「心霊現象の科学」をめぐってーその94 Dolores Cannon その1 「A soul remembers HIROSHIMA」を読む 2/3
Dolores CannonがはじめてKathryn Harris (Katie)(Anonymous仮名)に出遭ったのはサイキック現象に興味のあるひとがあつまったParty会場でであった。1983年。そのときKatieは22歳であった。Dolores Cannonが本格的にRegression HypnosisにOfficialに没入していったのは1979年であった。(自分でRegression Hypnotistと名のる)。もちろん、彼女はそれまでに夫のHypnosisを受け継いで、すでに10年ほどHypnosisを実践した経験があった。そのあと、個人的にKatieと何度も会ってRegression Hypnosisを行い、このKatieがまれにみるHypnosisの対象であることを発見していった。
DoloresはKatieがDeep Somnambulistic Trance状態(深い夢遊病者的失神=催眠状態)に簡単に達することができる理想的な人間だということがわかり、その状態にすぐに入れるほうを自分でみつけだし、それを応用して、Katieから重要な情報を引き出すことができた。
そのひとつが、Katieが原爆で亡くなった男のReincarnationで、鮮明にその原爆被爆の状況をおぼえていたということ。ほかにDoloresは、彼女KatieのSoulが26にもなる転生Reincarnationを体験し、そのひとつに紀元30年前後、丁度イエスが生まれ、育ち、教育を受け、教祖として活躍し、処刑される時代を生きた男で、イエスとも関係があり、のちに1945年発見された“死海文書”(Dead Sea Scrolls)といわれる歴史的な出来事・記録とも深い関係があることがわかった。死海文書はQumranで発見されたが、Katieがその時代を生きた男はEssenesと特に関係の深い人物であったことがわかり、そのKatieの記述を元に「Jesus and the Essenes」という本をDoloresは仕上げることになったが、Katieはその情報提供の当事者であった。これによって原始キリスト教のうまれでたころの状況がより鮮明になったといえる。
死海文書はたまたま古文書が発見されたということではない。Essenesはキリスト・ユダヤ教の宗教法人のような共同体Essenes Libraryとして存在し、その保存意識の成果として、保存されるべくして保存され、それがたまたまCaveが見つかるように見つかったというだけであった。いわば、このKatieのRegression Hypnosisを基にして、Hiroshima と Essenesの重要な二つの書物が生まれたことになる。Dolores CannonのEssenesに関する本は当時の状況を解明する貴重な文献となり、やがてはDoloresの本の影響を受けて、別な探求者が“The Essenes”という本を発表していくことになる。原始キリスト教の世界が、つまりアウグスチヌスや二ケア会議の影響を受けてキリスト教がDogmatic権威主義的なCatholicに変質いく以前のイエスの姿が解明されていくことになる。(アウグスチヌスの影響と二ケア会議の影響がアルビジョワ十字軍異端派Cathar殲滅の悲劇にいたる話はすでにこのブログのどこかで記述した。)
すでに HIROSHIMA-その1 で述べたように、22歳でDoloresに会い、Regression Hypnosisの理想的な対象であるとわかったKatieが、実はその半年前に“Walk-in”をしたNew soulであるとわかったことは、DoloresにとってもKatie本人にとっても、非常な驚きであった。そこで、New soulであるKatieであるが、New KatieはOld Katieのうまれてからの記憶その他をすべて引き継いだことになっており、いわばImposter誰か身代わりが役を演じるということではなく、まさにKatieそのものであるが、New Katieは、Old Katieがもういろいろな状況に対応しきれず、死んでしまいたい、またはこのKatieの古い人生から撤退したと思っていたOld Katieとは当然人格もちがってくるわけで、親たち周りの人間はある時期から見違えるような人間になったと感じることになる。
このWalk-inは突然になされるわけではなく、いわばTrialというか、事前にSoul同士で何度か相談しあい、ときどきSoulがKatieの身体にいれかわって、Soulの移行がうまくいくか確かめた上で、あるじきに完全にWalk-inが完成するようである。Katie自身はこのWalk-inの話をきいても信じられないほどであり、また自分自身、何の違いも感じていない。ただ親は見違えるような人間になったとわかったようだが、それも人間が成長した、大人になったと解釈したわけであった。
ということで、Dolores CannonがWalk-in半年後のNew Katieと出遭い、Regression Hypnosisを実行したわけなので、Katie本体(Old Katie)の記憶は、いわば胎児の時期からの情報がNew Katieに委譲されているとみてよいわけであると思うが、KatieがDoloresによって喚起した26の転生Reincarnationの記憶はNew KatieのSoulの転生の記憶であると判断してよいであろう。
Old Katieの21歳までの記憶も興味深いものであるが、特に生誕時、死んで生まれたというところから、胎児はSoulがはいってはじめて人間として生きることができ、Soulなしでは死んでしまうということがわかる。そしてKatieの場合、Soulが、胎児が生まれてしばらくしてから体内に入って蘇生したということから、Stillborn死産のひとつの理由もあきらかになる。そして胎児の間に、生まれるべきSoulは、受胎2-3ヶ月で胎内に移るというよりは、何度も胎内を出たり入ったりして自由な状態を楽しんでいるらしいということ、それゆえ、Soulとして、胎内にいるときも、胎内から出て母体のまわりをうろついているときも、周りの状態や母親だけでなく父親の反応振りなど、すべて見て感じており、それが生まれてからの成長に影響を表すのはあきらかである。堕胎をしようと悩んだり計画したりしたことすべてが胎児のSoulにはわかっているわけだから。うまれてくる赤子のSoulは成熟した大人であることもあり、昔、John Lockが考えたように白紙の状態で生まれてくれわけではなさそうだ。
21歳でKatieの身体に入り込んだSoulはOld Katieの記憶その他をすべて保持すると同時に、New KatieのSoulつまりKatieにはいりこむSoulのすべてを保持していたわけで、いわばHiroshimaで原爆被爆して死んだ男の鮮明な記憶をそのまま引きずってOld Katieの身体に入ったわけであった。したがって、このSoulにとっては、40年前の被爆体験ではなく、原爆で死んだSoulがはじめてOld Katie21歳の女性の身体に入り込んだということで、その記憶も消えることなく鮮やかに保たれていた。それが、TVでたまたま原爆の被爆体験者の女性の談話をきいているだけで、Emotionをともなった鮮烈な記憶体験がよみがえってきたということであった。逆に、なぜ22歳になってはじめて自分が原爆体験者の転生であると感じるようになったのか、なぜそれ以前でなかったのかということの証明にもなる。Walk-in したSoulが原爆を体験したSoulであって、Old KatieのSoulは原爆など知らないSoulであるということである。Katieは1960年にLos Angelesに生まれたアメリカ人である。父親の職業の影響でアメリカを転々として、それなりに苦労し、Texasには高校生のころしばらくすんでいた。
Katieの親はPentecostal Churchに属する熱心なChristianでReincarnationは信じないということで、KatieはDoloresに匿名を要求し、仮名KathrynあるいはKatieという名前で、すべてを処理することにした。
HiroshimaはそのKatieの回想録であり、EssenesもKatieの2000年前の回想録であるといえる。Hiroshimaの紹介のあと、Essenesを紹介するつもりである。
その3 につづく。
村田茂太郎 2014年11月6日
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