirits がとり付いたりして、起こるものであるということがわかった。ある種のSpiritsは犠牲者を懲らしめてやろうということで自殺に追い込んだりするようだ。また、本当に自殺したもののSpiritsが、自分は自殺したはずなのに、意識があるものだから、自殺に失敗したと思い込んで、Spiritの世界に関する知識もないため、Sensitiveな人にとりつき、何度も自殺を実行しようとしたために、取り付かれた人は自殺してしまうことになるようだ。

 When these intelligences come in contact with mortal sensitives, they mistake the physical bodies for their own, and impress the sensitives with morbid thoughts and instigate them to deeds of self- destruction. 生きた繊細な人間に接すると、こうしたSpiritsは他人の体を自分の肉体だと勘違いしてのりうつり、その宿主にいまわしい自殺の観念を植え付け、実行させるに至るようだ。

 Mrs. X SpiritDr. Wicklandにコンタクトしてきた。Mediumである彼・ドクターの妻経由で。なんとMrs. X はドクターが少年の頃、ヨーロッパでSunday schoolの教師をしていて知っていた女性で、知的でSpiritualで、教会の熱心なメンバーであり、結婚して子供を何人か持ち、幸せに暮らしていた。何の前触れも無く、この、どこからみても幸せいっぱいで、満足していたはずの彼女が、突然首をつって死に、夫も子供たちも悲嘆に落とし込まれたのであった。

 それから10年経ったある日、ドクターのワイフであるMediumが突然、息が詰まったような状態になった。この女性Mrs. X の霊がMediumに乗り移ったのであった。そして、いくつも質問のあと、このSpiritが10年前に自殺した、自分の子供の頃の先生であった女性Mrs. Xであると知った。彼女はこの10年、まだEarthboundの状態で、Mental Hell といえる中に居た。

 彼女は首をつって、Spiritが肉体を離れたとき、その傍らで、うまくしてやったとほくそ笑んでいるDevilのようなSpiritsの姿を見たのであったが、もう手遅れであった。どうやら、Happyな様子の彼女の家庭を破壊してやろうと、嫉んだものたちが仕組んだ自殺教唆であったようだ。まさに発作的に縄に首をかけて実行し、すぐそのあと、まちがったと思ったが、もう手遅れであった。もう一度、自分の肉体に戻れるなら、世界でもくれてやったであろう。どんな絶望と後悔が自分を蝕んだことか。家を破壊し、夫も子供たちも悲嘆にくれて、いじけてしまった。わたしは彼らをなぐさめようと、近づいたが、ぜんぜん気がつかず、悲嘆にくれるばかりであった。そして、今に至るまで、わたしは深い悲しみと暗黒の中に居た。

 話のよくわかるSpiritであったので、ドクターの説明を聞いて、無事、次の次元に移行することができた。それから数年経って、ドクターが、自殺したい傾向を持つ若い女患者をあつかっていたときに、この同じSpiritがドクターを訪問してきた。彼女は自分の自殺の経験から、その患者に、自分の自殺体験とそのあとの暗黒の10年について語ろうとし、自殺は問題の解決にならないどころか、問題を生むだけだということを示そうとしたのであった。

 1918年11月17日。Spirit Mrs. X, Psychic Mrs. Wickland

 It is a long time since I have been here. I should like to say a few words to this young lady who is contemplating suicide. 私がここ(ドクターとワイフのサークル)に居たときからずいぶん時間が経った。私は自殺を考えているこの若い女性に話しかけたい。

 Many years ago I was a happy wife, with two dear children and a very kind husband. We lived together happily, since we were both of a cheerful disposition, and because of this there were many jealous thoughts centered upon us. ずっと昔、私は幸福な妻であった。二人の幼い子供と大変やさしい夫とともに居て。私たちは明るい性格であったので、私たちをうらやむ思いが生まれてきた。

 I did not know at that time that I was a psychic, because I belonged to the Baptist Church. I did the very best I could around the home, but somebody started to upset us. One day, when my husband went to work, I kissed him goodby and was very happy, but after he was gone, all in a moment something got hold of me. 当時、私は自分がサイキックだとは知らなかった。わたしはBaptistの教会に属していたから。私は家ではベストを尽くしていた。しかし、誰かが私たちをいらだたせるようになった。夫が仕事に出かけるとき、私はさよならのキスをし、とても幸せに感じていた。しかし、かれが居なくなってから、何かが私をつかんだ。

 I did not know what I was doing. I didn’t know a thing. I remember feeling very strange, as if somebody had taken complete hold of me, and I did not realize what was taking place. 私は自分が何をしているのか知らなかった。本当に。ただ不思議な感じに襲われていたのは覚えている。それは誰かが完全に自分を支配してしまったような感じで、私自身はどうなっているのか、さっぱりわからなかった。

