「心霊現象の科学」をめぐってーその105 「My
Son and the Afterlife」Elisa Medhus, MDを読む
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title: Conversations from the other side
著者は女性の医者MDである。専門はInternal Medicine内科だが、Parentingなどの領域で本も出し、学校で講演をしたりしている人。自分の子供が5人。その一人である息子が20歳で自殺をした。この本は、その悲しみGriefをいやすために、自分のブログをもうけてPublicと交信すると同時に、ふたりのMediumのヘルプを得て、息子のSpiritと交信した、その記録をまとめたものである。
著者は、一応、医者として、科学的な環境に育ってきたので、自分でも科学的であると信じ、いわゆるSpiritualとかサイキック現象とかには縁が無いと思っていたひとである。
その彼女が、息子の自殺を体験して、はじめてSpiritualな領域に目覚めたというか、Afterlifeがあるということをまざまざと実感した記録が本書である。
なかなか、面白く、内容豊かで、立派な本であり、Very
goodまたはGreat!というのが、私の読後の印象であった。それで、Kristin Hannahのサイン入りの本“Nightingale” をアメリカ人の友達に寄贈するときに、この本とAgnes Thomas Ph.D. の“Pets tell the Truth”なども一緒に送ったほどであった。
私は、ともかく、大学時代の級友の自殺以来、“自殺”ときくと、すぐに反応するので、この本の自殺者がどうAfterlifeで存在しているのか興味があって読み出したのだが、この本を読んで、自殺者に関して、ちょっと安心したというところである。つまり、以前よく言われたように、自殺者は灰色の世界をうろついているだけという状態、これこそ私には地獄と思える状態だが、そうではなくて、ちゃんと回復してCommunicationもできる状態にいるだけでなく、生前彼がよくやったPrank悪ふざけ・いたずら を死後もやってみせる、つまり、意識・記憶・個性・感情その他すべて本人そのまま持続していることを示す、まさに自殺したはずの息子のSpiritと交信しているのを納得できるという、そういう話が展開されている。
そして、二人、息子の霊と母親の、Medium経由の会話の領域は広範囲にわたっており、感心するほどであった。
息子は自殺したとはいえ、元来、Bipolar
Disorderという症状で病的であり、まともな生活ができないと感じていたらしい息子が、家族に迷惑がかかると思いながら自殺を択んだのは、彼にとっては生きている限界まで来ていたということで、そういう状況における自殺は、いわばこの世での勤めは果たして、次の次元に移行したとみなされるのか、Afterlifeでのプロセスが、すべてが順調にすすんだようである。おかげで母親は、息子がAfterlifeで生前と同じCharacteristic個性らしきもの を保持しながら、新しい環境での、さまざまな現象を楽しんでいるのがわかり、心から安心できたのであった。
ここにあらわれる息子EricのSpiritは、まるでOld wise men 老賢者の風貌を帯びている。Bipolar Disorder抑鬱症? で自殺した若者のSpiritとは思えないほどである。子供らしいPrankを楽しんだ息子の個性は保持しながら、彼の魂は何でも知っている老賢者の風貌を示す。まったく、感心するばかりである。
息子Ericはいたずらが好きな子供であった。死んでからも、その個性はかわらず、いろいろなPrankをして、まさにホンモノの息子EricのSpiritが母親の周りにいるのだということを見せ付けるのであった。
この本の目次を見ると、この息子EricのSpiritが生前の、いたずら好きであった性格をそのまま保持していることがわかると同時に、老齢な賢者のような中身を持っていることが母親との交信の内容からわかる。
Part1ではEricのSpirit世界からの訪問を示す内容が展開されている。
Physical Visits、Touching & Tickling、 Nasty Smells, Moving Objects, Hiding Objects,
Playing with
Electricity, Telephone
Calls, Manifesting
Objects from Thin Air
すでに、私がこのブログで紹介してきたMaurice
Barbanell や Ralph
Harlowの話を読まれた方には、上記現象はすでに馴染み深いものであると思われる。
ここでは、特にサイキックでもなんでもなかったはずの、いわば精神・神経疾患で自殺した若者が、同じような芸当をやってみせることができたというところが面白い。まさに霊的世界、エネルギー状態のAfterlifeでは、こつ・やり方さえわかればなんでも可能なようである。
ここでは、どうして物体を動かすことができるのかの説明までなされていて、なるほどと納得することになる。物体のある前または後ろのEnergy
Fieldを変えることによって物体が動くことになるということらしい。単純に押すのではなく、物体のある空間のエネルギー状況を変化させることで、動いたことになる!SpiritはエネルギーFieldを変える能力は保持しているようだ。
SpiritはEnergyだから電気系統を操作するのはもっとも簡単な作業らしい。電灯を点滅させたり、Appliancesを稼動させたり、停止させたりということは、よくSpiritが見せる現象である。
Manifesting
objects from thin air というのは、Materialization とか Teleportation とかにあたり、BarbanellやHarlowも報告していたが、このEricも母親に見せていたようである。
ともかく、これはSpiritが物理的に何かできる能力を保持していることを示したものだが、Ericは、もうすこしまじめな Nature of Consciousness や Soul, Nature of Afterlife, Time & Space, Matter & Reality、Who we are、 Why are we here? などについても、まじめな議論を展開できるのである。
Part2 ではUntethered Soul自由になった魂 ということで、Ericが自分のDeathについて述べ、Afterlifeでの日々や階層、言語、進化そしてReincarnation、Near Death Experience などについて展開。
Part3 では、Bigger Picture ということで、意識、時間と空間、Matter とReality, LoveとFear などが語られている。動物や植物、鉱物についても触れられている。
基本的に、母親である著者が息子EricのSpiritにMedium経由で訊ねるという形なので、テーマは著者の関心の領域を示している。
ここでも、最後にはLoveが説かれている。Eric: We seek to become love-unconditional love-as individuals
and for the universe as a whole, for each soul to embrace. That’s the lowest
entropy. That’s the endpoint. 無条件の愛 - 愛の無償性とかといわれるが、何も求めない愛が究極の目標なのかもしれない。
ともかく、ユーモアのまじった会話が二人の間でもたれ、様々なテーマで話し合われ、ときどき年降りた賢者の知恵の片鱗をうかがわせるような展開をするようすは、地上に来ている人間と亡くなったSpiritとの会話とは思えないほどリアルである。
自殺したばかりの若者の魂が、これほどの充実した会話をもてるとは驚きである。
これを読むと、愛する人を亡くして悲しんでいる人々も、実は、Spiritが身近で、まさにGuardian Angelのように見守ってくれているのだとわかって、心が和むことであろう。
まさに、Great
Book である。
“My Son and the
Afterlife” by Elisa
Medhus MD
ISBN: 978-1-58270-461-6 Simon & Shuster 2013
村田茂太郎 2015年10月30日