心霊現象の科学をめぐってーその21 Dr. Nandor Fodor "Survival"
Dr. Nandor Fodor に関してはすでに何度か取り上げてきました。
ここでは、PastorであるAllen Spraggett というひとの1967年に出版された ”The Unexplained" という本を手がかりにして、Nandor Fodor というハンガリー人の精神分析学者兼Parapsychologistについて展開したいと思います。
Fodorは1895-1964ということで、69歳でなくなりましたが、その少し前にこのSpraggettはFodorにInterviewをしました。それが、この本に載っています。
1964年といえば、私が何度も引用し、参考にした彼Fodorの有名な本”Between Two World"が出版された年です。いわばこの本はFodorのPsychic Investigatorとしての総括みたいなものだったわけです。
わたしの蔵書を調べてみて、Fodorの本で”The Search for the Beloved" という本を持っているのがわかりました。これは、内容的にPsychic Investigationではなく、精神分析学の系統の本のようですが、彼のParapsychologyへの関心が直接影響しているような、内容のようです。つまり、まだ生まれる前のPrenatal Traumata が産まれた子供のPsychic Lifeに影響をあたえることをHypnosisその他を使って研究した本です。母親の妊娠中の生理的精神的反応がTelepathicに胎児に影響するといった研究。
FodorはPoltergeist研究で直接Freudと知り合う事になり、フロイトからその研究に対するお褒めの言葉をいただいたわけですが、Fodor自身はあくまでも、批判的な科学者として対応し、有名なフロイトのDeath Wish へも、厳しく批判("The desire to die is not human.")したことでも有名です。
すでに何度も既述してきましたParapsychologistのHereward Carrington が、際立ったMedium Eileen Garrett にであって、やっと生者とは独立したControl Soulの存在を確認できたように思い、Life After Death が存在するという結論に達したことは記しました。
Dr. Nandor Fodor は彼自身の本の中では、Life after Death を直接確認した文章は書いていないということで、このInterviewerである Allen Spraggett が直接 Fodorに、人間にとって最も大事なこの問題Human Survivalに関する率直な感想・意見を聞き出しています。
今、このInterviewでのFodorの意見というのを読むと、すでに挙げたサイキック Rosemary Brown ”Unfinished Symphonies"のControlともいうべきフランツ・リストの亡霊Spiritが展開した理論、つまり、この地球上での人生はいわば幼児期みたいなもので、違う次元でますます発展していかねばならないということ、この人生をまともに真剣に生きれば、次の次元で、さらなる魂の向上が望まれるといったリストの説明と同じような考えをFodorが抱いていたことがわかります。Rosemary Brownの本は1971年出版で、1964年に亡くなったFodorがBrownを知っていたとは思えませんから、彼自身の研究成果から導いた意見でしょう。
死後のHuman Survivalに関する証明はむつかしい。絶対的なといえるのはほとんどない。しかし、自分は三回それを確認出来るような経験をした。ひとつはTrumpet Seance でオヤジの声をきいたとき、ほかに・・・・。
Psychical ResearchはSoul(Psyche)の存在を認め、Modern PsychologyはSoulの存在を認めていない。それは、たとえていえば、ナイチンゲールの存在を認めないで声の研究をするようなものだ。
このSpiritualな経験を構造が解明できないから存在しないなどといえない、今はなぜ、どう機能しているのかわからなくても、そういうことが起こるということは事実であり、われわれはそれを知っている。知るために理解しなければならないというものでもない。わからなくても、知っているということはある。
わたしが死んだら、この世の人とCommunicateしたいとは思わない。After-deathの状態を探求するほうが重要で、それはこの世に残してきたことについて心配するよりも、大事なことだ。Spiritualな発展が不可能で、この地上の生命に何時までも執着するようなひとは、別として、ふつうは、そんな瑣末な事にこだわっていられず、もっと自分のSpiritの向上を目指すはずだ、なぜなら、この世の人生はまさにKindergartenにいるようなものなのだから。
人間の生命というのはわれわれが自覚するよりも大きなものである。われわれはそれがいかに大きいかを知らない。われわれは成長という目的から見れば、幼稚園に居るようなものだ。
わたしは幸福とか不幸というのは人生の目的ではないと思う。目的は成長ということだ。そして成長するためには、社交的で、他の人のためにならねばならない。Growth と Service これらが、人生の二つの基本的目標だと思う。わたしはこの肉体が滅んでも、そのGrowthは継続すると思う。なぜならそれは基本的な宇宙の過程といえるものだから。・・・われわれがこの幼稚園をさるとき、われわれはさらに成長してゆく。。。
というような、Interviewの展開で、Nandor Fodor自身は、死後の生命の存在の証明はむつかしいが、自分は三回それを確認したといっていました。そして、リスト同様、この地上の生命は幼児期にあり、違う次元に移って更に成長し続けていかねばならないというのが、彼の結論でした。
彼によるとフロイトもMysticであったが、ただ精神分析学もまだできたばかりで、Mysticismと関係があるなどということで、学会から問題にされなくなると困るので、いわば隠していたようなもので、フロイトのテレパシーに関する彼自身の意見その他はみな彼フロイトの死後発表されたということです。
そういえば、有名な、フロイトの、生まれ変われるのならば、次回はParapsychologyの研究をしたいという意見は、Hereward Carrington(当時、American Psychical Research のDirector)への手紙で1921年に表明されたといわれています。”If I had a life to live again, I should devote myself to psychical research rather than to psychoanalysis."
村田茂太郎 2012年5月5日
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