Nicholas Sparks 「The Last Song」を読む
最近、Nicholas Sparksの読んでいなかった本をAmazonにオーダーして、届いたものから読んでいるが、The Last Songをつい最近読み終わった。
これについては、映画のほうを先に見て、特に感銘を受けなかったため、後回しにしていたが、今ようやく読み終わり、まあ、Goodといえる内容であるとわかった。それで、今度は、映画はどう作成されていたかに興味がわき、同じアマゾンでDVDをほかのSparks作品で映画化されたものと一緒にオーダーした。本を読んで映画を見ると、どのようにシナリオ・ライターが作品のエッセンスを摘出しているか、どう短時間で物語のスピリットをつかんでいるかに興味がわくわけで、その点、The Notebook や A Walk To Remember などは、上手に映画化されていたと思う。展開はどちらもかなり違っていたが。
この本も、最初の部分は通俗的で、魅力を感じなかったが、父親の、子供に対する愛情の表現がなかなか魅力的で、興味を持ち出して、読むようになり、半分が過ぎるころには熱中して、その日のうちに読み終えることになった。
この小説もSoul Mateの出会いの物語であった。
New Yorkから弟Jonahと一緒に、父親Steveの住むNorth Carolinaの海際の住処に、父親と一緒にひと夏をすごしにきた高校卒業したばかりの主人公の女性Veronica “Ronnie” Millerと地元North Carolinaの、これも高校卒業したばかりの魅力的な若者Will Blakeleeとが、お互いがSoul Mateであると発見する物語で、一件落着するまでに、町の不良Marcusとのやりとりや、万引きの疑いをかけられて裁判沙汰になる話が伏線となっている。問題は反抗期の若者らしさを発揮して、父親に反発している主人公の女性Ronnieがなぜそうなのかが、よくわからなかったが、結局、3年前に父親が家族を置いて別れていったことに対する怒りが原因であったことがわかる。
娘はそのうち父親の穏やかな愛情を発見して、自分の身勝手で父をうらんでいたことを知り、同時に、父親が余命いくばくもない末期がん患者であることを発見する。
娘は何事に対しても反抗的だが、海際にやってくる絶滅品種の海がめの卵を浜辺に見つけて、それを保護する努力をする。その過程で地元の魅力的な若者と深く知り合うわけで、知れば知るほどお互いに今までに出遭っただれよりも人間的に魅力に富んだ人物であることを発見していく。
若者は地方の有力な、金持ちの息子であり、たまたま彼に連れられて豪邸を訪問して出会った母親は娘を相手にしない。しかし、二人はますます愛し合い、ただ、貧富の差と遠隔地での交友の難しさを気にするばかりである。
彼の希望で若者Willの姉Meganの結婚式に参加したわけだが、不良の男性のせいで騒動に巻き込まれ、その騒動の元凶のように母親はとってしまう。もう、せっかく見つけたSoul Mateだがこれで終わりだと思っていると、結婚したばかりの恋人の姉Meganが彼女を訪問し、彼に対する彼女の愛を確認し、彼女をサポートする。
そうこうするうちに、万引きの疑惑も晴れ、テネシーの大学にいっていた若者は、うまくNew Yorkに住む彼女の近くにすめるよう、大学をColumbiaにTransferすることに成功する。
最初はすぐにでもNew Yorkに帰りたいとおもっていた娘は、恋人もでき、父親に対する誤解も解け、とても刺激的な生活を楽しんでいたが、とうとう父親が喀血して末期がん患者であったことを発見。絶望にくれるが、おだやかに父と家で密度の高い生活をするようになる。何かできることはないかと悩んでいて、父親が最後の作品に没頭していたことを思い出し、彼女のほうが作曲の才に恵まれていて、どこがまちがっているかわかり、ピアノ曲を完成させる。The Last Songを完成して父親にきかせる。父親は元Juilliard音楽院のピアノ教師をしていたことがあり、彼女もカーネギー・ホールで演奏したことがあるほどだったが、彼女Ronnieにとって、父親がなぜか理由もわからずに子供をほうって一人で過ごすようになったので、父をうらんで、ピアノを放棄していたわけだが、どうやら父親が悪かったのではなく、母親のほうがおかしかったとわかってくる。父親があるとき偶然に妻が別の男と親しく会っている場面を目撃して、騒ぎ立てるかわりに自分から去っていくということにした結果、離婚、そして子供たちとも別れることになり、それをうらんで3年間、娘は父と断絶して、今回の父親訪問もいやいやで、すぐにでもNew Yorkに変えるつもりであった。どうやら、ガンの末期状態で余命いくばくもないと知った父親はNew Yorkの母親に連絡して、最後の夏を子供たちと過ごしたいといったことから、このNorth Carolinaの海岸での夏季休暇を過ごすことになったのであった。彼は二人の子供を本当に愛していて、娘が反抗的に無理を言っても、それをきいてやり、娘のほうは、はじめはそれをなんとも思っていなかったが、真相を知ると娘は母親よりも父のほうが自分たちを本当に愛してくれていたことを知り、感激し、反省し、New Yorkにかえるのをやめて最後まで父親の面倒を見ることにしたわけであった。
一方、この魅力的な男性Willは子供のころに自分の過失で弟を亡くすというくらい過去をもつ。母親が運転する車が、自動車事故になって湖にとびこんで沈むところを助けたのが友達のひとりScottで、そのために彼は負い目を持ち、どうやら何か大事な秘密を秘めたままでいるようである。教会が焼け、いろいろな不審な事件がおこって、その秘密の一端を暴露できず、逆に不良から悪用されて、弱みとなっていたが、不良の相棒の女性Blaze Galadrielをふたりの若者が助け出したことから、秘密があきらかにされ、実は教会の火事もかれらのせいではなくて、この不良のせいであったとわかり、万引きの裁判のほうも、それを行った犯人Blazeが訴えでて、彼女は裁判沙汰から解放される。すべてはうまく片付き、父親とも最後のSongを完成して満足し、父親は亡くなる。葬式の日にテネシーの大学から訪問してきた恋人に会い、お互いの愛を確認する。
ということで、最初の部分でもたもたした感じのこのLove Storyも終わりに行くほど、立派なLove Storyとなり、最後には父親と娘の愛情が貫徹され、娘と恋人の関係もPositiveになったところでこの小説は終わっている。
Sea Turtleの卵から孵化までの保護を上手にストーリの展開に取り入れたLove Storyで、映画でもこの亀が孵化するまでのシーンは大事な要素となっていた。
DVDが届いたら、映画を見て、またもう一度読み返すことになりそうだ。今はストーリーも知っているので、安心して読めそうだ。
村田茂太郎 2014年12月16日
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