Translate 翻訳

5/14/2016

「心霊現象の科学」をめぐってー総まとめ その5/7


「心霊現象の科学」をめぐってー総まとめ その5/7

「心霊現象の科学」をめぐって-その66 George Ritchie 「Return from Tomorrow」(1978)を読む

 この本を知ったのはParapsychology関係でたくさんの研究書をあらわしたD. Scott Rogoの「Infinite Boundary」というPossessionを研究した書物の最後に紹介されていたからであった。

 最後の箇所での紹介はとても印象的で、わたしは直ちにその本を手に入れようと考え、Amazon.comで調べたところ、まさにその書物が今も出版されていることがわかった。

 オーダーをして最初に届いたのがこの本で、ページ数で130ページほどなので、これならと私はすぐに一日で読了した。

 そして、これは、すごいと思った。

 この本はその筋では有名であったのか、各種の研究書に引用・紹介されている。

 臨死体験 といえば、すぐにRaymond A. Moody Jr. M.D., Ph.D.の名前が浮かぶほどNDENear Death Experience)の研究ではDr. Moodyの名前は有名であり、Elizabeth Kubra Ross とならんで、この領域の代表的な存在であるが、このDr. Moodyがまだ学生であったときにGeorge RitchieNDETestimonyに接することから、この彼のNDEに関する研究は始まったといえる。そして、150件の資料の最初に当たる、Moodyにとっても最も重要なケースのひとつがこのDr. RitchieNDEであったとは、Moody自身がこの「Return from Tomorrow」(1978年)に序文をよせていることからもわかる。Life after Life は1975年に出版され、世界的に有名なベストセラーになったわけだが、そのあとで、RitchieNDEの話が本として出版されたわけで、なんとなく奇異に感じられるが、Moodyは1965年の時点でDr. Ritchieの体験談は知っていたわけで、そうか、やっぱり、ということになる。

 いわゆる臨死体験にあたる話であるが、Out of Body の状態で、ちょうどCharles Dickensの有名なChristmas Carolのなかの守銭奴Scroogeが空からあちこちと魂遊離飛行体験をして、その後の生き方をかえること(情け深い人間)になったように、彼も、この体験で一生がかわることになった。彼の体験Out of Bodyはものすごく意味深長である。若い、死んだばかりのGeorgeJesusと出会い、あちこちと空中飛行をし、Earthboundの世界やいろいろを見聞きする。それが、彼が死んでいたといわれる9分間の出来事とは思えないほどである。 何百マイルも飛んで(テキサス Barkeleyからミシシッピー Vicksburgなど)、あちこちを覗き見し、その後の彼の人生を変えてしまう体験をするわけである。

 医師を志願していたGeorgeは、第二次世界大戦中、1943年20歳のときに自ら希望して軍隊に参加したが、テキサスで訓練中に重病(悪性肺炎?)にかかり、とうとう死んでしまった。もう亡くなったと顔に布までかぶせられていたが、9分後に蘇生した。

 そして、その死んでいたはずの9分間にGeorgeはさまざまな体験をした。

 Out of Body の状態で、どこか遠い町に至り、そこのBarにはいっていった。Georgeには意識があり、自分がドアーも素通りできるのに気がついたが、Barのカウンターまできて周りのようすをながめていると、普通の肉体を持ってBarLiquor・ビールを飲んでいる連中のほかに、自分と同じような人間がいて、ビールを飲みたそうにし、男が飲もうとするジョッキをつかもうとするが、うまくいかない。そういう肉体を持たないけれど、アルコールを飲みたくてたまらない男がいるのを見ていて、普通の人間はAuraオーラがその肉体の周りを覆っているのに対し、Out of Bodyの自分と同じような、アルコール中毒状態のEarthboundの男たちにはAuraがないのに気がついた。そして、しばらくは、飲んでいる普通の人間と、それを見守っているだけで、自分では飲めないSpiritがいるのを目撃していたが、とうとうアルコールを、がぶ飲みしていた男が限界に来て倒れて起き上がれないような状態になったときに、その男のAuraが、頭の先から割れてAuraの下にあった肉体が露出する形になった。そのとき、Georgeはその亡霊のようなアル中らしいSpiritが、Auraがわれたところから、その男の体の中に完全に入っていくのを目撃した。

 これはGeorgeEarthbound Spirit(地上をさまよう亡霊)によるPossessionの現場を目撃したということであった。私にとっては、この場面が一番印象的であった。GeorgeJesusから What have you done with your life? (君の人生で君はどんなことをしたの?)How much unconditional Love have you given others? (君は無条件の愛をほかの人たちにどれだけあたえてきたの?) と聞かれる場面も重要であり、GeorgeJesusUnconditional Love(無条件に愛すること)に接して感動するのも重要な場面であるが、このオーラが割れて、無防備になった肉体に、地上をさまよう亡霊がはいりこんで、Possessしてしまうという場面が恐ろしく、ありうる話しだと私は感心したわけである。

 よくアルコールを飲むと人がかわったようになるという話をきく。まさに、事実で、そういう状態になったため、アルコール中毒の地上をさまよう亡霊がPossessedしたわけである。そのため、そのPossessedしたSpiritの性格までが行動にあらわれることになるわけであった。

 この話を読んで、泥酔状態になるまでアルコールを飲むのは自分のSoulEarthboundSpiritに侵害されることになり、そのひとは、そのPossessedの状態のまま生きることになる。結果的にはひとりのSpiritPossessedというだけでなく、いくつもの亡霊にPossessedということになる。

 たった9分間のDeath状態の中でGeorge Ritchieは彼の人生行路をかえる体験をし、そのときに学んだ真情を貫徹しながらいきることができた。精神分析医となり、University of VirginiaPsychiatry Departmentのメンバーになるための面接の際、Georgeはフロイト学派の主任教授から直接、「Dr. Ritchie, あなたはキリストに出会ったと感じているそうだが?」と質問され、私は自分がUniversity of VirginiaFaculty Memberの一人になるチャンスは窓から飛んでいったように感じた。正直に、「わたしがテキサスのBarkeleyで起きたことを否定することはできないのは、TarsusSaulがダマスカスへの途上で彼におきたことを否定できないのと同じようなものです。」と応え、もうこれで彼の希望も通らないに違いないと思った。驚いたことに、2-3週間後に全員がOKのパスをしたという通知をもらった。後年、この主任教授と親しくなり、内輪話をきくことになった。「われわれ大学のメンバーのすべては君がOut-of-Body体験をもったといっていることは知っていた。もし君が、そんなことはなかったと言っていたら、私は君が事実とFancyの区別もつかない非常に情緒不安定な、頼りにならない人間だと判断していたであろう。」

 SaulPaul)は有名なDamascus体験をもった。それまでは、キリスト教の熱心な迫害者であったPaulDamascus体験で、それこそ一夜にして熱心なキリスト教徒になっただけでなく、いわゆる原始キリスト教との中でもっとも熱心で影響力を持った、偉大な使徒となった。そして殉死した。Georgeも、死んでいた9分間にキリストに出会い、ともに旅をする中で、無条件の愛情の大切さを学び、その教訓を生かした人生を生きようと決心し、それを実行した。精神分析医師として特に若者の救済に努力し、2007年84歳でなくなった。それはキリストがあなたはまだ45年がんばらねばといった年齢よりも長生きできたわけであるが、これはFree Willの成果であったのかもしれない。



村田茂太郎 2013年11月12日






「心霊現象の科学」をめぐってーその67 Dr. Edith Fiore Unquiet Dead」 (成仏できない仏たち) を読む



 すでにGeorge Ritchieのところで(その66)、Possessionについて触れたので、Earthbound Spirit(地上をさまよう亡霊たち)によるPossessionを研究したこの本についても紹介しておきたい。



 副題はPsychologist treats Spirit Possession (心理学者がとりついたほかの人の魂を扱う) となっている。1987年に発表され、その後のDepossession(とりついた魂を取り除く)またはSpirit Releasement Therapy(とりついた魂を解放させる療法)の基本資料となった本である。



 その後に、Dr. Fioreから学んだと思われるDr. William BaldwinDr. Louise Ireland-Freyの本があらわれた。どれも面白く、またある意味ではおそろしい内容を含んだ本だといえる。つまり、簡単に、死んだSpiritがからだにとりついてしまうわけで、それは普通の人でもいくらでも取り付かれる可能性がある状況でとりつかれるということであるから。つまり、手術で麻酔のもとにいるとき、アルコールやドラッグで意識不明に近づいたとき、出産時、Emergencyで死にそうになったとき、お墓や葬式の場で悲哀に陥ったとき、その他、精神的に落胆して無防備に近い状態に陥ったときなど、なんでもないような状況の中で、Earthbound Spirit(地上をさまよう、昇天できなかった魂)がとりつくというのだから恐ろしい話である。

 そして、こういうことを書いているドクター自身、自分はOKといっているわけではなく、友人のTherapistに手伝ってもらって、2つか3つの、自分に取り付いたEarthbound Spiritを解放させてもらっているのである。つまり、すべての人間が体内になんらかの外からやってきた魂と共存しているということになる。極端な場合は何人もの人格がすみついたような人間にあてはまるが、(Three faces of Eve, Sybilなど)、そういう極端な場合でなくても、肉親の霊でもついているケースが多いという。

 これらの本を読むと、私自身何度も耳の大手術や虫垂炎の手術など麻酔を使った手術をやっているので、いくらでもSpiritが入り込む機会があったことになり、誰か信頼のできるドクター、テラピストをみつけてSpirit Releasementをやってもらいたいとまじめに考えている次第である。わたしは耳が悪いので私の英語で大丈夫かしらという不安がいつもつきまとうが。

 Possessedといっても、有名なHorror Movie ホラー映画Exorcist(エクソシスト)にあらわれたような怪物ということでなく、自分で死んだことも知らない魂が、さみしさのなかで、よい宿を見つけたような感じですみついているという場合がおおいようであるが、時にはアルコールその他に異常反応を示すことがあり、Deja Vueの現象にも影響してくるケースがあるわけである。したがって、基本的にからだにとりついたSpiritReleaseさせようというのが、この種のドクター、テラピストの行っていることである。

 Dr. Edith Fioreは1978年に「You have been here before」という本を出版した。彼女の専門であるHypnosisをつかってPast life Regressionを実行し、それぞれのひとが何度もいろいろな人生を過去に生きてきたというReincarnationの例証として、彼女がReincarnationを実感したことから生まれた本である。 この本の副題は“A Psychologist Looks at Past Lives”となっている。Parapsychologistとして有名であった、わたしがよく引用したD. Scott RogoReincarnation研究に関する本「The Search for Yesterday」(A Critical Examination of the Evidence for Reincarnation)の中には、このDr. Fioreのこの本が、この種の本の中で最悪に属する例だと書かれている。それは、科学的証明という視点が欠けていて、ただ、彼女のPast Life Regression Therapyで症状を持った患者が回復したというだけのケースを列挙しただけにすぎないからというわけである。

 こういうScott Rogoの指摘があったからか、この「Unquiet Dead」には科学的とかそういうことは抜きにして、彼女のやり方でPossessedしていたSpiritらしきものが解放され、患者の症状は回復したという形で展開されている。そして、私たち読者はOpen mindをもって、生命Lifeは死後も継続するContinueする可能性が強いということを知っていることが必要だと記されている。また、Reincarnationが本当にあるのかどうかを信じる必要もない。ただ、彼女の方法で患者たちが回復したということだけは事実である、ということを記している。

 わたしも以前Hans HolzerというGhost Hunterとして有名な人の本をたくさん読んで、彼があまり科学的探究に必要ないろいろの可能性を検討しないで、いきなり死後の世界が存在するという信念のうえで本を書いているので、ある意味では信憑性がうすく、まゆつばものだという感じがしていて、わたしの本「寺子屋的教育志向の中から」(“心霊現象の科学への私の歩み”)にもそういう感想をつけくわえたことがあるが、今、Life after Deathが存在し、魂は不滅、したがって、ReincarnationPossessionの可能性があるとなってみると、わたしの彼に対する評価はあまりにも、いわゆる科学主義的で、まちがっていたのかもしれないと思い始めている次第である。

 地動説を展開したコペルニクスは、それまでの複雑怪奇なプトレミーによる天動説の説明を一挙に粉砕し、太陽をめぐる惑星運動はみごとに解決された。

 今、科学者たちはテレパシーや透視、念力などはもう疑わずとも存在するというところまできたので、今度はそれを使って、After Lifeの存在に関しては、あるいは臨死体験(Near Death Experience NDE)などについても、Super ESPという説明を持ち出して、それ以外では説明不可能な現象をそれで説き伏せようとしている。したがって、霊魂不滅(地動説の原理にあたるようなもの)という原理を認定すれば、すべてがスムースに説明がつくのに、それができないため、苦労しているように見える(つまり天動説で惑星運動を説明しようとしたために複雑怪奇な説明を生み出さねばならなかったようなもの。)のがParapsychologyの現代階であるといえる。ただ、University of Arizonaでは Dr. Gary Schwartzなどが MediumをつかってAfterlife Experimentsを行って、努力している段階であるが、100%ということは不可能であろう。

 Dr. Fioreは序文で、自分はSpiritsが存在するということを証明しようとしているわけではなく、また患者たちがPossessedされているといっているわけではないとまず書いている。ただ、彼女も患者も、Personality人格・個性は死後も存在し続けるという仮定のもとに働いたという。

 ふつう人が死ぬころに、お迎えがやってきて、光を求めて一緒に別の次元に移行しているようであるが、どうしたことか、自分が死んだのも知らずに、あるいは宗教的恐怖感から罰せられるのをおそれて地上にとらわれたように漂っている状態EarthboundSpiritsというのがいて、それが時には危害を加えるような反応を示すということで、いろいろな症状に悩む人たちに催眠術を施したところ、いくつものすみついた魂が見つかったというわけで、そうしたPossessしている魂に、死んだことを教え、光を求めて移行するように教えるのがこのテラピーの基本である。

 なかには、悪性のSpiritたちもいて、なかなか取り付いた人間から離れていこうとしないこともあるようであるが、すでにこういうことに関してベテランの領域に達したTherapistはうまくSpirit Releasement(とりついた魂を解放)を実行できているようである。

 なぜこういう現象がおきるのかのひとつの原因は、人は死んでも死ぬ前と同じ意識・個性・整然の性格・体質を持ち、同じ視覚聴覚をもっているため(あるいは生前以上になっているため)(これは目で見ているというよりも意識で見ているというべきか)、自分が死んでしまったことに気がつかず、どうして誰も自分が見えないのか、聞こえないのかと不思議に思うだけであるため、いつまでも地上にとどまっているということのようだ。映画「Ghost」(1990 Demi Moore, Patrick SwayzeWhoopi Goldberg)はうまくそうした状況を描きあらわしていて、たいがいのMediumはこの映画がそういう状態を描いてすぐれているという感想を漏らしている。

 すでに、「心霊現象の科学」をめぐってーその65で紹介したGolightlyParanormalに関する本のなかで、彼女の家にたくさんのGhostが住みついているのを、訪れたサイキックの友人が感じたというのも、Earthbound Spiritsの類であろう。別に特に危害を加えるわけではなく、普段は黙って見物しているような存在だが、それでもサイキックが予告したように、Ghostにとって嫌いな現象が発現した場合は、暴力的な反応を見せた。サイキックの言ったとおり、どこか倉庫に保存したGhostにとってきらいなものを焼き払うというおそろしい能力も保持していたようだ。これはEarthbound Spiritsの存在そしてGhost現象の実在を証明するものである。

 Depression沈滞感, Phobias恐怖, Addiction中毒 そういったものは、この外からのPossessionによって引き起こされるケースが多く、それをHypnosisによって解明しようとして、Spirits Possessionがわかったということである。

 この本はとても面白く有益である。180ページにも満たない本であるが、盛られた内容は豊富である。中身を紹介したいが、版権所有者の許可も得なければならず、面倒なので、省略する。

 もし日本語に訳されていれば一読をおすすめする。面白いし、ためになり、ある意味では怖い本である。ただ、そのPossessedの可能性に対する対処法ものべられている。光を求めろというのは、何も死んでからだけでなく、イメージで、白光が自分の周りを取り巻いているように、あるいは頭の部分に現れるようにすることが、Earthbound Spiritsから身を守る確実な方法であるとのことであり、(これはどのサイキックも必ず実行することをすすめている。)家にいるGhostなどに関しては、やはり猫がそしてたまには犬が敏感にCatchするとのことである。したがって、猫が異常反応をしたときなどは何かがあるということ。

 ともかく、Dr. Fioreは科学的に証明されたとは断言していない。彼女の方法でPossessしていたらしいSpiritが解放され、相談に来た患者は完全に回復したという報告だけである。ただ、彼女自身は、われわれの肉体が死んでも、意識・個性・人格はかわらずに存在しつづけ、そのためにうまく成仏できなかった仏たちは生きた人間に取り付いて変な反応をしめすことになっているという解釈であり、彼女のStanceである。

Dr. Edith Fiore The Unquiet Dead 1987 174Pages

Foreword by Dr. Raymond Moody

ISBN: 0-345-46087-1 Ballantine Books



村田茂太郎 2013年11月14日、15日




「心霊現象の科学」をめぐってーその68 Claire SylviaA Change of Heart(A Memoir)を読む



 これは非常に有名な本である。本は1997年に出版されたが、彼女の話はそれ以前から有名であったにちがいない。

 彼女はNew Englandではじめて“心臓と肺の移植手術”を受け(1988)、手術後にはTV NewsInterview が行われたので、ある意味ではセレブのひとりとなったといえるような存在であった。

 手術は大成功で、もし移植手術がなければ、まもなく死んでいたであろうといわれた彼女が生きながらえて、この本を出版するに至ったのである。

 これまで現代科学は、心臓は血液を送り出すポンプであり、意識や情緒反応、性向などは大脳での機能の結果であるとみなしてきた。

 したがって、そういう見方からすれば、心臓を移植すれば、血液を送り出す機能が回復しただけで、別にほかの機能に差異が現れるはずはないということであった。

 しかし、実際はどうであったか。

 手術に至るまでの経過については省略して、成功した手術後の彼女の反応について述べよう。ふつうは検査してRegisterしてから臓器供給の相手がみつかるまで、長く待たねばならず、待っている間に死んでしまう不幸なケースも多いのだが、彼女の場合、そういう縁があったというのか、登録してすぐその日に今日・明日に手術可能だという連絡があって、病院に運ばれた。運があったということか、これも最近のSoul’s Planによれば、そうなることが決まっていたということだったのかもしれない。まさにCaseStudyといえそうなかたちをとり、このすばらしい本があらわれることになったのだから。

 彼女が知らされたのは18歳で、Motorcycle事故で死亡したMainメイン州の青年の心臓と肺を貰い受けたということであった。

 Mediaの手術後のInterviewで、今あなたは何が一番ほしいですかときかれて、彼女は反射的に、実際、今、一番ほしいのはビールを飲みたいということですと応えて自分でその応えにおどろいた。なぜなら、彼女は、ビールは、好きでもなかったのだ。

 そのあと、性格の変化が自分でも自覚できた。男のような性格になり、より積極的で自己を主張するかたちになった。そして、歩き方まで男のようだと自分でも感じ、娘からも指摘されることになった。

 そして、しばらくして、彼女は夢を見た。非常に現実的な夢で、若い男が出てきてTimだと名乗った(仮名)。

 そして、このGhostのような夢を何度か見て、彼女はこの青年がこれからは、いつも自分と一緒にいるだろうと感じた。Timの心臓と肺が自分の魂と肉体に合流してひとつになったーーいまやTimは私の一部となり、私は彼の一部となったと感じた。

 ビール嗜好だけでなく、チキンNuggetも好きになり、それはこの青年の好物であったこともあとで確認された。

 こうして、青年の心臓と肺を移植されてからは、今までの病弱な体から、みちがえるほど健康な体に変化した。頭痛もなくなり、アレルギーもなくなった。

 そうして、彼女はこの心臓は血液の運搬のポンプの役目をするだけという一般の説に対して、自分のきわめてあざやかな変貌を真剣に受け止め、いったい何がどうなっているのか自分で解明しようと決心した。Heartをもらうということは、彼女にとって肉体の一部をもらいうけただけでなく、Spiritual, Psychological, Emotionalな部分までを貰い受けることであった。

 普通、ドナーのIDは明かされないが、手術をした日に亡くなった人、しかもMain州での事故でなくなった青年をしらべれば、誰であったかわかると教えられて、自分で、図書館で調べて、本当に誰の心臓と肺をもらったかがまず判明した。

 そのあと、決心をして、その青年の親に会いたいという手紙を送ったが、反応はなかった。しかし、そのうち、母親と直接にではなくて、青年の姉妹に当たる女性から連絡があり、最終的に青年の親とあうことになった。この青年の使える臓器はすべてほかの患者にわけあたえられたが、臓器をもらったほうから提供者の遺族に会いたいという連絡をもらったのは彼女が始めてだとのことであった。親のほうには誰に心臓と肺が与えられたかはわかっていたらしい。(たぶん、TVなどでニュースになったほどだから)。だが、州の法律で、授与されたものには情報を開示することは厳禁ということであった。そのため、彼女の気分が会いたいという結論に達し、亡くなった青年の親を探し始めてからその青年の親族一同との邂逅までに時間がかかった。

 彼女の心理的トラブルを手助けしたユング派の分析医と一緒に訪問し、彼女はまるで自分の家に戻ったかのような印象を持った。

 その後、娘たちは交際を遠慮し始めたが、母親たちはいつでもWelcome、まるで息子が帰ってきたようという歓待振りであった。

 そこで、この経過から、彼女は心臓と肺をもらうことが、単なるポンプの代用をもらったというだけでなしに、青年の記憶、好み、個性までもらいうけ、肉体的にもより健康になったことから、いったい何がどうなっているのか、専門家の意見を問い合わせようと決心した。

 そして、この彼女の探索は徹底していた。わたしはその最後の章にあたる“Searching for Answer”を読んで、まったくその徹底ぶりに感心した。

 彼女が問い合わせたのは、それぞれの領域を代表する専門家の一人で

Deepak Chopra, M.D. -Cellular Memory

Candace PertPh.D. ―Biochemist

Bruce LiptonPh.D. -Cellular, Developmental Biology

Cleve BacksterLie Detector development, Plant communications

Julie Metz -Energy Healer “Cell had memory”

Paul PearsallPh.D. -Neuro-psychologist

Rollin McCratyM.D. -HeartMath Institute “Heart is little brain.

