Mission Peak登山
2017年2月15日、3年ぶりに私はGranada Hillsにそびえる(? そんなに高く険しい山ではない!)Mission Peak登山に成功した。
O’Melveny Park が海抜325メートルほどだから、845メートルの頂上まで500メートルほど登るだけである。
2009年以来、私は毎年一回はこのMission Peak登山を試みてきた。ところが2015年、犬との散歩中に足腰がおかしくなって、杖をつかわないと歩くのも不安な状態になった。そして、その年の暮れに今度は足の親指が突き指をしたような痛みを感じて靴を履くのもむつかしく、ときには部屋の中で杖を使わねばならないほどであった。
UCLAのドクターに相談すると、Gout痛風に違いないという。別に薬の処方箋をくれたわけではなく、結局、Goutについて調べ、ビールや塩その他が良くないとの記述で、ビールは飲まなくなり、栄養士の姉に相談して、コーヒーを毎日3Cupほど飲んでいる人に痛風患者はいないと教わって、コーヒーを何杯か飲んで、痛みは感じなくなった。ともかく、私は、薬はきらいで、自分で食事その他をコントロールして大概の痛みや病状をなくすことになれているので、別にむつかしいことではなかった。
エルパソにいたとき、検診の時、脈拍が早いといわれ、サンプルの心臓の薬をFreeでもらって、飲んでいると、確かに効果があって、90のPulseから60まで下がった。そこで、私は薬依存症になると怖いと自覚し、薬を飲むことに満足しないで、自分で脈拍を60にまで下げようと決心した。
丁度、体重も30ポンドほど下げねばと感じていたこともあり、また血圧も上(SYS)が150、下(DIA)が90以上、つまり高血圧気味であったので、血圧も下げようと決意をし、実行した。そして3-4か月で体重は30ポンド以上下がり、血圧は80以下と120ほど、つまりノーマルに、そして脈拍も薬も飲まないで60-70台におさまるようになった。つまり、人間は基本的に自分で健康を管理できるということを確認した。
私の自作の処方箋はなんであったのか。食べる量を半分に減らすこと。アメリカでは人は食べすぎる傾向があり、レストランでオーダーするときは少ない量をオーダーし、持ち帰りが可能な場合はもちかえること。早朝の食事前の体操が効果的ということで、朝の5時半には起きて8分体操(実際は15分ほど)するということ。そして食事に気を付け、野菜とフルーツを多く食べ、赤肉は食べないこと、というよりも、基本的に肉食をひかえること、動物性たんぱくが必要な時は鮭をたべてカバーすること。Vitamin とHerb、 Co-Q10、Omega 3、 Calciumは適量とること。そして、ハイキングなど適度の運動を楽しむこと。ストレスをためないこと。これを実行していると、半年もしないで私にとっては健康体といえる身体にすることができた。そして、自分で体重も、血圧も脈拍もコントロールできるということがわかって、健康維持に自信を持つことができるようになった。
従って、痛風にビールはよくないとわかると、好きなビールものまなくなり、ともかく、医者に頼らないで過ごせるようになった。
足腰の不具合も、こんな、杖に頼るようではだめだと自分に言い聞かせ、最近は杖なしで自由に歩けるようになった。そして、その健康度のテストが、この2014年まで毎年のぼっていたMission Peak登山であった。
実はあまり自信はなかった。途中で歩けなくなったらどうしようという不安があった。それでもこの雨で山が緑できれいになっており、ともかくトライしようということで、2017年2月15日、朝10時からスタートした。健康な時は家からのループ登山で約4時間、調子が良ければ3時間半というのが過去の記録であり、時には4時間半近くかかったときもあった。しかし、4時間半で帰ってこられるだろうと思って出発した。
歩き始めて、私は足の爪をClipしていないのに気が付いた。これはよくない、下山の時に指を痛めると思って、ますます不安になり、まあ様子を見るということで、もし無理だったら途中で下山して、もっと低い、Hanaとよく歩いた低い山の尾根を歩けばよいなどと考えだす始末であった。