 After awhile, everything changed. I saw my husband in terrible mental agony, and he was crying very bitterly. When things became a little clearer to me, I saw my body hanging there! しばらくして、すべてが変わってしまった。私は夫がものすごい苦悩に打ちひしがれているのを見た。彼は苦しんで泣いているようであった。物事がすこし明らかにわかるようになったとき、私はそこに自分の身体がぶら下がっているのを見た。

 Oh, if you could only realize what a condition I was in! My husband stood there in the shed, looking at my hanging body; he was crying heart-brokenly, but I could do nothing to help him. 私が居た状態がどんなものであったか、あなたがわかってくれればと思う。夫は小屋の中に立ち,

わたしの首をつった体を眺めていた。彼は心臓が破裂するほど泣き叫んでいた。そして私は彼を助けることもできなかった。

 There I stood at his side, wishing with all my power that I could have that body again, but I could not. There were my two little children weeping for me, and I could not help them. わたしは彼の傍らに立ち、もう一度、自分の体に戻れたらと全力で願ったが、もちろん、無理であった。二人の小さな子供たちが泣いていたが、私にはどうすることもできなかった。

 I did not know what was the matter until I saw some evil spirits standing near, laughing at us. They had gotten hold of me and made me kill myself, because they wanted to break up our happy home. 私には何が問題なのかわからなかったが、ある種の邪悪なSpiritsが近くに立ち、わたしたちを見て笑っているのに気がついた。かれらはわたしにとりつき、自殺するように仕向けた、なぜなら私たちの幸せな家庭を破壊したかったから。

 My husband could never forget the sight of my body hanging in the shed. My children were small and needed my help, but the responsibility of raising them was thrown on my husband. It should have been my duty to have shared that responsibility. 夫は私の体が小屋の中でぶらさがっていたのをのを決して忘れることはできなかった。子供たちは小さくて私のヘルプを必要とした。しかし、彼らを育てる責任はすべて夫に投げつけられた。その責任の半分を分かつのは私の義務であったはずだった。

 Although I had been influenced to do what I did, for ten long years I could see nothing before me but what I had done. I could see how much the children needed me, but I could do nothing for them and oh, I suffered! My poor, poor children! わたしは私がやったことをするように影響されたのであったが、10年もの間、わたしは自分がやったこと以外はなにも見ることができなかった。子供たちが私を必要としているのはよくわかったが、彼らのために何も師弟上げることができなかった。わたしは苦しんだ! あわれな、哀れな子供たちよ!

 One day, a very cold day, I felt that I had come to life again! I felt a new warmth. I did not know where I was, but I felt that I had come to life. I found myself talking to Dr. Wickland. He told me what had happened, and explained that I was only temporarily controlling Mrs. Wickland, and that friends would take me to the spirit world. ある日、大変寒い日であったが、わたしはまた生き返ったように思った。あたらしい温かみを感じた。どこに自分が居るのかわからなかったが、生き返ったように感じた。わたしは自分がドクターWicklandと話しているのを知った。彼は私に何が起きたかを話し、今、仮にMrs. Wicklandの体をコントロールしているだけで、その友達たちが私をSpiritの世界に案内してくれるよと説明してくれた。

 After this I felt somewhat better, and I thank you for having helped me to the beautiful condition I have now. このあと、わたしはいくぶんかよくなったのを感じた。わたしは、美しい状態の中におれるように導いてくれたあなた(ドクター)に感謝しています。

 But oh, how I suffered during those ten, long years! All I could see was my body hanging before me, and the children’s need of me. My husband and children! How they needed my care – but I was powerless to help them. でも、どれほどわたしは、この10年間、苦しんだことだろう。私が見たものといっては私の前にぶら下がっている自分の身体だけであった、そして子供たちが自分を必要としている姿を。夫と子供たち!なんと、彼らは私の世話を必要としていたことか、だが、わたしは彼らをヘルプするには無力でありすぎた。

 I want to warn anybody who is thinking of trying to get out of the physical body. わたしはこの肉体を脱したいと考えているすべての人に忠告を与えたい。

“Do not do it under any circumstances’” どのような理由があろうと、けっしてそんなこと(自殺)をしてはいけない。

 You do not know, you cannot realize, what a hell you will find yourself in. You cannot step into your body again after you once leave it, and you cannot do your duty to others. あなたは、どんな地獄の中に自分が居るのを見つけるか知りもしないし、理解するのも難しい。いったん肉体を捨てたら、もう二度と自分の肉体の戻ることはできない、そしてほかの人への義務を果たすことさえできない。