Gary Schwartz Ph.D.Psychology, neurology, psychiatry アリゾナ大学

James Van Praagh -Spiritual Medium Los Angeles

Rupert SheldrakePh.D. - Morphic Resonance Theory, British Biologist

Brian Weiss, M.D.  – Reincarnation, Past-life regression

Larry DosseyM.D. -Physician

Lyall WatsonPh.D. -Biologist) これは引用だけ。

 ということで、20ページがこの彼女の質問に対する応答・回答で満たされている。

 詳細は省略するが、わたし自身は、彼女がTimという青年が出てくる夢を見たという話から、考えられるのは、まず亡くなった青年のSpiritが彼女にのりうつった、同居したということであった。しかし、彼女はちゃんとその可能性も考慮して、Spiritual Mediumとして有名な、本物のMedium ロサンジェルスのJames Van Praaghに手紙を送り、回答をもらっているのである。

 Praaghの意見も、TimSpiritPossessというよりもInfluenceしている状態で、TimAfter-lifeのありかたに落ち着けば、いずれその影響はなくなるであろう、したがって、今の特性はTimSpiritによる影響の直接的なあらわれのせいという解釈。

 Dr. Brian WeissReincarnationに関する本で一躍世界的に有名になったドクターであるが、彼女に対しては、まさかReincarnationでは説明は無理なので、Psychometry説をといたようである。Memoryが物質に蓄えられ、この場合は心臓にメモリーが保存されていて、それを引き継ぎ、感じ取ったというような説明。

 そして、彼女はイギリスの大胆なMorphic Resonance説で有名な生物学者 Rupert Sheldrakeにまで連絡し、手紙で回答をもらっているのである。

 Sheldrakeは記憶は脳の中に蓄えられるのではなく、ちょうどTVTune-inするように働くのであって、ビデオ Recorderのようではないというような説 Morphic Resonance Field 説の展開者。FormBehaviorRepeatされることによって、それがFieldにたくわえられ、Tune-inによって再生されるという斬新な説。Cellular Memory説はとらない。彼女のMemoryに関してはReincarnationPast-lifeが考えられるが、SheldrakeHeart, LungMorphic-fieldに属して、それにタッチして情報を得たという説。

 Lyall Watson は、著書の中で、例を挙げながら、Physical item物質はThoughtFeelingを蓄えることがあるという説を展開している。

 ともかく、Clair Sylviaは自分の人間としての変化(肉体的、感情的、体質的、記憶、嗜好、その他)の謎・不明な部分を解明しようとして、さまざまな学者に直接あたったわけであるが、どれも納得のいく説明ではなかったようだ。ただ、わかったのは、心臓を貰い受けるということは、ただのポンプの代用とは違って、その心臓の持ち主の個性・記憶・体質・感性その他を付随したかたちで貰い受けたということであった。

 最近のCellular細胞学は細胞とくに心臓の細胞はただ筋肉作業するだけでなく、まるで大脳の細胞のように情緒や感性、記憶その他も保存しているということで、心臓はポンプであるだけでなく、記憶もあり、感情もあり、まさにハートで考えるといえるほど人間的な要素を保持した機構であるということであった。

 ともかく、Heart & Lung Transplant“心臓と肺の移植”に興味を持つ人は読んでおく必要がある大事な文献といえそうだ。

 この本は1997年に出版されたが、Kristin Hannahの小説“Home Again”(1996年出版)は、この心臓のTransplantをあつかっており、主人公のひとりが心臓をだめにしてHeart Transplant手術を受けるわけであるが、手術後、どうやら今までの自分とはちがった好み、考えをもつようになっているのを発見し、最後にはそれが、自分とはまったく違った性格の兄が事故死に会い、その心臓をたまたまもらいうけたということを知る。ここでも、本人は好みが変わってきていることを知るということになっている。この小説は1996年に発表されているから、Sylviaの本は見ていないはずであるが、たぶん、Sylviaの話はすでに有名になって、Kristin Hannahも知る機会があり、あるいはほかの人の体験からも情報を得て、受諾者はドナーの資質を受け継ぐという説を引き継いで小説に仕上げたのであろう。この小説の展開は、少しSoap Operaticなところもあるが、私は好きで、今年すでに2回読み終わった。

 ただ、心臓をもらうということはあきらかに腎臓移植やほかの部分の移植とは違う反応があらわれるということは予測していいようだ。

 Nicholas Sparksの小説“The Best of Me”(2012年)も、最後に主人公の息子が彼女が昔本当に愛した男、そして久々に再会して別れたばかりの男の心臓を移植してもらったと知るところで終わっている。もらったひとは、誰がくれたのか、自分が生きているのはこの人が亡くなったからだから、その遺族を探して感謝の手紙を送りたいと思うのは当然で、この場合、母親である人が、息子にこんなに立派な、自分にとっても大事な人の心臓を貰い受けたのだと説明できそうといったような話であった。

 2000年の映画“Return to me” はDavid DuchovnyMinnie Driverの恋愛譚であるが、映画では、Zoologist動物学者である妻がなくなり、彼の新しい愛人が彼の妻の心臓をもらったと知って一時異常反応を示すのが主題となっていた。最後に、Zooを一緒に訪れると、亡き妻が親しんだ動物たちがこの新しい女性に対して旧知に接するかのごとくに慕いよるのであった。

 ほかにもきっとこのテーマを扱った小説や映画があることであろう。この心臓移植が、ただ物理的な移植に終わらず、人間の大事な機能(記憶、感情、体質、嗜好、記憶 等)をも移植することになるという話は今後さらなる研究が必要な領域であるといえる。心臓にも記憶や知識があり、情緒反応ができるというようなことは、これからの科学的発展でさらに解明されることであろう。今の時点では、移植されたものは、物理的な心臓だけでなく、それに付随した何かをも引き継ぐという可能性が強いことを知っていたほうがよいであろう。

Claire Sylvia 「A Change of Heart」(A Memoir) 約290ページ、1997年

ISBN: 978-0-446-60469-7

ISBN: 0-446-60469-0

Warner Books, Inc.

Forward: Bernie Siegel, M.D.



村田茂太郎 2013年11月15日、16日




「心霊現象の科学」をめぐって -その69 矢作直樹(やはぎなおき)を読む

 女房がどこから情報を得たのか、矢作直樹の「魂と肉体のゆくえ」という本を、日本語の本ではなくて、Amazon Kindle Japanese で読みたいと言い出した。わたしは日本にいる彼女の従兄弟に何度か本を頼んで探してもらい、送ってもらったり、訪米時に届けてもらったりしていたので、彼に頼もうかときいたら、Kindleで読みたいということであった。

 そのあと、私はSamsungGalaxy Tablet 3 を手に入れ、Amazon Kindle APPAndroid KindleDownloadし、英語のKindle Bookは購入して、Downloadするところまでこぎつけた。このあと、Androidでなくても、わたしが最近購入したDell DesktopPCでもKindle PC AppDownloadしてKindle Englishは簡単に、本当に簡単に購入・Downloadできることがわかり、なんと今では私はこのTab 3PC に合計50冊以上のPsychic 関係の書物を購入してしまったし、すでに10冊以上は読み終わった。Kindle EnglishOne Click で購入・Downloadができるので、便利は便利だが、買いすぎる危険もあり、また、むつかしそうな好い本は、やはり、Paperbackで手元に置いて、大事なところに備忘用の線やマークをつけながら読めるほうが私は好きである。したがって、いまや、私の本の購入の幅が増えたということで、Paperbackを買ったり、Android(これは携帯に便利)で買ったり、DesktopPC(これは画面が大きくて見やすい)で買ったりと、3種類の購入を実行している。

 さて問題のKindle Japaneseである。わたしはGalaxy Tab 3Amazon.co.jpに入り、Registerして日本語の矢作直樹の本が何冊か出ているのを確かめて、購入・Downloadしようと試みた。ところが、Kindle Downloadとかと書いてあるのに、いざ選ぼうとすると、今はDownloadできないというメッセージが出て、矢作直樹に限らず、森鴎外や夏目漱石をトライしたが、みな駄目であった。これは、Registerの仕方が悪かったのかもと、別な名前とE-mailでトライしたが、いずれも駄目であった。

 そこで、これはKindle Paperwhiteでないせいかもしれないと、一生懸命、Paperwhiteについて調査し、PaperwhiteならKindle専用に作られているのだから、読めるだろうと思って、もう少しで買いそうなところまできた。そして、念のために、友人が教えてくれた、Kindle日本語の本を読むやりかたというのを読んで、その説明はぜんぜん役に立たなかったが、そのブログを見て投書して意見を発表しているところに目を通すと、なんとPaperwhiteをもっているカナダ在住の日本女性が、PaperwhiteKindle JapaneseDownload(購入)できないということで、Amazon.co.jpに問い合わせたところ、アマゾンは売りたいけれども、出版社(大手の講談社など)が日本国外へのKindle Japanese販売を許可していないということがわかったと記されていた。そうか、そういうことであったのかと目が覚めたような思いで、理由があるにしろ、せっかく外国で日本語の本を手早く読めるとTabletまで購入して喜んでいたのにと、腹が立つと同時にがっかりし、まあ、Paperwhiteを購入しなくてよかったと思った。

 そこで、女房のKindle Japaneseで読みたいというのは無理だから、仕方がない、彼女の従兄弟に頼んで本を送ってもらおうと、私が勝手に矢作直樹という名前の入っている本を5冊ほど選び(共著・対談もある)、私自身のための哲学書「ニーチェ」に関する本と一緒に依頼した。

 しばらくして、本の小包がDHLで届き、わたしはHappyであった。

女房に示したところ、勝手にオーダーしてといって、手にしないので、私はまず自分が読むことに決め、矢作直樹5冊とはいえ、みな簡単な本なので、20日に届いて、正味二日で、22日にはすべて読み終わった。

読んだ順番でリストすると

 魂と肉体のゆくえ

 人は死なない

 お別れの作法

 人は死なない。では、どうする?

 命には続きがある

の5冊で、最後の2冊は対談である。

まあ、これは執筆順とはいえないが、これでよかったと思う。

 まず、「魂と肉体のゆくえ」 でどういうことが書いてあるのかを知り、そこから最初(「人は死なない」)にさかのぼって、確認し、それからは順番にといったところであった。

 「人は死なない」が最初の本らしいが、これはとてもよかった。矢作直樹氏の強みというか、偉いところは、これは自分が直接体験したことや、救急・集中医療での患者との対応体験をふまえて、正直にサイキックな領域に入り、堂々と彼の信じるところを展開していることである。そして、この「人は死なない」の本のよさは、欧米のそういったサイキックな領域の研究史にも触れ、一応、かなりの広範囲な領域にわたって、現在のこのサイキックな領域の段階を示しているわけで、これ一冊で、まず大体は大事なところはつかめるはずである。

 矢作直樹氏は、人は死なない、つまり肉体はなくなるが、魂は不滅であること、そして魂は輪廻転生をくりかえして、どんどん成長していくこと、どんな宗教にも偏らない、しかし、全体をつかさどるおおいなる光・愛・全能者ともいえる摂理があって、すべてが完璧にむかって成長しているということを何度もしっかりと書いている。彼は亡くなった母親ともMedium経由で会って話をするという体験もし、何度かの山での遭難で「霊聴」も体験し、Out-of-bodyに似た体験もし、患者からはOut-of-Body体験の話や憑依現象―ひょうい現象(いわゆるPossession)の体験も聞き、自分でもそういうケースがあるのを確認するという、今まで私がこのブログで書いてきた現象のいくつかをじかに体験し、また、直接そういう体験をした人と話をする機会をもったことがプラスして、こういう有益な本がかけたのであろう。自ら気功にも関心をもって中国までそのセミナーに参加するほど積極的に自分の好奇心を満足させるほど行動的であり、そのときの気功の先生・中健次郎とも「人は死なない。では、どうする?」で対談することになる。

 現役の医者で東大教授というPositionも有利にはたらいたと思われる。まだ、日本では、この道100年以上の歴史を持つ欧米と違って、へんに科学主義が身についてしまった日本人は不思議な現象が起こるとか、ありうるとかということに対して、素直に肯定することができない体質を持つようになった。このブログの最初で展開したように、小林秀雄が現代インテリの科学万能主義を批判し、世の中に不思議な現象(つまり、今の科学では説明が難しい現象)が起こることを認めようとしないインテリのあり方を鋭く批判したが、現役の医者である矢作直樹氏は、医者としても、わかっている領域はわからないことにくらべると、まだまだ膨大であり、いわゆる医学では治療できなかった病気が別な方法(代替療法、Holistic Medicine など)で治るケースもいっぱいあり、その実例が気功を利用した療法であり、ほかのHealing方法であったりするが、そういう代替療法の有効性をみとめ、積極的に学ぼうとしているわけで、立派なものである。わたしのUCLA大学病院のPrimary Doctorはいわゆる対症療法主義で、自分はHolistic Medicineは認めないといっていたことからも、医者はなかなか、自分の学んだ医学の領域から抜け出せないようであり、その点、矢作直樹氏は立派だと思う。これからは、ますますそういう方向の研究が発展することを望まないではいられない。

 そういうわけで、現役の医者で東大教授がはっきりと、自分はこう思う、つまり、あの世があり、死ぬのは肉体だけで、魂はもっといい世界に移るだけ、そして、輪廻転生をくりかえして、魂は徐々に向上してゆき、どうやら最後には全体と統一して一者になるらしい、それは愛であり、摂理でありということで、Reincarnation転生も当然のこととして認め、その霊魂の存在から、憑依現象、霊障、除霊(Depossession, Soul Releasement)といったこともあることまで言及して、まさに、万人向けのSpirit世界への ガイド・ブックであるといえる。この本を読んで、いままで不思議な体験をしてきたが誰にも話せなかった人々が直接ドクター矢作に、生の体験話をしてくるそうである。

 当然、そこから、死んで魂が別の次元にうつるだけなら、では「お別れの作法」はどうなのか、とか、言葉遣い、逝く人と送る人のあるべき態度、Living Willの問題―特に最近は延命作業が弊害になっているケースが多く、ちゃんとどうしてほしいか書類にしてサインをし、みなに知らせておくとかといった実務的な面にまで心配りをしている。

 「お別れの作法」を読むと、日本語のよさがよみがえってくる。アメリカなどにいると、食事時の「いただきます」など忘れてしまったようになっているが、やはり大事だなと気づかされる。

 わたしは、ロサンジェルス日本語補習校あさひ学園で国語指導中、日本語の美しさ、すばらしさを理解してもらおうと努力し、たくさん、それに関するエッセイを書いて、それを、私の本「寺子屋的教育志向の中から」という形で発表したから、矢作直樹氏が日本語のすばらしさをよくわかるかたちで展開しているのを読むと、うれしく思う。

 中健次郎氏との対談に出てくる気功の話はおどろくばかりであったが、事実なのであろう。ということは、あの世の実在も確かであるが、やはり人間は隠れた無限の能力を保持しているのだなあと感心する。わたしが、もっと若ければ、気功その他、いろいろ興味深い領域をもっと探求したいと思うが、今ではどうか。まあ、せめて本でも手に入れてトライはしたいものだ。

 これらの本の中でも「祈り」に触れられているが、本当に「祈り」は効果があるそうである。Dr. Masaru Emotoがあちこちの水を凍らせてその結晶を写真に撮ると、結晶構造に違いが現れて、よい水かそうでないかの判断がすぐにできるそうであり、それだけでなく、感謝の言葉をこめた水にはそれ相応の効力が生じるとか、祈ったら、ダムの水がきれいになったとかという話がしるされていたが、本当なのであろう。むかし、日本古典を読むと、有名な紫式部日記など、冒頭から中宮彰子の安産を願う僧侶たちの祈祷の場面に出会うが、そして、祈りの効力など知らなかった私は迷信に支配されたありかたを馬鹿にしていたが、最近、わたしは、これはいけない、もっと謙虚になって、Shamanismなどについても勉強しなおさなければと思い始めた。あきらかに、むかしの、特に自然に近い生活をしていたひとびとは、人間が本来持っていた能力を充分に活用しながら生きていたのに違いない。文明が発達したことは、よい面もあるが、ちょうど科学万能主義が大事なものをおとしていったように、人間の本来持っている第六感といわれるサイキックな領域も隠してしまい、たまに超能力者がマスコミにでてくると、インチキだと無意味なたわごとを繰り返すだけに終わるようになった。

 ということで、最後の本は葬儀社を経営している作家との対談で、死というものをみつめることの大切さなどについて、そして東日本大震災における天皇の祈りなどについても述べられている。矢作直樹氏はこのあと」天皇」という小冊子を出版されたようであるが、この「祈り」から見た天皇の存在、今までの日本人一般が知らなかったか知らされていなかったか、無視していたか、ともかく、扱うことをおそれてきた天皇を対象に描く勇気をもった人物が矢作直樹氏である。ということで、はじめて矢作直樹氏の本を読んだわけであるが、まじめな、とてもいい本(5冊)であって、読んでよかった。

 ともかく、私は英語の本はいっぱい購入してきたが、日本での読書の実態がつかめていなかった。私の本の中でも“心霊現象の科学への私の歩み”というエッセイで私の1975年からの関心と展開を紹介してきたが、最近、本を出してから、また新たな興味をわきおこされ、心霊現象の科学の現段階を知りたいと、最近だけでも150冊ほど英語の本を購入して、すでに40冊ほど読んだ段階である。

 おどろいたのは、テラピストたちドクターがReincarnation, Possessionなど当然のごとく扱っていることで、今ではAfter Life が存在するのは当然のような感覚であること、昔はEileen GarrettMrs. Piper, Mrs. Leonardその他、限られた人数のMedium霊能力者が有名で、科学実験に協力していたが、今ではMedium, Rare とはいいながら、いっぱいMediumがいて、その自伝もいっぱい手に入り、一般の人もセミナーなどに接する機会も多くなり、第六感といわれた領域が、より身近になっているようで、喜ばしい。

 すでに私の意見は、このブログの中の「最近の感想」というところで記したが、矢作直樹氏と同様、あの世はあり、転生はあり、憑依現象も、Ghostもあると確信している状態である。これは科学的に証明されたかどうかとは関係なく、そういう話は無意味だと思う。今の科学は、すでに述べたように発展途上であり、まだまだ幼児期の段階にあると私は思う。まあ、探究心旺盛な科学者がいて、この異次元の段階についてもますます研究が盛んになり、いい研究結果を発表されることを願っている。やはりなんといっても保守的な科学の世界のことである。勇気を持った医者・科学者の出現を大いに期待したい。その日本での現代の嚆矢ともいえる矢作直樹氏の諸著作は日本人に覚醒の警鐘を呼び鳴らすことであろう。昔、東大(東京帝国大学)はこの分野のまじめな探求者、海外にまで知られていたDr. Fukuraiを高野山大学に更迭した経験をもつ。それを思うと昔日の感である。

村田茂太郎 2013年11月23日




「心霊現象の科学」をめぐってーその70「Return from Heaven」(天国からの生まれ替わり)(2001年)Carol Bowmanを読む その1

 Dr. Ian Stevensonの古典的名著といわれているReincarnation(転生―生まれ替わり)に関する研究 (「Twenty case suggestive of Reincarnation」など)はアメリカ本土ではなく、おもにAsia諸国や中近東の資料を集めたものであった。しかし、これが契機となって、Reincarnationの研究が進められ、Reincarnationというアイデアが一般に(アメリカなどにも)知れ渡ってくると、ReincarnationCaseStudyの研究はなにもアメリカ以外の国、アジアや中近東の国に限らないということがわかってきた。

 そして、Dr. Stevensonの本に述べられていたような、まだ二歳三歳の子供がPast lifeについて語ることを耳にする親がアメリカ国内でも増えてきた。

 著者Carol Bowmanは1988年からChildrenPast-Livesを探求し始め、1997年にその調査結果をまとめて「Children’s Past-Lives」という本を著した。

 その本を読んだ読者たちが、それに刺激されて、E-mailで世界中から自分の子供のPast-Livesの記憶に関する情報をおくるようになり、それをまとめて、整理して第二作目となったのが、この「Return from Heaven」であった。

 この著者がこの子供たちのPast-Livesの記憶に興味を抱いたのは、実は、自分の子供たちがPast-Livesの話をしはじめ、それがあまりにも生々しく、詳細にわたり、感情がこもっているので、ただの、本を読んだ感想や映画を見ての印象などではないと判断し、もっと調査をしてみようと思ったのが、彼女がこの領域に踏み込むきっかけとなった。

 Internetの時代に入っていたおかげで、E-mailでの情報交換もスムースに進み、彼女はReincarnationの大家であるDr. Ian Stevensonと直接話し合うようになっただけでなく、彼女が受け取ったReincarnationらしきケースを直接Dr. Stevensonとそのアシスタントが調査する現場にも居合わせ、その徹底的な調査振りから感銘を受けもした。

 そして、彼女は独自の調査から、まだ誰もがまとめていなかった領域に入り、それをまとめあげたのがこの本であった。

 この本はものすごく興味深く、なかなか教訓的で、おおいに役立つのはたしかなので、世の子供を持つ親たち、これから結婚・出産を予定している人たち、生んだ子供をなんらかの理由で亡くすという悲劇にあってきた人たち、妊娠している人たち、何らかの理由で堕胎をせざるをえなくなって、罪の意識と悲しみにうちひしがれているひとたち、いわば子供の親に当たる人たち全部に読んでもらいたいと思う本である。

