「心霊現象の科学」をめぐってーその96 Bob Olson“Answers about the Afterlife”を読む その1
2014年4月に出版された本で、240ページほど。大学では犯罪学を専攻した人らしいが、1997年に父親が肺がんで亡くなってからSpiritualな問題に関心を抱き始め、今ではLife after Deathに関する領域の研究に入って15年。Internetその他で、自分の研究成果―Afterlifeに関して一般の人を教育することを主な仕事としているらしい。AfterlifeTV.comのHostを勤めているとか。いくつかのWeb siteでBest Psychic Mediums などを一般大衆に紹介もしているようである。
これはAfterlifeに関するいろいろな現象を上手にまとめた本で、一問一答式に、考えられる、一般の人が抱く疑問を列挙して、それに回答するかたちでAfterlifeの諸相を展開している。わたしもこれはコンサイスにまとめられたよい入門書だと判断し、まだ読了する前から、アマゾンにもう一冊オーダーした。誰にでもあげられるようにというつもりであるが、なにしろ英語の本なので、躊躇する。今年、以前の会社の同僚・先輩が急に亡くなり、慰めの言葉もなく、メモリアル・サービスの瞬間では、わたしのAfterlifeに関する知識を提供する時間もなかったので、用意したGuggenheimsの「Hello From Heaven」を差し上げるだけに終わった。この本はすでにこのブログでも紹介したように(心霊現象の科学ーその77)、ADC After Death Communication を扱った本で、一般の人が何らかの形でSpiritがコンタクトしてきていると感じたケースを沢山集めて種類分けしたもので、とてもすばらしく、英語の読める人には原書で読んでもらえればと思った次第であった。日本語にも訳されているらしいが(「生きがいのメッセージ」)、抄訳で、Reviewによると大事な部分が抜けているということなので、やはり英語で読んでもらいたい本である。このほうも、さらに3冊ほど余分に買って、いつでも人にあげられるように準備はしてあるが、なにぶんにも英語なので、誰にでも、というわけに行かない。このGuggenheimの本は、一般の人が、亡き人からのコンタクトを感じたケースをあつめたもので、Mediumとかサイキックとか特別の能力を持った人でなく、普通の人でもこういう異常事態(愛する人が亡くなる)には何かを感じるということを証明したものでもある。ふるくは19世紀末のPhantasms of Living とか Human Personality and
Survival of Bodily Deathなどという古典的名著で紹介されたりしているが、当時は科学界も保守的で、今ほど一般に親しまれる段階ではなかった。
わたしが読み出して一番気に入ったところは、最初の部分で、序文のあと、Page15にPart One-Big Pictures Answers とかで、この本を理解するのに役立つ基本情報をまとめて展開してある、その冒頭―What is the Purpose of Life from the soul’s perspective? 魂の視点から見たLife人生の目的とは何か?と問い、人生の意味は何か、人生の目的とは何かと、誰もが問いかけるが、納得のいく回答を得られないまま人生を過ごしていくのが人間であるということを踏まえたうえで、彼Olsonは自分の回答を与えている。
彼によれば、Meaning (or Purpose) of life is to
have experiences。人生の意味とか目的とかはなにかと問われれば、それは「経験をすることだ」というのが回答だということになる。
わたしはこの答えを見て、なるほどと感心した。人間はどこから来てどこへ行くのかとか、何で生きているのか、人生の目的は何か、人生に意味はあるのか、などいろいろな疑問が、人類始まって以来人間の頭脳にわきあがってきて、幾多の賢者・哲学者・思想家、聖者が自分の考えを述べてきた。
最近のサイキック・サイエンス、心霊現象の科学の発展、展開は、どうやら生物は死んで無になるのではなく、肉体を持った存在から、違ったエネルギー次元の存在に移行するらしいという解釈が一般化してきている。DeathとかDeadとかはあいまいな表現で、Transition移行というのがそのエネルギー変化を表現するのにふさわしいといわれ始めている。
そして、無でなく、霊界に移行したときどのような経験するのかというのが既に過去にはTibetan book of the Dead などで展開されたことであり、最近は各種のサイキック、Mediumが研究結果を発表している。(Afterlife Interviews I & II という素晴らしい本があり、いずれこのブログで紹介するつもりである、Jeffrey A. Marks)。
霊界Spiritsの世界、Soulの世界に移行すると、この地上の生命体との決定的な違いは肉体をもたないということである。 Spiritsの世界、霊界ではUnconditional Loveとか慈愛に満ちたエネルギー世界が展開しているらしいが、肉体をもたないため、人間がこの地上で体験するさまざま苦悩、苦痛、悲哀、畏怖、期待、歓喜、快楽、憎悪、恐怖、などの人間的現象を体験することがほとんど不可能である。そして人間の魂はこうしたさまざまな人間的苦悩、悲哀、歓喜、恐怖などを体験する中で、人間的にめざましく成長していく。一度の人生ではすべてが味わえないので、また生まれ変わって、Reincarnation転生して、さらに学び続けるということをくりかえす。つまり、人間は苦痛であれ、歓喜であれ、悲哀であれ、すべて体験することによって成長していく。体験、経験!これが人生の目的だ というのが15年ほどAfterlifeを研究したBob Olsonの見出した結論であり、わたしもやはりそういうことかもしれないと思う。
そうすると、突然の死にであって体験する苦悩、悲哀もその自分の体験の一部であり、それによって自分のSoulが成長するということだとわかる。自殺に出遭って苦悩し、悲しむのも、いわば予定された学習過程であったということになる。自殺は自殺者よりも、あとに残されたものに苦痛を残し、そのことによって自殺したものの魂も自分の行った行為の生んだ結果に驚き、学んでゆくことになる。人生に無駄はない。すべては体験となり、魂の一部となって肉化されてゆく。これが人生だということかもしれない。
この本の中身の紹介は 次回に。
村田茂太郎 2014年12月29日
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