Guadalupe山脈の中央に当たる山頂部は2300-2400メートルの高台になっていて、その辺一帯は大森林地帯となっている。Chihuahua砂漠の真ん中にみずみずしい大森林があること自体驚異的であるが、この森林は約1万年前、最後の氷河期の頃、Guadalupeまで氷河が進出していたわけではないが、氷河期のCoolな気候で発達した大森林地帯が、今は沙漠と化したChihuahua Desertに生育していたのが、氷河の後退と気候の温暖化の中で、徐々に死滅していった中で、Guadalupe Mountainsの山頂部 BOWLといわれる高台だけに、Coolな気候と比較的多い雨量のために生存し続けてきた、その遺産といわれているのが、現在に残る大森林の姿である。
この、砂漠から見れば、みずみずしいといわれる森林の実態を味わうためには、苦労して山頂部に登るしかない。Guadalupe Peak Trailからも、その森林美が味わえないわけではないが、直接BOWLに入っていくルートを辿るのが、本当にこの貴重なGuadalupeの自然を味わう道である。いろいろなコースがあるが、どれも骨のおれる(Strenuous)むずかしいルートである。しかし、危険なルートではない。体力の要るルートである。この森林にはPonderosa Pineを中心にして、Limber Pine, Douglas Fir, Quaking Aspenなどが生育している。
私がこの森林の一端を見たハイクは、Tjas-Bowl TrailとPermian Reef Trail そしてMcKittrick Canyon Ridgeである。本当にこのBowlを味わうためにはOvernightの〔2-3泊の〕Backpack ハイクをするのがベストらしいが、単独行の私にはなかなかそれを実行する勇気がでない。何しろMountain LionやBlack Bearの跡が見つかる領域である。ひとりでは慎重に行動するしかない。いつかトライしたいものである。(Nevada Barrというミステリー作家の国立公園ものミステリーは公園管理人のひとりAnna Pigeonをアマチュア探偵とした話で、その第一作(?)はGuadalupe MountainsのMountain Lionが舞台である。)
Permian Reef Trailは世界的に有名な化石ルートで、上まで登ろうとすると大変な登山となる。私は1994年12月に一度、上まで登り、Ponderosa Pineの森の中へ入っていった。このときも、下山の途中、二人連れと出遭っただけの、全く静かな大自然であった。
私が1995年4月にとったルートは、Hunter Peak Trailと名づけられているものであった。Pine SpringsのCamp Ground Trailheadからスタートして、Tejas Trailを頂上まで辿り、Bowl Trailに沿ってPonderosa Pine Forestの中をHunter Peakに向かい、そして、Bear Canyon Trailという急傾斜のTrailを下って、最後、Frijole Trail経由、元の出発点に戻るルートで、トータル9-10マイルのLoopになるが、私の実感としてはGuadalupe Peak Trailよりも骨の折れるハイクであったが、出発点に戻ると、目の前のHunter Peakを眺めながら、アソコをズッーと歩いたのだという強烈な感動が湧き上がってくる。
Tejas TrailはゆるやかなスロープをSwitchbackしながら徐々に高度をあげてゆき、谷の反対側まで見えるようになる。高台(BOWL)に着き、Ponderosa Pineの林に入るとホッとすると同時に、こんなドライな場所に、よく頑張って、森林を作っているとなんともいえない感動に襲われる。何しろ、高山のため、ふもとの砂漠地帯よりも湿気が少し多いというだけで、カナダやコロラドの森林に比べて、絶対量としての雨量はきわめて少ないので、現在もこの森林の退化がすすんでいるといわれているところである。
Ponderosa Pineの林の中を歩いてHunter Peakに登ると、Guadalupe Peakとはまた違った景観に接することになる。Hunter PeakからのViewは、“The best view in Texas”といわれている。Big Beend National Parkの最高峰Emory PeakからのViewもすばらしいものであったが。4月というのに、Hunter Peakの頂上では、凍った冷たい強風が吹いて、私は用意した手袋をはめたが、それでも凍えるようであった。