 2001年出版なので、すでに日本で翻訳されているのかどうか知らないが、翻訳される場合は抄訳ではなく完訳を強くお願いしたい。というのは、“Hello from Heaven!”というBill Guggenheim & Judy Guggenheimのあらわした素晴らしいAFDAfter Death Communication)に関する本があり、私はこれは日本語に訳して皆さんに紹介する価値があると思ったが、すでに訳されていることがわかった。しかし、これが日本語に翻訳されて「生きがいのメッセージ」という題名で出版されているらしいが、これを読んだ読者の一人が原文の大事なところが省略されているから読者に原文で読むように薦めている文章に出会ったので、それはそうだ、コストやページ数の関係で抄訳にしたにちがいないが、やはり完訳でなければ意味がないと私は思うし、このCarol Bowmanの本も日本語に翻訳する場合は完訳でないといけないと、私は強く思う。

 これは子供たちのPast-Livesの記憶の話であるが、同時に出産前後におけるSoulのあり方をめぐるLife-Between-Life(あるいは Life before Life)の話でもあり、受胎前後、妊娠中、出産間際、出産後をめぐる話でもあり、すでにDr. Helen Wambachが「Life Before Life」(1979年)で展開したことでもある。

 この「Return from Heaven」(天国からの生まれかわり) という本の副題は “Beloved relatives Reincarnated within Your Family”という題で、まさにこの本の内容を表している。つまり、単に転生 生まれ替わりがあったというだけでなく、同じ家族または近い親戚の中で生まれ替わっているらしいという資料を一般から集めたものである。

 魂は不死であるとなると、そこからいろいろなケースが生じることが考えられるのであるが、(つまり成仏しないで地上にへばりついていて、Ghost現象を起こしたり、人に取り付いて{憑依現象}Possessionとして人を困らせたり、など)、この本に集められた資料によると、親子・親族・親戚関係の間で複雑な転生をしているということがわかる。おじいさんが孫に生まれ替わったというようなケースだけでなく、流産した(あるいは理由があって生まれる前に死んでしまったはずの)子供が、次に同じ母親から第何番目の子供として生まれかわって、胎児のときの母親たちの会話を理解していたとか、あやうく堕胎されかかった子供が誰かのアドバイスで生きて生まれて、そのアドバイスを両親にしてくれた人を感謝しているとか。あるいは別な本によると、現在は親子だが過去には逆の関係であったとか、兄弟姉妹であったとか、性も男女が違っていたとか、過去の因縁というのか、全く別な場所・国に生まれたときでさえ、親子兄弟恋人といった関係が複雑に維持されているという話である。それは、いわゆるカルマの法則で、浄化するまでいろいろな環境を繰り返すということらしい。これは、まさにReincarnationとカルマの関係にはいるわけで、そういったことを主題に取り扱った本もたくさん出版されている。

 ともかく、2歳3歳になるかならない子供が、過去の生活を語り始め、「自分が大きかったころ」とか、「まだお母さんの胎内に入る前とか」、「お母さんが私の子供であったころ」とか、しゃべり始めるそうである。ともかく、まさにSoul魂が、受胎前、妊娠中、出産間際、出産直後などをすべて意識していて、ことばが話せるようになると、そういう普通には考えられないような、信じられないようなことをしゃべりだすというケースがたくさんあるとのことである。Dr. Ian Stevensonの著書には、ほかの国でのそういう例が具体的に記されていたが、いまや、アメリカ国内でも別に珍しくないほど、Reincarnationとしか考えられないケースがたくさんあらわれているようだ。

 昔、哲学者John Lockeは生まれたときは、子供は何も意識がなくて、成長の過程でいろいろ身に着けてゆくと考えて、白紙の状態でうまれるという表現(Tabula Rasa)は有名になったが、最近のこの、いわゆるパラノーマル、超常現象の解明しつつあることは、生まれたての赤ん坊はすでに立派に意識を持っているということである。ロックは、人間はうまれつきいろいろな知識を身に着けてうまれるのではなく、白紙の状態で生まれて、その後の経験と知覚体験で人間になると考えたわけであったが、いまやこのTabula Rasa説は否定されたということになる。

 ここで、イギリスのDr. Rupert Sheldrakeの話をもちだすのは異例だが、彼は、記憶はFieldにレコードされ、われわれはそれにTune-inする、いわばTVのようなものだという有名なMorphic Resonance説をとなえたが、それも、あながち異様な理論とはいえないと私は感じた。つまり、記憶が大脳の辺縁系記憶細胞にあるだけなら、肉体が死んでしまえば記憶も何も残らないはずである。ところが、最近の、この心霊現象の科学が解明しつつあることは、どうやら人間は、肉体が死んでも意識や個性を保持しているということである。ということは、まさに意識・記憶はエネルギーFieldに保存されているということで、それにアクセスできる能力を持った人は誰でも、取り出せるということであろう。そうなると、Akashic Recordというすべての行動が記録された本と図書館のようなものがあり、特殊な能力を持った人は、必要があればそれにアクセスするということも考えられ、昔、Edgar CayceというVirginia Beachのサイキックが、自己催眠状態に入って、ある人の見た“夢”に直接アクセスして、その意味はこうだと解明したという話もありうる話ということになる。彼は名前と生年月日または住所だけで、そのひとにTune-inして、健康診断から予知まで、いろいろ普通では考えられない能力を発揮したということであるが、私がすでにこのブログで紹介したSandra GibsonというPh.D.保持者も催眠状態にはいると、名前と住所だけで、Edgar Cayceと同じような情報を伝えたというから、このAkashic Recordというのも、エネルギーFieldにすべてがRecordされるというのも、本当かもしれない。最近は、このAkashic Recordに関する本もたくさん出版され、Ervin Laszlo(アーヴィン・ラズロ)なども“Science and the Akashic Field”という本を書き、まじめに研究する人が増えてきているようだ。Edgar Cayceは早くからAkashic Recordに言及していたほどであるから、これからのまじめな研究が期待される領域といえるかもしれない。

村田茂太郎 2013年11月25日 その2 につづく




「心霊現象の科学」をめぐって- その71Across Time and DeathJenny Cockellを読む Reincarnationの実例?



 Carol Bowmanの転生Reincarnationに関する本、「Return from Heaven」の一部をすでに紹介したが、彼女はこの本の前に「Children’s Past Lives」という本を出版していた。これが第一作であり、Returnのほうは第二作目なのであるが、私は少し細かい字でびっしり埋まっている第一作目よりも、読みやすそうな二作目のほうから読み始めたのであるが、第一作目を読んでみると、Carol BowmanがどうしてReincarnationの研究に入っていったかがよくわかる。この本もすばらしい本で、やはり二作目同様、世の子供を持つ親のすべてに、つまりすべての人に読んでもらいたいと思う本である。

 この本のなかに紹介されていたのがJenny Cockellの「Across Time and Death」という本であった。さらに、Elizabeth Clare Prophetという女性の「ReincarnationMissing Link in Christianity」というすばらしい本の中にも紹介されていた。わたしはCarol Bowmanの紹介を読んで興味を覚え、Amazon.comで探し、新刊は無くて、Used Bookで見つかり、すぐにオーダーして、予定通り、受け取った。150ページほどの小冊子で、すぐに読み終わると思ったが、意外に内容が重く、昨日やっと読了した。

 これは、ある意味では重要な本で、彼女のケースはReincarnationのひとつの実例として貴重な場所を占めているといえる。

 すでに6歳のころからイギリスに住むJennyMaryという女性が死ぬ場面を何度も夢に見るということが続き、その後、それが消えてしまうわけでなく、彼女の一生、さまざまな形でつきまとうことになった。成人してからはHypnotistにも相談して、より具体的な資料がどんどん増えていった。

 Jennyはイギリスに住んでいて、このMaryIrelandDublinの近くの村に住んでいて、1930年代に亡くなったようなので、実地に訪問して記憶を確かめたいと思っても、Jenny自身が貧しくて、飛行機で訪問する余裕がない。そうこうしているうちに、彼女は結婚し、子供を生んだが、このMaryという女性のイメージが一向に消えない。Jenny自身は、どうやら自分が30代の若さで亡くなった、このMaryという女性の生まれ変わりに違いないと思いつづけ、なんとか調査したいとぼつぼつ探査を進め、自分の記憶や夢の中でのイメージもかたまり、その家周辺の地図まで書き上げるほどであった。

 どうして、Maryのことがそんなに気にかかるのか。どうやら、Maryは子供が8人ほどいるのだが、死ぬ間際で、残される子供のことが心配で、その苦しい思いを抱きながら亡くなったようであった。そのため、Jennyは、自分Maryの子供の行方を捜そうと大変苦労する。なにしろ、いわゆるOrthodoxのキリスト教会ではReincarnationは認められていない(12-13世紀には、その、いわゆる異端を抹殺するために悪名高いアルビジョワ十字軍が、これも悪名高いインノケンチウス3世によって起こされCatharsカタリストといわれる敬虔なキリスト教徒何万人が焼き殺され、本当に抹殺、これは、その地域の、いわゆるポグロムにあたる虐殺といえる事実があったー私のブログの中の「心霊現象の科学」その34 をご参照)ために、まともに自分はアイルランドの村に住んでいたMaryという女性の生まれ変わりだと思うから、それを確かめたいなどとOpenに捜査等できない状態で、事実、幾人かのヘルプを申し出てくれた人も、なぜアイルランドの村やMaryを探しているのかの理由を説明されたあと、連絡を絶ってしまう、つまりCrazy, Lunaticではないかと疑われ、問題にもされなくなったりしたわけであった。

 しかし、JennyFinance状態もよくなり、ひとりで二泊のたびを実行した。当然、1980年代後半では50年以上経っているわけで、かなり土地も変わっていたが、まるで、まさにその地で生きた人間のように、夢に見た記憶をたどって、それらしいところを見つけ、またその付近の様子も確認することができたのであった。

 その後も、調査を続け、Maryの夢を見始めてから30年以上経って、まずMaryが亡くなった当時13歳くらいの長男であった男性とやりとりをして、彼のおかげで最終的には、散らばっていた子供たちの生存者と落ち合うことに成功したわけである。

 自分Maryが最後に生んだ子供が60歳ぐらいで健在であり、自分は30代の母親で30代の母親が60に近い娘と出会うという不思議な現象が実現するわけであるが、Jennyは長男や子供たち、あるいはそこで住んでいた人間にしか記憶がない、あるいは子供たちでも忘れていた出来事を伝えて、お互いに確認することができたわけで、長男もまちがいなく彼女=Jennyは自分の母親の生まれ変わりと確信したようであった。ほかの男兄弟はやはりReincarnationをなかなか受け入れることができず、あうことも拒否したりしていたが、最後には生存者全員の再会(?)が実現したりすることになった。

 Jennyにとって最大の心配は、子供たちに自分が母親Maryだと告げることが、どんな悪影響をもたらすか、はかりしれないものがあったため、思い切って連絡を取るまでずいぶん時間がかかった。けれど、最終的に、彼女Jennyの行動のおかげで、子供たち5人、母親がなくなってから、暴力的な父親からはなされてそれぞれ違った孤児院にいれられてしまい、お互い連絡も何もつかない状態であったのが、この母親Maryの転生を名乗る女性が出現したおかげで、少なくと、Happy Reunionが実現したわけであった。

 なぜ、30代で亡くなったMaryJennyとして生まれ変わってきたのか、そして夢に現れて、子供たちの行方を捜しつづけることを願ったのか。13歳で母親と死別した長男の記憶によると、父親は暴力的な男で、仕事の後、Pubによって酒を飲み、酒場でけんかして、家に帰ってからも妻や子供に暴力をふるっていた、そして、生活費をアルコールにつかってしまい、食べるものもなくて、子供たちが付近の畑から野菜をぬすみ、ウサギや鳥をわなでとらえて、それを食用にしていたということであった。7-8人の子供をかかえて、その生活は大変で、最後の子供がうまれるときに、子供を生めば、あなたが死ぬだろうと医者にいわれたのに、生んで、結局、すぐそのあと、苦しんで死んだということであった。

 そういう厳しい生活のなかで、生き残っていた7人の子供を残して死ぬのはまさに気がかりで死ぬに死ねない状態であった。そして、母親Maryが心配したとおり、長男をのぞいて、みなそれぞればらばらに孤児院にいれられたりしたのであった。そのあと、みな苦労しながら、5人ほど生きながらえて、結婚し子供を生み育て、孫までできているということがわかった。

 Reincarnationのおきる理由のひとつにUnfinished Business未完成 ということがいわれる。母親Maryはまだ30代の若さで7人の子供をのこし、彼らの父親はめちゃめちゃな、暴力的な男で、子供たちがどうなるかわからないという不安が死ぬまで彼女を苦しめた。21年後に、MaryはイギリスにJennyというかたちで生まれ変わり、30年以上にわたって自分の過去の存在を印象付け、彼女の子供たちの行方を捜し続けたのであった。そして、Jennyはみごとに過去のLifeの自分の子供たちとの再会をはたし、子供たちのReunionを実現し、これからも、彼らの家族の一員として行動することを認められたのであった。Jennyは母親として、自分の今の生活で子供と夫をもっているわけであるが、今の家族も母親Jennyの行動を認め、お互いに違った家族として存続し続けることを誓ったのであった。

 Reincarnationといえば証拠が問題で、この領域で最大の業績をあげたのがDr. Ian Stevensonであった。彼は主にアジアでの過去の記憶を持った子供たちの転生を証拠固めするという研究で一生を過ごしたのであるが、今では、彼の研究に刺激を受けて、あちこちで転生の研究が盛んであり、Carol Bowmanもそれまであまり知られていなかったアメリカ国内での子供たちの転生を研究することになった。このJenny CockellMary Sutton Reincarnation の話は、Stevensonの研究対象とはかなり違うわけであるが、ひとつの生きた証拠として、Psychic Scienceの領域、特に転生Reincarnationの実例として貴重な存在となっている。

 これは、Possessionなのかしら? いずれにしろ、魂SoulSurviveするということは確かなようである。

村田茂太郎 2014年1月23日






「心霊現象の科学」をめぐってーその72 「Ghost HuntersDeborah Blumを読む

 「Ghost Hunters」などと紛らわしい題名である。Horror Storiesか Haunted Mansionの探検者について書いてあるように思えるわけだが、事実はPulitzer賞をJournalismで受賞したことがあるUniversity of WisconsinScience JournalProfessorが書いた19世紀末から20世紀はじめにかけて、サイキック・サイエンスに関する研究をまじめに考えたひとたち、その中でも特にアメリカのWilliam Jamesをめぐる周辺の波乱に飛んだ活躍ぶりを記述した、小説よりも面白く、興奮して読み終わるような内容のものであった。したがって、副題は“William James and the Search for Scientific Proof of Life After Death”となっている。このPsychical Researchの研究グループが最初に発足したのはイギリスであったので、当然のことながら、その創立にかかわる中心人物の行動が興味深く、鮮やかに描き出されている。

 私のこの本の評価はGreat!といえるほどで、本当にあのPsychical Researchのグループができて、どうなっていくかが、要領よく、小説的な興味を誘いながら、見事に総括したような本であって、私ははじめてWilliam Jamesの偉大さがよく理解できたし、彼が“Principles of Psychology”を書くのに本当に苦労をしたのがよくわかった。当時の科学主義台頭の時代のなかで、Jamesたち、あるいはイギリスのSidgwick, Myers, Gurney, Hodgsonたちがいかに苦労して、サイキック・サイエンスを科学的に確立しようと努力したかがよくわかる本であった。

 これを読むと人間は、如何に、いわゆる偏見、固定観念から脱出するのがむつかしいかがよくわかる。えらいはずの科学者や哲学者・心理学者などが、直接調べもしないで頭から否定してかかるというありさまであったらしい。その中で、一人でも本物のサイキック(Lenora Piper)がおれば、まじめに研究しなければならないという態度を貫徹したWilliam Jamesの偉大さがきわだって立派だとわかる。

 元来、まじめな科学者というものは、いろいろな現象に興味を抱き、なぞを解明しようと試みるのが本当のあり方であるのに対し、たとえある領域で科学の博士号を獲得しても、あるいはノーベル科学賞を受賞しても、それ以外の領域で、すなおに現象を認めて、探求しようとしなければ、それは、その新しい領域に関しては科学者でもなんでもなく、ただの迷信深い素人に過ぎないといえる。それを、肩書きを武器にして、まじめな研究者を嘲笑するのは自分の無能さを暴露する以外の何者でもない。しかし、魂の不滅どころか、テレパシーの存在さえ嘲笑してしまう、いわゆる科学者がほとんどすべてであったので、そういう中で、不思議な現象をまじめにとりあげ、解明しようとするのは大変に勇気のいることであった。

 そういう意味では1930年代のJ.B. Rhineの統計的なテレパシー実験と、それによるテレパシー等、人間の持つ超能力の存在の確証は歴史的にも意味のあることであった。

 もちろん、1970年代になってもテレパシーなどはないと証明することに必死だった科学者もいるわけであるが、今では霊界との交信の証明のかわりに、Super ESPという超能力がなさしめたもので、あの世との交信、故人のSpiritとの交信の結果ではないという説明をして、納得したつもりでいる科学者もいるようだ。19世紀末の、テレパシーの存在を否定したころに比べれば、格段の進歩であるのは事実だが、いつも科学者は先端を行くのではなくて、あとを恐る恐るついてまわっているような印象を受ける。まさに天動説から地動説への転換は命がけの飛躍が必要であったということの証明といえるかもしれない。

 ともかく、これは(「Ghost Hunters」)非常に面白い本であった。わたしは Edmund Gurneyの「Phantasms of Living」やFrederick Myersの「Human Personality and Survival of the Bodily death」という本を自分の蔵書に保持しているが、これらの本が生まれてくるまでにどれほどの苦労があったか、出版されてからもどれだけ心細い状態であったのかをはじめて知った。

 これら創成期の巨人たちの裏話にあたる挿話も興味深く、あの誠実で用心深い19世紀末の知の巨人 William Jamesが血と肉を持った繊細な人間としてあらわれてくるのも、私にとってはじめての情報で、もっと彼やHenry Jamesその他のBiographyの勉強もしなければならないと強く感じた。わたしはいい本はすでにたくさん買い集めてあるのだが、なにしろ、興味を引く分野が膨大で、今まで読んでいる暇は無かったわけだ。これからは、もっと真剣に取り組まねばと思った。

 ともかく、William Jamesが1910年に亡くなって、もう100年が過ぎた。 彼らは必死に死後の生存の証明をしようと努力したわけだが、あの時点では不可能であった。現在までのところ、Life After Deathの証明はすすんだはずだが、まだ科学的に証明されたというところまでは行かない。わたしは自分が納得できればいいという次元で充分だというのが今の私のStanceであり、それは霊魂不滅を認めるところまでは来ている。Reincarnationらしきものもあるということは事実だが、まだ勉強中である。Carol Bowmanなどを読むと、どう見てもReincarnationの実例のように思え、Jenny Cockellなどもそうかもしれないということになるが、まだ探求中というところである。



村田茂太郎 2014年1月28日




「心霊現象の科学」をめぐってーその73 Carol BowmanChildren’s Past Lives」を読む



 Carol Bowmanに関しては、すでに第二作目にあたる「Return from Heaven」を紹介したが(途中まで)、この人の書いた本は読みやすく、上手に展開されていて、非常に参考になる。

 Ph.D.をもっているわけではないようだが、研究者としては立派なもので、見事な成長振りを示した人である。探究心の旺盛、分析の徹底振り、総合化の見事さ。感心するばかりであった。

 Reincarnationといえば当然のことながら、その研究の大家であるDr. Ian Stevensonがでてくるわけであるが、直接、Dr. Stevensonにコンタクトしたり、Reincarnationに関する学会に直接参加して、自分の関心の領域にくわしいという、異国の女性の研究者とも直接会って話し合い、Reincarnationに関する研究書はほとんど読了するという徹底振りである。すでに、このブログの“その71”で取り上げたJenny Cockellの本も、まずこのCarol Bowmanの本で取り上げられているのを見て、私も興味を持ったのであった。

 この本はしたがって、代表的なReincarnation研究者の本がたくさん紹介されることになり、Dr. Stevensonの有名な「Twenty Cases suggestive of Reincarnation」、「Children Who Remember Previous Lives」の内容がたくさん紹介されているが、ほかにPast life Regression Therapyで有名になったDr. Edith FioreYou have been here before」やDr. Helen WambachReliving Past Lives」など、そしてJungian PsychologistPast life の研究に入っていって、代表的な本「Other Lives, Other Selves」{“Jungian Psychotherapist Discovers Past Lives”}をあらわしたRoger J. Woolger, Ph.D.の本を読んだだけでなく、Philadelphiaから、FloridaにいるDr. WoolgerWorkshopに参加までする。このWoolgerとの出会いも、Synchronicityといえるもので、友人の女性の家を訪問していて、Reincarnationの話に熱が入って大きな声で話し合っているのに興味を持った友人の夫が話しに加わったところ、彼の友人がこのPast Lives研究に詳しいJung派の精神分析学者Dr. Woolgerで本を出しているということから、その付き合いは始まるわけであった。What a Coincidence! と、その友人は言った。もちろん、Coincidence偶然の一致などというものは無いのであって、すべては予定通りCarol Bowmanが知識と経験を蓄え、この本「Children’s Past Lives」を世の中に出版する方向に向かって動いていたのであった。

 Carol BowmanはたくさんのPast Livesに関する本が紹介されているのを知ったが、自分に関心のアル、このPast Lives を再生することで生まれる治療的効果―Healing Powerに関して、特に子供の前世の記憶再生による病状治癒に関するデーターをまとめた本が無いことに気がつき、自分がそれをやろうと決心したのであった。つまり、世の中の母親は、子供の成長の中であらわれる異常な反応をまじめにとりあげないで、大事な機会をなくしていくケースがほとんどで、惜しいことである、世の母親すべてに、まだ幼い子供の成長期に現れる特異な反応に気がつき、それに対して適切に反応できるようにしたいということであった。

