「心霊現象の科学」をめぐってーその31 サイキック Irene Hughes について
臨死体験 だけでは、死後の世界が存在する科学的証明にはならないというのが立花隆の本の結論であったが、彼自身は死後の世界を垣間見たと言う現実体験説を捨てる気にもならず、もしかして、死後の世界があるのかもしれず、どちらでもOKという立場を表明し、ただ、この臨死体験の研究を通して、死というものに対する恐怖心が無くなったということが書かれていた。
死後の世界があるにしろ無いにしろ、誰もが臨死体験者が語るような経路を経て死んでいくようなので、その体験者のいうことが、瀕死の状況で脳内生理学的反応が生み出すものであれ、本当に死後の世界の境界線まで達したのであれ、だれもが死がこわくないどころか、すばらしいという体験をするようなので、そういうことであれば、死ぬまでの苦痛はともかく、最終時点では安らかに死ねるということがわかり、死ぬことはこわくなくなったというのが、臨死体験者の体験談であり、それを読んだひとが、それを知って、ありがたく感じることになる。
この死後の世界、または“あの世”があるのかどうかは、臨死体験では結論が出なくても、この現実世界にかなり実在する本当のサイキックには、多分、科学的証明以前の当然のことであろう。科学的にというので、困難が生じ、むつかしくなってしまうのであるが、Rosemary
BrownやEileen
Garrettその他の本当にすぐれたサイキックにはわかりきったことであったろうと思われる。Eileen Garrettなどは、自分でもその不思議な力の謎を解明しようと努力したが、Eileen
Garrettに出会って、死後の世界の存在することを確信した人が、すでにブログで紹介した科学者Hereward Carrignton であった。彼は、Medium Eileen
Garrettの霊界の助手Spirit Guide, Controlが独立に存在することを知って、その結論に達したのであった。
シカゴのサイキック Irene Hughes に関する本を読むと、彼女も若い頃(4歳ごろ)からサイキックで、ほかの人と違っていたそうである。わたしは1977年度のProbeという雑誌にWorld’s
Top 40 Psychics という記事が出ていて、そのなかにIrene Hughesが載っていたので、Wikipediaで調べてみた。そうすると、驚いたことに、彼女は今年2012年、101歳で亡くなったということがわかった。わたしが1970年代に読んだ本では、すでに1960年代でサイキックとして有名であったと書いてあったので、昔の人だと思っていたが、つい最近までサイキック・コンサルタントをしていたようだ。もうすこし、早く気がついていれば、連絡を取ったのにと、少し、残念である。
私の手元に“Psychics”という本がある。A Berkley Medallion BookでIn-depth
Interviews by the editor of Psychic Magazineと副題がついている。1972年の出版で、わたしが買って読んだのは1978年。本当に世界的なサイキックと言われる人物をInterviewしたもので、Arthur
FordやEileen
Garrett、Peter Hurkos, Douglas Johnsonその他、計9人のサイキックが登場している。その一人として、Irene
HughesもInterviewを受けており、InterviewをしたのはReliableなParapsychologistといえるAlan
Vaughanである。彼は”予知“に関する本や”偶然の一致Coincidence“に関する面白い本を書いている信頼できる人物である。
Irene Hughes アイリーン・ヒューズ May
1910~February 2012 101歳。
このPsychicという本によると、1961年、大きな手術のあと、彼女にJapaneseのSpirit
Guideがあらわれた。彼(Japanese
Spirit Guide)は IreneのFutureについて予言をした。Ireneはそれが夢だったのではないかと思った。そこで、そのSpirit
Guideは自分の娘の名前と住所を述べ、Cornell
Universityで勉強中だと伝えた。不思議に思って調べたところ、本当に娘から返事があり、父親が約2ヶ月前に亡くなったということであった。
このSpirit Guideの存在(Eileen Garrettの場合)がCarringtonに死後の世界の存在を確信させたわけであるが、Irene
Hughesの場合も、すでに子供の頃からサイキックとして有名であったが、このJapanese Spirit Guideの出現で、彼女がProfessional
Psychicとして世の中に出現するようになり、特に“予知”の領域で有名になった。1967年にDurhamのPsychical
Research Foundationを訪れて検査してもらい、有名なParapsychologist W.G. Rollからホンモノのサイキックと告げられた。しかし、もちろん、ホンモノのサイキックはそんなことを人から告げられなくてもわかりきったことなのだ。
Irene Hughes は Eileen Garrettと同様、4歳頃からFairyと話し合うことがあったが、それはSpiritであったようだ。そして急にすべてがわかるようになった。兄弟姉妹が何を考えているか、どう感じているか、誰が家にやってくるか、手紙が届くかといったすべてが事前にわかるようになったという。実は、母親がCherokee Indianの血を引くサイキックであったので、Psychic
Reading などをやっており、娘のIreneにサイキックであることはNormalだと教えて育てたという。
