Sonoita-Patagonia-Nogales Scenic DriveのサインはTucson (ツーソン) へ向かって、Interstate
Highway I-10をEl Pasoから走っていると、Tucsonから22マイルほど手前で現れる。
私はいつもサインを見ながら、Tucsonでさえドライな砂漠といえるのに、もっと南に行ったら、もっともっとドライでつまらないに違いないと思って、特にこのScenic
Driveを走る気にはならなかった。Pinaleno
Mountainsでテントを張り、Swift Trail Scenic Driveを下って、今度はTucsonの南にそびえるSanta
Rita Mountainsの中の、特に鳥で世界的に有名なMadera Canyonのハイキング・コースを歩こうと決心したとき、私はこのScenic
Driveを一周する形でMadera
Canyonに接するのがベストと考え、はじめてルート83をとることにした。
そうすると、このScenic Driveは。ほとんど人家のない、すばらしい大自然の中を走っていて、広大な原野と広大な空間がひろがっている。高度も海抜1000メートル以上で、涼しいくらいであることがわかった。八ヶ岳に似たSanta
Rita MountainsとPatagonia Mountainsの間の広々とした空間、しかし、牧歌的な牧場以外ほとんど自然のままで、人工のものがほとんど見当たらないこのドライブはまことに快適で、やはりScenic
Driveという価値があることが確認できた。
Sonoitaでルート82を右側(West)に曲がると、Santa Rita Mountainsの最高峰であるMount Wrightson (9453Feet, 2881メートル)の尖った岩峰が美しく見渡される。Sky
Islandsのひとつとして代表的な山であり、雄大な姿をSonoita草原の中に現している。I-10から、メキシコ国境の町Nogalesまで約45マイル。このルート83、ルート82はみなきれいな舗装路で、Nogalesに至るまでに、Sonoita平原を通り、Sonoita
Creekに沿って走って、Nogalesに降りていくが、Patagoniaを過ぎたところに、Patagonia
Lake State Parkがあり、またCreekはPatagonia-Sonoita Creek Sanctuaryとして、野鳥の豊富なことで有名であり、Creekに沿って、丈の高い樹木がきれいに生い茂っている。
私は、まだ暑いはずの9月に走ったが、驚くほどクールであった。1年中、いつ走っても気持ちよいといわれているが、ソウだと思う。Santa
Rita Mountains に沿って走る部分などは高原のようであり、ともかく、全体に牧歌的なムードが漂うScenic Driveである。
Patagonia Lake State Parkに4ドル払って入ると、砂漠の中の湖を慕って集まったCamper達がRVやテントをいっぱいはっていて、やはり、蒸し暑いところであったが、ちゃんとハイキング・トレイルもあった。湖の周りの草原を鹿が平気でうろついていて、虫や鳥も豊富であった。やはり、砂漠のオアシスとなると、野生動物たちがいっぱいそのまわりに集まってくるのであろう。私は他の目的があるので、入場料をDonateしたつもりで、スグにLakeをでて、Nogalesへ向かった。NogalesはEl Pasoと違って、同じBorder
Cityといいながら、静かな、こじんまりした街であった。私はMadera
Canyonに行く予定なので、どこにも寄りはしなかったが、Sonoita, Patagonia, Nogales、どれも落ち着いた街で、ゆっくりと探訪する価値はありそうであった。
私は直ちにInterstate-19にのって,北に向かった。今度はSanta Rita Mountainsを東に見ながら、快適なフリーウエイを北進した。これもまたScenic
Driveである。途中、TumacacoriやTubacなどHistoric
Siteがあり、Tucson近くには最も有名なSan
Xavier del Bac Mission等があるが、私の今回の目的は、Madera Canyonmにあるので、すべてを無視してMadera Canyonに向かった。I-19をContinental
Exitで降り、Madera
CanyonのサインをFollowする。そして、狭い道を13マイル走ると、Madera Canyonが近づいてくる。入り口からNature
Trailのほうをまず歩く。小さなCanyonに水が流れている。気温は今までで一番蒸し暑い感じで、ものの本によると熱帯にきたような感じになると書いてあるが、その通りである。私はクールな気候が好きなのだが、この砂漠の中の山に流れる谷川の水は、野生動物たちにとって貴重な存在で、ここに鳥が沢山集まるというのも、もっともである。秋の虫や蝉がうるさく鳴く小さなTrailを見終えてから、目的のBog
Springs Trailへ向かった。
Bog Springs—Kent Springs Trailはループで5マイルほどである。ハイキング・トレイルはSanta
Rita Mountainsのふもとの潅木林の間を徐々に登る形ではじまり、終点のBog Springsのあたりでは、高い木が頭上を蔽うようになるが、このハイクは全体的に太陽に露出した形で、しかも、亜熱帯のような暑さのため、随分疲れ、Trail自体はむつかしくはなかったが、Kent
Springsへ遠回りする気力はなくなり、同じ道を引き返したので、4.5マイル足らずのハイクとなった。しかし、眺めは素晴らしい。鳥も豊富なようで、木々の間を飛んでいるのが見えたり、いろいろと鳴いているが、なかなかIDがむつかしい。私はいつかMount
Wrightsonに登ろうと思っていたため、Wrightsonの雄姿を眺め、往復に12~13マイルかかる様子であり、4000Feetも登るので、Guadalupe
PeakやEmory Peakよりはるかに骨の折れることはまちがいなく、たしかに下からあそこまで行くのは大変だなと考えながら、ともかく、この日の最初のオリエンテーションは終わる事にした。
アリゾナには野鳥で世界的に有名な場所がいくつかあり、それがみなTucson周辺に散らばっている。Chiricahua National
Monumentの近くのCave Creek Canyon(ここが、全米で一番野鳥が沢山、観察されたといい、スミソニアンの研究所がある。)、メキシコ国境の山Huachuca
MountainsにあるRamsey Canyon(ここは、Hummingbirdが15種類ほど棲息しているので、特に有名)、そしてSanta
Rita MountainsのMadera
Canyonである。そして、Patagonia-Sonoita Wild life Sanctuaryも。私はここにくる前の日に、Cave
Creek Canyonを経由してChiricahuaの森林を横断し、クマやシカと出遭って来たばかりであった。
アリゾナにはいろいろ多様な自然があり、その多様さ(地形、気候、植生等)が野生動物の多様さを生み出し、豊富なWildlifeを生み出しているのであろう。私は満足してMadera
Canyonをあとにした。I-19をTucsonめざしてのぼり、I-10にのりかえて、一路、エルパソに向かった。Sonoita-Patagonia-Nogales
Scenic Drive そしてI-10のループはトータルで130マイルほど。走り続ければ2時間ほどで終わってしまうループであるが、2泊して、ゆっくりと、自然・歴史・文化を味わいたいと思わせるすばらしいDrivesであった。また、このPatagonia Scenic
Drivesを走りたいという思いが湧いてくる。
村田茂太郎 オリジナル執筆1997年4月14日、Word Input 2012年7月24日
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