 彼女もこれでReincarnationが学問的に証明されたとは思っていない。「Proof is not the point. Healing and Growth and Understanding are the point. (P.199)そういうことで、彼女にとっては、本当にReincarnationがあるのかどうかは問題ではない。大事なのは、過去のさまざまな人生らしきものを再生することによって、現在の肉体的精神的問題が治療されるケースが多いということである。 それはDr. Brian Weissが「Many Lives, Many Masters」執筆に至る一女性との出会い、そのHypnosisの中で気がつき、このReincarnationの研究に踏み込んでいくことになった理由でもあった。過去のさまざまな人生をもう一度体験することによって、その女性は現在かかえていた、そして治療不可能と思われていた問題・悩みが解決したのであった。

 Carol Bowmanは、自分の子供が異常な反応をしたのに気がついて、それを調べ始めたのが、このPast Livesの研究に入った一番の動機であり、それを徹底して、まず自分もPast-life regressionHypnosisを受け、過去の人生を生きることによって、今、自分が抱えている健康上の問題がほとんど治癒されてしまったことを確認し、また自分の幼い息子と娘もHypnosisを受けることによって、持病といえた症状が消えてなくなったことから、過去のLifeを再生することによって、いろいろな問題が解決されるということを確認し、さらに研究対象をふやすために、自分でHypnosisを学んで、親の了解の元に、近所の友人・知人その他数多くの子供たちを相手にPast life Regressionを施し、ほとんどの子供がみなPast-life Regressionをすると過去の人生を思い出すのがわかり、子供を主題にした本にまとめようと考える。そして、ほかの有名なReincarnationの研究家たちとも会って、まだ子供たちをHypnosisで過去にさかのぼることによって、その子供の抱えている病気が癒えるということを本に表した人はいないということを確認して、では自分がその本を書こうということになったわけである。

 博士号は持たなくても、まさに科学的な心を持った人が自覚的にたどる理想的な道を貫徹したような女性で、まったく立派なものである。科学的な探究心を持った人間が、自分の身近な現象のなかから、関心を起こされた領域に関して、興味をもって徹底的に探究を進めたというひとつの偉大な例といえるだろう。今では、彼女の名前と本とはReincarnation研究書のなかでも、一つの重要な位置を占めているといえる。

 2歳や3歳のまだ幼児といえる段階で、すこし言葉がしゃべれそうになるやいなや、母親に向かって「自分が、あなたのお母さんだったとき、そんなことはしなかった」とか、「自分が大きかったとき」あるいは「まだはお母さんの体内に入る前に」とか、「ここで事故にあって死んだのよ」とか、「もう二度と戦争にゆかない」と言い出したら、誰でもギョッとするにちがいない。多くの母親は妄想、空想ですませてしまうために、せっかくのチャンスを逸してしまうことになるようである。

 Carol Bowmanもある時期になって(5歳のころ)、男の子がIndependence Dayのときの打ち上げ花火の音に対して、異常な反応を示したことから、まじめな関心がうまれ、それが、自分の息子の過去のLifeで、黒人で南北戦争に従軍するなかで戦死したということがわかり、それにともなって、子供が持っていた特有の肉体的症状が回復したそうである。

 娘のほうも同様で、前世では家の火事で焼け死んで、親が助けに来なかったという思いが強く残って、今の母親にもどことなく信頼しない態度がつづいていたが、このPast lifeの記憶のおかげで、なぜ今まで火がこわかったのかという謎も解明され、母親との関係もよくなったと書いている。

 そして、彼女は子供のPast life memoryが空想でないということを判断できる基準として、4つのサインをとりだした。

1 まるで当然のことのような表現

2 一度だけというのでなくて、何度も同じ話をくりかえす

3 2歳や5歳の子供が知っているはずが無い知識が展開される

4 また、その話に対応する行動が展開される

 当然のことながら、すべてのPast life memoryがこの4つのサインを含んでいるとは限らない。これらの4つのサインがReincarnationを科学的に証明するという話ではない。個人的に納得するという話である。そして、それが持病のような疾病や癖、特殊反応などを自然と治癒することになるということのようである。

 このReincarnationかどうかという問題に関しては、彼女がつきあうことになったJung派分析学者Dr. Woolgerの「Other lives, Other Selves」でまともに、簡潔にではあるが取り上げられている。いずれ、このブログでも紹介するつもりである。Dr. Woolgerはユングをよく学んだひとらしく、ユングの有名なCollective Unconsciousness, Archetypeなどをまじえながら、この過去のLifeMemoryReincarnationではなくて、集合無意識その他、Akashic Recordにぞくするものであると考えているようだ。しかし、彼もまじめにこのPast Life Regressionと取り組んでいるため、Orthodoxのユング派学者たちからは、つまはじきされているらしい。その点、そういうことを恐れないで、立派なPast Life Therapyに関する本を書いた彼は賞賛に値する。

 私がこのブログのどこかで、自称科学者たちの科学者といえないような反応振りを天動説のプトレミー段階にたとえ、ESPや霊魂不滅をみとめれば、地動説のように一挙にすべてがときあかされるという話を書いたように思うが、彼のこの本のなかに、こちこちの狂信的な科学者を、地球を平板だと信じてうたがわなかった昔のえらい人たちと同じようにみなしている文章に出会って、思わず笑い出してしまった。

 ともかく、このCarol Bowmanの本はすばらしい本であり、ものすごく面白い。世のすべての父親・母親がこの本と親しみ、自分の子供が特異な反応を示したときに(特に生後から6歳ごろまでに)、子供の無邪気な空想として片付けないで、まじめに取り上げ、自分で冷静に分析する態度を保持することが望ましい。そうすれば、子供の成長にとってかけがえの無い資料が展開されていることを学べるであろう。

 この本を読むと、自分の子供を生み育てる楽しみが倍増するような、興味深い話である。

 ほとんど終わりに近い箇所で著者の友人Lisaの娘Courtneyに関する話が述べられている。

 ある日、息子が年上の姉のAubreyがまだBabyのときの写真を見ていて、自分はこの写真が撮られたとき、どこにいたのかしらとたずねたら、Aubreyは、あなたは天国にいて、Babyで産まれるのを待っていたのよと応えた。それをきいたCourtneyが、そうじゃない、そんなふうにはゆかないといった。そしてもう少し詳しく自分の意見を展開し始めた。天国に行くと、すこし休憩時間がある。それは休暇をもったようなもの。そのあと、あなたは働かねばならない。あなたは次の人生で何を学べるかを考え始めなければならない、そして、あなたが次の人生で学びたいことが学べるような親を選ばなければならない。天国はあなたがいつまでもぶらぶらしていられるような場所ではない。リラックスして、生まれ変わるというようなものではない。そこでは、しなければならないものがあるのよ。このときの、Courtneyの口調はまじめなものであった。これが4歳半の子供がしゃべった内容とは思えないほどであった。

 Courtneyが6歳のとき、TVで強姦殺人犯が死刑になるというニュースが放映されていて、その死刑囚の母親が悲しんでいる様子が写っていた。母親はそれまで注意していなかったが、娘が、どうしてこの母親が泣いているのかをたずねたので、あまり強姦という言葉に触れないようにしながら、なぜ死刑囚になったかを説明した。すると、Courtneyは、彼女(死刑囚の母親)はちっともわかっていない、だから悲しんでいるのよといったので、わかっていないってどういうこと、と母親がたずねると、Courtneyは以下のように応えた。この男のように自分の人生をめちゃめちゃにしてしまった男にとって死ぬことは実は罰にはならない。なぜなら、彼が死んだら、また別の人生を出発することになり、彼が過去にした悪いことの記憶も持たないで、新しい家族の中にNew Babyとしてスタートするのだから。そして、それは彼のエネルギーを浪費しないことになるから、彼にとってはとってもよいことなのよ。そして、新しい人生を送るとき、彼が学ぶべきことが、よりたやすく学べるのよ。この母親はぜんぜん、わかっていないのよ。もしわかっていたら、こんなに悲しむことは無いのだから、といって、Courtneyは部屋から出て行った。このとき、彼女は6歳であった。このときのことを話すだけでも、自分は鳥肌が立つ思いがする。彼女が言ったことについて深く考えるのに、自分は3時間ほど費やした。これは6歳の子供がしゃべるような内容ではない。自分たちはPresbyterianだが、こんな話は自分たちにも思いもよらないことであり、こんなことを家の中で話したことも無い。すべてCourtneyが、自分の言葉で展開したものである・・・自分は、自分よりもはるかにSoulのレベルが発達した子供を持っていて、自分のほうが6歳の子供よりもはるかに子供だと感じた・・・ と著者に語った。

 Carol Bowmanにとって、すべてが始まったのは、彼女の幼い娘と息子がキチンでしゃべったことを信じたからで、もし信じないで、見過ごしていたら、今の自分はなかったのは確かである。

 私は拙著のなかで、エドガー・アラン・ポーの名作「メールストロームの渦に呑まれて」を分析しながら、科学の心について語った。新しい現象に直面したとき、どう反応するかで、その人の人生がかわることがある。このポーの架空の話の中では、話し手である男ひとりが、科学の心を持っていたため、生き延びることができた。それは、目の前にある現象を冷静に観察し、分析することから始まった。

 Carol Bowmanもキチンでしゃべった子供の奇怪な話をまじめに受け取り、興味を持ち、徹底的に調査し、深く研究し、分析し、資料を集めることから、それまで誰も意識的にやらなかったことをなしとげた。それはこの本と第二作が証明していることである。まさに、科学の心をもった人間のひとつの生き方の証明のようなものといえる。

 ともかく、情報がいっぱい詰まった、面白い本であった。世の中のすべての人に推薦したい。



村田茂太郎 2014年1月28日




「心霊現象の科学」をめぐってーその74「Your Soul’s PlanRobert Schwartzを読む

 これは、ある意味では驚嘆すべき本である。私の人生は私が生まれる前に自分でほかのSpiritガイドたちと相談して選んだものである、つまり、すべての人間は自分が選んで生まれてきた人生をいきることになるという話であり、その具体例を例証しながら、そのアイデアを展開したものである。

 面白いが、本当なのかしらと信じられないような気がする。だが、もしかして、そうかもしれないとも思い、自分の人生をふりかえってみることになる。

 こういうアイデアがうまれるということは、前提として、人間は死んでも魂は生きていて、霊界、あの世で、つぎに生まれ変わるのを待っているということなので、霊魂不滅、輪廻転生を前提として成立するアイデアであり、理論であり、また、もしかして実証例であるということになる。Life after Death, Life before Life, Reincarnation などは、もう当然の前提となって展開される議論である。19世紀末、あの世があるのかという問題以前の、テレパシーがあるのかないのかで大騒動していた時代からは、まさに隔世の感がある。

 具体的にはいろいろな問題を含んだ人生を送ることになった人の魂をMedium特殊な技能を持った霊媒が、そのSoulと周辺にいる霊界の関係者(Angel, Spirit Guide?)から情報を探り出すというものであり、それを本人と分析しあって、納得するという話であるが、確かに、この本を読んだ後では、周りの人間を見る目がかわるほどの問題を含んでいる。ある意味では非常に意義深い本である。

 Drug Addict, Alcoholic, Handicapped People, Deafness, Blindness, 持病、Death, Accident などを持った本人と心理療法を実施し、Mediumがその本人の魂と接触して、本人が生まれる前にSpirit WorldSpirit Guidesと相談して、いわゆるPre-Natal Planをしたこと、そして納得した上で、生まれてきたということがわかるわけである。

 したがって、Handicappedの人、Homeless, 事故で悲惨な目にあった人、Blindで生まれてきた人、あるいはBlindになったひと、ドラッグ中毒になった人、アル中になったひと、それぞれが、自分の魂の発展のために、自分の意思で選んで生きているという話である。

 具体的な例として、本題に入る前に、Prologueがあって、Christinaという20歳の女性の話が示されている。この女性については、終りのほうで、どうなったのかの事後の展開がなされている。1969年2月25日にある大学の事務アシスタントをしていたChristinaが地下のMailboxMailPick upに行って、Pick upした途端、Bombが破裂したということで、即死にならなかったが、重症を負った。(顔が焼け、鼓膜が破れ、目も見えなくなり、指も何本かなくし・・・という重態)。これはメール爆弾で有名になったUnabomberのケースなどが現れる前の話である。

 この女性は、結局生きながらえて、人生をかえ、最終的には勉強しなおして、Ph.D.をとるという、信じられないような、たくましい精神力を持った女性となるのであるが、その彼女が爆弾をしかけた男をうらんでいないというだけでなく、彼のために祈るという博愛の精神を持った人間に成長するわけで、では、それは前世できめられていたことなのかというのが、このYour Soul’s PlanをめぐってMediumのヘルプで解明しようとすることなのである。

 ここに非常に異常な能力を持ったMediumが登場するわけで、それがまた驚くべき情報を提示する。つまり、その本人の今のSpiritの状態だけでなく、彼女が生まれる前に、彼女のSpirit Guidesたちと次の人生をどのように生き、何を学べるのかということを検討した上で、生まれてきた、つまり、この場合、Christinaはいつか爆弾か何かにあって、大変な重症を負うが生き延びて、その教訓から貴重な魂の展開がなされるということを事前に知り、了解した上で、この今の人生を選んだというわけである。

 詳細を展開すると、また版権などが問題になると困るので、この程度の紹介でとめておく。

 そこで、Handicappedの人などは特にSoul魂はOldで、Wiseで、片言しかしゃべれないように見えても、その人の魂はPureですべてを見ている。ただ、そういう苦しいHandicappedの状態にいることによって、自分も学び、その人を世話する人や関係してくる人もすべて何かを学ぶことになるという話で、確かにそういわれれば、そうかもしれないと思う。

 私は、Medium Cheryl Booth の自伝「Johnny Angel is my Brother」という本を読んだ。彼女の弟がHandicappedで生まれてきて、言葉もあまりしゃべれない。けれども、親もCherylも本当に愛し、かわいがるので、はじめてHandicappedの人が持つ魂の美しさというものについて、おくればせながら私も学んだ次第であった。言葉はあまりしゃべれなくても、きわめて老成した魂が宿っていて、すべてを理解しているという印象をCherylはもったようであり、わたしもそうかもしれないと思うようになり、町でHandicappedのひとをみかけても、今までとは違う見方をするようになった。

 この本の著者も書いているが、たとえば、Homeless家をなくした人々も、もしかして、さらなる人生の体験を深めるために、魂の成長を目指して、そういう生き方を選んでいるのかもしれない、そして、そういう人に接するわれわれが、どのように対応するかでも、われわれの魂の成長に影響を与えているのかもしれないと感じることになる。つまり、世の中にあらわれているすべてに対して自分の見方がかわるようになる。

 そういう意味で、この本はなかなか教訓的で、ある意味ではおそろしい本である。

 私自身をふりかえってみても、いろいろ問題があったりして、この特殊技能をもったMediumに一度相談して、わたしの生まれる前の自分のSoulPlanがどういうものであったのか、確認したいと思ったりする。それで、Internetでしらべてみたら、この本のおかげで有名になったためか、アリゾナに住むMediumは、2時間ほどのSessionをもつのに、千ドルほど、あるいは2千ドルほどかかるとかで、とても無理だとわかった。いつか宝くじでも当てたら、チャンスはくるであろう。ただし、買いもしない宝くじでは、はじめから当たるはずも無いのであるが。

 ともかく、それなりに問題を含んだ、面白い本であった。自分でAIDS患者になることをえらんで生まれてきた人もいるようで、本当に、世間を見る目がかわるのは確かである。

村田茂太郎 2014年1月29日




「心霊現象の科学」をめぐってーその75「Many Lives, Many MastersBrian L. Weiss, M.D.を読む

 この本は世界的に有名になったようである。著者はColumbia UniversityYale Universityで医学、特にPsychiatry精神分析を勉強した医者である。この本を出版するまでは、その専門の関係論文をたくさん発表していたらしい。MiamiにあるMount Sinai Medical CenterPsychiatryChairman Emeritus(名誉会長)をもつとめていた。

 それが、丁度、Carol Bowmanが自分の子供が過去のライフの記憶に関係する異常な反応を示した際に、それを真剣に受け止め、それが彼女のその後のライフを決定するものになっていったように、このDr. Weissもある女性の相談でHypnosisを実施しているときに、いつのまにか、彼女は過去の別人としてのライフを語りだし、それをまじめに受けとめたWeissは、彼女のPast life regressionを探求する中で、Reincarnation転生その他に深く関心をもつようになったわけである。彼も、このCatherineという女性との出会いが、彼の運命を変えてしまうことになるとは思っていなかった。しかし、このCatherineを契機として、Dr. WeissPast lifeReincarnation を深く研究し, そして、Mastersに関する大家に成長していくのであった。

 第一回のCatherineとの出会いで、彼女がまるで触媒のように彼自身に作用して、彼のこれまでの人生・信念を転倒してしまうことになるとは想像もできないことであったとは彼自身、第一章の終わりで述べていることである。

 このPast life regression自体、もう1980年代では別に珍しいものではなくなっていたはずである。すでに私があちこちで名前を挙げた医者やサイキック、精神科医も、このPast life memoriesについて発表していた。

 Dr. Weissのほかの人とちがったところは、彼が立派な病院の科学的な素養を身につけた医者であるということだけでなく、このCatherineとのHypnosisで出現したMasterに関する別の次元の瞥見であった。

 しかし、これもサイキックEdgar Caseyなどとあまり違わないとも思えるが、彼(Dr. Weiss)の場合はCaseyと違って、自分でHypnosisを相手に施しながら、その反応を確認できたわけで、より科学的に冷静に判断できる立場にあったということになるかもしれない。

 ただし、このCatherineHypnosisも、会って、すぐに始まったわけではない。18ヶ月ほど、ふつうの心理療法のように、毎週1-2回会って、彼女のもった夢や感情、考えなどについてふたりで語り合い、ほとんどなんでも了解したような状態になっていながら、肝心の病状というか症状はまったく改善されていなかった。

 1982年に医者である彼女の恋人がシカゴでの学会に参加するときに、自分も希望して参加し、そして彼に一緒に美術館(エジプト展)を訪れるようにうながした。彼女は子供のころからエジプトの美術品や骨董品に興味があったのだ。エジプト美術品展示の場面で、彼女はエジプト学者でもなんでもなく、特に強く勉強したわけでもなかったが、自分が親しんだ場所にいるように感じ、ある場所ではガイドが説明したのに対して、彼女は自分がガイドの誤りを訂正している状態であるのをみつけた。

 それで、Hypnosisに対してはおそろしいように思っていた彼女だが、自分でもこのエジプトでの反応におどろいており、今度はHypnosisを受ける決意をした。その時には、したがって、最初の心理療法の患者としてのCatherineとの出会いから、2年近くたっていたわけである。

 Age RegressionCatherineは6歳のときの歯医者でのTrauma的な体験を語り、5歳のときにプールのDiving Boardから落とされて水を飲み、恐い思いをしたのを語ったが、そのときはまさにリアルに大人の彼女自身、息が詰まったような症状を見せたので、ドクターは、もうそれは終わったといって安心させねばならなかった。3歳のときにさかのぼったとき、彼女は最悪の事態が起きたことを知った。父親がMolestしたのであった。すでに、その恐い経験から25年経っているわけであるが、その体験を語るときは3歳の女の子の泣く様子で泣き始めたのであった。

 彼女のいくつかの症候の原初形態らしいものは、この幼児期の抑圧された記憶の中にあるのはわかったが、なぜ彼女がエジプトの美術品を見て、ガイドの誤りを訂正するほど、深く知っていたのかわからない。そこで、さらに2歳までさかのぼったが、目だったことはなかった。思い切って、ドクターは、あなたの症状が発生した時限まで戻りなさいと指示した。

 そうすると彼女は面前の不思議なシーンを述べ始めたので、よくわからないドクターは何時ごろの話で、あなたの名前は何なのかといった質問をしたところ、名前はAlonda、時代は紀元前1863年という返事が返ってきた。18歳で、不毛のドライな暑い地帯にいる。さらに、もう少し時代をすすめると、彼女は25歳で、Cleastraという名前の女の子がいる。(そして、突然、Catherineはこの自分Alondaの娘は、Rachelだと叫んだ。Rachelは今の彼女の姪にあたり、彼女とは特別に親しい関係なのであった。)

 これはドクターにとっては驚くべき発見であった。その語る調子、イメージ、感情、すべてが空想とは思えない、確固とした、まさにVividなリアルな記憶を語っているのであった。そこで、その女性が死んだころに時間をすすめるように指示した。そうすると洪水が村を襲って、木もなにもかもが流され、自分の娘もながされ、自分も溺れ死んだのであった。そして息苦しい状態を過ごした後、彼女はCloudsを見、娘を見、兄弟も見たのであった。この彼女のひとつのLife Timeは終わったのであった。Past Life? Reincarnation? ドクターにとっては、その筋の専門医として、Catherineの語ったことが単なる空想などではないことはあきらかであった。いわゆる精神病の症状に属さないのも専門家として明らかなことであった。 Go on. つづけなさい。何かほかに思い出せるものがありますか?

