１９９４年夏にエルパソに入り、会社の同僚並びにその登山仲間とフランクリン山脈を登り始めたころは、ハイキングというよりも登山といったほうがぴったりに、険しい山歩きばかりしていました。
アパートが山の麓にあり、その前からいきなり、道なき道を尾根に向かって登るという具合なので、険しいのも当然で、山歩きに慣れた二人についていくのはタイヘンで、わたしは重力に抗して山を上る苦労を身にしみて感じていました。尾根まで１時間の登山。それはそのあと、自分でひとりでゆうゆうとMy PaceでPeakｓを登りこなしていったのと異なり、いつも苦しいだけで、尾根に出てやっとすばらしい印象がうまれました。
のちに、ちゃんとTrailのルートがあり、まあ、それほど苦労しないで登れるということもわかり、年配の同僚と、体の調子をうかがいながら、のんびりハイキングをしたものでした。
ここにご紹介するのは１９９４年のけわしい登山のようすです。すでにどこかにも記しましたが、わたしがエルパソ滞在中の１２年ほどのあいだに岩から落ちたのか高校生が二人ほど落命しました。Trailを歩いている限りは、そのような危険なところはないのですが、Trailをはずれて岩をよじ登ろうとしたりすると、降りるときに落ちる可能性があるわけです。
今、こうして写真を見直していると、随分ひどい登山だったと思えます。初心者の訓練にはよいけれど、一般のひとにすすめ、気楽に山歩きを楽しめるといったコースでないことは確かです。しかし、この１９９４年の登山訓練のおかげで、１９９５年以降、わたしは一人でPeaks登山をいくつもやりとげ、アリゾナ最高峰San Francisco Peaksの３８５０メートル、New Mexico最高峰のWheeler Peakの４０１２メートル、Texas最高峰のGuadalupe Peak２６６７メートル、New Mexico White Water Baldy、Mount Taylor, Manzano Peak その他、３千メートル以上の山々に怪我もしないで登頂し、健康も向上し、たのしく過ごせたのでした。
従って、なつかしのFranklin Mountainsということになります。Franklin MountainsもNorth Peak、South Peakそれぞれひとりで何度も登頂する事になりました。あのきびしい最初の頃の登山訓練のおかげで、たいがいのところはEasyなハイキングとなりました。
村田茂太郎 ２０１２年７月４日
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