James Patterson “Sam’s Letters to
Jennifer”(2004)を読む
James Pattersonといえば、Dr. Alex Crossという心理学専攻のFBI捜査官、Police Detectiveを主人公とするMystery/Suspense Thrillerやサン・フランシスコの女性グループを主人公とした Murder Club Mystery、その他が有名で、今では、著作家として、ベストセラー世界 Number Oneということで、Guinness Recordの保持者となっているようだ。売れた本の数は何億というから、たいしたものである。いくつかは映画にもなり、最近は共著という形でいっぱい本を出している。
彼の本は読みやすいので、Discountで手に入ると(Costco, Sam’s Clubなど)、わたしはすぐに1日で読んでしまう。Postcards Killersというのも、共著で、ベストセラーになったようだ。面白かったが、平気で人を殺せる人間をあつかった小説は読後もあまりすっきりしない。
その点、どうしたことか、私には信じられないほどなのだが、彼は Love Storyをいくつか書いているのである。そして、そのどれもが、なんとなく心に残る、すばらしい小説なのである。これらも、やはりベストセラーになっている。
わたしは過去に2冊読んでいた。「Suzanne’s Diary for Nicholas」と「Sam’s Letters to Jennifer」である。どちらも、私の読後のショート・メモとして、読み終わった日づけのほかに、Good とか Very Goodというメモが記してある。
最近、私は図書館で彼の「Sundays at Tiffany」という本を見つけ、Mysteryのほうではなく、Love Storyであることを確認したうえで、借り出し、すぐに読了した。「Sundays at Tiffany」はもちろん、トTruman Capote ルーマン・カポーテの「Breakfast at Tiffany」をもじったタイトルであるが、これは前2作より劣るとはいえ、まあ、わかる Fairytaleであった。
子供が大人にはみえない友達と話している、これがテーマである。あわれな環境に居る子供に天使があらわれて、友達となり、8歳ぐらいで立ち去ってしまう。天使の言い分では、自分が消え去った後は、すっかり忘れ去るはずだということであった。この天使の職業はあわれな子供の慰め役ということであった。母親は金持ちで、ビジネス・ウーマンであり、何度も男をとりかえて、子供にはほとんどかまわない。そこで天使が登場していたわけである。母親はこどもを連れて日曜日にTiffanyへ行き(”Sundays at Tiffany”)、宝石を見たり買ったりするのが好きで、そのあと、ホテルのレストランで食事をする。子供には親には見えない天使の男が一緒にテーブルについていて、楽しんでいるという形で話は展開していく。そして、ある時期に男は消え去るわけである。
ところが、この女の子は大人に成長していっても、この男友達のことが忘れられない。そして、あるとき、母親の真似をして、もう30歳になって、まだSingleなのだが、自分の子供のころの、親には見えない友達との関係を小説にする。それが、大当たりで、ドラマにもなり、映画にもなりそうだということである。ある日、彼女はこの昔の友達とそっくりの人間に出遭い、ホンモノだと気が付く。そして、最終的に、彼ら二人は結ばれるという Fairytaleである。
この“Angel”をテーマにした愛の物語は、悲劇に終わるものとしては、Meg Ryanと Nicholas Cageの“ City of Angel”がある、ある女を愛してしまった天使が、人間になるといわゆる不死ではなくなるという法則を知ったうえで、その女と暮らしたいと思って、天使でなくなったとたん、女は Lake Tahoeのドライブで自転車に乗って両手を放して、上を向いて走っていて、突然、横からあらわれた18 Wheelerにぶつかって死ぬという話である。わたしは Lake Tahoe の Scenic Driveを何度かドライブしたが、まがりくねった道で、自転車とはいえ、両手を放して、上を向いて、目をつぶって走るなどというのは、ありえない話で、“リア王”や“乱”などと同様、悲劇に終わらせるためにわざと死なせるというトリックがみえみえで、あまり感心しないのだが、こういうストーリーが好きな人もいるようだ。
