小学6年生―社会科 日本の歴史 のための拙文集(5)歴史と年代
歴史と年代
昔から“歴史”は“暗記もの”だといわれ、そのため好きな人ときらいな人にわかれるのが普通であった。そして、ただ試験に出るからということで、名前と年代を暗記するような歴史の勉強の仕方に対しては否定的な人がたくさん居た。私も、よく、バックグラウンドや内容も知らないで、ただ人名や年代を記憶するのは味気ないと思う。ただ、基本的な年代というものがあり、それらをよく知っていることは、いろいろな状況において、自分自身にとって有利な場合が多いというのも事実である。
私は中学3年の高校受験勉強の時に、理科で地球の半径(赤道変形 6378Km, 極半径 6357Km)を暗記した。従って、今も、本で調べないで、こうして書いているわけであるが、この半径の記憶は私にとっては非常に役立つことであった。この二つの数字を知っていることで、すぐに地球楕円体の構造の説明や大気圏の薄さ、円周と光の速さの関係等を生徒に黒板で説明できたのである。
そういうことで、わたしはよく知っていれば、出来るだけなんでも暗記した方がよいと考える。百人一首や漢詩に限らず、何でも暗記していれば、それは確実に自分の実力の一部となるのである。
年代に関しては、中学生の頃、時々購入した“中学時代”とかという雑誌の付録に、歴史の年代の覚え方というのがあり、それに従って、いくつかを覚え、おかげで今もスラスラ出てくるのが次に挙げるいくつかである。
645年 大化の改新 ムシゴひき、にげていく大化の改新
710年 平城京 ナをトレと平城京に移りたり 奈良時代始まる
794年 平安京 ナクヨうぐいす平安京 平安時代始まる
894年 遣唐使廃止 ハクシにかえす遣唐使
1185年 平家滅亡 イチイチ ハシゴ 落ち
1192年 鎌倉幕府 イチイチ クニ支配
といった調子である。傑作は794年「鳴くよ うぐいす 平安京」で、いかにも平安遷都にふさわしい。ふつう、私はゴロあわせでなく、ダイレクトに、そのまま覚えてしまう方だが、このようにゴロ合わせ的に覚えてもよいわけである。若い頃はその人の一生の中で、一番記憶力にすぐれ、若い頃にしっかり覚えたものは一生忘れない。少し頑張って、何でも覚える意気込みで取り組もう。
1994年4月29日 執筆
村田茂太郎
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