まずO’Melveny ParkのTrail Headにゆくのに、直行するのではなく、最近Hanaが歩かなくなったEquestrian Trail(馬で歩ける道)を歩くことにした。そしてそれは正解で、気持ち良いTrailで、気分も軽やかに歩き、写真をいっぱい撮りながらO’Melveny Trailと名のついたTrail Headについた。すでに30分もかかっていた。
Trailを歩き始めると、最近の雨のおかげでいつもドライな小川に水が音を立てて流れているのがわかり、うれしくなってきた。そしてTrailの右側にそそり立つ山肌が、けわしく、美しくそびえているように感じ、この150メートルほどの岸壁をはるかに見下ろすほど高く上るのだといいきかせて、一歩一歩登って行った。
このTrailは、道はちゃんとしているが、坂が急で、なかなか登るのに苦労する山であることはわかっていた。頼りない足元で、本当に今までで一番苦労しながら登り続けた。ながめは素晴らしくなってくるので、途中で引き返すのも、先に行くのも同じだと思って、ゆっくりマイペースで登り続け、時折写真を撮るために立ち止まるのが休憩であった。そして、いつの間にか2時間以上たっていたので、これは水を補給しなければと眺めの良いところで、立ち止まってGatoradeをとりだして飲んだ。スナックも持参していたが、水分補給だけで歩き続けることにした。以前はともかく登りは2時間から2時間半で頂上に着いていたはずなのに、今回は足に注意しながらの登山であったので、仕方がない、ゆっくり登ろうと歩き続けた。頂上が見えるところまできて、あと1時間以内でつけるだろう、ということは、のぼりだけで3時間半かかることになるとわかった。
この日は水曜日であったが、素晴らしい天気であったので、Peak登山を済ませて下山してくる二人連れや犬連れの人たちとすれちがった。わたしはゆっくり登っていたのだが、追い抜いていった人はほんの少しであった。頂上からは10名足らずのグループが降りてきた。みな私が登ってきた道を下っていくようであった。私はこの O’Melveny Trailは坂が険しいので、足を痛めるから、下山は必ず、別のルートを歩くようにしていた。登山では、下山が足を痛める可能性が強いのは、私はGuadalupe MountainsのHunter Peak登山で体験していた。したがって、いつもこのPeak登山はHanaとの散歩の入り口であったNeon通り に降りていくつもりであった。
頂上には約3時間半かかり、無事たどり着いた。両足がMuscle Crampをおこして、私はベンチでやすみ、靴を脱いでマッサージしなければならないほどであった。Gatoradeとミルク・キャラメルで栄養補給を行い、10分ほど休んで下山にかかった。
そして2時間かかり下山し、重い足を引きずりながら、無事家にたどり着いた。なんと、5時間半近くかかった登山であった。しかし、過去2年、こわくて登れなかったMission Peak登山を一人で無事成功させたので、自分では満足であった。
本当に疲れ切っていて、何をする元気も体力もなく、身体をベッドで休めねばならないほどであった。これでは翌日の朝の犬の散歩にこたえるかなと思っていたが、翌朝になると、かえって体が柔軟になったようで、快適なほどであった。
テキサス最高峰 Guadalupe Peak 8749Feet (2667メートル)には8回ほど登頂したが、1700メートルから頂上まで約900メートル登るのに往復4時間ほどが常であった。下りは1時間半ほどで、のぼりが2時間から2時間半であった。Granada HillsのMission Peak登山は500メートルほど登るだけであったのに、ループで5時間半近くかかったわけで、体力の衰えが明白であった。ただ、2015年には、もうこのPeak には登れないのかもと悲観的になったことがあったが、たとえゆっくりとであっても、ちゃんと無事登山できたということで、体力的にも健康度からも私は自分で満足することができた。
そして、雨のおかげで、なんと緑が美しかったことか。写真でみるアイルランドの草原のように、あらゆる斜面が緑豊かに茂っていて、私は本当にすばらしいと感じながら登ることができ、下山の景色も心を和ませるものであった。San Fernando Valley越しに、Los AngelesのDown Townの高いビルも見えていたし、Santa Monica Mountainsの背後にもっと高い山脈がのぞまれて、あれは何だろうと、Palos Verdesはそんなに高い山ではないはずだしと、思ったりした。
