Horned Lizard, Tarantura ets...
エルパソ、テキサスに住んでいた時、わたしはScorpion, Tarantura, Rattlesnakeをアメリカ南西部の三毒と呼んでいました。
この中で、人間にとって一番無害といえるのはTaranturaで、その次はテキサスではScorpionといえます。”さそり”をテキサスでは、とつけたのは、アリゾナでは、無害とはいえず、丁度、007 James Bond のMovie ”Diamonds are forever" で悪漢のOdd Couplesがさそりを背中に入れて、男を殺す場面があり、事実、アリゾナのさそりは場合によっては死ぬ場合があるようです。
Rattlesnake は大きいし、文句無く危険でしょう。
わたしはハイキングの途中、あるいはScenic Drivingの途中、何度かRattlesnakeと出遭いました。
あるとき、早朝のGuadalupe Mountains National Park のMcKittrick Canyon をひとりで歩いているとき、まだ朝早く、誰も通っていなかったので(公園へのゲートが開くのを待って、一番乗りをしたため、誰も歩いていない状態)、Rattlesnakeも安心して路上で休んでいたのでしょう。わたしが通りかかって、Rattlesnakeに気がついたら、あいても、びっくりして、がらがらを鳴らさずに、あわてて茂みの中に隠れました。わたしは驚かしてごめんねといって、先に進みました。あるときは、棒が路上に転がっているのかと思って、クルマから降りてみると、おおきなRattlesnakeが日向ぼっこをしていました。わたしは、こんなところで寝ていたらクルマにひかれるよといったので、蛇はいそいで場所を変えました。
Taranturaは誤解されているようです。007 James Bond の最初の映画”Dr. NO"で、一応、殺人用兵器としてつかわれています、失敗するわけですが。Taranturaは調べてみると、人間が死ぬような毒をもっていないようです。死ぬという意味ではBlackwidowのほうが、心臓の神経を麻痺させて殺す、あるいは死ぬ人がいるのでこわいほどです。Taranturaは大きな、きれいな蜘蛛です。
あるとき、New Mexicoの Carlsbad Cavern National Park を見たあと、北のCarlsbad市に向かい、そこにあるLiving Desert Musuem State Park を訪れました。わたしはここが好きで何度か訪れましたが、他の人はあまり興味を示さず、誰も案内しなくなりました。
はじめてここを訪れたとき、ガラスの大きなケージに一匹のTaranturaが入っていました。みごとなMexican Taranturaで、わたしが感心してみていたら、おばさんが声をかけてくれたので、Very Beautiful! How old is she?と訊いたら、彼女はここのMuseumの管理人のひとりで、このTaranturaは28歳になると教えてくれました。28歳!”How do you know?"と訊くと、なぜなら、自分が28年管理し、Feedしてきたから、ということでした。
冷血動物の蜘蛛のような存在が28年も生き続けるということを知って、私は感動を覚えました。そういえば、尾崎一雄の”虫のいろいろ”とかという短編集の中に、瓶の中に1年以上閉じ込められていた蜘蛛が生きてでてきたという話があり、冷血動物はその点、温血動物より生存のチャンスがあることがわかります。メタボリズムを最小にして、じっとエネルギーを消費せずに待っていっれば、生き続けられるチャンスがあるわけですから。温血動物はそうはゆきません。身体をKeepするためには、酸素と食べ物が不可欠です。ともかく、この美しいTaranturaは28歳までは確実に生き、その間、おすを入れたけれども、おすはみな、メスのTaranturaに食べられてしまったということでした。
そのあと、しばらくして、訪ねたときには、もう死んでしまったのか、居ませんでした。
野生のTaranturaには何度か出遭いました。いつも、踏まないように注意し、あるときは狭い道の真ん中にTaranturaが居て、わたしがジャンプして飛び越えるしかないので、ジャンプすると、驚いた事にTaranturaもびっくりしたのかジャンプしていました。もちろん、わたしに届くほどの距離ではありませんでしたが。
Scorpionにはエルパソの最初のアパートの部屋で何度も出遭いました。テキサスのさそりは、さされても死なないということを知っていたので、別にこわくもなく、しかし手で掴む気はしないので、見つけると必ず、新聞紙をひろげて、玄関のドアーをあけておき、さそりを新聞紙に乗せて、そとに出してやりました。これが、すばやく歩くので、なかなかむつかしいのです。そして、靴の中にはいっているといけないので、出勤前に必ず、靴をふって、中に入っていないのを確かめて靴を履くという習慣がつきました。知は力なり、で”さそり”に刺されたら死ぬと思っていると、本当に死ぬこともありえます。テキサスのさそりは大丈夫と知っていれば、別にあわてることもなく、普通の怪我と同様、落ち着いて対応できます。
そして、或るとき、さそりに刺されました。たいしたことは無く、手元に或るクスリを塗るだけですみました。刺したさそりは、同じように新聞紙で外に出してやりました。エルパソにきたばかりの頃、新聞で家にRattlesnakeが出たとあわてたひとがいたというニュースを読みました。そのとき、訪れたRangerのひとは、RattlesnakeはIntruder侵入者ではなく、人間が彼らのテリトリーに侵入して家を建てるから、ときどき、こういうことが起こるのだと言ったのを知り、その通りだと思いました。
わたしも、同じアパートのBedroomでRattlesnakeがとぐろを巻いているのを見つけ、写真を撮ろうとカメラをとりに行っているあいだに、どこかへ逃げて、残念なことをしました。
Rattlesnakeはおおきいので、かまれたら、大変だと思っていました。それで、Managementに報告し、ペスト・コントロールがやってきたようですが、もう、どこかに逃げて見つからなかったそうです。
Horned Lizard というのは、おなかが丸い、まわりに棘を持った、かわいいトカゲです。わたしはMount Taylor3500メートルに登山中、はじめて出遭い、とても嬉しく思いました。そのあと、近くのHillsboro Peak登山でも何度も出遭い、そのたびに、わたしは何かアドバイスをしてやりたいといつも思いました。というのは、居る場所から動かなければ保護色で気がつかないのに、人が来たと思って、あわてて動くから、そして完全に逃げて隠れてしまえばよいのに、そうしないで、少し動いただけで、じっとしているので、その気になれば、いくらでも捕まえることが可能です。わたしがアドバイスをしたいというのは、人間ほど恐い動物はいないから、人がくるときがついたら、すぐに隠れること、気がつかなかったら、あわてず身動きをせずにじっとしていること、そうすれば保護色でみつからないはずです。ともかく、人間の目は、ちょっとでも動くとそれを感じて、見つけてしまうのです。どのHorned Lizardもかわいいものでした。
村田茂太郎 2012年5月1日
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