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7/22/2012

Hueco Tanks State Historical Park ウエーコ・タンクス をめぐって(El Paso,Texas)エッセイと写真紹介


Hueco Tanks State Historical Park ウエーコ・タンクス をめぐって(El Paso,
Texas)エッセイと写真紹介

 エルパソから最も近いハイキング場所といえば、もちろん、Franklin Mountainsであるが、これはハイキングの本にもStrenuousとかDifficultとかと書かれているくらいで、誰でもと言うわけにはいかない。Franklin Mountainsは本当にViewsもすばらしい、頼もしい山なので、もっと誰でも歩きたい人には楽しめるようなハイキング・コース(Trails)の整備が望まれる。今までは、ふもとでのOvernight Campさえ許されなかったが、State ParkのなかにCamp場を整備して、Overnightが楽しめるようにするという記事が大分前、El Paso Timesに出ていた。早くそうして欲しい。なんといっても、Wildlifeと接するチャンスがあるのは、夜と早朝であり、キャンピングは貴重な機会である。(その後、Sunset View Trailといった、ほとんど誰でも歩けそうなショート・ハイクのコースがつくられ、わたしは友人と何度もショート・ハイクを楽しんだ。Viewがとってもすばらしく、1時間でループしてまわれるので、これこそ、誰にでも推薦できると思う。)

 従って、Franklin Mountainsの次にということになると、エルパソから約30マイルのところにあるHueco Tanksが浮かんでくる。

 Hueco Tanksは余り知られていないようだが、ここはいろいろな意味で面白いところである。I-10Westの方からDown Townにおりてくると、フリーウエイの正面ぐらい、東北東の角度ぐらいのところに、ひとつの山が見えてくる。これが同じフリーウエイをドライブしていて、ドンドン見えなくなるので、どうしたことかと思うが、多分、土地が高くなっているところがあって、見えなくなるのであろう。これがHueco Tanksだと思っていたが、違った。Hueco Mountainsの最高峰で、Hueco Tanksはその近くにあるのであった。

 Hueco Tanksはそれ程広くも大きくも無いが、約3400万年前の火山の活動の異物と言えるもので、大きく分けると三つの巨大な岩の塊で出来ている。そのそれぞれのかたまりが、大小無数の岩石を擁しているわけで、高さとしては山のような高さではないが、登ろうと思えば、岩の登りのScrambleで、やさしいルートを探しながら登る事になり、これは大変な疲労で、面白いし、いい運動になる。しかし、落ちて怪我をする人も出るに違いなく、このState Parkは全員m2ドルの入場料を各人が払い(1996年当時)、怪我をしても、死んでも、自分の責任で、State州の責任ではありませんという書類にサインする事になっている。

 つまり、ここは今では世界的に有名なRock Climbingのメッカのひとつとなっているのである。ここのRock Climbingは道具を使わないで、手足の力だけで登らなければならず、いろいろなルートもあって、困難度も最高のものまである。従って、本格的にここをトライしたいひとは、このHueco Tanksのルートだけで一冊の分厚い本まで出版されているくらいなので、そういうものをどこかで調べて登るようにしたほうが安全である。このルートのなかで、Hueco PullingというHuecoの名前の入った登山用語まで出来ているくらいに、その道の専門家の間では有名な場所なのである。

 私はしかし、そんな危険を冒すつもりは無く、Scrambleで両手でしがみついて、少し這うようにして楽に登れ、ラクに降りられそうなところを探し、どこもそんな場所ばかりではなく、二本足でとぶようにして登れるところもあるので、適当な高さまでのぼると休憩して眺望を楽しむ。

 そういうように、岩登りでまず有名になったところではあるが、このHueco Tacksはもっと大昔から有名であったらしい。この3つの巨大な岩の塊のいろいろな場所に、10,000年前から岩にPictographsが彫られ、描かれはじめ、Mogollon Indianもその風をひきついで、アパッチやコマンチまでがPetroglyphsPictograpfsを描き続けた。従って、現在、このHueco Tanksだけで、3000を超える壁画が見つかっているわけで、岩に登りながら、それらを探すのも大きな楽しみとなる。

