Travel Japan (22) 石清水八幡宮 京都府 写真紹介
石清水八幡宮はなんといっても「徒然草」 第52段の教訓的笑話で有名です。
高校の恩師の家から比較的近いところにあり、わたしはある日、恩師に案内されて、はじめて石清水八幡宮にお参りしました。
場所は京都府八幡市といいながら、大阪府の枚方市樟葉から近く、八幡宮のある男山にケーブルでのぼってから、くだりは恩師の家まで歩いて帰れたほどの距離でした。家が建った当時は森や池があったのに、山の周り全部、家が建って、男山だけが森林地帯として残されたようで、まさに私の言う、社寺・古墳のあるところだけが開発を免れたといえそうです。
吉田兼好は或る僧侶が念願の石清水八幡宮をやっとお参りできたのに、ふもとの末社だけをみて、本体の本殿が男山の頂上にあるのを知らず、ひとびとが上に向かって歩いていくのを不思議に思いながら、自分はお参りにきたのだから、余計なことはするまいと、そのまま上まであがらずに帰ったという話をとりあげて、嫌味にならない程度に、ちょとしたことでも”先達はあらまほしきなり。”指導者が必要だ、といったのがこの52段のお話で、徒然草を勉強するときにかならず出合う文章です。中学生や高校生の古典の勉強に丁度ほどよい長さであり、また笑い話の面白さがあって、印象に残る一段です。
石清水八幡宮は、徒然草 以前から有名であったわけで、それは宇佐、鶴岡とならんで日本三大八幡宮であること、伊勢神宮、賀茂神社とならんで日本三社のひとつであること、などで特に鎌倉時代から有名であったようです。この吉田兼好の逸話でもわかるように、ふもとの末社をみただけで、本体だと勘違いするほど壮大なつくりであったということがわかります。この逸話を味わうためには本殿は男山143メートルの頂上にあるということ、そして末社もそれなりに立派であったということを知っている必要があります。
さらに、この石清水八幡宮が有名になっているのは、幕末・明治維新のころエジソンが発熱電球のフィラメントにこの男山に繁る竹をつかったということで有名で、なるほど、立派な竹やぶがうっそうと繁っていました。たけのこも沢山取れたことでしょう。このエジソンによる竹利用を記念して、頂上には立派なエジソン記念碑が建ち、なんと2月11日、エジソンの誕生日に生誕祭がこの石清水八幡宮で催されると記されています。
境内はふるい壁がいかにも時代を経たようすでつづいており、或る場所は古色蒼然、まさに竹やぶの小暗い茂みにマッチしたありようをしめしており、なかなか趣のあるところでした。
わたしは大阪の住吉大社とか天王寺のお寺などよく家族でお参りしましたが、石清水八幡宮がこんなところにあるとは、全く知りませんでした。まさに兼好さんのいうように、何事にも先達はあらまほしきことなり、でした。
村田茂太郎 2012年6月11日
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