あるいは、ほかに天使が主役のJohn Travolta主演の Michael, Michaelというのもある。ストーリーは忘れてしまったが、ともかく、Angelをテーマとした作品の一つである。
ここで、サイキック・サイエンスを勉強した私は、ある種の子供は,本当に、Angelではなくて、おとなには見えない人間がみえるだけでなく、ちいさな子供たち(亡霊)と一緒に遊んだりするが、8歳くらいになると、別れていくという話を実話として、幾度も読んできた。有名なサイキック Eileen Garrettの場合に限らず、Edgar Cayceにしても、数多くのサイキックはふつうの人には見えない人間を見て、会話もかわせるわけである。つまり、この亡霊のような存在は実在していて、想像の産物ではないのである。
つまり、この事実だけで、人間は死んだら無になるのではなく、何らかの意識や個性が残って、それをCatchできる人間がいるということがわかり、この地球上で今までに無数の Ghost Storiesその他の不思議な話が生まれ、後世に伝えられてきたのも理由があることであったということになる。
また、すでにこの“心霊現象の科学”のなかのブログで書いてきたが、コナン・ドイルのように妖精Fairyを写真に撮った子供がいて、それを研究して本で発表する(“Coming of Fairies”Sir Arthur Conan Doyle)ということも起きた。写真はホンモノだが、ある種の人間には、頭で描くイメージをまるで本物のように自然の中に生み出す能力が備わっていることを知らなくて、それらの Fairiesは本当に、空想でなくて存在し、写真にもとれると信じたわけである。
私の今までのサイキック現象の勉強のなかで、わかったことは、ある種の特殊能力を持った人は自分の頭に描くイメージをほかの人にもわかる形で生み出せる能力を備えていること、自分のダブル、Astral Bodyを人に見える形で送り出す能力をそなえていること、つまり生き霊は事実可能であること、などであった。ドイルの見た Fairiesの写真も写真はホンモノだが、超能力を持った子供が自分のイメージを空間に描きだし、それを写真に撮ったということであった。しかし、どうであろう。本当に、この空想世界の産物と思われるものたちが、この世に存在して、われわれ、普通の人間にはわからないだけなのかもしれない。
少し話が横道にそれてしまった。ということで、James Pattersonは、Love Story関係の小説もいくつか書き、ベストセラーにもなっているということで、先日、私の倉庫を訪れて、この中の1冊、Sam’s Letters to Jenniferを見つけて、Goodと書いてあるが、どんな内容であったのか忘れてしまっていたので、どうせ一日以内で読めるということで、再読することにした。Hard Coverの大きな字で、スペースもいっぱいで、280ページほどの本だが、すぐに読了できた。
先日読んだ Kristin Hannahの「Comfort & Joy」も湖畔の家をめぐる話であったが、この Sam’sの本も Chicagoから北に上がったWisconsinにある Lake Geneva という湖畔の家をめぐるLove Storyであった。そして、これも、悲劇ではなく、Happy Endingであったので、私は安心して読むことができた。この現実の世の中は悲劇に満ちているので、せめて小説の世界くらいは、あかるく楽しく、こころがすがすがしくなる世界を描いてもらいたいと思うようになっているので、この本を再読してよかった。
これは Second Chance 第二のチャンス の話である。夫と同時に胎児までなくしてしまった主人公の女性が、ただひとり信頼し、愛する Grandmother祖母が Coma意識不明 の状態になったという知らせを得て、祖母である Sam (Samantha) の湖畔の家にやってくる。そして、回復を祈りながら、ひとりで生活しているうちに、同じくひとりで帰省していた昔の男友達に出会う。彼女は、夫がハワイで水死事故にあったのは、自分が仕事で急に一緒にハワイにゆけなかったせいだという罪の意識になやまされて自立できない。