 Think of my children always having the thought that their mother committed suicide! Neither my husband nor children can ever really forgive me. Even though I was controlled when I did what I did, I have had to suffer. 私の子供たちがいつも自分たちの母親は自殺したのだ思っているということを考えてごらん。私の夫も子供たちも決して私を赦してくれない。もちろん、わたしがやったことは、私の意思でではなく、邪悪なスピリットたちにコントロールされてやってしまったことだけれど。

 If you had an understanding of the laws of the spirit side of life, you would not commit suicide, knowing the results. Overcome any thoughts of taking your life. Be happy on this earth plane until the time comes for you to go to the spirit world. もしあなたがスピリット・サイドの法則というものを理解するなら、あなたは自殺をしないだろう、結果がわかっているのだから。自分の命を奪おうというような考えは克服しなさい。この地上の生命体であるあいだ、幸福であるようにつとめなさい、あなたがSpiritの世界に移行するときが来るまで。

 The ten years that I suffered was the time I should have remained on earth before passing to the spirit side of life. After my ten years had expired, I should have left my body, for my life would have been lived out, but during that time I could have given help to my husband and children. 10年間、私が苦しんだ時間というものは、実は私がSpirit側に移行するまでの期間、この地上で居なければならなかった期間であった。10年経ったときにわたしは、自分の寿命をいききったときということで、肉体を去ってもよかった、そして、その間、わたしは夫や子供たちをヘルプすることができたはずだった。

 I should not have reached the spirit side of life before my allotted time, and my punishment was to constantly see my body hanging before me for ten years. All that time I could realize that my husband and children were in great need of my help. わたしの地上での満期がくるまではSpiritサイドに移行するべきではなかった。その罰は、いつも、自分の身体がぶらさがっているのを10年間も見続けねばならなかった。そして、その間、夫も子供たちも自分を必要としているのを感じていたのだ。

 Now I am happy as I can be until my family is reunited, and I am doing all I can to help my children. いまや、わたしは家族と合流できるまで、幸せでいることができる。わたしは自分にできることはすべてやりとげている。

 I want you to send my love to my dear husband. He feels that he is all alone. I am with him but I can do nothing to comfort him in his loneliness. Goodbye. どうか、わたしのLoveを夫に送ってください。彼は一人ぼっちだと思っている。わたしは彼のそばにいるのだが、彼の孤独を慰めることはできない。さようなら。

 ということで、この女性Mrs. X の、若い自殺志望者への、自殺体験者自らの生々しい報告がDr. Wicklandの目の前で展開したのであった。この話は重要なので、ほとんど全文を原文そのままの英語で紹介し、わたしの意訳をそえた。

―――

 これをみると、Spirit霊 は、まともに思考し、相手を理解し、記憶も個性もそのまま保持しているのがわかる。そして、自殺者は意味の無いことをしたという後悔になやまされ、結局、自殺は苦悩を生み出すだけだということがわかる。生存者が苦しみ悩み悲しみ、それを見ていても、何もすることができないというFrustrationを感じるだけで、Spirit再生の機会が来るまで暗闇をあるきまわったり、誰かSensitiveな人間にとりついたりするだけ。誰かSensitiveな人間に近づき過ぎると、その人のAuraにとりこまれ、簡単に抜け出せなくなる。この本のほかの部分で、一人の女性にとりついたSpiritsが無数で、狭いAuraのなかで、ひしめき合って、窮屈な思いをして、しかもそれから抜け出せないという、ある意味ではこれも地獄の苦しみを体験するのがPossess してしまったEarthbound Spirit の運命であるらしい。そして、Dr. Wicklandのような、よくわかった親切な人間がそのような哀れな状態にある魂を救済してくれるのを待つことになる。

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 今日、わたしは出版社にE-mailを送った。TranslationまたはQuotationの許可をくれという文言で、日本語に翻訳して出版したいが、NYベストセラーでもないので、それは無理であろうから、わたしが部分的に自分のブログで翻訳紹介をしたいという内容のメッセージであった。日本語のわかる人がおれば、私がどのようなことをしているかわかるだろうと期待して、ちなみに、私のブログと「心霊現象の科学」というブログの中のタイトルを記しておいた。Permissionがとれれば、堂々と、大事なところを翻訳紹介できるのだが。カネにはならないということは指摘しておいたが、同時に、私のブログを読んで、興味を持って、英語で原文を読んでみたいと思う人があらわれるかもということも記しておいた。ともかく、はじめて出版社に引用、翻訳許可を要請したということで、私としては、やるべきことはやったという気持ちである。ともかく、この本は面白い。

村田茂太郎 2015年12月2日

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