村田茂太郎 2012年7月10日
(テキサス・ニューメキシコ・アリゾナ・カリフォルニア)
アメリカに住んでいてMissするのは、おいしい“お茶”と“温泉”である。“お茶”は日本から郵送ということで、特に問題はないが、“温泉”だけはどうにもならないと思い、日本訪問の機会があれば、温泉を訪ねたいものだと思っていた。シャワーやBath
Tubでは本当にリラックスした気になれない。(2005年、2006年、2008年、2011年と友人のおかげで、そして姉夫婦のおかげで、あちこちの日本の温泉を本当に訪れることが出来、充分、満足できた。)
Southwest〔南西部、エルパソ・テキサス〕に棲むようになって、わたしは“Hot Springs
& Hot Pools of the Southwest” という本を手に入れることが出来た。この本はカリフォルニア・ネバダ・アリゾナ・ユタ・コロラド、ニューメキシコそしてテキサスをカバーしている。非常に役立つ本で、私はおかげで、アメリカでも温泉の気分を味わえるところが沢山あることを知り、今、この本を座右の書のようにして、各地の温泉を探訪している。〔1996-2005年〕。
テキサスは不幸にして、あまり温泉にめぐまれていない。Big Bend National ParkにあるHot
Springsぐらいである。しかし、これは廃墟となった今では、Primitiveさが残って、すばらしいものとなっている。Tornillo
CreekがRio
Grandeに合流する手前のところにあって、川岸であるため、自然のままの味わいのもとに、105度F〔40度Cほど〕の適温の温泉を楽しめる。
エルパソは、しかし、幸いにして、ニューメキシコに近いため、New Mexicoの温泉を楽しめる。New
Mexicoは昔、大規模な火山の活動があり、Gila National Forestの最高峰であるWhite Water Baldy〔約3350メートル〕の頂上に真っ黒で穴の開いた火山岩がいっぱい散らばっている程である。Grants市近くのEl
Malpais National MonumentやRuidosoの西北、Three Riverに広がるValley
Of Fire National Preserveが示しているように、千年ほど前まで火山活動が活発であった。
New Mexicoのエルパソ近郊の温泉地としては、まず、もともとHot Springsという市名であったのを、1950年代の Radio
ShowがらみのCommercializationで市名を変更してしまった“Truth
or Consequence”がエルパソから約2時間ほどのところにあるが、これはいわば立派な温泉街でPrimitiveなところはどこにもない。モーテルや温泉宿に泊まって温泉を楽しむというタイプである。(ここも、それなりに魅力があり、ある時期、エルパソから2時間のドライブであるにもかかわらず、疲れた身体を休めるために、毎週かよったことがある。ひとりで、Newの湯をパイプから直接浴槽いっぱいに入れて、終わればながすというところなど、本当に気持ちよかった。当時は5ドルとか10ドルまでであった。30分3ドルというところもあった。)
私はPrimitiveなところを好むので、何もなくてHot Tubだけといったところを探している。アリゾナのSaffordの南にあるRoper
Lake State ParkにはこのHot Tubがある。5-6人入れるHot Tubで湯温は104度F. 脱衣場も何もないが、Bathing
Suitsは必要である。このState
Parkに入るのに4ドルほど入園料を払うが、あとは自由である。(1997年ごろの話)。
Silver Cityの北、Gila Cliff Dwelling National Monumentのホンの少し手前のところにGila
Hot Springsがある。ホンの指示に従ってPostのサインのあるDoc某の店に入って訊いたところ、200ヤード戻った左側のAccess
RDのサイン(と、Hot
Springs、Swimming, Campingの看板)のところを左に入り、川に出合うところで、左に回ればHot Springsだとのこと。早速、訪れる。両側が私有地の狭いOne
Lane の道を辿って、四分の一マイルほどのところに、Fee
Area料金支払い所があった。Day
Use 2ドル、Overnight
Camping3ドルという。これは安い。しかし、まわりには家がいっぱい建っているのに、このHot SpringsのところはRsuticな(ひなびた)ところで、今はシーズンオフなのか、土曜日だというのに誰も居ず、テントサイトや道路に草が生い茂っている始末である。しかし、私はこういうところのほうが好きなので、2ドル支払って、クルマをパークし、Hot
Springsを探す。3箇所、小さな水溜りのような、池のようなプールがあり、一番奥のが少し深そうで温泉らしい。105-106度Fくらいで、すばらしい温度である。海水パンツを身に付けて、誰も居ないこのHot
Springsに浸かる。湯が出るところは130度Fなので、2箇所の浅い水溜りを設けて自然にCool Downするようにしてあるわけだ。従って、本当に浸かれるところは1箇所だけであったが、本当に気持ちのよい温度である。対岸にそびえる岸壁や林を見ながら、気持ちのよい気分を充分味わうことが出来た。
そのあと、Silver Cityの南東にあるFaywood Hot Springsを訪ねる事にした。Faywood
Hot SpringsはCity of Rock State Parkの隣に位置し、ルート180の真ん中<DemingとSilver
Cityの>あたりで、ルート61に入って約2マイルのところにあり、City
of Rockを目指して走っているとミスしてしまいがちだが、簡単なゲートがあって、Faywood Hot Springsのサインが出ている。