そんなとき、祖母が家に置いていった手紙の束がたくさんあり、自分あてになっていて、順番までうってあるのを知って、時間をかけて読み始めることになる。そして、彼女は幸福な結婚をしていたはずの祖母が新婚の日から、まちがった夫を選んでしまったと気づき、しかも貞淑な妻として、二人の子供をそだてて、あきらめの日々を送っていたことを知って驚く。
自分あての手紙のスタイルで、祖母が彼女の知らなかった人生をあらわにしているのを読むうちに、彼女 Jenniferは、祖母がそのうちに、第二の人生を選び始め、絶望の人生、結婚後の不幸な人生にはじめて生きがいを見つけだしたのを知る。祖母の良さを認め、それを一緒に生かそうとする、いわゆる Soulmate(魂で結ばれた相手)といえる男性を湖畔の家の近くの町に見つけたのであった。
そして、楽しい相手とのこれからの人生にすべてをかけて、夫とのことはどうなってもよいと決心し、あたらしい関係に入っていく。そして、夫が突然、急病で亡くなり、もう、二人は公然と仲良く振舞い、Ringまで用意する。ところが、彼女、孫であるJenniferにとっては祖母が再婚したという話は知らないから、どうなったのかと思う。
そのうちに、祖母がComaの状態を脱して、意識を回復し、いったん家に戻ってくる。そして、その Soulmateが誰であったか、どうして再婚を公表しなかったのかなどがあきらかにされる。これが、Sam’s Lettersをめぐる内容であるが、Jenniferは、この手紙を読みながら、罪の意識から解放され、あたらしい男性と希望にみちた交際を始め、第二のチャンスがきたと、再婚をする決意までする。ところが、Jenniferは、実は男はドクターであるが、脳のCancerで、これはめずらしい種類で、手術は成功するチャンスが少ないし、うまくいっても後遺症が残るとかということで、この夏のわずかな日々だけ楽しく生きようと考えていたと知る。そして、ある日、男 Brendan は突然、メモを残していなくなる。男は、愛する女と生きるために、失敗するかもしれない 脳手術を実行しようと決意し、ひそかに去って行ったのであった。Jenniferは必死に愛人の行方を探し、Mayo Clinicというその種の(癌の)最高権威といわれている病院にたどりつく。そして、男と会い、男の親とも会い、男が命がけの手術をする決意をしたのは Jenniferを愛するからだときかされる。ながい手術を待ち、最後に医師から無事終わったとつげられる。何日かたって、湖畔の家に戻り、祖母は結局死んでしまうが、その家を孫の Jenniferに残し、若い(40歳前後)二人は結婚し、子供が生まれて Sam (Samantha)と名付け、Happy Endingとなる話である。
結婚に失敗した祖母が第二のチャンスをつかまえて、しあわせになり、それから学んだ主人公 Jenniferも、第二のチャンスをつかまえて、より強く生きようとするというHappy Endingの Fairytaleである。
短い小説であるが、次はどうなるのかという小説的興味を持続させるように出来上がっていて、まあ、読んだ後も、悪い気はしない。湖畔の家という設定もなんとなく牧歌的で、この種の Love Storyには欠かせない要素となっている。若い(?)二人は誰もいない朝の湖に家から裸で飛び出して、全裸で飛び込んだりするのである。
もっとも、サイキック現象をたくさん勉強した私には、祖母が亡くなっても、Jenniferにとっては、別にそんなに悲しいことではなかったろうと思われる。第二の人生を充実して生ききった人間の満足を感じられたに違いない。私自身にとっては、死後も魂が別の次元で存在し続けるのは、今では明らかなので、別に死をおそれるわけでもないし、逆に楽しみにしているほどであるが、それだから一層、今生きている人生を充分に、後悔のしないように生きたいと思う。
Suzanne’s Diary for Nicholas のほうも、探して、もう一度読みなおしたいと思う。この方は、大体筋を覚えていて、最後はHappy Endingにならないで、母子が、ドライブ中に心臓麻痺になったため、クルマの事故で死んでしまうという話であったように思う。倉庫を苦労して探すよりも、図書館を利用するほうがラクかもしれない。ほかの本を探していた時に、”Suzanne’s”があるのを認めたから。
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