「心霊現象の科学」をめぐってーその74「Your
Soul’s Plan」Robert
Schwartzを読む
これは、ある意味では驚嘆すべき本である。私の人生は私が生まれる前に自分でほかのSpiritガイドたちと相談して選んだものである、つまり、すべての人間は自分が選んで生まれてきた人生をいきることになるという話であり、その具体例を例証しながら、そのアイデアを展開したものである。
面白いが、本当なのかしらと信じられないような気がする。だが、もしかして、そうかもしれないとも思い、自分の人生をふりかえってみることになる。
こういうアイデアがうまれるということは、前提として、人間は死んでも魂は生きていて、霊界、あの世で、つぎに生まれ変わるのを待っているということなので、霊魂不滅、輪廻転生を前提として成立するアイデアであり、理論であり、また、もしかして実証例であるということになる。Life
after Death, Life before Life, Reincarnation などは、もう当然の前提となって展開される議論である。19世紀末、あの世があるのかという問題以前の、テレパシーがあるのかないのかで大騒動していた時代からは、まさに隔世の感がある。
具体的にはいろいろな問題を含んだ人生を送ることになった人の魂をMedium特殊な技能を持った霊媒が、そのSoulと周辺にいる霊界の関係者(Angel, Spirit Guide?)から情報を探り出すというものであり、それを本人と分析しあって、納得するという話であるが、確かに、この本を読んだ後では、周りの人間を見る目がかわるほどの問題を含んでいる。ある意味では非常に意義深い本である。
Drug
Addict, Alcoholic, Handicapped People, Deafness, Blindness, 持病、Death, Accident などを持った本人と心理療法を実施し、Mediumがその本人の魂と接触して、本人が生まれる前にSpirit WorldでSpirit Guidesと相談して、いわゆるPre-Natal Planをしたこと、そして納得した上で、生まれてきたということがわかるわけである。
したがって、Handicappedの人、Homeless, 事故で悲惨な目にあった人、Blindで生まれてきた人、あるいはBlindになったひと、ドラッグ中毒になった人、アル中になったひと、それぞれが、自分の魂の発展のために、自分の意思で選んで生きているという話である。
具体的な例として、本題に入る前に、Prologueがあって、Christinaという20歳の女性の話が示されている。この女性については、終りのほうで、どうなったのかの事後の展開がなされている。1969年2月25日にある大学の事務アシスタントをしていたChristinaが地下のMailboxにMailのPick upに行って、Pick upした途端、Bombが破裂したということで、即死にならなかったが、重症を負った。(顔が焼け、鼓膜が破れ、目も見えなくなり、指も何本かなくし・・・という重態)。これはメール爆弾で有名になったUnabomberのケースなどが現れる前の話である。
この女性は、結局生きながらえて、人生をかえ、最終的には勉強しなおして、Ph.D.をとるという、信じられないような、たくましい精神力を持った女性となるのであるが、その彼女が爆弾をしかけた男をうらんでいないというだけでなく、彼のために祈るという博愛の精神を持った人間に成長するわけで、では、それは前世できめられていたことなのかというのが、このYour
Soul’s PlanをめぐってMediumのヘルプで解明しようとすることなのである。
ここに非常に異常な能力を持ったMediumが登場するわけで、それがまた驚くべき情報を提示する。つまり、その本人の今のSpiritの状態だけでなく、彼女が生まれる前に、彼女のSpirit Guidesたちと次の人生をどのように生き、何を学べるのかということを検討した上で、生まれてきた、つまり、この場合、Christinaはいつか爆弾か何かにあって、大変な重症を負うが生き延びて、その教訓から貴重な魂の展開がなされるということを事前に知り、了解した上で、この今の人生を選んだというわけである。
詳細を展開すると、また版権などが問題になると困るので、この程度の紹介でとめておく。
そこで、Handicappedの人などは特にSoul魂はOldで、Wiseで、片言しかしゃべれないように見えても、その人の魂はPureですべてを見ている。ただ、そういう苦しいHandicappedの状態にいることによって、自分も学び、その人を世話する人や関係してくる人もすべて何かを学ぶことになるという話で、確かにそういわれれば、そうかもしれないと思う。
私は、Medium Cheryl Booth の自伝「Johnny Angel is my Brother」という本を読んだ。彼女の弟がHandicappedで生まれてきて、言葉もあまりしゃべれない。けれども、親もCherylも本当に愛し、かわいがるので、はじめてHandicappedの人が持つ魂の美しさというものについて、おくればせながら私も学んだ次第であった。言葉はあまりしゃべれなくても、きわめて老成した魂が宿っていて、すべてを理解しているという印象をCherylはもったようであり、わたしもそうかもしれないと思うようになり、町でHandicappedのひとをみかけても、今までとは違う見方をするようになった。
この本の著者も書いているが、たとえば、Homeless家をなくした人々も、もしかして、さらなる人生の体験を深めるために、魂の成長を目指して、そういう生き方を選んでいるのかもしれない、そして、そういう人に接するわれわれが、どのように対応するかでも、われわれの魂の成長に影響を与えているのかもしれないと感じることになる。つまり、世の中にあらわれているすべてに対して自分の見方がかわるようになる。
そういう意味で、この本はなかなか教訓的で、ある意味ではおそろしい本である。
私自身をふりかえってみても、いろいろ問題があったりして、この特殊技能をもったMediumに一度相談して、わたしの生まれる前の自分のSoulのPlanがどういうものであったのか、確認したいと思ったりする。それで、Internetでしらべてみたら、この本のおかげで有名になったためか、アリゾナに住むMediumは、2時間ほどのSessionをもつのに、千ドルほど、あるいは2千ドルほどかかるとかで、とても無理だとわかった。いつか宝くじでも当てたら、チャンスはくるであろう。ただし、買いもしない宝くじでは、はじめから当たるはずも無いのであるが。
ともかく、それなりに問題を含んだ、面白い本であった。自分でAIDS患者になることをえらんで生まれてきた人もいるようで、本当に、世間を見る目がかわるのは確かである。
村田茂太郎 2014年1月29日
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