Hunter Peakを降りて、またPine林に入り、Bear Canyon Trailへ向かった。このBear Canyon Trailを下ったのが正解であったのかどうか、未だに私は判断できない。下り始めると、ブレーキをかけるのに苦労し、下についたときには、本当に脚がガクガクになっていた。そして、そのとき、のぼりを考え、下りだったから何とか元気にたどり着いたが、これが登りであれば、あの急峻なSwitchbackを沢山歩きこなすのは大変に違いないと思ったものであった。
このTejas-Bowl ---Bear Canyon-Frijole Trailを私が辿ったように時計回りに歩くか、反時計回りに歩くか、どちらがベストかという問題は登山家やPark Rangerの間でも結論が出ていないという。私は当時は下山でよかったと思ったが、今、もしかして、コツコツと急な坂をあえぎながら登っていくBear Canyonの反時計回りのルートはいかにも険しい山に登ったという実感も味わえ、登りは余り脚を痛める事はないはずなので、はじめから覚悟して向かえば案外いいものかもしれないと思うに至っている。ともかく、私にとってGuadalupe Mountains登山の経験の中では最も骨の折れるものであったが、アトの充実感もまたひとしおだった。
Bowlの森の中をある程度歩いたという貴重な体験も、Hunter PeakからのViewも、Bear Canyonを知っているという事実も、Frijole Trailでの咲き乱れる草花との出会いも、このHunter Peak登頂という出来事を通して得たものであった。
この名前のHunterはJudge Hunterといい、1930年代にMcKittrick CanyonにTrout鱒を放し、それが死滅せずに現在のTroutに至っている。Dr. PrattがMcKittrick CanyonをUS GovernmentにDonateしたことが現在のGuadalupe Mountains National Park成立の起因になり、あずかって力があったのが、同じく沢山の私有地をGuadalupeにもっていたJudge Hunterで、彼が安い値段でUS Governmentに譲り渡した事による。テキサスの誇る二つのNational Park―――Guadalupe Mountains も Big Bend も、本来私有地であった。他のアメリカ諸州と異なり、1830年代後半、Sam Houstonによって独立国として登場したテキサスには、Federalの土地などなかったのであり、この二つのNational Parkが個人の寄付や私有地の買い上げによって成立しているという意味でも、アメリカの他の国立公園とは異なるユニークな存在であるといえる。
Guadalupe Mountainsは1年中オープンであるが、夏は暑く、冬は寒いので、ベスト・シーズンは3月から5月と9月から11月とガイド・ブックには記されている。しかし、いつ訪れても良い。私は6月や12月におとずれて、素晴らしいハイキングを経験した。風がきついので有名なので、登山を試みる人は要注意。また、必ず、Water(飲み水)を持って歩くこと。紅葉のMcKittrick Canyonはすばらしいが、新緑もまたすばらしい。雨もまた風情あり。
村田茂太郎 オリジナル執筆1996年4月9日、Word input2012年8月5-10日
Hunter Peak Trailを歩いたときの写真は残念な事にScanするのを忘れて、探し出すのが無理なので、Hunter Peakの写っている写真を添付しました。すみません。)
Hunter Peak Trailを歩いたときの写真は残念な事にScanするのを忘れて、探し出すのが無理なので、Hunter Peakの写っている写真を添付しました。すみません。)
Guadalupe Mountains from Salt Flat |
Famous view of El Capitan, Guadalupe Mountains National Park |
El Capitan & Hunter's Peak |
Hunter's Peak |
Guadalupe Mountains National Park |
Hunter's Peak |
Hunter's Peak |
Hunter's Peak view from Guadalupe Peak Trail |
Hunter's Peak view from Guadalupe Peak Trail |
Hunter's peak fro top of Guadalupe Peak |
Hunter's Peak from Guadalupe Peak Trail |
Hunter's Peak view |
Hunter's Peak from base |
No comments:
Post a Comment