 私の名前はLouisa。スペイン人。時代は1756年。汚染された水でたくさんの人が死んでいる。自分も具合が悪かったが、死ななかった。あとで、彼女は、このときには自分はProstituteであったが、自分でもとまどって、ドクターにはっきり言えなかったと語った。

 それで、彼女の姪であるRachelがエジプトの昔に、彼女の娘であったという話から、ドクターは興味をおさえることができず、あなたの過去のLifeのなかで、自分Dr. Weissが出てくることはあるかと訊ねた。そうすると、彼女はすぐに You are my teacher といい、時代は1568B.C.名前はDiogenesSymbolsTriangleについて教えていた。You are very wise.賢者であったが、自分はちっともわからなかった。Diogenesという名前は当時珍しい名前ではなかったようだ。

 こうして、Hypnosis第一回は終了した。このあと、まだまだ驚くような情報がHypnosisを通じて現れてくるのであった。

 そうして、CatherineHypnosis, Past-life Regression の中から、Master(とCatherine そしてDr. Weissが呼ぶ)一種のあの世の賢者ともいえる人物があらわれてきて、彼にいろいろ説明するのを驚嘆してきくことになった。それはCatherine本人の過去のLifeそのものとは関係の無い、まさにあの世の世界に関する話であった。

 これは、HypnosisTrance状態に入ったCatherineがどこかの情報源に接して語りだしたということかもしれない。まったくCatherineとは異なる人物があらわれたようであった。

 「われわれの仕事は、学ぶこと、知識を通してGodのような存在になるために学ぶことである。われわれは本当にわずかしか知らない。あなたは私の先生としてここにいる。わたしには学ばねばならないことがたくさんある。知識によって我々はGodに近づく。それから少し休む。そして戻ってくる、ほかの人を教え導くために。」

 Dr. WeissはこういうメッセージがCatherineの口から出てきたのをきいて、驚嘆してしまった。Hypnosisのさなかで、ある人生を終えて死んだばかりで、光の下にいて休んでいる。After Death, In-between-lifeの状態である。そして。急に、先ほど述べたようなことを語りだしたのである。CatherineNear Death Experience(臨死体験)で有名なDr. Elizabeth Kubler-Ross も Dr. Raymond Moodyも Tibetan Book of the Dead も読んだことがない。それなのに、これらの書物で書かれたと同じような内容の話を展開し始めたのである。これは、あきらかに何かの証明であった。

 次のSessionでさらに驚くべき内容が展開された。同じように、話しているのはCatherineなのだが、語る調子がまったく別人の様子で話し始めた。

「彼らは、多くのGodsがいると告げている。というのは、各人の中にGodがいるからだ。」

「あなたのお父さんがここにいる。あなたの息子も。・・・お父さんは言っている、医学はある程度までは進歩するが、そのScope範囲は本当に限られている、と。」

 Catherineは、私Dr. Weissに関する私的な情報など何も知らないはずであった。私は自分のDr. DiplomaOfficeに掲示していないし、自分にとって最大の悲劇であった、生まれたばかりの息子が一ヶ月もたたないで亡くなったことを誰にも言ったことはなかったし、Catherineに、私個人のことについて話したことは無かった。

 このCatherineの話の中で、誰も知らないはずの彼の父親のHebrew Nameが語られ、One-in ten millionのまれな心臓病で亡くなった息子のことが語られ、娘の名前の由来についてまで明らかにされた。これは偶然ではありえない。好奇心が沸き立つばかりで、ドクターはTrance状態のCatherineに、誰がそこにいるのか、誰がこういう情報をあなたに語っているのかと問いただしたところ、「MastersMaster Spiritが私に告げている。彼らは私に、このPhysical world地上で、私は86回違った人生を生きてきたと語っている。」。

 Dr. Weissは自分の人生はもう二度と今まで過ごしてきたような同じような人生ではないだろうと強く感じた。そして、Dr. Weissは浩瀚なReincarnationをめぐる、そしてPsychic Scienceをめぐる領域の探求に入っていったのであった。そして、Carol Bowman同様、手に入る、ほとんどの文献を読みこなして理解を深めていったのであった。



 そして、CatherineはこのHypnosisによる過去の人生の再生によって、それまでそのような心理療法でも克服されなかった症状がすべて自然と癒されていったのであった。これは、Carol Bowmanの子供の過去の記憶の再生が治療に抜群の効果をもたらすという話と合致するわけである。

 その後、彼は、この書でベストセラーになって、世界的にも有名になり、さらに探求を進めて、このPast life Regressionによる治療的効果を確信し、さまざまな本を書き、セミナーを開き、いわば、予定されていた魂の教師としての役割を果たしていくのである。

 この本もほんとうに面白く、わたしは10月のある日に読み始めて、翌日、読了したのであった。その後、彼のほかの本も何冊か手に入れ、いくつかはすぐに読み終わった。

 このCatherineと名乗る女性との運命の出会い、そして、それをまともに受けとめたことからすべてが始まったのであった。 今や彼の名前は医学界だけでなく、ひろく一般に親しまれるようになっている。

 ひとつのBasicな文献といえる。ISBN: 978-0-671-65786-4 Simon & Schuster。1988.

 版権許可なども得ていないので散発的な紹介で終わった。原著を読んでみようという好奇心を喚起することができれば幸いである。

村田茂太郎 2014年1月20日




「心霊現象の科学」をめぐってーその76「Return from Heaven」(霊界からの生まれ替わり)(2001年)Carol Bowmanを読む その2

 このブログの、心霊現象の科学をめぐってーその70 で、この本の一部紹介をして(11月25日)から、もう2ヶ月以上経ってしまった。このすばらしい本の内容をどういう形で紹介しようかと考えながら過ごし、その間、ほかの本の紹介をしてきたのであった。私はCarol Bowmanの第二作目であるこの本「Return from Heaven」から読み始めたのであるが、そのあと、第一作目「Children’s Past Lives」も読了し、これもすばらしい本であるとわかった。そして、すでに -その73 で簡単に紹介をすませた。やっとPendingであった、この第二作目の紹介文つづきを書く次第である。

 ともかく、このCarol Bowmanという女性はすばらしいひとで、彼女のあらわした2作はすべて読みやすく、情報に富んでいて、すべてのひとに読んでもらいたいと思う。翻訳がすでにでていれば、翻訳で、なければ英文で読むと、子供をなくした人(病気・事故・天災・災難<殺人など>、流産、堕胎、その他)は、この本を読んで心がやすらぐに違いない。子供を亡くさなくても、子供の親として、この本を読んでから、子供を深く観察すれば、おどろくべき情報が明かされるかもしれない。ともかく、興味深く、読みやすく、面白く、有益で、こういう話があるということだけでも知っていることが今後の人生で役立つにちがいないと思われる。

 最近の私のStanceは、子供のモラル指導の大事な一環として、DeathLife-after-Death(の可能性)について、早いうちに子供に教えておくべきだと思うが、その前に大人が理解していないといけない。死んで無になれば、それはそれで結構!無でなかったときが大変である。どうやら、いろいろな情報によると、死後もSpiritの状態で、意識・記憶・性格その他が存続するため、場合によっては、自分が死んだことを知らないものが数多く存在し、それがEarthboundとなって幽霊現象を起こし、Poltergeistその他の現象を起こし、ある場合は人間にPossessして人を苦しめる存在となる。なぜそうなのか。死んでも意識があり、記憶があるからである。ひとつには宗教で地獄を説くのをきいて、自分は地獄に行きたくないから隠れているという話しがある。そういうひと(Spirit)には、Depossessed (Soul Removal)とか、厄払いのカウンセリングが助けになる。ポイントは、どうやら光がエネルギーの中心で、光を目指して移動すると、次の次元が開けてくるという話である。

 したがって、最近のように、事故やテロル、自殺、殺人、戦争、自然災難(天災―地震、津波、台風・ハリケーン、竜巻、落雷その他)で、いつ異常事態に遭い、自分が死ぬことになるかもしれない。そのとき、すでにこういう心霊現象の科学が明らかにしてきたいわゆる超常現象は実際にあり、人には魂があり、霊魂不滅、輪廻転生するという知識を保持しているか、何も知らないかでは大いに異なることになる。なぜ、The Tibetan Book of  The Dead が書かれなければならなかったのか。それは、誰でも死ぬ人間だが、ある程度、前もって死後にどういうことになるかを知っていないと、苦労することになる、したがって、生きている間に徳を積み、何時死んでも、無事に次の次元にうつっていけるように準備しておけということで、書かれた、いわば死後の世界への ガイド・ブックなのである。人は地図を持たないで、あるいは ガイド・ブックをもたないで、外国旅行や未知の土地へ旅をすると、面倒な苦労に会うことになる。みな、死については、語ることを避ける傾向があるが、一番大事な死を意識しないで生きると、あとで、大変なことになるということである。

 前書きが長くなった。

 わたしがこの本「Return from Heaven」の紹介で、思いついたのは、いくつかの面白い幼児の記憶を紹介することで、この本の魅力を語れればということである。 いつか私のこの“ブログ”に展開したエッセイをベースにして、一般向けの日本語の心霊現象の科学と「あの世」をめぐる感想文・エッセイを本にまとめることになれば、(そうしたいと思うーそれは、コンピューター、Internetを知らない、または、苦手な人がたくさんいるとわかったからである。)それぞれの大事な本の出版社に連絡して、正式に許可を得たいと思う。そうすれば、より正確な内容紹介が可能であろう。

 いくつかの話を散発的にとりあげる。

 息子のDavidが36歳で突然死んだと息子の嫁から連絡があった。ショックと悲しみは大変なものであったが、そのときこの父親はDavidが4歳の子供であったとき、突然、話し出したことを思い出し、心が慰められた。CaliforniaRedwoodの森の中を歩いていて、急にDavidが父親に自分はReally Big Secretとっても大きな秘密をもっているといったので、父親は、自分は秘密は大好きだ、どんな秘密だとたずね、誰にも告げないと約束をしたゆえで、4歳の子供の秘密をきいたのであった。そして、決して笑わないねと約束した上で、Davidは語りだした。これは自分が生まれる前に起きたことで、それは天上の世界、雲の上の世界でのこと。そこに12人の男がいた。12人?それは確かなの。そう、自分はちゃんと数えた。彼らは顔だけで、体はなかった。彼らは円陣をつくり、みんな年寄りの感じであったが、そのなかの一番年とったと思われる男が、下のほうを向いて、お前はそこへ行かねばならない、そしてそれがテストだと語った。テストを受けるために地上に行かねばならない。それを聞いた父親はワンダフル、そして、お前はPassするつもりなのかとたずねると、Oh Yes という返事であった。そして、黙ってしばらく歩いてから、But I won’t be here long. (自分はここには長くはいないだろう)と言ったのであった。

 この4歳の男の子の話の中にいくつかの重要な情報がこめられている。霊界の存在、生まれる前のSoulPlan, 予定された命、そして自分に課された任務をはたして予定された寿命を終えること、つまり霊魂不滅、輪廻転生、予定調和がこの4歳の男の子の話の中にもられていたわけである。

Davidがレスラーとして世界的に有名な人物になり、オリンピック金メダルを取得、後輩の指導を行いながら40歳にならないうちに死ぬということは、もう生まれる前から決まっていたのか?彼はナントTraining Centerのパトロンに殺されたのである。

 4歳の別の男の子がある日父親と話し合っていた。父親は4歳の子供に、どれほど昔のことを覚えているのかとたずねたところ、彼が生まれる前の世界の話が出てきた。息子は自分が天国にいたときのことを覚えている、自分は死んだ人間を助けていたと語ったので、どういう意味だとたずねると、時々、人は死んでも自分が死んだことを知らないことがよくあるー車の事故での場合とか、本当に急に死んでしまった場合など、彼らは自分が死んでしまったことを知らない。そこで、われわれはその場に居合わせて、SoulBodyを離れるまで待っていなければならない。そして、彼らが天国にうつれるようにヘルプするわけ。そして、彼は笑って遊びに出かけた。

 4歳の男の子が、まだ生まれる前のSpiritの状態で、今まで私が何度も述べてきた“自分が死んだのに気がつかないSoul”が無事、天国に移れるようにヘルプしていたというわけである。つまり、子供は子供だが、彼のSoulOldで、転生をくりかえしているようである。

 Planがあっても変更があるのはなんにでもおきることである。出産にかんしても、そういうことがおきている例が語られている。そして、それは9ヶ月の妊娠中のいつでも起きるようである。したがって、前もって予定されて生まれてくるはずであっても、変更がいろいろな理由によって起きるらしい。

 MiscarriageとかStillbirthとかいわれるのは、いわゆる流産にあたり、ほかにも、もちろん堕胎のケースがある。理由はどうであれ、Soulは次の機会を待つようで、ある意味では流産しても、同じSoulをもった胎児が次回に生まれてくることもよくあるようである。つまり、魂Soulは不滅なのであれば、胎児が流産・または堕胎で亡くなっても、それはBodyがなくなっただけで、Soulはそのときには、すでに抜け出して天国に戻っている、そして次の機会を待っているという話である。したがって、同じSoulが同じ母体に戻ってくる確率は高い、つまり“Beloved relatives Reincarnated within Your Family”(肉親の間で何度も生まれ変わりが発生している)ということである。

 Brittanyは自分の孫娘であるとTherapistCaroleneが語りだした。3歳の孫娘がある日、自分に電話してきた。彼女の母親と口論をしたというわけである。母親は3歳の娘が自分の母親に電話したという事実に驚き、彼女の母に家まで来てもらい3人で話すことになった。自分Carolene-娘Karen-孫娘Brittanyの三人である。母親は、自分はCaroleneの子供で、Brittanyは自分Karenの娘であると何度説明しても、Brittanyはわかってくれないという奇妙な話。Brittanyは母親Karenには「記憶が無いらしい」という。そこで、Brittanyは、「いや、もっと前の話で、自分がCaroleneのおなかの中にいたときに、お母さんKarenと一緒だったーTwin! しかし、自分はBoyに生まれたくなかったので、一緒にいるわけにいかなくなったのよ。」それをきいて、私Carolineは鳥肌が立ってきた。娘・母親Karenも泣き出してどこかへいってしまった。自分たちはその辺のことをよく知っていた。自分CaroleneKarenを妊娠中、自分はTwinを妊娠していた。もうひとりは男の子のはずであったが、7ヶ月目に、胎内で死んでしまったのだ。しばらくして、Karenは戻ってきた。そして娘のBrittanyHugし、自分をHugして言った。なんとすばらしいことだろう。自分は何十年も経って、やっと自分のTwinと一緒になれたのだ、と。

 次に紹介するのは、母親Naomi,父親Orin,そして娘Sarahの話である。Sarahが3歳のときの話。すこし喋れるようになったときから、Sarahはいつも彼女のLight Friendsがいなくてさびしいと言っていた。生まれるまではLight Friendsとあちこち自由に飛び回っていたというのが。3歳になったころ、自分の目を見つめながら、Jesusが、あなたとDaddyを親として、私がPick upするのを助けてくれて、とてもうれしいと言い出した。何だって?私はJesusのひざの上にいて、あなたとDaddyを見下ろしていた。ほかにTwo other peopleを見ていたが、自分はあなたとDaddyがいいといって笑った。私はBoyにうまれることになっていた、でもChange mindして、Girlがいいと決めた。

 Sarahが4歳になったとき、フロリダからアトランタに引越しをした。そのとき、SarahGrandmotherから遠く離れることをとっても心配した。あるとき、Sarahが父親Orinと話しているのを隣の部屋にいた私はきいていた。DaddyGodsJesusはどのようにして子供をつくるのとSarahはたずねた。Orin父親は注意深く回答していた。母親と父親で子供を作るのだがGodsが天上からSoulを送ってくるのだ、と。Sarahはため息をついたようであった。それで父親は、おまえは自分たちを親として選んだときのことを考えているのかと訊いた所、いや、自分はあなたを親として最初に選んだのではなかった、あなたの親をわたしの両親として選んだ、といったので、Orinはつまり自分Orinの親をGrandparentsとして選んだのだろうというと、NO,彼らが若かったとき、まだあなたが生まれる前に自分は彼らの男の子として生まれるはずであった。隣の部屋できいていた母親Naomiにとっても、この話は初耳であった。そこでドアーのところで寄りかかって聞くことにした。夫Orinは言っていた。彼らはToo oldではないのというと、No,彼らがまだ若かったとき、わたしは男の子としてうまれることになっていたのよ、それはDaddyが生まれる前の話よ。それで、夫が実にびっくりした様子であったので、4歳のSarahが、心配しないでいいわよ、わたしはあなたたち両親を本当に愛しているから、それで大丈夫よ、奇妙な話をして、びっくりさせた?ごめんね、といった。

 そのあと、私Naomiは夫に、お母さんが流産したことあった?ときいたら、自分はそんな話はしらないということであった。しかし、あまりにもショッキングなはなしであったので、彼はGregという8歳年上の兄に電話をした。長い沈黙がつづき、そして夫の顔が蒼白になるのをみた。そのとおり、母は自分が生まれる前に子供を流産でなくしている。そして、男の子であったらしい。娘のSarahの言ったとおりであった。たまたま、その兄も、母親が女友達に電話で泣きながら流産したことを話しているのを耳に入れただけで、それ以外には誰もそのことについて話したことは無かったということであった。

 こうして、生まれてくるはずの子供は自分である程度親を選び、セックスを選べることがわかった。それでは、自分の意思ではなくて、堕胎になる場合はどうであろうか。

 Abortionをめぐっては殺人的な反対運動が何度も起きているのは事実である。そこで、Carol Bowmanは彼女の調査結果から、いわば両極端ではなくて、中道を行くような答えを導き出したようである。Abortionというのは胎児と母親とのSpiritualな対話の結果であるということになるらしい。より繊細で、Spiritに許可を得るようなかたちのNegotiationの結果、流産になったり、堕胎になったりするようである。

 それには、いつSoulBodyと合流するのかという問題と、胎児が破壊されたらSoulにどういう影響をもたらすのかという問題がある。

 胎児はSoulとは直接関係ないらしい。Soulがはいって、はじめて人間の子供となるわけで、FetusはうまれるSoulにとっては意識の無い存在ということのようである。というよりも、Soulはそれだけで充分に意識的存在であり、そのためにFetusを必要としているわけではない。Soulは胎児としてのおなかに入ると狭く窮屈で縛られた世界にいるようで、あまり好きでない、したがって、しばしばOut-of-Bodyの状態でいる、つまり、母親のおなかを離れて、まわりを浮遊しているという。妊娠3ヶ月の状態では、どうなるかわからないので、ほとんどのSoulFetusのなかに入らないようである。逆に妊娠6ヶ月になると、89%はFetusのなかに合流するようである。しかし、そのときも胎内にじっとしていないで、しょっちゅう、出入りしているとか。ある女性は、最後の生まれ出る瞬間までそとに居たという。33%とは、まさに出産寸前まで胎内に入らなかったという。しかし、いつも母親のまわりにいたので、すべてを理解していたとのことである。それは、まさにLandingを準備して、周りを旋回・偵察している状態であったといえる。ある2歳の幼児は、自分が生まれる前に母親が指を怪我したことまで知っていた。その詳細をのべたことから、本当に母親の周りをとびまわって、Out-of-Bodyの状態で見ていたに違いないとわかったという。

 ある母親からE-mailを受け取った。彼女は41歳で妊娠したとき、医者から体がもたないから、堕胎しなければいけないといわれ、ほかに子供が居て責任もあるということで、泣く泣く堕胎をした。彼女は、堕胎は殺人だと思っていたので、Godsに許しを乞うた。堕胎してから、もう一度妊娠した。妊娠しないように注意していたが、妊娠したとき、今度は産む決心をし、帝王切開で無事男の子を産み落とした。名前をReeseと場付けた。3歳のとき、用事で子供を車に乗せてドライブ中、突然、泣き出した。ただならぬ泣きかたで、おどろいて車をParking Spaceにとめて、何がおかしいのと訊ねた。しゃくりあげながら、彼は僕が以前お母さんのおなかに居たとき、Snakeがやってきて、食べてしまった。それで僕は虹の国にいった。Angelがやってきて、何をしたいのとたずねた、それでAngelにお母さんのおなかにもう一度かえりたいと言ったんだよ、Mommy. 私はそれをきいて泣き出してしまった。なぜなら、Abortionを実施したドクターは、今、Reeseがいった蛇のような器具を使ったということを知っていたから。それまで、自分はReincarnationなどということを信じもしなかったけれど、Reeseは明らかに堕胎されたことを知って生まれてきており、今、自分は、Reincarnationは本当だと信じている。ReeseAbortionの経験からに違いないが、非常にEmotionalな面あったが、わたしに打ち明けてからは、きわめて正常になった。この私の息子との経験から、うまれない子供の魂SoulはちゃんとFeelingをもっており、Abortionでずいぶん影響を受けるということ、また同時に、何らかの理由で堕胎をしなければならなくなった場合でも、また同じSoulが戻ってくる可能性があるということを知ってもらいたいといっていた。

 この本の中に、Gladys McGarey M.D. の“Born to Live”からの一節が引用されている。孫引きのようになるが、この私の話の展開には必要なので、引用させてもらう。

 4歳になる娘が突然言い出した。以前、わたしが小さな子供であったとき、お母さんは別の人であった。でも、それは最後じゃなかった。わたしが4インチの大きさであったとき、あなたのおなかに居た。お父さんはまだあなたと結婚できる状況ではなかった。それで、私は去った。そして、また戻ってきた。母親はそれをきいて、唖然とした。ドクターとHusband以外はその事実を知らないはずであった。彼女は本当に2年前に妊娠し、彼女は産みたかったが、Husbandはまだ結婚できる状態ではなかった。そひて、4ヶ月で堕胎を行った。結婚できることになり、子供を持つ決心をしたとき、堕胎したはずのSoulが戻ってきたのであった。そして、自分はあなたが堕胎を行ったことに対しては恨みに思っていない、よくわかっている、なぜ堕胎しなければならなかったかを、だから別にOKだよ、それで、今こうして、戻ってきたわけだ。これからはしっかり生きなければ。

 ということで、これはこのとても面白く有益な本の紹介ということで展開してきた。さまざまな面白い話があるが、それは興味をもったひとが自分で本を読んで、勉強してもらいたい。