ここは、Primitiveとはいえないが、私はとても気に入った。まわりは、Desert〔砂漠〕のような、何もないところだが、ここだけは潅木の茂みをつくって、Resortのようなムードを出している。そして、実際、のんびりとくつろげるところである。Natural
Mineral Waterが豊富に湧出してくるのを、Tufa Domeでコントロールして、適温の105度F前後の湯が各プールに流れいるように工夫されている。Bathing
Suitが必要なところとOptionalのところがあり、個室もいくつかある。ここのMineral
WaterはPureで飲んでよいほどであるという。一人5ドルで個室のところ意以外はどこにでも入れ、何時間いても良い。個室はひとり1時間7.5ドルという。〔1997年ごろの話で、今はやりかたも値段も違うだろう。〕わたしはBathing
Suitのところと、Optionalのところと両方トライした。OptionalのところでSwim
Suitを着ていたのではワルイと思い、日本の風呂に入る調子で素っ裸で久しぶりに温泉を楽しんだ。このOptionalのところは、少し熱い目のところと、ぬるい目のところと2箇所浴槽があり、私は熱い目のところへひとりでつかって、本当にリラックスした気分になれた。この日はもう夕暮れで、他の客も一人いるだけで、静かでのんびりとくつろげた。そして充実した気分になってFaywoodを出て、となりのCity
of Rock State Parkに入り、7ドル支払って、Overnightのテント・キャンプをした。静かで、Wild Lifeを身近に感じることが出来るすばらしいParkであった。
最近、Californiaのルート395をRenoからMojaveまで走る機会があった。これはSierra Nevada の東側をBridgeport, Mammoth, Bishop, Big Pine, Lone Pine と走るVery
Scenic Driveで、同時に、温泉街道と名づけたいほど、すばらしいHot Springs、 Hot Tub が散らばっているところであった。そして、Sierra
Nevadaの雄大で見事な自然を眺めながらHot Tubにつかれる喜びを充分味わうことが出来た。日本に行かなくても、アメリカですばらしい温泉をいっぱい楽しめることがわかり、温泉探訪という別な楽しみが私の趣味に新たに加わった。
(村田茂太郎 オリジナル執筆 1997年9月15日、Word Input 2012年7月10日)
この文章を書いたのは1997年の9月。そのあと、わたしはNew Mexico JemezにあるSpence Hot Springs というまさに山の中のPrimitive Hot
Springsを楽しむようになり、ほかにもコロラドのHot Springs(Pagosa Springs、Glenwood
Springs, Olvis Springs など)やCaliforniaのHot Tubなどいろいろ訪問する事になった。Santa Fe にはTen Thousand
Waves(萬波温泉)という日本風の、木でできた深い桶につかるという温泉やいろいろな温泉があるのを知った。アメリカ人はぬるいお湯に何時間でも浸かっているのが好きなようである。わたしは熱い目のお湯に浸かって、すぐに引き上げるのが好きだ。ともかく、温泉好みは日本人だけと思っていたが、Primitiveな温泉など、いつも沢山の人があつまり、アメリカ人も野生動物も温泉は大好きだとわかった。Yellow Stone
National Park は温泉が沢山湧き出しているところだが、そのあちこちにある温泉のなかに、Wild Animalの足跡をいっぱいみつけ、なにも日本のSnow
Monkeyだけが温泉に浸かるのではないと1974年に知った。 村田茂太郎
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写真、最初の7枚はTruth or Consequenceという温泉町の4-5箇所の温泉の様子。その次の3枚はFaywood Hot Springs。その次はCalifornia ルート395から横に入るHot Tub. 次は New Mexico-Jemezの山の中にあるSpence Hot Springs.それから Gila Hot Springs. Big Bend National Park. 最後の2枚は94歳のタフなおばあさんとHot Springs探しでであって、二人で川を横切って探し出したHot Springs.おばあさんはSierra Clubの1960年代からの会員だとか。道理で元気なはず。 ムラタ
Truth or Consequence |
Rio Grande沿い Truth or Consequence |
Faywood Hot Springs |
Faywood, New Mexico |
California Hot Tub,East of Sierra Nevada |
New Mexico, Jemez,Spence Hot Springs |
Spence Hot Springs |
Gila Hot Springs、New Mexico |
Gila Hot Springs |
Big Bend National Park, Hot Springs |
Big Bend NP |
Spence Hot Springs、12人ほどゆったりと入れる 105度の適温のNatural Hot Springs New Mexico, Jemezの山の中 Clothing Optional |
Hot Springsを求めて、94歳のおばあさんと |
見つけたGila Hot Springs、Cliff Dwelling NMの近く |
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