 Ruidoso近くのThree RiversPetroglyphsは1万を数えるが、何となく幼稚で、学者はともかく、私はそれ程興味を惹かれなかったが、Hueco TanksPictographsといって、幾種類かの色を使って絵を描くようにしてあるのがあり、デザインにも新鮮なものがあって、より興味深い。テキサスの中では、この面でこれほどデーターが残っているのはここぐらいなものという。

 どうして、インディアン達が1万年も前から、Hueco TanksPictographsPetroglyphsをのこすようになったのかということは、この場所の名前とも関係がある。Huecoというのはスペイン語でHollow(穴または窪んだ所)という意味で、この3つの巨大な岩の塊のあらゆる場所に穴が出来ているのである。単純に考えれば、粘性のある溶岩流がかたまりかけたころに、含有の気化物が抜け出て、Hollowを作ったということだと思うが、学者の間では定説が無いという。

 ともかく、岩のあらゆるところにできた、各種の穴に、雨の後の水がたまり、ホンの小さな水溜りもあればm大きなプールのような水溜りになるところもあり、そういう状態が、ドライになったアトでもつぢているため、Chihuhuan Desertで、年間降雨量8インチという砂漠のような場所であるにもかかわらず、Huecoに自然とたくわえられた水のおかげで、植物が茂り、虫が湧き、鳥が集まり、哺乳類が出没するという環境が生まれた。

 ここは従って、Wildlifeを観察する場所としても有名になり、観察された鳥の種類だけで190種を超え、Birdingの絶好の地となっている。ここで観察された動物には、 Turkey VultureRed-tailed Hawks, Golden Eagles, Prairie Falconのようなものから、Bobcats, Gray Foxes, Mountain Lionsまである。夏は暑い場所なので、10月から3月ごろまでが、Rock Climbingはもちろんのこと、Wildlife Viewingにとっても、ベストの機会といわれている。水溜まりに湧く各種のShrimpTadpole Shrimp, Fairy Shrimp, Clam Shrimp など)が鳥のえさにもなるわけで、水と食べ物がここで見つかるわけである。そのため、Migrational Birds(渡り鳥)も沢山、途中停車する。

 動物だけでなく、植物も豊富で、Sotol, Ocotillo, Mulberry が見つかるし、感心な事に、コケやしだまでが生えているのである。これは岩が陰をつくり、自然の水も日陰で蒸発しにくい状態にあるとき、発生するわけであるが、ドライな砂漠でコケやシダに出あうと本当に驚いてしまう。そういう意味で、ここは岩登りをしなくても、約3~4マイルのループのハイキングも楽しめる。私もすばらしい鳥の声を聞き、姿も見かけたし、珍しいサボテンを見、コケを見つけたりした。いろいろな楽しみ方が出来、キャンプ場も整備されているので、一度、テントをはりたいと思うような場所である。エルパソからMontana Avenue(180、62 Guadalupe へ行く道)を約22マイル。サインを見つけて、Left Turnして約8マイル。ここは、Butterfield Overland Mail Stationとして、Historicalな場所でもあった。

村田茂太郎 オリジナル執筆1996年4月17日、Word Input 2012720

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補記:

  Indian PictographPetroglyphがあり、岩登りの場所だけではないので、Over Visitingで、自然と遺跡が破壊されるのをMinimizeしようと、State Parkは人数を制限し、事前に申請して許可証をもらい、その規定された日と時間に訪れねばならなくなった。わたしは一度はその申請をして、Rangerのガイド付きで、ふつうでは見つからないはずのPictographを見るチャンスがあり、よかったのだが、今日、急に訪問したいと思って行っても、許可証が無ければいれてくれない。厳格なチェックが履行されるようになった。これは、なんとも不便で、それまでは、ムードに応じて、思いついたように訪問し、そのつど楽しんできたが、この制限制度が実施されるようになって、わたしは行かなくなった。ある意味では、事前に訪問客の意欲をなくさせるということで、訪問客減少化への効果はあったということかもしれない。皮肉なものだ。

 一度、日本からの訪問客を連れて訪れたら、門前払いをくって、恥をかき、仕方なく、Montana Avenueを帰る方向ではなく、Guadalupe Mountains National Parkにきりかえて、Smith Spring Trailを歩き、それなりに面目を保ったことがある。何でも昔はよかったということになるかもしれない。
村田茂太郎















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