 ともかく、すばらしい本であった。

 これを読んで感じることは、子供は6歳ほどまでの間が一番重要な時代であるように思われる。わたしは以前自分の本のなかのエッセイ“自己探求”のなかでも展開したが、その大事な時期を保育所に預けて、自分で子供を深く観察する機会をなくしているのは、もったいないことだと思う。保育所は役立っているのは確かに違いないが、なにしろ一対一の対応は当然、無理なので、幼児が特異な反応を示しても、親は気がつかないで終わることになりやすい。共働きが必要な世の中は、それなりに限界もあるといえるだろう。



村田茂太郎 2014年2月2日

 丁度、このブログの888回目にあたるわけで、やった!という喜びをもって、この本の紹介を終える。




心霊現象の科学」をめぐってーその77 「Hello From Heaven」(霊界からのメッセージ)(邦訳名 生きがいのメッセージ)By Bill Guggenheim & Judy Guggenheim

 19世紀の末、1880年ごろ、イギリスに始めて心霊現象をまじめに研究しようとするサークル(Society for Psychical Research)が公的につくられたとき、そのひとりのメンバーとして参加したのが、Edmund Gurneyであった。主に古典学者・哲学者がメンバーであったが、意図は、Life after Death, Soulの存在を確かめようとするもので、DarwinMarxの出現、そして19世紀科学の飛躍的発展、隆盛以降、物質的な世界観が主流となって、人間の死後の世界についても、霊魂の存在を否定する風潮がたかまりつつあった。この探求グループは、客観的に、より科学的に、誰もが納得のいく形で、この誰もが気にしているが、まともにとりあげる勇気の無かった仕事に着手しようとしたのであった。

 そのなかで、彼らはテレパシーの存在を確信し、人間は超能力をもっていて、必要になればその能力を発揮することができると感じていた。 つまり死に直面したとき、家族や友人になんらかのメッセージをおくるという現象が、頻繁に起こることが経験的にも知られており、それを統計的に確かめて、まず、人間の持つそういう能力の存在を知らしめようと主だったメンバーが考えたが、その証拠資料の収集とその確認にはFrederick MyersFrank Podmore, Edmund Gurneyの3人が携わった。最終的には、製本の作業はこの計画の中心メンバーであったEdmund Gurneyが行うことになった。かれらは、超常現象を体験したという人々から資料を集め、その信憑性について追跡調査を行い、これは確かというデータを700件ほどしぼりだして、本体はGurneyが執筆し、序文、注釈その他はMyersたちが手がけて、本を完成した。

 メンバーの3人の合作といえるが著者名はEdmund Gurneyとなっている。本の内表紙には三人の名前が記されている。「Phantasms of the Living」という題名で1886年に出版され、集められたケースは膨大で、調査結果、最終的に選んだのが700件を超えるデータであった。したがって、本は上下二巻で1400ページを超える、まさに膨大な本となり、それはこの心霊現象の科学探求のうえでのLandmarkひとつの指標・路程表となった。そして、内容的には主にTelepathyApparition(幽霊現象)を扱っている。(Amazon.comで上巻は15ドルほど、下巻は45ドルほど。わたしは、Paperbackは上巻だけ、下巻はKindlePCで手に入れた。Facsimilesベースで、ベストConditionとはいえないが、無事読みこなすことは可能な状態である。)ともかく、まじめに心霊現象の科学を探求しようと思うものにとっては、必須の基本文献であるといえるだろう。このあと、Frederick Myersが1901年になくなるまでに書き集めていたものが、まとめて「Human Personality and Its Survival of Bodily Death」という表題で、これも二巻本になる、膨大な研究書が1905年に出版された。二巻で1300ページを超える記念碑的な探求書で、Phantasmsとならんで、心霊現象探求の古典的名著といえる。このほうは、私は35年以上前にUsed bookで手に入れていた。

 ApparitionGhost幽霊現象ともいえるが、必ずしも死んだひとだけではなく、いわばOut-of-Body Experience離魂体験をできる人―生きた人が現れる場合もある。このブログの最初に展開したベルグソンの話にでてくる話、ある女性が第一次大戦で夫が死ぬ現場を夢で目撃・体験したという話は、まさにこの死ぬ間際に出現するApparitionに該当するといえる。テレパシーまたはOut-pf-Bodyで、妻に自分の死を連絡してきたという話で、こういう現象がしばしば起きるのに対し、あるひと(主に自称科学者)は無関心であったが、まじめに探求しようとするひともいて、それがこのサークルを生み出し、これらの歴史的名著を産むに至った。

 「Hello From Heaven」の紹介のつもりが、変な横道に入っているように見えるが、この1995年に出版された本は、丁度、100年ほど前に出版された「Phantasms of the Living」の展開と同じような形で、資料が収集され、選抜され、わかりやすく現代風に展開された本といえる。つまり、Mediumとかサイキックとかという特殊技能を持った人からのデータ収集ではなく、一般人が異常事態で体験する心霊現象を収集・整理したものである。

 100年以上前と違って、データの収集も比較的容易で、コンピューター時代の長所を生かして収集された本といえる。

 二人の著者はADC (After Death Communication)<死後に何らかのメッセージを受け取ったと思われる場合>(ADEAfter Death Experience でElizabeth Kubla-RossRaymond Moodyが有名にした略語であるが)という用語を使い、一般市民で、何らかの形で、死者からメッセージを受け取ったと思われるケースをあつめたわけで、このADCという略語は、この二人の著書によって、ひとつの基本用語となるに至った。

 「Hello From Heaven」副題 “A new field of research ~After-Death Communication~ confirms that life and love are eternal” となっている。

 19世紀に「Phantasms of the Living」が現れたころは、いわゆる科学者の全体がこういう心霊現象にNegativeな態度をもつ状態で、最初の探求者たちの苦労は大変なものであった。その一端は、近頃、このブログで紹介した「Ghost Hunters」というすばらしい本にも記されている。テレパシーの存在さえ疑い、そういうものを探求しようとする人間を馬鹿にするような風潮の中で、その資料収集、分析、データ検閲などが行われたのであった。ある大学教授は大学を追い出される(これは日本でも心理学の福来Fukurai博士―東京帝大教授にも起きた)始末で、したがって、まじめに研究することが困難な状況にあった。

 今は、ずいぶん、違っている。まだテレパシー能力の存在を疑う人も居るが、1930年代にJ.B. Rhineが統計的にESPExtra Sensory Perception)の能力の存在を証明して以来、この方面の研究は比較的一般化して研究されることになり、今では、ほとんど誰もESPの能力の存在を疑わなくなった。1970年代以降はDr. Elizabeth KublaRossDr. Raymond Moodyの本がベストセラーになって、Life After DeathNear Death Experienceがあたりまえの話題になり、いつのまにかReincarnationなどをめぐるPast-life Regressionが、それこそ、日常化されるに至った。いまや、誰も、ESPNDEを否定的に取り上げない世の中になった。そして、コンピューター、InternetE-mailの発展で、情報伝達、資料収集も容易になり、100年前の苦労が忘れ去られようとしている。

 そういうときに、同じような資料収集で一般から、After Death Communicationに関する情報を集めて、分類整理し、わかり安く読みやすく面白い本としてこの本「Hello from Heaven」があらわれたわけである。

 わたしも、一読して、すばらしいと思い、誰かに送れるようにと、もう一冊アマゾンから手に入れたほどである。翻訳がなされていなければ、翻訳の価値があると判断したが、あとで「生きがいのメッセージ」という題で、抄訳がなされていたことを知った。また、あるひとがReviewで、大事な部分が翻訳されていないから、原文で読むようにと提案している文章を読む機会もあった。わたしも、この本は面白く有益なので、全訳をすべきだと思う。細かい英文で400ページほどの本だから、日本語訳をまじめにやれば、二冊になるであろう。

 著者は3300件ほどのデータを収集し、その中から353件のADCをとりだし、それを現象的に分類整理した。

 故人の出現を体感した場合、声を耳にした場合、触られた感じがした場合、それと感じる匂いをかいだ場合、部分的にGhostイメージが出現するのを目にした場合、完全な形でGhost的なイメージが出現するのを目撃した場合、電話での場合、蝶や虹が現れた場合(つまり象徴的なイメージの出現)、などという形で、わかりやすく展開されている。

 ほんの少しだが、Suicide自殺の問題にも触れている。(P.235-238)。というのは、この本を読んだ読者が、あの世があり、魂不滅ですばらしい世界が次の次元で展開されると知って、この地上での命を順調に終えないで、先急ぎをするひと、自殺をする人が出てきては困るからで、実際、自殺の問題はわたしも真剣に取り扱おうとしてきた領域でもある。京都大学でクラス・メートの自殺に出遭って以来、自殺の問題はわたしにとって最大の問題のひとつであった。

 ある男が衝動的に自殺をした。それから一ヶ月ほどして恋人であった女性のところに男は夢であらわれた。それは落胆した、あきらめた表情であった。彼は自殺して、平和を見出したのではなかった。彼女は彼のためにお祈りをするとつぶやいた。

 目が覚めて、彼女は、自殺をしても、何にもいいことがない、なぜなら、まだ同じ状態で生きているようなものだからである。逃避することはできない。死んでから、状況がもっとよくなるわけではない。ひとは、責任を持ってこの人生を終えなければならない。ひとは常に自分の行動に責任がある。自殺によってこの世のLessonsをのがれたつもりでも、そんな具合には行かないのだ。

 ある男はビジネスで失敗して、まだ30歳の若さで自殺してしまった。自分は一番年配であったため、すべてを手配しなければならなかった。両親はショックでそれどころではなかったのだ。6ヶ月ほどして、夢の中にあらわれた。夢の中で、彼女は、自殺した弟と顔をつき合わせる形で話し合った。弟は自分の自殺が家族のものに、ものすごい悲しみを産んでしまったことにおどろき悲しんだようすであった。彼は自分がしてしまったことを後悔し、とんでもないことをしてしまったと自分で信じられないような様子であった。目が覚めてから、自分は一層の悲しみを弟に対して感じた。これは弟が期待していたこととは違った結果だと私は感じた。

 自殺をしてしまった人間が、自殺した人間を悲しんでいる人間に、I am sorry といってあやまってすませるものではない、もっと深刻な悲しみをみんなにばら撒いたのだということである。

 この、“残されたものの痛み”、については、私はわたしの大学時代の苦い体験を私の本のなかの、「自殺論―残されたものの痛み」で展開した。したがって、この家族たちのこころの痛みは私にはよくわかる。 Why?

 一方、自殺とはいえ、もう死はせまっており、痛みから解放されるため、実行される自殺がある。若かったとはいえ、画家ゴッホの自殺もこういう場合に該当すると思う。ゴッホは狂気がそこまで来ているのを感じ、それにはいってしまって、自分を失う前に自分でけりをつけたのであった。すでに紹介したArthur Koestlerの場合も、そういった、死期が迫っており、ぼけて何もできなくなる前に77歳で処理したもので、納得できる自殺であった。

 ある男は、自分はTerminal Cancerで、Painが我慢できないからと家族たちに告白して、翌日自殺した。4-5日経って、私の夢に現れた。彼は健康そうで、病気の後などみえなかった。彼はまったく正常にみえた。そして、幸せそうであった。自分はもう死が迫っていた。そして痛みが耐えがたかった。だから、自殺を実行した。あなたたちはみな大丈夫だよ。この人生をつづけなさい。I love you. ということで夢は終わり、私は目覚めた。

 死ぬと決まった人間が痛みから解放されるために実施する自殺と、まだ若いはずの人間が一時の悩みで逃避的に自殺する場合とは明らかに、あの世に移動してからの状態が異なるようである。自殺は解決にならないということを語っているといえる。

 ひとつすばらしい話をこの本の中から紹介しよう。

 Kathrynは60歳で、夫の父親は12年前に癌で亡くなった。この話は自分の娘が癌の手術を受けた1ヶ月あとに起きた。娘は大学を出て、2ヵ月後に子宮癌であることがわかり、しかもほかにも転移していた。4月にそのことがわかり、5月には娘は結婚式を挙げる予定であったのに、結婚はCancelになった。同じ5月に甥の結婚式があり、それに参加して、家に向かう途中のドライブのあいだにこれが起きた。娘の結婚の喜びが一挙に癌で壊されただけでなく、もうこの若さで死にそうな状態である。こんな話はほかの人の身の上で起きることがあっても、自分たちには決して起きないと思っていた。そういう深い悲しみのただなかに居たとき、突然、12年前に亡くなったFather-in-Lawがそこに居るのを厳然と感じた。そして、非常な喜びに襲われた。かれのPresenceは愛に満ちていて、輝くようであった。かれはこのPresenceにすべての彼のベストをつぎ込んだような、そんな感じであった。言葉ではなく、魂で次のような会話がなされるのを感じた。「Kathy, Honey、心配することは無いよ。Krista(娘)は元気になるよ。実際、すでにおわって、無事だよ。 We’ve been able to do a great deal here.ここでは、大変なことをすることが可能だったんだよ。」声はなかったが、頭の中でそれを感じた。そして、娘はその予言どおり、おどろくほど早く回復し、ChemotherapyRadiationを受けても、ほかの人のような苦労はしないですみ、スムースに元気になった。娘はまるで人間が変わったように、再生したようになり、今までとは違った生き方をするようになり、別の男と結婚も実行した。10年目のCheck-upのとき、ドクターは完全に回復した娘を診て、これはMiracle奇跡的だと叫んだ。

 ここには、ADCAfter Death Communication)で、母親Kathrynが一番悲劇的な状態にいるときに、彼女が親しんだ、義理の父親の霊がでてきて、彼女を慰めたわけで、そのとき、おどろくべき事実、霊界で地上では不可能なような手術を実施し、娘はもう回復の途上にあると告げたのであった。この話はこのままでは、信じられないような話であるが、わたしがすでにこのブログで紹介したRalph HarlowMaurice Barbanellの霊界の医者の話を読んだ人には、そういうことも起こりうるのだという程度には信じてもらえるであろう。

 ともかく、この“Hello from Heaven”は、LOVEがこの世とあの世をつなぐもっとも大事な要素であり、Loveこそ、人間にとって、なによりも大切な感情であり、それは死んでも途絶えることなく続くことをさまざまな例を挙げて示しているといえる。

 そういうことで、たしかに、生きがいをあたえてくれるメッセージ集といえる。霊界からのメッセージとは、そういうもの、まだ生きている人に、精神的・心理的支えを与えてくれるような、愛に満ちたメッセージであった。これが特殊能力者の話ではなく、一般の人の体験談であるところが重要である。



村田茂太郎 2014年2月7日




「心霊現象の科学」をめぐってーその78“Reincarnation-Missing Link in Christianityby Elizabeth Clare Prophetを読む

 私は宗教というものに疎く、宗教的なものはできるだけ避けるようにして生きてきた。もちろん基本的な書物は読んできて、自分では“道元”が一番好きだが、私自身は宗教的な人間ではない。従って、キリスト教の歴史についても、詳しくは知らない。ただ、世界史で習った皮相な知識程度である。ただし、わたしは聖書に関しては、新旧の日本語訳はもっていて、大学時代にかじったことがある。アメリカにきてからも、日本語訳のほかに英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語の新約聖書を手に入れた。そして大学時代に古本屋で手に入れたギリシャ語新約聖書をもっているが、もっているというだけで、読みこなすほどの語学力には欠ける。新約聖書の原典はギリシャ語で書かれていることを知らない人が多い。イエス・キリストその他、当時の人たちはギリシャ語をしゃべっていた(ヘブライ語のほかに)わけで、それはマケドニアのアレキサンダー大王がインド付近まで征服して、エジプトにアレキサンドリアという街をひらいたことがおおいに影響していたわけで、ギリシャ語はギリシャ近辺だけでなく、エジプトを含む中近東の公用語になっていたわけであった。

 このブログでもすでに展開したが(「心霊現象の科学」その34 Arthur Guirdham 2012年12月)、中世におきた、いわゆる十字軍の動きの中で、ひとつだけ異例なCrusadeがあった。アルビジョワ十字軍というものである。

 これは、教会が“異端”とみなしたキリスト教の一派を、まったく残虐にも殲滅するためにイノケンチウス3世(このとき法王権力は世界史上最大であった)がおこしたもので、何万人という敬虔なキリスト教徒全員を焼き殺した(戦死者以外の無実な住民全部を殺戮)悲惨な事実であった。これは私見では、規模こそ違え、多くのユダヤ人を虐殺したナチスの暴虐、スターリンの粛清とならぶものである。これは人間という奇妙な生物は自己の権力を維持拡大するためには、いろいろな名目を設けて残虐な行為をなんでもするという、権力におぼれた人間のもつ恐ろしさを実証した事件であった。そして、同時に、自分たちだけが正しいとする宗教の持つおそるべき残忍さが明白に露呈された事件であった。しかも、それが同じキリスト教内部で起きたところに、宗教が持つパワーの恐ろしさがあらわれている。

 本来、敬虔で、人類を浄化し、苦悩から救うために生まれたはずの宗教が、より敬虔で、おだやかで、模範的な、同じキリスト教の一派(Catharsカタリ派)を抹殺しようとし、ほとんど成功した事件であった。それは12世紀末から13世紀終わりに至る100年間に起きたキリスト教史上の最悪、最大の事件のといえる。1209年から1229年と年表ではでているが、その前後もカターリ派一掃の動きがあったことは、すでに私のブログで紹介したとおりである。イギリス精神分析医Arthur Guirdhamは、Brian Weiss M.D.同様、自分のところにおくられてきた女性のNightmareを精神療法、Hypnosisで解明しようとして、彼女がアルビジョワ十字軍の犠牲となって焼き殺された人間のReincarnationであるとわかり、同時に、自分もその主要なメンバーであったことを発見したのであった。“Cathars and Reincarnation”. Arthur Guirdham.

 Reincarnationの問題を扱おうとすると、どうしてもこのアルビジョワ十字軍の問題が浮かび上がってくる。基本的にはキリストをどうとらえるか、はじめから完成した神の子であったのか、訓練・修養で神に匹敵する地位にあがったのか、転生があるのかがこのキリスト教内部でのわかれ目であった。結果的には教会は自分の存立のためには、キリストを神として扱い、したがって、普通の人間はキリストのようにはなれず、教会の助けを得なければ救われない、そして転生はないという線で教会を確立していった。そのために、より寛大で敬虔で熱心なキリスト教徒であったCathars派の人々を全滅させたのであった。

 では、その彼らが異端征伐にむかった根拠はどこからうまれたのか。それがこのElizabeth Clare Prophetの本が解明しようとしたことであり、この本はわかりやすく、みごとに整理して、歴史的にキリスト教と教会が成立していく動きを、イエス・キリスト生誕以前にさかのぼって展開したもので、名著といえるすばらしい本であった。

 現在、教会(オーソドックス)のクリスチャンは、転生Reincarnationはないと教えられて育ち、そのため、自分が転生らしき過去の記憶を思い出したりすると、教会で告白するわけにも行かず、自分は異常ではないかと一人苦しむことが多かった。

 なぜ、教会のキリスト教では転生Reincarnationが禁じられているのか。

 このElizabethの本によると、結論から言うと、イエス・キリストは転生Reincarnationがあると信じていた、そしてそれは新約聖書を読めば読み取れることである。ただ、この聖書成立過程でいろいろ原始キリスト教からの改ざんがおこなわれ、教会は自分の都合のよいように、かえていったということになる。Dead Sea Scrollが1945年に発見され話題を呼び(Nag Hammadi 1977年英訳完成)、聖書学に新しい展開を見たが、この死海文書は異端派とみなされるようになったOrigen, Arius派が自分たちの秘教を守るために隠したものが発見された、つまり、無事隠しおおせていたということであった。教会派はオリゲネスやアリウス派など教会にとって危険な宗派を全部抹殺しようとし、成功したわけであるが、丁度隠れキリシタン同様、地下にもぐったということでもあった。

 皇帝ユスチニアヌス(紀元483-565)によって、異端派討伐が宣言されてからでも、Origen, Arius派は、地方で健在であった。FranceLanguedoc Avignonet, Montsegur, Toulouse, Carcasonneなど)で勢力を持ったこのArius派=Cathars派が拡大していくのをおそれたイノケンチウス3世(紀元1160-1216)が、十字軍の一環として、異端討伐を宣言し、フランス王を誘って、実行した。

 キリスト教のパワーを利用して自分の支配権を確立・強化しようとしていたコンスタンチン大帝(紀元283ごろー337)は325年二ケア会議(Nikaia, Nicaea Creed)を開いて、自分も臨席し、出席した300人を超えるBishopが、キリスト教というよりも、教会の進路をきめる方向を指示した。それはイエス・キリストの発言に見られるReincarnation的なものを否定し、教会は転生を認めない、キリストは神であり、はじめから神の子として誕生したもので、処女懐胎伝説がそれを証明し、人間は神にはなれず、Baptismによって救われるだけであるという方向を決定したキリスト教会史上最大の事件であった。これによって、人間は教会で洗礼されないと死後、救われないという形式がかたまったわけであった。宗派的にはアリウス派を異端とし、アタナシウス派を正統としたわけで、ここから異端征伐の思想がうまれた。アリウス派はキリストを神と同一ではなく、神によって作られたものであると説くことによって三位一体説を否定し、転生を説いた。そして、普通の人間も修業を積めばキリストと同じようになれ、死後、神と一体になれると説いた。それは教会の必要を無視するもので、教会派は自己の存立の基盤がゆらぐのを覚えたはずである。

 この325年の二ケア会議でキリストそのものと転生に関して教会が決定的な、自分勝手な結論を生み出すに至ったもとにあたるのが、オリゲネス(Origen)(紀元185-254ごろ)派に対抗した教会であった。オリゲネスはイエス・キリストの秘教をうけつぎ、転生をくりかえすことによって、人間は浄化され、最後には神に至るという思想を展開して、聖書のなぞ(なぜ貧富貴賎、幸不幸、奇形の差があるのか、など)をそれなりに解明したのであるが、教会派は原罪(アダムがリンゴを食べて、すべての悪が始まった)があり、したがって、アダム以降に生まれた人間すべてが、生まれたときから(ベイビーを含めて)罪をもった哀れな存在で、教会で洗礼を受けてはじめて救われるとした。