San Gabriel Mountainsの奥には真っ白な雪山が見えていた。もちろん3千メートルを超える山があるから、不思議ではないが、カメラがうまくCatchできないのがもどかしいほどであった。
Interstate Freeway I-5 と Balboa Blvd の間にLos Angelesの浄水場があり、数年前にMission Peakに登った時には青々と水をいっぱい蓄えていた。今年は数年ぶりに雨がたくさん降り、きっと浄水場も水が豊かになっているだろうと期待していたのに、なんと青い水は全体の四分の一以下ほどしか貯まっていなかった。この施設がどういう形で運営されているのか知らないが、あるとき付近で山火事があったとき、専用の特殊な飛行機がこの浄水場から水を掬い上げながら飛び立っていくのを見たくらいなので、こんなに雨が降ってもまだ充分ではないのだとがっかりしたほどであった。
山から見るとSan Fernando Valley は緑が目立って多く、エルパソでよく見慣れた町並みが、建物ばかりが目立って、緑が少ない光景であったのとはちがって、やはり上から見ても、緑に囲まれている町並みはすばらしいと気持ちよく感じることができた。
このあと、また雨が降り、私は今年は喜ばしいことだと思ったが、一般的には、あるいは通勤者にとってはドライブも混雑して大変で、クルマの事故も増え、問題も発生していることがわかった。私にとっては気持ちの良い緑だが、雨で困っている人もたくさんいることだろう。特に人々の出足が鈍って商売にも影響しているに違いない。
2月15日はともかく晴れていたが、翌日からまた天気がかわり、17日は暴風雨の状態で、まさに私には12月23日夜のHanaの失踪事件を思い出させるような激しい降り方であった。丁度その日の雨の激しい時刻に、私は盆栽クラブの銀行関係で、執行委員4人で銀行を訪問することに決めていたので、ドライブが心配で憂鬱な気持ちで出かけることになった。メンバーの皆、無事に銀行へ集まり、銀行のコンピューター・システムがDownということで待たねばならなかったが、しばらく回復を待ってやっとすべてを滞りなく済ませることができほっとした。帰りも雨風は激しく、まさに Drive Carefully で無事家に帰りつき、肩の荷が下りた。会合を手配した私にとって、これがダメならまた別な日に4人をそろえるというのも大変面倒なことなので、ともかくすべてが片付いてありがたかった。メンバーのひとりは銀行に来るとき、大きな事故を見たと私たちに伝えた。すべて、雨の時には普通以上に慎重に行動しなければならないということであった。
Mission Peak登山 を完遂させて私はHappyであった。歩いて15分ほどで山の中に入れるということは本当にすばらしいと、この周辺に住める幸運をかみしめた。
2017年2月19日 (Wordで作成、ここにコピー。)
村田茂太郎 2017年2月20日
この山の奥にMission Peak |
Equestrian Trail, O'Melveny Park
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Equestrian Trail |
O'Melveny Trail Head サイン |
Mission Peak へのTrail |
上に登るにつれ、この絶壁がはるか下になる 青空に雲がキレイ |
音を立てて流れるせせらぎ |
歩いてきた道 |
こういう感じの道、もう少し急な坂もいっぱい。 |
来た道を振り返る。
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Los Angeles, Down Townのビル? |
ValleyView 緑が多い |
だいぶん上がって、絶壁がまじかに。 |
この山並みがはるか下になるとき、Peakも近い。 |
浄水場が薄く見える |
犬を連れたハイカーがたくさん |
まるでアイルランドの草原のような緑の展開 |
絶壁よりも高いところに来ました。 |
Angeles Forestの雪山 |
こうして緑が豊富な光景はすばらしい。 |
San Fernando Valleyの町並み |
つづく
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