彼女はこのAlan VaughanとのInterviewで、DurhamでのW.G. Rollによる検査を語りながら、自分の意見を述べている。わたしも同感なので、引用しよう。いつものように私の意訳。
And then I had a complete psychiatric examination. That was a
lot of fun because the psychiatrists were afraid that I would know everything
that they were going to do. 検査を受けたが、それはとても面白かった。なぜなら、検査をする人たちは、自分達が何をしようとしているか、すべて事前に私にわかっているに違いないと心配していたらしいから。
However, I feel that parapsychologists really should go back
to the old methods of sitting with mediums week after week and let their
abilities be used in a natural way
rather than using superficial methods of testing. The statistical methods are
fine, but they may not really prove the person’s real abilities. I feel that
parapsychologists could determine better how ESP operates if they worked with a
person more closely. しかしながら、私はパラサイコロジスト達は本当はMediums霊媒と一緒にSéanceなどで、何日も何週間も座って、Mediumsが自然にその才能を発揮するのをみるべきで、皮相なテストなどで時間を費やすべきでないと思う。統計的な方法は、それでよいけれど、その人の持っている本当の能力を測るということにはならないだろう。わたしはパラサイコロジストがもっとその研究対象であるサイキックと密着して作業すれば、そのサイキックのESPがどのように機能するかなどよくわかるにちがいないと思う。
これは、本当のサイキックはみな感じることで、Eileen Garrettなども同じように感じたし、M.B. Dykshoornのように、J.B.Rhineの研究に付き合って、失望した人もいる。
Psychic(Magazine): Do you believe that survival in
any way conflicts with the idea of reincarnation? あなたは何らかの形で、あの世で生きつづけるということが転生Reincarnationの考えと矛盾すると思いますか?
Hughes: No, I do not. I believe that survival of
the spirit after death very definitely confirms reincarnation, because there
must be spirit like that to reincarnate into another physical body. いいえ、矛盾するとは思いません。わたしは、Spirit魂があの世でいきつづけるということが、決定的に転生があるということの確認になると思います。なぜなら、別の人間の肉体に生まれ変わるためには、そのようなSpiritがなければならないからです。
このInterviewにはそのほかに“予知”をめぐって面白い議論が展開されているが、ここでは省略する。なにしろ、Interviewer が“予知”の本を書いた人であり、Irene
Hughesは予知で有名な人なのだから。ひとつだけ。
Psychic: Do you think it’s possible that some
disaster could be averted by warning from psychics? あなたはサイキックからの警告で、ある種の災難は避けることが出来ると思われますか?
Hughes: Absolutely!
Many can be. This is why prophecy was used in the old days to warn nations
about other nations invading them, and what they should do. So I feel that it
certainly can be very valuable in preventing tragedies and accidents from
happening even down to the individual’s personal life. もちろんですわ。たくさんの災難が避けられるにちがいありません。それが、どうして昔から、“予知”が他国からの侵入の予想やそれに対する備えなどで利用されたかということですわ。ですから、私は、悲劇や災難が生じるのを避けるのに非常に役立つと信じます。これは、個々の人の人生体験ついても言えることです。
ということで、Irene Hughesの紹介は終わることにする。死後の世界、“あの世”の存在の研究は、“臨死体験”だけでなく、ホンモノのサイキックをもっとNaturalな状態で研究することで、徐々に解明されていくであろう。
村田茂太郎 2012年11月18日、20日
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