 この転生をめぐっては熾烈な闘争がおこなわれた。プラトン以来、転生のアイデアはめずらしいことではなく、一方、ユダヤ教もカバラなど秘教の中で転生をといていた。新約聖書福音書でもイエス・キリストは転生らしきことをしゃべっていた。キリスト自身ユダヤ人でユダヤ教は身についていたわけで、そのほかにギリシャ哲学(わたしが聖書を読んでいて感じたことは聖書へのギリシャ哲学の影響ということであった)の影響を受け、このElizabethの話では、イエス・キリストの個人史で不明の年(キリストの教祖としての活躍は30歳近くになって突如あらわれて、34歳くらいで死刑になるまでの、わずか数年である)は、どうやらインドまで宗教的探求の旅、巡礼をおこない、Buddha仏教の影響、TibetHinduなどの影響を受け。どうみてもReincarnationの考えにはなじんでいたということになるらしい。いわば、パレスチナ、イスラエルにもどったのは、魂の遍歴を経て、悟りの境地に達してからであったに違いない。

 この教会派が力を持つのに最大の影響力を発揮したのが、Saint Augustineといわれているアウグスチヌスの発言であった。彼はギリシャ語を読まず、ラテン語訳の聖書をもとに、自分の考えを展開したわけで、そのなかでReincarnationを否定し、キリストを神の子としてまつりあげ、人間はキリストのようにはなれない、転生も無い、したがって教会で洗礼をうけるのが唯一救われる道であると説いたわけである。ここで、教会が絶対権力を持つに至る道が開かれ、初期、原始キリスト教の持つ純粋な宗教心はなくなっていく堕落の道が開かれたのであった。聖アウグスチヌスなどといわれているが、彼の言動から生まれた結果から判断すると、アルビジョワ十字軍などは明らかにアウグスチヌスの言動の結果であるとみなせるようである。

 ともかく、この本は、イエス・キリストの本来のすがたを再現したものであるといえる。興味のある人は、詳しくは、この本を読まれるように。まじめな、すばらしい本であった。不思議なLast Nameをもつ著者は1939-2009ということで、70歳で亡くなったようである。たくさんの本は30ヶ国語に訳されているとのことであるから、その筋では有名なひとなのであろう。私はたまたまReincarnation問題で彼女の本を読む気になっただけであったが、彼女の本は読むに値すると判断し、最近、また数冊オーダーをした。宗教(キリスト教史)やサイキック、そしてHealingなどにくわしい人のようである。ともかく、この本「Reincarnation-Missing Link in Christianity」は本当にVery goodであった。目が覚めるような、鮮やかな展開で、Reincarnationとキリスト教の関係を知りたい人には必読書といえる。

 今のオーソドックスの教会は本来のキリストが志向した宗教ではないということになる。日本では内村鑑三が教会の堕落を目撃して、教会宗教を否定して、「無教会の教会」というキリスト教派をつくったが、まあ、日本キリスト教の方向としては正しかったといえるであろう。聖書を熟読すればよいというあり方である。



Reincarnation-Missing Link in ChristianityElizabeth Clare Prophet 約400ページ

ISBN: 978-0-922729-27-2          1997



村田茂太郎 2014年2月12日




「心霊現象の科学」をめぐってーその79“After the Light” Kimberly Clark Sharpを読む

 Kindle版のBookは比較的割安で手に入り、オーダーをすればすぐにDownloadされ、ただちに読み始めることが可能というメリットはあるが、今のところ、線を引いたり、あちこち重要な箇所を見比べながら引用するというようなことができないという欠点がある。そして、読んでよかったから、知人に貸してあげようというわけにゆかない。良し悪しということになる。したがって、最近、私はアマゾンでオーダーする場合も、読み捨て的なものか、Priceが格段に安いとき以外はPaperbackのほうを購入するようにしている。3ドルほど安い程度なら、Taxを入れると4ドルちがいになるが、Paperbackで買うというのが最近の私のやり方である。

 この“After the Light”Paperbackに比較して、格段に安かったから、Kindle版で購入したのだと思う。4日ほど前によみはじめて、今日読み終わった。ほかに読み終わったものもあり、毎日、300ページ近くは読んでいると思う。今日、最初に読み終わったのはRoger J. Woolger Ph.D.の本で、著者はユング派精神分析医で、本当に立派なユング派学者であった。これについては、また別に紹介しなければならない。彼は、すでに述べたCarol Bowmanの本に紹介されていて、私もアマゾン・コムにオーダーしたわけである。まともな、立派な、重い内容を持った本であった。

 さて、このKimberly Clark Sharpの本は、Near Death Experience(臨死体験)を書いたものであるが、それだけにとどまらず、Breast Cancerが発見されたあとの、彼女がとった経過が具体的に紹介されたりして、なかなか情報にとんだ本である。非常な達筆で、ジャーナリストの才能があるようであるが、彼女は自分の臨死体験で学んだことをいかして、介護のほうにはいってゆき、死に瀕した患者と接する中で、NDEがあちこちで見られるのを発見し、NDESeattleでの探究センターをつくったりして、アメリカ中にその存在をしられるようになった女性である。

 彼女自身は自分のNEDを公開すると、彼女自身の仕事が客観的でないと判断されることをおそれて、自分の体験は公開してなかったが、必要に迫られて告白すると、聴衆はPositiveにとらえ、話題が話題だけに質問も殺到したそうである。

 日本の臨死体験の書物―立花隆 にも紹介されている、Out-of-Body Experienceのひとつの有力な証拠として世界的に有名になった、シアトルの病院での入院女性Mariaが体験したOut-of-Body Experience (浮遊していて靴をみつけたという)の靴を探し出した女性看護婦がこのKimberlyであった。

 彼女はシアトルを訪れた、臨死体験で世界的に有名になったDr. Elizabeth Kubla-Rossとも会い、Kimberlyも、この臨死体験の領域で、この体験を世に知らしめるのに大いに貢献することになった。

 ワシントン大学の医学部で看護に関する講義をもつほどで、同時に臨死体験をめぐるさまざまな情報活動に積極的に活躍した。TV, 講演、Meeting

 彼女は臨死体験以降、しばらくは、その体験内容が記憶から忘却していたようであるが、徐々に、すばらしい体験をしたことを思い出し、死ぬことは恐いことではなくなった。この体験のせいか、異常な体験を持つようになった様子で、Demonとみえる不気味な存在に何度かおそわれそうになり、神に祈りをささげて、ヘルプを呼んで、やっと危機一髪で救われたというような話が何度かでてくる。Negativeなエネルギーが存在するらしいのは事実で、それに対しては、Godのヘルプをえることが、彼女には効いたようである。

 この臨死体験のせいか、第六感も発達し、恋人の事故死を予兆したこともある。その後、その恋人の男性の霊がしばらく彼女に取り付いて、彼女の様子を見守っていたらしいが、すべてがうまくいったのを見届けて、霊界からさらに光を求めて昇天していったようである。いろいろあったらしい。

 39歳で娘がうまれるのだが、その産む苦労も詳しく語られている。2,3年後に、もう一度妊娠したことがわかったが、そのときは、彼女はBreast Cancerで手術の方向にすすんでいたというか、手術寸前になって、妊娠が判明した。悪性ということで、手術、そしてChemotherapyRadiationHeavyな治療が待っていて、子供は産めないとわかった。彼女自身は子供を産めば、あと数ヶ月で死ぬといわれても、産む気で居たが、Husbandが、彼女が死んでしまえば、自分が一人で4人の子供(2人は夫の連れ子)を支えてゆかねばならない、それはとてもできないから、子供をあきらめてくれといわれて、泣く泣く堕胎の決意をし、実行するわけであるが、そうした、悩みの詳細が語られていて、単なる臨死体験だけの話ではなく、半生の記録となっている。小説を読んでいるような展開振りである。

 彼女は非常にタフでユーモアに富み、悲劇的な状況の中に居ても、まわりの人たちまで笑いにひきずりこむような、Comedianでもあった。

 彼女自身の体験のほかに、職業柄、介護の過程で、臨死体験をした人からいろいろな話を聞く機会も多く、そうしたほかの人の臨死体験談も紹介されている。

 ともかく、Cancer手術は成功し、事後のHeavyな療法も苦労しながら乗り越えて、癌を克服したようである。

 この本は22歳で臨死体験をした女性が、そのあと、どのように生きたかを自ら語って、興味深い物語となっている。

村田茂太郎 2014年2月12日




「心霊現象の科学」をめぐってーその80「Visits from Heaven」(天界からの訪問)Josie Vargaを読む

 この本はアンソロジー、コレクションで出来上がった本である。自分の体験談も入っているが、主に、Mediumをはじめとして、ドクターその他の個人の体験を、それぞれのひとが本に書いたり、自分のWeb サイトやブログに発表したりしているのを、許可をとったうえで、この本に発表したものである。ある意味では、この本を読んだ人が興味を持って、そのブログや本を覗いてみようとか買ってみようということになるので、いい宣伝になり、相互扶助といえる関係かもしれない。わたしも、ここにあげられたサイキックの話に興味を持って、Amazon.comをのぞき、何人かのサイキックの本何冊かを購入したほどだから。なるほど、こういうやり方もあるのかと感心したほどである。たいていは、その逸話、体験談を記した本人のE-mailアドレスまで記されているから、読後感を直接個人宛に送ることも可能なのかもしれない。

 わたしは、英文の紹介に関しては、無断に英文を引用し、拙訳をつけていたのでは、しかられる(スーされる)かもしれないと気がつき、最近はおおざっぱに概説するだけにとどめているが、 Julia Assante Ph.D.の「Last FrontierExploring Afterlife and Transforming Our Fear of Death」という本を読んでいて(この本については、いずれ紹介予定)、ドクターが別に特に緒言で断りもしないで、あちこちで短い英文を引用し、巻末の引用文献で名前を表示しているだけなのをみて、わたしも少しなら大丈夫なのかもしれないと気がついたわけで、これは今後の私の「心霊現象の科学」に関する本の紹介で大いに役立つだろうと気をよくした次第である。

 White Crow Formulaといわれる意味深長な名言がある。アメリカの偉大な心理学者・哲学者・心霊現象の科学の探求者William Jamesが発した有名なことばで、彼は、インチキが多い中で、一人でも本物がみつかれば、それで充分だ、白いカラスが居るということを証明するのに、一羽白いカラスがみつかれば、それで充分であるというようなことを言って、本物のMedium Mrs. Lenora Piperを真剣に研究したことで有名である。

 このJosie Vargaの本「Visits from Heaven」の最後のほうで、William JamesWhite Crow Formulaをあげながら、彼女がこの本で提示したかずかずの天界からの訪問の話の中から、ひとつでも読者がこれは本物だと信じられるものがあれば、それでLife after Deathは証明されたのと等しいと彼女は言う。そして、有名な事実を例示する。

 この話は私もどこかほかで読んだことがあるので、有名な事実なのであろう。1977年2月21日、シカゴのアパートメントで、病院勤務の女性が殺され焼かれた。警察には手がかりも目撃者もなくて、困っていた。ある晩、同じ病院で働く女性が突然Trans催眠状態にはいって、自分は殺された女で、自分を殺したのはこの男だと名前を挙げ、彼は自分を殺し、宝石をとり、真珠のCocktail Ringを彼のワイフに与えたと告げた。警察にこの話が届き、不審に思いながらも、特に犯罪解明のてがかりもなかったため、刑事たちは(多分、捜査令状をとったうえで)男のアパートを調べたところ、宝石がみつかっただけでなく、ワイフは真珠のCocktail Ringをもっていた。男は殺人を告白したが、弁護士が証拠はGhostによって提示されたから無効だと言ったとか、幸い判事はそれを無視して、有罪宣言を下したという。

 この本の著者は、この例をあげながら、自分の主観的な意見では、これだけでも死後の世界があることを証明するのに充分であり、しかも霊界にいるものは、この地上の人間と交信することが可能なのだということを証明しているという。

 ということで、この本の中には100件前後の霊界・天界から家族、親戚、友人、犬猫などの交信例があつめられている。

 Nancy Clarkというひとの本の中から次のような話が紹介されている。―夢を見た。自分はドイツの捕虜収容所の中で、ある女性とならんで歩いていた。私たちはある ビルの中に追い込まれるところであった。その女性は「ジェイクに、私は幸せだと告げて!特に、彼がもう一度幸せをみつけるのはいいことよ。必ず彼に告げると約束して!」「約束は守るわ!」、そして誰かがドアーをしめ、わたしは ビルの外にいた。そこで夢は終わった。二日後、夫がかえってきて、友人Jakeのワイフが死んだと告げた。わたしは夫の同僚としてのJakeをすこし知っているだけで、彼のワイフにあったこともなかった。葬儀に参加し、Ministerが告別の辞をのべるのをきいていると、その女性がドイツの捕虜収容所にいたことがあるというのをきいて、わたしはショックを受け、同時に夢の中の彼女の頼みと私の誓いを思い出した。しかし、亡くなった彼女と一度もあったことがない自分がいきなり変な話をしても、あたまがおかしいと思われるだけだろう。思い切って告げることもできず、その場はそれで終わった。数ヵ月後、夫の会社のクリスマス・パーティで、たまたま同じテーブルに向かい合わせにすわることになった。自分はこれが最後のチャンスだとJakeにちかづき、その手をとって、わたしはあなたに話さねばならないことがある、あなたはキチガイだと思うかもしれないけれど、わたしは一応話さねばならないといって、彼のワイフが夢の中に現れて、自分は今Happyだと告げたこと、彼がもう一度しあわせをみつけることを願っているといったことを告げたところ、Jakeはたちまち泣き出してしまった。テーブルの向かいからは夫がお前は何を言ったのかといった表情で、はやく席に戻れといわんばかりであった。しかし、自分はそのままJakeの傍らに居た。Oh, God, this is a miracle happening! You did the right thing by telling me. I can’t thank you enough. オー、これはまさにミラクル奇跡だ!あなたはその話を私に告げてくれてよかったのだ。わたしは感謝しきれないほどだ。そしてJakeはあの葬式の後の展開を説明した。葬式の後、高校同窓会に参加して、昔の恋人に出会い、彼女のほうは彼と結婚できなくて、一度も結婚しないですごしてきたということで、二人はすぐに相愛の中になり、結婚した。しかし、女房をなくしたばかりの、まだ間もないころにすぐに結婚してしまったため、自分は罪の意識におそわれて、内心、はらわたが引き裂かれる思いで居た。亡くなった妻が、彼が幸せになるのに反対していないということを知らせてくれたのだ、これで本当に安心して、あたらしい伴侶と楽しく過ごすことができる。ということで、彼女は夢の話を告げることによって、夫の友人に幸せをもたらすことができた。

 夢が天界との交信に使われるという話はたくさんある。睡眠中は日常意識の世界から解放され、脳波がアルファまたはテーターの状態にあるとき、脳はReceptiveになって、天界からのメッセージが受容しやすい状態になるからであろう。この本の中にもいっぱい、夢でメッセージを受け取ったという話が語られている。

 次に、Anna-Maria Hemingwayというひとの本の中からの紹介。自動車事故を起こして、瀕死の重態になり、Out-of-Bodyの体験をした女性の話で、彼女の事故のためにクルマが渋滞になっていたが、どうしたことか、彼女にはそのそれぞれ渋滞している車にいるひとの考えていることがすべてわかった。ある時点で、きらきら光るあかりが彼女のほうに向かってやってきて、彼女の体の中にはいった、そうすると、まるで保護されたようで、愛に満たされた感じを覚えた。そこで、どこからその光がやってきたのかしらと思ったら、ただちに5台目の車にひきつけられ、その車の中をのぞくと、ドライバーが事故にあった人のためにお祈りをささげているのであった。Out-of-Bodyから事故のクルマの自分に戻る前に、そのクルマのLicense Plateを確認した。健康が回復してから、彼女はそのクルマの主を探し出し、1ダースの赤いバラを買って、自らその主にとどけ、自分があのときにあなたが祈ってくれたものだと告げた。

 学生のころの私なら祈りの効果など信じなかったであろう。今では、科学的にもお祈りがMind over Matterで、肉体(動物植物その他)に物理的化学的生理的影響をあたえることは証明されている。古典を読むと、特に平安朝では密教のお祈りが盛んで、有名な紫式部日記の冒頭も中宮彰子の安産を願う祈祷の場面の叙述があり、私は内心、馬鹿にしがちであったが、当時としては、やはりそれ相応の効果があったに違いないと今思う。祈りは遠くからでも効果があり、信じない人にでも効くそうであるから、みな仏教を信じていた時代であれば、なおさら積極的効果はあったであろう。外科的手術が必要な場合はともかく、たいがいは心理的な要素が影響するので、その効果も馬鹿にしたものではなかったにちがいない。馬鹿なのは私であった。科学万能の時代に育った人間の典型であったと思う。

 この本の中にはいっぱい興味深い話が紹介されている。もうひとつだけ紹介しよう。Maria Campanellaというひとの“Flick the Lights” (灯りを点滅させて) というものである。父がBrain Cancerで亡くなった。3週間後、自分はColonoscopyを受け、麻酔をかけられた。そのとき、”Visit from Heaven“ 天界からの訪問 といえる夢を見た。父はどうしてお前はそんなに悲しそうなのだ、ごらん、自分はどれだけHappyか。みんなと一緒に居て、みんなHappyだ、私の事を思って悲しがらないでくれと言った。父はテーブルを見せて、みんな席についているところを示した。わたしが知っている故人も何人かいた。テーブルに座って食べて話し、楽しそうにしていた。そのときひとつだけ空いている席があった。父はそれを意識しているようであった。そのとき、看護婦の声が聞こえて、目が覚めた。わたしはその状態で非常に満足していた。そこでは愛とあたたかみで満ちていた。しかたなく目を覚まし、夫に連れられて家に帰った。そして、その日、お向かいの人が亡くなったということを知らされた。その2週間前、彼は私をおとずれて、これが最後だろうといったので、冗談じゃないわ、大丈夫よとわたしは応えた。彼もCancerMelanoma)だった。そして、彼は子供たちをつれて旅に出かけたが、Ambulanceで病院にかえってきた。駆けつけたときは、もう会話はできない状態であったが、自分はテレパシーのようなもので、こう伝えた、天界にいったら、私の父とあなたが元気にやっていることを何かのサインで知らせて頂戴、そうだ、門灯を点滅させて頂戴!自分のColonoscopyの日の夜、それはとなりの彼Barryがなくなった日でもあるのだが、なかなか寝付かれず、とうとう起き出して階下に降りた。丁度夜中の3時であった。自分は父と向かいのBarryのことを考えていた。すると、向かいの門灯が何度か点滅するのが見えた。信じられない気持ちで、そして偶然の一致だといいきかせてみたが、自分は彼に”門灯を点滅させて“といったのを思い出していた。次の日の夜も、3時に同じことが起きた。3日目にも3時に目が開き、窓ぎわによると、向かいの門灯が点滅していた。もう、まちがいない、Barryは約束の合図を送ったのだ。4日目には何も起きず、自分は朝までぐっすり眠れた。I was now a believer.いまや私は信じる。(Afterlifeそして、交信を。)何ヶ月か経って、Barryのミセスと話す機会があった。ポーチの門灯はMotion Sensorがついているのかと訊ねたところ、NO,それどころか、門灯にはLight bulbが、もう何年も入っていないのよという答えがかえってきた。This was yet another validation that those in heaven work in mysterious ways. これもまた、天界では不思議な方法で機能しているのだという証明であった。

 そのほか、この本には興味深い話がいっぱいあつめられている。また、それだけでなく、有名なMedium George Andersonの“Life in the Garden of Souls”という、いわば極楽浄土の叙述まで載せられており、Marie D. Jonesというその道では有名らしい探求者との会話もあり、とても興味深い。

 ということで、この本の紹介は終わる。White Crow. そう、この本を読めば、なるほど、死んだら無になるのではないということを納得するにちがいない。



村田茂太郎 2014年3月1日






「心霊現象の科学」をめぐってーその81 Suzane Northrop “Everything happens for a reason”を読む



 すべて、物事が起こるには理由がある、世の中に偶然などというものはない、物事は起こるべくして起こる ―――Medium(霊の媒介者―霊媒)としての体験からそのことを感じ、それについてMediumとしての体験をテーマ別にまとめあげたものが、スーザン・ノースロップの「Everything happens for a reason」という本である。本が手に入ってすぐに読了した。

 Suzane NorthropTranceMedium としてアメリカで有名なサイキックで、2000年ごろアリゾナ大学TucsonDr. Gary Schwartz指導の下に世界で初めてといわれる“The Afterlife Experiments”(死後の世界に関する実験)に参加した5人のMediumの一人として知られている。その研究結果はDr. Gary Schwartzの「The Afterlife Experiments」として発表され、それに参加したMediumのひとりJohn Edwardが「Crossing Over」という本の中で、どういう具合に行われたのか記述している。この本で、はじめて私はSuzane Northropの名前を知ったが、すでに紹介したJosie Vargaの「Visits from Heaven」でも紹介されており、それを手がかりに、私はAmazon.comで彼女の本を調べ、2冊手に入れて、すぐに読了した。この表題の本と「Séance」(Healing messages from beyond)という本である。

 この本「Everything・・・」はとてもすばらしい本であった。2004年刊行であるが、これはあまり売れなかったのか、Amazonで新刊はなくて、Used bookのセクションで見つけ、オーダーしてすぐに受け取った。なんと、Hardcoverの新刊であり、送料込みで、7ドルほどで受け取ったので、私はうれしくなってきた。Priceは$24となっていた。

 私は最近、いっぱいMediumの本を読んでいるが、これは立派な内容に富んだ、すばらしい本であった。Mass Paperbackで誰でも手に入れられるようになるのが望ましいが、Hardで売れなかったくらいだから、むつかしいかもしれない。これ一冊でMediumship, Afterlife, SoulPlanDPDead People)のあり方、その他、サイキック現象の大事なことが、ほとんどわかるほどなので、みなに読んでもらいたいと思うほどである。

 Everything happen for a reason となるとすべてが決められていて、人間に自由意志のチャンスはないのかと思われる危険があるため、この本ではFree willに関して多くの例を挙げてFree will“自由意志”の必要も具体的に示されている。つまりDPはいろいろGood Adviceを提示するが、実行するかしないかは本人次第で、DPのいうことに耳を貸さないケースもたくさんあり、それはそれで別な結果を生むわけである。Living soulにアドバイスはするが、意思決定に干渉はしないというのがひとつの基本原理であるらしい。

 これに似た言葉で、“人生に無駄はない”という名言があり、私は自分の体験からそのとおりだと思い、ひとにもそう説いている。“すべて物事が起きるのには理由がある”というのも、“人生に無駄はない”を言い換えた表現であるといえる。

 したがって、このSuzane Northropの本を読んでも、なるほどと納得がいくのである。

 わたしはサイキック・サイエンス 心霊現象の科学にかんするこれまでの勉強のおかげで、人間を見る目が深まり、別な視覚から人間を眺められるようになったと思う。

 自分の人生をふりかえって見ることになっただけでなく、これまで勉強した哲学に関しても、独自な視野が開けたように思う。昔、ベルグソンの哲学を読んでいて、ヘーゲル哲学とはあまりにも違った展開で、これは文学だと思っていたが、最近、ベルグソンに接する道がひらけたように思うほどである。

 ベルグソンに関しては、日本では小林秀雄が心酔し、「感想」という完成しなかったベルグソン論を展開したが、そして私はこのブログの 「心霊現象の科学をめぐって」その1、その2 で小林秀雄とベルグソンの話をすこし紹介したが、今、ベルグソン紹介の本を読んでいて、ベルグソンが問題にしたというゴーギャンの名画のタイトル「われわれはどこから来たのか、われわれは何であるのか、われわれはどこへ行くのか」というのが人間にとって最大の問題であるにもかかわらず、まじめにそれに取り組んだ哲学者はベルグソンとホワイトヘッドをのぞいては、ほかにあまり居ないと書かれているのを読んで(岩波新書「ベルグソン」)、では私もこの心霊現象に関する知識をふまえて、人間存在について考え直し、まとめて見なければなるまいと思い始めたほどである。

 Suzane Northropのこの本を読むと、人間のありかたがよくわかるようになる。ほかの人の本でも書かれているが、生まれる前、生まれてから、そして死んだ後にわたって意識が存在しつづけ、すべて自分でえらんだ人生を生きているといわれると、まさに自分の人生をふりかえってそのとおりだと思わざるを得ない。

 この本はいわば、DP (Dead People 死者)に接するマニュアルのようなもので、Mediumをとおして、どういうことがわかるか、DPたちがどのような存在で、われわれ地上の生命体に対して何を望んでいるのか、彼らには限界があるのか、なにが人間にとってもっとも大切か、どうすればMediumに頼らないでDPに接することが可能か、といった内容が、具体的な例を挙げて説明されている。

この本は、物事が起こるのには理由があり、それを理解すればそれぞれの人生がより内容豊かに展開されるであろうということを、例を挙げて説明した、なかなか教育的な(Spiritual)いい本であった。

村田茂太郎 2014年3月28日








「心霊現象の科学」をめぐってーその82 Suzane NorthropThe Séance”(1994)を読む

 副題“Healing Messages From Beyond”となっている。Written with Kate McLoughlin.

 人はどのような理由で死別することになるかわからない。事故、病死、自殺、戦争、寿命・・・しかし、誰もいずれは死ぬことは確かである。そのとき、死者と生者とのあいだに軋轢がなければ、Transition(死後の世界への移行)も容易であろう。突然に訪れた死は、もし準備や予想がなければ、あとに残されたものにとって耐え難い苦悩を生む。これは確かである。

 この本のなかに18歳で自殺した女性がSéanceにあらわれて、Medium経由母親に状況を報告する話が載っている。

 私にとって自殺は他人事ではなかった。自分が試みたわけではないが、クラス・メートが簡単に実行し、私は一挙に虚無の深遠に投げ込まれた。その苦悩から立ち上がるまでには半年以上の時間がかかり、いまだに克服できていない。したがって、サイキック・サイエンスの領域で、死後の世界、あの世のありかたに私が関心を持つ最大の理由のひとつは、自殺者はどうなるのかという疑問である。

 先日、わたしはValleyにあるPsychicStoreMediumというひとと会う機会があった。昔々、自殺した人が居るのだが、今どうなっているのだろうかと訊いたら、本当だかどうかわからないが、Mediumはそのひとは別に困っていない、うまくいっているとかという話で、すべてがどうでもいいような、頼りない反応であったので、わたしは何も信じていないのだが、もしかして、あれから母親も亡くなり、今は、二人は合流して本当にうまくいっているのかもしれないとも思う。わたしは、そのクラス・メートの自殺の話を私の本の中で「自殺論―残されたものの痛み」という形で表現した。今、この18歳の自殺者が、自殺によって自分を罰し、さらに家族や友人を苦悩に巻き込んでしまったことを嘆いているのを知って、まさに、そのとおりと思う。

 ダンテは有名な“神曲”で自殺者を地獄にいれて苦しめたが、これはトマス・アクィナスの神学の影響でそうしたのであろう。今も教会は自殺者を歓迎しないようである。

 この本に書かれた18歳の自殺者が、Séanceで母親とどう会話をしたか、意訳しながら、内容を紹介したい。(P.92-98.

 この女性は活発な外向派で、人生と生活をエンジョイして、エネルギーで満ち溢れているような生き方をしていた。そこへ男性があらわれ、彼女はそれにとらわれてしまった。自分を失い、今までの自信に満ちた生活ぶりを喪失してしまった。この男はDrugをやり、彼女を破壊していくようであった。家族は反対であったが、彼女は彼と一緒になり、ますます転落していった。家族は助けようとしたが、彼女は男を弁護して、援助を受け付けなかった。そして、ある日、ガレージで、クルマの排気ガスで自殺した。

 両親はカトリックであったので、自殺は厳禁、自殺者は地獄で罰せられるということを信じていた。したがって、娘が死んで地獄にいったのか天国にいったのか、どうなったのか気になるところであった。

 Séanceで、昔の活発であったころの娘があらわれて話し出した。“火も硫黄もなにもない、Godはわたしを罰しなかった、わたしは自分を罰し、もっと悪いことに、自分の愛する家族を罰してしまった。”

 彼女は自分が苦痛と恥辱にたえることができなかったために、家族にとんでもない苦痛を背負わせることになったことを最大に苦しんでいた。彼女は死んですべてが楽になると思っていたが、記憶も意識も存在し、家族に苦悩を与えたことを知っても、今では何もできないという、生きていたとき以上の苦悩の中に居る自分を見出したわけであった。

 母親は、これがあなたの運命だったのか、自分で命をまだ若い時点で断ち切るということが、と訊ねた。

 NO, わたし達は自分の命を断つ権利も人の命を断つ権利ももたない。わたしは自分の寿命が来るまえに死んでしまった。だから、今、学んでいるところで、それはこのSpiritualSchoolで学び、また別の人生(Reincarnation)でも学ぶことになる。お母さんが転生を信じなくてもOKよ。

 生前、彼女はとても強い性格の女性であった。ところが、彼女には弱点があった・・・他人が彼女のことをどう思うかということが気になる女性であった。それが彼女を死に追い込んだ。

 Richard Feynman, Ph.D.の最初の妻であった女性Arlene(病死)は“What do you care what other people think?”とFeynmanに口癖のように言っていた。人のことなど気にするな、とは非常に重要な忠告である。

 わたしは、一度“いじめと自殺”という文章を書いて、生徒たちに配ったことがある。このブログにも収録した。“あさひ学園”の生徒は週一回で、特にいじめにあう心配もなかったが、帰国子女で、ほとんどは日本に帰ることがわかっていて、日本の子供の陰湿ないやがらせ、いじめにあう可能性もあったわけで、わたしなりに考えてみたわけであった。そして、家庭の愛情の重要性を説くとともに、自殺は論理的に否定してもはじまらないので、自殺否定の論理として、わたしは心霊学的自殺拒否の理論ということを提唱した。今、あのころよりも、さらに私の、Afterlifeへの理解が深まり、あの心霊学的自殺拒否の理論は正しかったのかもしれないと思っている次第である。

 つまり、自殺は現状の苦難にたえきれずに実行するわけであるが、自殺者は死んでも、同じ苦悩をもった意識として存在するだけでなく、肉体を喪失してしまったため、何もすることができず、あるときは自分が死んでいることにも気がつかず、親・家族の注意を喚起することもできない、むなしい状況に居る自分をみつけるだけなのである。苦悩は現世で解決しなければならず、苦悩を逃れるための道などどこにもないわけである。

 この娘が自殺したとき、母親が9歳のときになくなった自分の母、娘にとってはGrandmotherおばあさん にあたるひとがお迎えとしてやってきて、自殺した娘を引き受けたので、Transition-生者から死者への移行は、わりと簡単に、苦労なくはたされたようであった。この移行が場合によっては、何時間も、何日も、何ヶ月も、何年もかかることがあり、人によってさまざまであるようだが、これは信仰次第で、God, Buddhaなどへの信仰の強い人は比較的たやすくなされるようだ。

 彼女の家族は、彼女が地獄で罰せられているわけではないと知って安堵したが、自殺者は自分を罰しているわけで、自分が自殺したために家族が、友人が、苦しむのをただ無力に眺めるだけという苦痛を味わい続けるのである。

 Soul魂の目的は絶えず学び続けることであった。この地上の肉体を持った状態でなければ学べないことがいっぱいある。Spiritの状態になれば肉体的苦痛も快楽もなにもないわけで、精神的なものを学ぶだけになる。この地上に生きている間に、苦労してあらゆることを学ぶということがこの現実を生きるということである。苦悩にたえきれず、寿命の死を待たないで自殺すると、また別の人生で同じような苦悩を体験することになり、それが克服されるまで繰り返される。

 しかし、もし、Soulがこの地上で体験しなければならないすべてを体験し、肉体はただ延命策によって魂を地上に引きずっているだけだとしたらどうなるのか。ここにEuthanasia安楽死の問題があらわれる。場合によっては、安楽死は自殺でもなければ殺人でもないというのが、DPの意見だそうである。Soulがこの地上で体験すべきことすべてをやりおわって、ただ肉体的に生きながらえていれば、それは肉体がもう学ぶことができない状態にあるというわけで、Soulの地上での仕事はおわっているのである。しかし、Soulだけが自分の肉体の死を決定できるのであるともいう。

 ともかく、この本もまじめな、いい本である。普通、Séanceに参加する人というのは、親しい人がなくなってGriefの状態に居る場合が多く、その人が参加すると、その近親者の霊がMedium経由交信することによって、霊界の存在とその魂Spiritの健在を確認でき、無になって消え去ったわけではなく、違うエネルギー次元に移っただけだとわかって、安心できることになる。

 この自殺者との交信は、この本にあげられた話のひとつで、あとOuija Boardで遊んだために、Earthboundの霊に取り付かれて苦労している人の話など、いろいろな話が例示されていて、なかなか面白く、参考になる。夢で霊界と接することが可能だということも示されている。

 この本の内容紹介というよりも、そのなかの自殺者の話を中心に展開してしまった。

 今では、わたしはこのMedium関係の本をたくさん読んできたので、どれも似たようなことが書かれていて、真新しくもないが、この本はまじめにMediumがどのように機能しているか、Séanceに参加する人はどういう心構えが望ましいかなどが記されていて、ともかく参考になる。

 もっと、ほかの話も紹介できればよいのだが、著者の許可を得たわけではないので、これで終わることにする。



村田茂太郎 2014年3月28日




「心霊現象の科学」をめぐってーその83 “Afterlife Encounters” Dianne Arcangel を読む

 Dianne Arcangelの「Afterlife Encounters」は有名な本であるようだ。出版されたのは2005年だが、このなかに例示された逸話はほかの著者の本にも引用されたり、紹介されたりしている。わたしも、すでに紹介したJosie Vargaの“Visits from Heaven”(2009)で知ったわけであった。序文をAfterlife Experimentsで有名なアリゾナ大学のGary Schwartz, Ph.D.が書いているほどであり、Larry Dossey, M.D.の賞賛などが本の表紙と裏に載せられている。

 実はまだ全部読み終わっていない(三分の二 読了)のだが、とてもすばらしく、また興味深い話が乗せられているので、はやくも、わたしも紹介文を書き始めている始末である。無断の紹介になるので、直接の引用はしないで、部分的な内容紹介にとどめる。

 彼女はなかなか分析的、組織的な人らしく、肉体が死んでもSurviveするものがある(Soul、意識)ことが判明する証拠として、Apparition(人の形が現れるケース)に関する6つの状態という形で、Apparitionを分類したり、どういうタイプの人間がAfterlife Encountersを体験するかを統計的に調べたりという具合で、読んでいても、とてもわかりやすく、なによりも、そのサンプルとしてあげられている具体例が非常に印象的で面白い場合が多い。わたしがまだ全部読了しないうちに紹介したくなったわけである。

 死が迫った人間がAfterlife Encounters(死者との出会い)を体験するのはよく知られている。いわゆる、“お迎え”が来るというものであるが、何も病気で死にそうな人間だけが、それを経験するわけではなさそうだ。この著者が直接、そのことを学んだケースがこの中に語られている。

 当事者Garyは著者を訪問し、鮮やかな、その出会い(亡くなった妻がなんども現れた)を話し、なぜだろうといぶかった。Trade-inするためにクルマを洗っていると、亡くなった妻がそこに実物のように現れて、そんなことをしていないで、家族や友人と楽しみなさい、もうすぐ、あなたも自分と一緒になるのだから、と言ったというのである。彼には亡くなった妻が何を言っているのか理解できなかった、なぜなら、彼の健康状態も最高で、すべてがうまくいっていたのだから。著者を訪問したときは、彼はNew Carに乗ってきたのだった。午後も半ばになって、彼の雇用主が著者に電話をしてきた。この話をしたGaryFreak car crashわけのわからない車の衝突事故で亡くなったというのであった。Spiritには、死にそうな病状のときだけでなく、病気と関係がなくても死を予感できるのであろう。おそろしい話であり、予感、予想、警告があれば、万一の死の準備をするべきだという教訓ともなる。

 著者はHospice Chaperonであり、臨死体験で有名なElizabeth Kubla-Ross CenterDirectorその他、いろいろ臨死関係の作業・研究に長年携わり、探究心旺盛で、科学的な客観的観察を実行できる平常心を持ったひとである。

 次の例はIndirect Afterlife Encounters直接ではないが、死者がコンタクトしたケース という項目に例示されている話で、これも多分、有名でわたしはどこかほかで読んだ記憶がある。

 Joeという夫が5月15日に心臓関係のドクター・アポをとっていた。5月1日、突然、彼の妻が亡くなった。5月10日、病院からアポの変更で、翌日に決まったとの連絡があった。Joeは自分のアポは15日で誰も変更はしていない旨伝えたら、昨日、彼のワイフがVoice messageを残し、夫が健康そうに見えないからスグにみてくれとということで、変更になったというわけであった。次の日のドクター・アポで致命的なほどの病状があらわれていることが判明した。亡き妻が彼を見守り、愛してくれているのを知って、心が慰められた。そのあと、娘たちは、その妻のメッセージというのを再生してもらおうとしたが、メッセージは消えていた。

 Great Death and Dying Lady Elizabeth Kubla-RossDeath & Dying という本の題名で世界的に有名になった臨死体験などの探求家でドクター、そのためにDeath & Dying Ladyと呼ばれたらしい)と直接Workshopで話した女性の話も大事である。ElizabethMother-in-law(夫の母親)を憎んでいるひとは、ここにどれほどいるの?とWorkshopの聴衆にたずねたので、Jo Annは真っ先に手をあげた。すると、Elizabethは、Jo Annに、家に帰ってMother-in-lawと仲直りしなさいといったので、それは不可能だ、彼女はもう死んでいる、そしてわたしは彼女が死んで嬉しい、彼女はいやらしい女だったのだからと応えた。Elizabethは、彼女がどんなに悪かったかなどはどうでもよい、しかし、あなたは仲直りをしないといけない、でないと、あなたが死んだときに彼女を許していなかったということで、あなた自身が苦しむことになると、誠意をこめていったので、Jo Annは居直って、それはどういうこと、彼女はもう死んでしまったのに、どうしてわたしが苦しまねばならないのと応えた。Elizabethは応えた、もし、あなたが彼女を許してあげなければ、あなたはUnconditional Love“無条件に愛すること” を学ばなかったことになる。この地上での大事なLessonのひとつはそれを学ぶことにある。わたし達は誰もUnconditional Love無条件の愛 をまなぶためにこの地上に居る。あなたは、あなたを傷つけた人たちを、あなたが死ぬ前に許してあげなければならない。それが、あなたのまだ終わっていない仕事だUnfinished businessJo Annはまだ屈していなかった。どうして、死んでしまった人間を許せるの、それに本当に彼女はいやらしい人間だったのだから、さらに、彼女の子供たちが彼女を火葬にして、灰をどこにまいたかもわからないのだから。聞いていた参加者たちは、クスクス笑って彼女に同意しているようであった。ところが、それがかえってElizabethをたくましくさせているようで、No, あなたはわかっていない、お聞きなさい、今朝、わたしがMumChrysanthemum)菊 をこのCenterの庭に植えたから、それをとって、どこででもいいから彼女を許してあげなさい、彼女には聞こえるから。Jo Annが何か言い返す前に、Elizabethは、OhMumではToo Niceかもね、それなら、わたしのFarmにいって、なにかWild flowersをみつければいいでしょう。ともかく、すぐに実行しなさい。そして、彼女はElizabethから解放された。Jo Annも、この会話が終わってほっとした。その夜、Jo AnnElizabethが言ったこと、彼女のMean Mother-in-lawのことを考え続けた。そして、もうこのMother-in-lawが自分を傷つけることはない、ここでけりをつけるのもいいかもしれないと決心した。朝の5時、Workshopの最後の日であったが、もうそれには参加しないで、ElizabethFarmがある方向へ歩き出した。Farmでは、彼女の気に入るWildflowersが見つからなかったが、そのかわりに黒い、とげのある、枯れた花が流れのほとりにあるのを見つけ、これだと喜んだ。Centerに向かって帰る途中、そのDried-up Flowersを調べたところ、幹にたくさんのとげがあり、そのひとつひとつが、彼女が傷つけられた頻度を象徴しているように思われた。彼女は車のトランクにこわさないように入れた。家に着くと、亡き夫の墓をおとずれ、夫も自分と同様母親に苦しめられたのであるが、Jo Annにとっては彼しかコンタクトがないので、夫の墓の前で、いかに彼女がMother-in-lawのせいで苦しんだかを全部吐露して、最後に、Mother-in-lawに対して、何があなたをそんなに惨めな人間にしたのか、わたしにはわからない、しかし、突然、私はあなたがかわいそうでたまらなくなった。あなたは、そんなに悲しい人生を送ったのだね。そして、私は彼女を思って泣いた。お墓からドライブしていると、わたしは彼女が後ろの座席に居るような気がした。ブレーキを押して、あちこち見回したが、なにもなかった。だが、私は、背中から重いコートを取り去ったような感じがした。何週間か経って、重いコートを取り去ったように感じたのは、自分が運んでいたMother-in-lawを取り去ったということであったとわかった。それはNegativeなさまざまな感情のこもったものであったが、それが取り払われたわけであった。今や、私はFreeなのだ。

 このほかにもたくさん紹介したい話が載っているが、これでやめる。興味を持った人は、ぜひ一読されたい。

 ひとつだけ、加えておく。Dianne Arcangelはアメリカでもっとも有名なLiving Medium “George Anderson” に会う機会があった。一度だけでなく、何度も一緒に仕事をすることにもなった。はじめての出会いで、AndersonDianneのさまざまな関係について、彼がMediumとしてCatchした情報をつたえた。ひとつだけ、どうしても納得できない情報があったが、そのあとで、彼がHelenといったために、Dianneにはわからなかったが、彼女の母親の友人でHelenというのが居たことがわかり、DianneLast Nameしか知らなかったために気がつかなかったということであった。Dianne ArcangelMediumの多くは役者というか本当のサイキックではなく、インチキが多いということを知っていて、それを暴くのを楽しんでいたようだが、George Andersonに会って、丁度、William Jamesが100年前にGenuine Psychic, Medium Mrs. Piperを見つけたように、本物は居り、霊界に接することができるとわかったようであった。George AndersonDianneにいくつかの予言を行った、娘がもうすぐ結婚するとか、子供が生まれるが、それまでに、ひどい苦しみを味わうとか、しかし、子供も母親も無事に生きるとか・・・ Dianneは娘の結婚予定など知らなかったから、これは、はずれだとかと思っていたが、彼が何気なく告げた予想はすべて、まさにそのとおりになった。彼はさらにDianne ArcangelPublishingその他でMulti-Millionaireになるだろうと告げたが、それだけはまだ実現していないと書いてあったが、それから十年以上たち、今や彼女の名前はその筋では世界的に知られるようになり、世界中をあちこち忙しく駆け回っている状態で、もうMillionaireの予言も達成しているかもしれない。

このGeorge Andersonがいろいろな予言を正確におこなえたということは、まさにAkashic RecordというものがVibrationalな世界に実在し、それにコンタクトできるものは、その秘密を覗き見ることができるのかもしれないと感じさせる。Edgar CayceTrance状態で、診断から予言まで行えたというのも、そういうことかもしれない。

ともかく、この「Afterlife Encounters」はなかなか面白い、有益な本であった。私は多分、今日中に読み終わるだろう。まだ途中で、感想・紹介文を書いた次第である。

村田茂太郎 2014年3月30日


No comments:

Post a Comment